情報<NO.44>
みんながパソコン大王 |
総 合 | 目 録 | 趣意書 |
表題一覧表 |
NO | 表題 | 起稿 | 起稿日 |
情報NO.45 | |||
676 | 「Windows 7、最新CPUでは来夏でサポート終了」、波紋呼ぶMSの方針変更(ITpro) | 磯津千由紀 | 16/04/05 |
675 | PC OnlineはITpro PCに生まれ変わります(PC Online) | 磯津千由紀 | 16/03/23 |
674 | 8インチ(WUXGA)液晶、SIMフリーのタブレット NEC Lavie Tab Sが28800円 | 磯津千由紀 | 16/03/15 |
673 | 囲碁:人工知能、トップ棋士破る 第1戦(毎日新聞) | 磯津千由紀 | 16/03/10 |
672 | freetelのSIMフリースマホ(4000mAhバッテリー搭載)が16980円 | 磯津千由紀 | 16/03/09 |
671 | 東芝、CDラジカセ復活 | 磯津千由紀 | 16/03/08 |
情報NO.43 |
NO.671 東芝、CDラジカセ復活<起稿 磯津千由紀>(16/03/08)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/08 (Tue) 21:39
こんばんは。
大手メーカはコンパクトカセットテープレコーダから一旦撤退しましたが、先日、東芝のTY-CK2が売られていました。
掛川市のホームセンタでは6480円でした。
<参考=「CDラジオカセットレコーダー」(TOSHIBA)>
<消滅・22/10/22>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/09 (Wed) 00:34
<副題=ソニーのディクテータ/トランスクライバのBI-85も再び入手可に>
こんばんは。
そういえば、ソニーの口述録音機/テープ起こし機のBI-85が逆輸入で入手可になってます(表記は並行輸入となってますが、正規輸入はされてない筈)。現在、136124円。
<参考=「Sony Bi-85 Bi85 Standard Cassette Transcription Transcribing Transcriber
Machine by Sony [並行輸入品]」(アマゾンマーケットプレイス)>
<消滅・24/02/11>
因みに、国内で販売されていた品、古いせいか次々と故障するので、私は6台を入手しました。
NO.672 freetelのSIMフリースマホ(4000mAhバッテリー搭載)が16980円<起稿 磯津千由紀>(16/03/09)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/09 (Wed) 11:43
こんにちは。
バッテリーが一般的なスマホの約2倍持つそうです。
<参考1=「freetel ★限定特価★FTJ152B-Priori3S-WH [FREETEL Priori3S LTE パールホワイト]」(e-Trend)>
<参考2=「freetel ★限定特価★FTJ152B-Priori3S-BK [FREETEL Priori3S LTE マットブラック]」(e-Trend)>
<販売終了・消滅・18/02/01>
<参考3=「freetel ★限定特価★FTJ152B-Priori3S-NV [FREETEL Priori3S LTE ネイビー]」(e-Trend)>
<販売終了・消滅・18/01/31>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/09 (Wed) 13:27
追伸です。
500円で1年間の「ワンコインあんしん保証パック」を付けられます。
<参考=「イートレンドあんしん保証パック」(e-TREND)>
NO.673 囲碁:人工知能、トップ棋士破る 第1戦(毎日新聞)<起稿 磯津千由紀>(16/03/10)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/10 (Thu) 00:19
こんばんは。
私は3年前にこう書きました。
> 因みに、将棋よりも遥かに難しいコンピュータ囲碁の世界について。
> コンピュータ囲碁の権威の知人(働きすぎて精神的に病気になってF研究所を退職、その後に東大の博士課程に入ってコンピュータ囲碁を研究、その昔に彼がコンピュータ将棋(囲碁ではない)に取り組み始めたのを見たのは1976年ごろだったか)から3月末に聞いた情報では、彼のソフトウェアは「四目おけば名人に勝てる、アマ7段ぐらいのレベル」とのこと。矢張り、開発者自身に囲碁の腕が要求されない手法を開発したことで、急速に強くなったという。
2年前にはこう書きました。
> 2月11日のNHKニュースウォッチ9で、取り上げられました。
> 今現在、Zenが世界最強の由。
> プロに勝てるものを作るには20年は掛かるだろうが、そのころには知人は80歳になるので、(自分の目で見届けるには)ギリギリと思うとのこと。
<参考1=情報NO.270 プロ棋士脅かすコンピューター将棋 成長著しく(日経)>
しかし、今回の毎日新聞記事によれば、Xデイは、大幅に早まりそうです。
> 【ソウル米村耕一】英国の人工知能(AI)開発ベンチャー企業「ディープマインド」の囲碁ソフト「アルファ碁」と、韓国のプロ棋士で世界トップレベルの実力を持つ李世※(イ・セドル)九段との五番勝負の第1局が9日、ソウル市内のホテルで行われ、アルファ碁が勝利した。
> 一般的に囲碁は展開が複雑で、将棋やチェスに比べて人工知能がトップレベルの棋士に勝つのは困難とされる。しかし、米グーグル傘下のディープマインドは昨年10月、2013〜15年の欧州チャンピオンで中国出身のファン・フイ氏に5戦全勝。今回は、さらに水準の高い李九段と対局することになり、国際的に注目されている。
> アルファ碁には実力者を模倣し、さらに対局相手からも学習しながら能力を高めていく新しいプログラミング技術が取り入れられているという。李九段は対局後の会見で「負けるとは思わなかったので、とても驚いた。今回は序盤でのミスが最後まで響いた」と語った。
> 15日までの計5戦で勝ち越した側には、賞金100万ドル(約1億1240万円)が贈られる。
> ※は石の下に乙
<参考2=「囲碁:人工知能、トップ棋士破る 第1戦」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/10 (Thu) 00:26
<副題=囲碁:驚天動地の完勝 人工知能、トップ棋士を撃破(毎日新聞)>
こんばんは。
上記記事の関連記事です。
> まだ1局目であるが、驚天動地のことが起こってしまった。「プロ棋士に対等の条件で勝った」という衝撃のニュースから約半年。グーグルが開発した囲碁ソフト「アルファ碁」は世界トップの一人に数えられる李世※九段を「完勝」とも言える内容で破ってしまったからだ。
> 昨年10月の段階で、「アルファ碁」が英国で負かした相手の実力は「プロ」とはいえ、アマチュアトップ級だった。そのままなら、李九段の敵ではないと、世界の囲碁界をけん引する日中韓のプロ棋士たちは見ていた。ところがである。「アルファ碁」は一日も休むことなくデータを積み重ね、棋力を着実に上げていた。その部分がベールに包まれていただけに「ひょっとすると……」との悪い予感が、私にはあった。
> ふたを開けてみると、「アルファ碁」は序盤から李九段と対等に打ち進め、互角の形勢。中盤戦、盤面右辺で強手を放って局面の主導権を握ると、李の緩着もあり、一気に優位に立った。計算の分野となる終盤に入ってからは、コンピューターらしく万全の打ち回しで李を投了(負けを宣言すること)に追い込んだ。
> 李はこれまで世界戦、韓国国内戦の優勝は数知れず、先週の国際戦でも日本のエース、井山裕太6冠を破っている。私の取材に対し、井山6冠は「びっくりしました。とりあえず1局目ではありますが、これだけ打てるとはすごい」と語った。
> しかし、これで本シリーズが終わったわけではない。残り4局で李がどんな戦いぶりを見せるのか。人間の知恵が試されている。【編集委員・金沢盛栄】
> ※は石の下に乙
<参考=「囲碁:驚天動地の完勝 人工知能、トップ棋士を撃破」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/10 (Thu) 15:47
こんにちは。
私のメーリングリストへのポストの「しかし、今回の毎日新聞記事によれば、Xデイは、大幅に早まりそうです。」に対して、Zen開発者の加藤英樹氏より以下のレスがありました。
********** 以下引用 **********
私は今でも 10年以上掛かるという意見です.
#20年が 10年以上に変わった位.
今回の敗因は,主にセドルが AlphaGo を舐めてたことが原因で,モンテ
カルロ碁が使っている MCTS という枠組みの原理的な限界(複雑な攻め
合いは正しく解けない,両劫は認識できないなど)は DCNN では解消し
ないからです.
DCNN は序盤を大幅に改善します.また,MCTS は全局的な評価という点
では人間を凌駕している面があります.しかし,静的なパターン知識で
あるが故の限界があります.当然ながら囲碁の全局面を学習することは
(量的に)不可能ですから,対応できない局面に対しては(ランダム)
シミュレーションの力を借りる必要があります.このシミュレーション
が正しく解ける局面は限定されます.今回の様な素直な(シンプルな)
局面の場合はかなり正確な勝率が得られますが,複雑になると手に負え
なくなります.また,両劫は認識できません.優勢なら譲って勝つこと
もありますが,ほとんどの場合劫立てを打ち続けて自滅します.
また他の要因として,特にプロはプロであるが故に,手の評価というも
のが体に染みついており,その結果ソフトの手を過小評価して自分が優
勢だと誤認します (数えてみたらまだ負けてた,となる).特に初めての
対局では(経験的には強い人ほど)この罠にハマります.
加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/12 (Sat) 09:25
<副題=囲碁:AIに人間連敗…韓国落胆「公正性に問題」とも(毎日新聞)>
おはようございます。
加藤氏の言にも拘わらず、第2戦も電算機の勝ちでした。
セドル氏が残り3戦を全勝しないと、人間の負けになります。
> 人工知能(AI)の囲碁ソフト「アルファ碁」と対戦した世界トップクラスの韓国人プロ棋士、李世ドル九段が2連敗したことに韓国囲碁界が落胆している。
> 李氏勝利による囲碁人気の向上を期待していただけに、韓国棋院幹部は11日「対局には公正性に問題がある」と不満を吐露した。
> 開始前は「世紀の対局」などと興味津々だった韓国メディアも、アルファ碁の圧倒的な強さを目の当たりにして一変。AIの進化で雇用が失われたり、人間がAIに支配されたりする時代が訪れるのではないかと懸念する暗いトーンの記事が目立ち始めた。(共同)
<参考=「囲碁:AIに人間連敗…韓国落胆「公正性に問題」とも」(毎日新聞)>
<消滅・16/04/01>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/12 (Sat) 15:47
こんにちは。
今朝10時に加藤英樹氏から来た電子メールです。
> セドルがやっと本気になって,一昨日の夜,仲間と攻略方法を研究したそうです.遅きに失した感はあるけれど,これでどうなるか...
> 加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/12 (Sat) 18:25
<副題=囲碁:人工知能のソフトが3勝目 トッププロに勝ち越し(毎日新聞)>
こんばんは。
AlphaGoが5戦中3戦を制し、ストレート勝ちしました。
> 米グーグル傘下の「ディープマインド」が開発した人工知能(AI)の囲碁ソフト「アルファ碁」と世界トップクラスの韓国人プロ棋士、李世※(イ・セドル)九段による5回戦の第3戦が12日、ソウルで行われ、アルファ碁が3勝目を挙げて勝ち越しを決めた。
※は石の下に乙
<参考=「囲碁・人工知能のソフトが3勝目 トッププロに勝ち越し」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/12 (Sat) 18:40
こんばんは。
> 電算機の3連勝、歴史的出来事でしょうか。
歴史的なのは間違いない.DCNN の性能は予測を大きく上回ってた(し,
人間の大局観は,トッププロと言えども以外に凄くないことも分かっ
た).
でも技術面の課題が全部解決したわけではない.DCNN を使うことで,大
局観に関してはトッププロを凌駕するものが作れることが実証されたけ
れど,消費電力が半端ない(3 kW × 25台位)というのは工学的には大
きな問題.この性能は普通の家数十軒分の電力を使って実現されている
ので,応用分野はかなり限定される.それに,大局観以外にも解決して
ない問題はいくつも残ってる.
加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/13 (Sun) 11:01
<副題=囲碁の人工知能、従来のAIと何が違う? 直感学び進化(朝日新聞)>
こんにちは。
加藤英樹氏の説明は難しいですので、朝日新聞の解説をば。
> 囲碁の人工知能(AI)が、世界最強棋士の一人を相手に3連勝と強さを見せつけた。囲碁は碁石を置く点が多く、数あるゲームの中でも複雑で直感も必要とされてきた。「勝利は当分先」と言われたAIは、急速に実力をつけた。その特徴は、様々な棋譜を読んで「自ら学習する力」だ。
> 井山名人「こんなに早く、ショック」 囲碁AIに脱帽⇒
> 囲碁AI、韓国棋士に3連勝で勝ち越し 世界最強の一人⇒
> 「我々には自信があった」 囲碁AI開発社CEOに聞く⇒
> 特集:アルファ碁⇒
> 「インターネットから10万の棋譜を入力し、自己対局を3千万回やって学習した」
> 今回、イ・セドル九段との対局を制したAI「アルファ碁」を開発した英グーグル・ディープマインド社のデミス・ハサビスCEOは11日、韓国・大田で講演し、アルファ碁の実力向上をこう振り返った。
> 1997年にチェスの世界王者を破ったIBMのコンピューター「ディープブルー」との違いも語った。「ディープブルーは膨大な情報を処理したが、アルファ碁は選択した少数の情報だけを処理している。人間が直感で状況判断するように」
> AIにはこれまで、コンピューターの計算性能の向上を生かした「力業」で、先を読む方法が使われてきた。ある局面から終局までの手を多数計算し、勝率が高い手を選ぶ。だが、囲碁は終局までの手順が多く、計算が追いつかない。終局までの手順はチェスの10の120乗、将棋の10の220乗に対し、囲碁は10の360乗通りと言われる。
> アルファ碁は局面を読むのに、画像認識などで近年注目が集まる「ディープラーニング」という手法を使う。認識に必要な特徴を人が教えるのでなく、自ら気づくことができる。脳の神経回路網のように、数多くの分岐点をもつネットワークで認識する。各局面での勝率を予測したり、次の手を決定したりする。
> そして、局面に応じた最善の手を探る。そのために有段者らの過去の棋譜から打ち方を学び、さらにこのデータを使って自分同士で対戦してみることで知識を深めてきた。「強化学習」と呼ばれる手法で、囲碁の手順の多さを克服した。グーグルはこの可能性に注目し、技術を持つ英ディープマインド社を14年に買収した。
> アルファ碁の研究チームは今年1月の英科学誌ネイチャーで、中国の団体所属のプロ二段への勝利を発表。「勝つのは少なくとも10年後と言われていた」と成果を誇り、世界の研究者が驚いた。
> コンピュータ囲碁フォーラム会長の松原仁・公立はこだて未来大教授は「プロでも意図が分からない手を打っていた。囲碁でも人間を超えたと判断せざるをえない。人工知能にとっての有効な学習方法が示されたインパクトは大きい」と評価する。
> 乗用車の自動運転など、AI技術の開発には多くの企業や研究者が力を注ぐ。可能性は未知数だが、手法次第で困難を克服できる可能性があることが今回の勝利で示されたことになる。東京大の松尾豊特任准教授は「短期間ですさまじいレベルアップを成し遂げた。今回の勝負の結果は、人工知能の学習能力の高さを改めて感じさせる結果だった。人間のように、複雑な行動を予測したり適切な段取りを決めたりして行動できる、人工知能の開発がさらに進む可能性がある」と話している。
> 人工知能については、多くの仕事が奪われる、人間を超える知能を持った機械が人類を脅かす、などと懸念する声もある。ハサビス氏は「ゲームは制限された環境で行われるもの。人間に取って代わる水準になるには相当な時間がかかる」としたうえで、人工知能は「倫理的に使われることが望ましい。技術は中立的だが、我々がどう使うかによって変わる」と語っている。(山崎啓介)
> ■接客や車に広がる活用
> スマートフォンの音声応答機能やインターネットの検索エンジンから、工場での機械の制御、販売現場での人の流れの調査まで、AIは身近な場面で使われるようになった。企業や研究者は、アルファ碁のように経験を積み重ねる「学習するAI」の開発に力を入れている。
> 「また来てくれたんですね。前に買ったスマホケースはどうでしたか」
> お店で客に声をかけるソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」も、「学習するAI」を使った接客ロボットだ。今秋、マイクロソフトのシステムと組み合わせたサービスが始まり、客の年齢や性別を分析し、来店状況に応じた対応をするようになる。相手にあった商品を薦めたり、在庫がない商品の注文を受け付けたりできるようになる。
> 相手にあった「おもてなし」ができるようになるといい、このところ人手不足に悩む比較的規模が小さい小売業などで活用が期待されそうだ。
> 自動車メーカーやIT企業がしのぎを削る自動運転車の開発でも、こうした「学習するAI」の活用が進む。例えば車や人が入り乱れる交差点。センサーでとらえた情報をAIが学んで事故になる可能性を減らせば、より円滑に車を動かすことができる。(福田直之)
<参考=「囲碁の人工知能、従来のAIと何が違う? 直感学び進化」(朝日新聞)>
<消滅・17/03/28>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/14 (Mon) 02:34
<副題=囲碁:韓国のプロ棋士が初勝利 人工知能に1勝3敗(毎日新聞)>
こんばんは。
危惧していた「人間の全敗」は免れました。
> 【ソウル米村耕一】米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー企業「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト「アルファ碁」と、韓国のプロ棋士、李世※(イ・セドル)九段の五番勝負第4局が13日、ソウル市内で打たれ、李九段が初勝利を挙げ、対戦成績を1勝3敗とした。(※は「石」の下に「乙」)
> アルファ碁の前日までの打ちぶりは李九段を圧倒していた。しかし、この日は李九段の勝負手に対し、アルファ碁の着手が突如乱れて、人間がAIに一矢を報いた形だ。
> アルファ碁は「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる新技術を採用し、短期間で能力を伸ばし、世界の囲碁界を驚かせた。
> 李九段は対局後の会見で「ようやく勝てた。たった1回勝っただけで、これだけ祝福されるのは初めてだ」と笑顔を見せた。
> 弱点見つかった
> この日のアルファ碁は前日までの戦いぶりとは違っていた。中盤戦以降、不利な形勢になると、悪手を連発。あっという間に敗勢に陥った。インターネット中継で観戦する誰もが「これがあのアルファ碁か」と驚いた。
> 専門家はどう見るのか。元本因坊の高尾紳路九段は「アルファ碁がプロトップ級であるのは疑いない。ただ、今回の敗戦で、広い範囲の読みで精度が格段に落ちるという弱点が見つかった。第3局まではいずれも局地戦で、正確無比な打ち回しを見せていた。しかし第4局は、中央での戦いは、これまでにない大きなものだった」と指摘。さらに「李九段が78手目に鬼手(予想外の一手)を放ち、アルファ碁は混乱に陥った。それ以降は、アマの低段者でも打たない悪手を連発していた」と分析した。【金沢盛栄、最上聡】
<参考=「囲碁:韓国のプロ棋士が初勝利 人工知能に1勝3敗」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/14 (Mon) 20:54
<副題=加藤英樹氏からのコメント>
こんばんは。
> 人間の全敗が免れて、ホッとした雰囲気のようですね。
> 未だに、電算機は局面によってはメタメタの手を打つことを知り、私も一安堵した気分です。
簡単に言えば,あの割り込みが見えて(読めて)なかったということで
しょう.あのエリアの左サイドのキリは気にしていたと思いますが,割
り込みは少し離れているので,深く読んでない(DCNN が比較的小さな値
しか返さなかった)のだろう,と.逆に,あんな手を見つけるセドル九
段が凄過ぎ.ただ,若干ラッキーでもあり,第五局も同じ状況に持って
いけるとは限りません.確実なのは複雑な攻め合いとか両劫なんです
が...
加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/15 (Tue) 20:56
<副題=囲碁:AIアルファ碁 最終戦も李九段破り4勝1敗(毎日新聞)>
こんばんは。
敢えて黒番を選んだセドル氏ですが、勝てませんでした。
> 【ソウル米村耕一】米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー企業「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト「アルファ碁」と、韓国のプロ棋士、李世※(イ・セドル)九段との五番勝負最終局が15日、ソウル市内で打たれ、アルファ碁が白番中押しで勝利した。対戦成績は李九段の1勝4敗で、AIが圧勝した格好だ。
> 対局後、李九段は会見で「有終の美を飾れなかったことは残念だ。アルファ碁の打ち手を通じて、我々が知っている定石などが正しいのか疑問が湧いた。今後研究する必要がある」と述べた。AIと対戦することで、心理的な負担が大きいとも語った。
> ※は石の下に乙
<参考=「囲碁:AIアルファ碁 最終戦も李九段破り4勝1敗」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/21 (Mon) 01:42
<副題=コンピュータ囲碁ソフトウェア世界大会で加藤英樹氏のZenが再び優勝>
こんばんは。
3月20日のNHKニュース7によれば、Zenが再び優勝しました。
アルファ碁は参加していません。NHKでは触れていませんでしたが、アルファ碁は専用スーパーコンピュータ、Zenは高位パソコンで、土俵が違います。
ニュース中の加藤氏のコメントでは「他のソフトウェアも皆、強くなっていたことに驚いた」とのことでした。
> 先週、アメリカのIT企業グーグルが開発した人工知能が囲碁でトップレベルのプロ棋士に勝利し話題となりましたが、20日、コンピューターの囲碁ソフトの強さを競う世界大会が東京で開かれました。
> 先週、グーグルのグループが開発した囲碁の人工知能「AlphaGo」が人間のトッププロに勝利し、世界的な話題となりました。こうしたなか、20日、囲碁ソフトの強さを競う世界大会が東京の大学で開かれ、6つの国と地域から過去最多の31チームが参加しました。
> 大会には「AlphaGo」は参加していませんが、去年から囲碁の人工知能の開発に乗り出したアメリカのIT企業、フェイスブックのチームが初出場しました。決勝は、そのフェイスブックの「darkforest」と、過去2回優勝している日本の強豪ソフト「Zen」の一騎打ちとなりました。
> 対局は互いに激しい攻めを見せる熱戦となりましたが、最後は「Zen」が勝利し優勝しました。
> 「Zen」を開発した加藤英樹さんは「どのソフトも強くなっていて、なんとか勝てました。グーグルの強さの理由はあまり分かっていないが、それを上回るものを目指していきたい」と話していました。
> また、準優勝となったフェイスブックの田淵棟さんは「グーグルの達成は人工知能研究にとって偉業だと感じている。私たちは新参者だが今後も開発を進め、囲碁だけでなくさまざまな分野に応用したい」と話していました。
> 「AlphaGo」に勝てるソフトを
> 「Zen」は今、日本の人工知能の分野で大きな注目を集めています。今月1日、国内の人工知能の研究者やIT企業などが記者会見を開き、グーグルの「AlphaGo」に勝てる最強の囲碁ソフトの開発をオールジャパン体制で進めていくと発表しました。
> その中核となるのが「Zen」です。インターネットの動画配信で知られるIT企業「ドワンゴ」が研究設備を提供し、「AlphaGo」で使われた、コンピューターにみずから解決策を模索させる最新の技術を駆使して「Zen」を改良していくことになっています。
> 「生活に身近な分野への応用期待」
> 大会の主催者で人工知能研究が専門の、電気通信大学の伊藤毅志助教は「人工知能の研究者にとって強い囲碁ソフトを作るのは大きなテーマとなってきました。人工知能の技術は、すでにルート探索や翻訳などの技術に応用されていますが、今後、囲碁ソフトの研究を通じて、生活に身近な分野にさらに応用されていくことを期待しています」と話していました。
<参考=「コンピューター囲碁ソフト 強さ競う世界大会」(NHK)>
<消滅・16/04/01>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/23 (Wed) 20:42
<副題=囲碁電聖戦:日本のソフト「Zen」、三子で小林名誉棋聖に勝ち(毎日新聞)>
こんばんは。
3年前には、「四目置けばトッププロに勝てる、アマ七段ぐらいのレベル」と聞きました。
> 日本の囲碁トップ級棋士とコンピューターソフトが対戦する「第4回電聖戦」が23日、東京都調布市の電気通信大で打たれた。事前の囲碁ソフト大会で1、2位となった「Zen」(日)と「darkforest」(米、中国)が、小林光一名誉棋聖に三子(あらかじめ3個の石を置くハンディキャップ)でそれぞれ挑戦。2位ソフトは中押し負け(途中で負けを宣言すること)したが、「Zen」は最後まで打ち、4目半差で勝った。三子でプロ棋士に勝てるのは、アマトップクラスの実力となる。
> 「Zen」は過去数々の大会で優勝した実績を持つ日本最強の囲碁ソフト。この1年、先に世界トップ級棋士を破った人工知能「アルファ碁」が活用したディープラーニング(深層学習)の技術を取り入れるなど改良を進めてきた。
> 小林名誉棋聖との対局は序盤から手厚く打ち進めて優勢を堅持。終盤やや追い込まれたが、劣勢になることなく押し切った。【金沢盛栄】
<参考=「囲碁電聖戦:日本のソフト「Zen」、小林名誉棋聖に勝ち」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/24 (Thu) 22:22
<副題=加藤氏からのメッセージ>
こんばんは。
> > Zenは、ますます強くなったようです。
> > 加藤様、おめでとうございます。
> ありがとうございます.
> 予想以上に強くなっていたようです.
> 加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/29 (Tue) 18:11
<副題=囲碁:人工知能の圧勝 新たな魅力、発見の好機=金沢盛栄(東京学芸部)(毎日新聞)>
こんにちは。
有料会員限定記事のため、ヘッドラインのみ。
> 米グーグル傘下企業の人工知能(AI)ソフト「アルファ碁」と、トップ囲碁棋士の間で打たれた五番勝負は、4勝1敗でAIの完勝に終わった。チェス、将棋に続き、最後のとりでと言われた囲碁も、コンピューターの軍門に降ることになった。囲碁は完全情報ゲーム(偶然に左右されず、理論上必勝法がある)なので、いつかは征服される運命ではあった。ただ、Xデーは少なくとも10年先と見られていた。それが、いきなりの“黒船来襲”。約4000年の歴史を誇る囲碁の世界に、史上最大の出来事が起こったと言っていいだろう。
<参考=「囲碁:人工知能の圧勝 新たな魅力、発見の好機=金沢盛栄(東京学芸部)」(毎日新聞)>
<消滅・21/09/10>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/04/14 (Thu) 02:44
<副題=Google AlphaGoの仕組みを理解する─AI技術は今、どこまで進化したのか?─(IT Leaders)>
こんばんは。
AlphaGoの仕組みを説明しています。
意外にも目新しい手法は少なく、モンテカルロ木探索が基本です。
そういえば、昭和50年代前半にNHK技研でネオコグニトロンを見た際、私は、無知ゆえに、「問題よりも段数が多ければ解けて当然」と思って、興味を示しませんでした。
> 2014年に米Google(現Alphabet)が4億ドルで買収した英DeepMind。同社が開発した囲碁AI「AlphaGo」は、プロ棋士を打ち負かす偉業をやってのけた。そこにはどんな仕組みや工夫があるのか?
AIの専門家がAlphaGoに関する論文、「Mastering the game of Go with deep neural networks
and tree search」を紐解く。 CIOはもちろん、IT関係者にはぜひ知っておいてほしい内容である(本誌)。
> 「AlphaGoがプロ棋士に勝利した」――このニュースは全世界を駆け巡った。2015年10月には囲碁のヨーロッパチャンピオンであるファン・フイ2段に5戦5勝、2016年3月には世界的なトッププロの1人であるイ・セドル9段に4勝1敗で勝利したのだ。従来、囲碁AI(人工知能)はプロ棋士とは3子以上の実力差があるとされ、プロ棋士に勝つとしても10年先と言われていた。
> ちなみに3子とは、碁盤に予め置石するハンディキャップのことで、3子は7段のアマチュアがプロと勝負できるかどうかのレベルである。このようなハンデなしに行われたAlphaGoとプロ棋士の勝負は1戦ごとに大きな関心を集め、日本では平日夕方の一般向けTVニュースでも取り上げられるほどだった。囲碁のみならず、社会全般でAIが専門家を超える日をも夢想するという、“AlphaGo旋風”が吹き荒れたと言っていい。
> しかしイ・セドル戦から2カ月が経ち、ほとぼりが冷めてみれば、これだけの話題をさらったAlphaGoのメカニズムについて冷静に分析した記事があまりないことに気付く。一体、何が囲碁AIに短期間での飛躍的な棋力向上をもたらしたのか?
Google傘下のDeepMind社はどの程度の計算機リソースを投入したのか? そして囲碁AIで培われた技術は、DeepMindチームの言うように、社会問題の解決に繋がるのか?
> 本稿では、これらの疑問に答えるべく、AlphaGoの詳細なメカニズムが記された現状唯一の公式発表――2016年1月28日付の英科学誌「Nature」に掲載された論文“Mastering
the game of Go with deep neural networks and tree search” [1]の内容を紐解き、“人類を超えるAI技術”が現在、どのような到達点にあるのかを分析する。
> [1] http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7587/full/nature16961.html
<エラー・16/04/29>
> 囲碁AIの基本メカニズム
> AlphaGoの解説に入る前に、現代的な囲碁AIの基本メカニズムをおさらいしておきたい。囲碁や将棋、チェスのように乱数要素がなく、両プレイヤーに全情報が開示されるタイプのゲームには、究極的には“最善手”が存在し、両プレイヤーが最善手を打てば結果は、先手必勝、後手必勝、引き分けのいずれかになる。
> しかし、これらのゲームには膨大な展開(局面)があるため、現実的な時間内にすべての可能性を読み切ることはできない。そこで、これらのゲームAIでは、局面の形勢判断を行う“評価関数”を構築して、その値を頼りに次の一手を決める。評価関数は局面の優劣をなるべく正確に数値化することが望ましいが、正確さを求めると計算量が大きくなる。すると持ち時間内に読める局面が減ってしまうので結局、強くはならない。この正確性と高速性のトレードオフの下に、ゲームAI開発者の創意工夫が生まれる。
> チェスや将棋では相当に正確かつ高速な評価関数が作られ、プロと互角以上のAIが誕生した。しかし囲碁ではこの評価関数を作ることが難しかった。チェスや将棋では駒自体の価値が局面によらず決まっているのに対して、囲碁の石の価値は周囲の石との繋がり方によって時々刻々と変化するためだ。現在の局面だけを見ても良い評価関数は作れない――。
> そこで囲碁AI開発者が採った戦略は、その局面から両プレイヤーにランダムな手を打たせ、終局まで対戦すること(ロールアウト)を繰り返し、その勝率を評価値とするというものである。2006年に登場した一見単純なこの方法が、現在の強豪囲碁AIのほとんどに採用されているモンテカルロ木探索(MCTS:
Monte Carlo Tree Search)である。
> ランダムに手を打つと書いたが、当然、実際に打たれることが多い手に山を張ったほうが効果的である。そのため局面に対して次の一手を予測する“着手予測器”が開発された。人が囲碁を行う際に用いる「直前手からの距離」や「ノビ」「アタリ」「着手点周囲の石の形」といった特徴量を駆使して設計し、さらにそれぞれの特徴量をどのような比重で考慮するべきかを人間の棋譜データから機械学習させる──これが着手予測器の一般的な仕組みである。
> AlphaGoは役割の異なる4つの要素で構成
> それではAlphaGoは、これらの機能をどう実現しているのだろうか? 以下、論文の内容に基づいて解説しよう。AlphaGoでは、着手予測器と評価関数をGoogleの得意とするDeep
Learning(深層学習)というAIの一手法を使って構築している。具体的には近年、大量の画像認識で目覚ましい成果を見せている、畳み込みニューラルネットワーク
(CNN: Convolutional Neural Network)というタイプだ。
> 少し横道にそれるが、CNNは新しい技術ではない。1979年、日本人の研究者である福島邦彦氏(NHK放送科学基礎研究所、当時)が発表・提唱したパターン認識方式「ネオコグニトロン」
を源流としている。ネオコグニトロンは生物の脳における神経回路モデルのメカニズムを原理としたパターン認識の仕組みであり、今日のニューラルネットワークそのものである。
> 本題に戻ろう。AlphaGoでは、囲碁の19路盤を19×19画素の画像と見立ててCNNに入力する。AlphaGo以前にも着手予測器と評価関数をCNNで構築した研究は2014年頃から発表されていた。AlphaGoは3種類の着手予測器と1種類の評価関数を組み合わせて棋力を向上させた点が特徴だ(下図)。
> Rollout policy、Supervised learning (SL) policy network、Reinforcement
learning (RL) policy network(以上差し手予測器)、Value network(評価関数)である。それぞれの役割と仕組みを順に見ていこう。
> ■Rollout policy
> ロールアウト、すなわち「与えられた局面から終局までランダムに打ち合うこと」を高速に実行するために使われる“速い”着手予測器である。これは他3つと違ってCNNではなく、従来型の線形ソフトマックス関数である。入力としても、盤面をそのまま与えるのではなく、従来のように各点の周囲の石の形から算出される10万個以上の局所パターン特徴量を用いている。出力は19×19盤面で、各点の値は次の一手の選択確率を表す。
> 特徴量の重み付けを決めるための“学習”は、インターネット囲碁道場「Tygem」の棋譜800万局面を用いて行われた。予測した手と棋譜の手との食い違いが少なくなるように、学習を通して重みの値は徐々に変化していく。
> 使われた学習アルゴリズムは確率的勾配法というもので、教師あり学習としては最もシンプルな手法である。ニューラルネットワークの学習速度を速めるために使われる慣性項はなく、学習率も一定間隔で減少させるだけだ。学習の結果、着手予測に要する時間は2マイクロ秒で、一致率は24.2%となった。従来の囲碁AIで使われていたものよりも高速だが、低精度な予測器といえる。
> ■Supervised learning (SL) policy network
> 次の一手をより正確に予測するための着手予測器である。中間層として13の畳み込み層とReLU活性化関数を用いた、CNNとしては標準的なネットワーク構造である。入力は19×19の48bit画像で、各bitは「自分の石」「相手の石」「1手前に打たれた石」「アタられている石」などを表すフラグである。
> CNNによる画像認識の定石通り、人手によるデータ加工は最小限にとどめ、特徴量はCNNに抽出させる戦略といえる。学習アルゴリズムはRollout
policyと同じだが、学習にはインターネット囲碁道場「KGS」の6~9段の棋譜3000万局面を用い、50個のGPUを使って3週間を要した。着手予測には3ミリ秒と時間を要するものの、一致率は57%と従来の最高記録44%を大きく塗り替えた。
> ■Reinforcement learning (RL) policy network
> RolloutとSLが「よく打たれる手」を予測するものであるのに対して、RLは「勝てる手」を予測する。学習済みのSL policy networkを自分自身と対戦させ、勝った(負けた)対局で打った手を加点(減点)することで追加学習してRLが作られる。
> 学習アルゴリズムはREINFORCE [2]という強化学習の基本的な手法であり、50GPUで1日を要した。学習の結果、SL policy
network に80%以上勝ち越す棋力を獲得した。
[2] Williams, R. J. : Simple Statistical Gradient-Following Algorithms
for Connectionist Reinforcement Learning, Machine Learning, Vol.8, pp.229-256
(1992).
> ■Value network
> 局面の優劣を予測する評価関数である。上記policy networkとよく似た14の中間層からなるCNNであるが、出力は盤面ではなく勝率を表す単一の値となる。学習のために、新たに自己対戦を行って3000万局面の棋譜を作る。多様な棋譜を作るために、最初はSL
policy networkで打ち、途中で一手だけランダムに打ち、その後はRL policy networkで打つ。ランダムに打った直後の局面と勝敗を学習データとする。学習は50GPUで1週間。学習を終えたValue
networkは、自己対戦よりも15000倍高速に勝率を予測できる。
> 4ステップがある対局時の動作
> 対局時には、RL policy networkを除く3つを組み合わせて次の一手を決める。Googleは、この仕組みを「非同期方策価値MCTS(APV-MCTS:
Asynchronous Policy and Value MCTS)アルゴリズム」と呼び、1202CPU、176GPUで構成した分散並列環境に実装した。APV-MCTSの全容は複雑だが、基本的な考え方は通常のモンテカルロ木探索と同じでシンプルである――勝率の高そうな手を深読みしつつ、他にもっと良さそうな手がないかもバランスよく探る。具体的には下図の4つの操作からなる。
> ■Selection
> 通常のMCTSと同様に、現在の局面から数手先までの手筋を木構造で保持する。APV-MCTSでは、木の各局面に“手の価値”Qと“ボーナス”u(P)が記録され、それらは探索に応じて更新される。Qはその局面の勝率を表すもので、これまでの探索においてRollout
policyで算出した勝率とValue networkで算出した勝率の平均で決まる。
> ボーナスu(P)は未探索の手を調べることを奨励するためのもので、SL policy networkの予測確率Pに比例し(つまり棋譜の頻出手を優先して調べる)、その局面を訪れた回数に反比例する(つまり、同じ手を繰り返し調べることは避ける)。頻出手であり、かつ出現していない局面を探索する仕組みがあるわけである。
> Selectionでは、Q + u(P)が最大の手筋を辿っていく。辿り方は決定論的であるが、辿るたびにボーナスが減衰するので手筋が変わる。この操作は通常のMCTSで使われるPUCTアルゴリズムと似ているが、ボーナスをPに比例させて頻出手を重点的に読むことが特徴である。Selectionは1台のマスターマシンにおいて40スレッド並列で実行される。
> ■Expansion
> Selectionにおいて、同じ局面への訪問回数が閾値に達したら、その局面の1手先にある全局面を探索木に追加する。この閾値は、分散並列環境がフル稼働で計算できるように動的に調節される。
> ■Evaluation
> Selectionにおいて、探索木の末端に達したら、その局面からRollout policyでロールアウトを行って勝敗を求める。それと並行して、もしその局面の評価値が未計算であるなら、Value
networkで局面の評価値を計算する。多数あるワーカーマシンを使って、ロールアウトはCPUで、評価値はGPUで非同期に計算される。
> ■Backup
> ロールアウトや評価値の計算が終わり次第、非同期にQ値を更新する。なお、これらの計算が終わるまではSelectionで同じ手筋を辿らないようにQ値に一時的なペナルティをかけておく。
> AlphaGoは以上を制限時間まで実行し、Selection中に訪れた回数が最も多い手を打つ。時間配分については論文に詳しい記述はないが、中盤に多くの時間を割くとのことである。
> 論文中の検証実験によると、Rollout policy、SL policy network、Value networkはいずれも単独ではアマ5段未満であり、既存の強豪AIには及ばない(図3)。しかし、いずれか2つを組み合わせると史上最強のAIへと変貌し、3つではプロ2段にまで跳ね上がる。そこに並列化も加えたAPV-MCTSはプロ5段に相当する。こうしてファン・フイ2段への勝利を収めた。なお、プロ5段の棋力ではイ・セドル9段に勝ち越すことは難しい。この検証実験後に追加学習を行ったとみられ、もしかしたらアルゴリズムも改善されたかもしれない。この詳細を記した公式発表が待たれる。
> 実は保守的なAlphaGo、棋力が飛躍した理由
> 以上が論文に記されたAlphaGoのメカニズムである。世間では、Deep Learningと強化学習がAlphaGoの核心的部分であり、成功要因でもあると認識されているように思うが、ここまで読んだ読者は異なる感想を持たれたのではないだろうか。
> Policy networkとValue networkは既存技術の組み合わせで実現されており、学習アルゴリズムに至っては20年以上昔の枯れた技術を採用するなど、むしろ保守的な作りである。AlphaGoを構成するCNNは、それぞれ単独では人間のプロはおろか既存の強豪AIにも敵わない。
> 一方、世間では名前すら知られていないAPV-MCTSというアルゴリズム、およびその実装にこそ新規技術が詰め込まれており、これが飛躍の秘訣である。その核心はPolicy
networkとValue networkの組み合わせによってMCTSの弱点を補ったことにあると筆者は見ている。
> つまりMCTSのロールアウトには高速性が強く求められるため、着手予測の精度を犠牲にせざるをえない。様々な手筋を散漫に読むことになる結果として、既存のMCTSベースの囲碁AIは大局観に優れる一方で深読み(両コウ、多方面での同時乱戦、死活など)を苦手としていた。
> これに対しAPV-MCTSでは、Rollout policyにValue networkが併用される。Value networkはRL policy
networkでロールアウトすることとほぼ等価なので、両者最善手を打ち合うような深い読みが期待できる。実際、Rollout policyとValue
networkを組み合わせるだけでも既存の強豪AIを上回ることはすでに述べたとおりだ。
> とはいえValue networkの守備範囲は狭い。学習の入力データはSL policy networkに続くランダムな一手で生成された局面であるから、あまり常識外れな局面は学習できておらず、そのような局面では機能不全に陥る可能性が高い。実際、イ・セドル戦第4局では、白78という奇手に対して黒番AlphaGoは初心者のような手を連発し、逆転負けを喫した。このケースではうまく機能しなかったものの、一般的にはこのような事態に陥ることを未然に回避するのが、SL
policy networkだと考えられる。
> APV-MCTSでは、SL policy networkのボーナスによって、棋譜の頻出手を打つように強く重み付けられている。これによってValue
networkが学習していない局面へと“脱線”していくことが防がれる。すなわちRollout policyとValue networkによって大局観と深読みという相反する強さを両立し、SL
policy networkによってValue networkが力を発揮できる展開をキープする、という三位一体の戦略がAPV-MCTSの強さの秘訣と言えるだろう。
> AIは社会の課題を解決できるか
> Google公式ブログのAlphaGoの記事は以下の言葉で結ばれている[3]。
> [3] https://japan.googleblog.com/2016/01/alphago.html
> 「私たちが AlphaGo において用いたメソッドは汎用性があります。私たちは、この技術が、将来的に気候モデリングから、複雑な疾病分析といった現代社会の喫緊の課題を解くために応用できるのではないかと考えています」
> AlphaGoの勝利は、このような未来の到来を意味するのだろうか? 確かに、学習に使われた技術は汎用的なものである。しかし今回のケースに限らず、現状のAI技術で人間を超えるためには、(1)明確に定義された問題に対して、(2)良質かつ膨大なデータを用意し、(3)潤沢な計算資源を投じて学習を行う必要がある。
> そこまで環境を整えてもなお、学習だけで万事解決するわけではなく、APV-MCTSのような“問題固有の特注品”が必要になることも多い。現状のままでは、実社会の問題解決に使うにはコストがかかり過ぎる。今後はAIに関わる技術開発とともに、社会の側にもAI活用のための基盤整備が求められるだろう。以下、そのために重要と思われる論点を述べたい。
> 第一に、AIの汎用化を促すために、AI技術を改良することはもちろんだが、それにも増して重要なのは社会問題の側を標準化することだろう。人々が新しい問題に取り組むたびに問題を独自に定式化していては、“特注品”の開発を避けることは難しい。典型的な問題に対しては、定式化の“定石”を社会全体で共有していく必要がある。
> そのうえで、「医療の○○問題は交通の××問題と数理的に等価」などといった共通構造を見出していくのだ。様々な分野にまたがる共通の定式化はAI開発者だけでできるものではなく、各分野の専門家の協力が必須である。領域専門家とAI開発者が円滑にコミュニケーションをとるための方策も考えなくてはいけない。
> 第二に、データに関しても標準化を進めるとともに、収集にまつわる数々の問題をクリアする必要がある。社会問題の解決に繋がる多くのデータは、AI開発者自身の手元にはなく、その問題を専門に扱う組織の中にある。クローズドなデータは現状、組織固有の事情にしたがって全く不統一な形式で扱われており、そのことが汎用AIの適用を難しくしている。
> 今後はクローズドなデータであっても、将来のAI適用を見越した標準化された取扱いが必要になるだろう。またデータの受け渡しにおいても、契約・法律・プライバシー・既成概念など様々な障壁を乗り越える必要があり、グレーゾーンも多い。円滑でトラブルのないやり取りのために、広く受け入れられるルール作りが求められる。
> 計算機についても楽観視はできない。ムーアの法則にしたがう性能向上はすでに限界を迎えており、分散並列計算も消費電力というボトルネックが目先に見えている。もはや“待っているだけで速くなる”時代は終わった。大規模な計算機に頼りきりでは、たとえ専門家を超えたところで「人間がやったほうが安上がり」ということになりかねない。特定のAIを効率よく実行する専用ハードウェアや、小規模な計算機でも高性能を発揮するアルゴリズムの開発が必要である。
> AIは決して魔法の杖ではないが、使いこなせば大きな効果をもたらすことも事実である。現在のAIにできることとできないことを冷静に認識したうえで利用シーンを探り、そのポテンシャルを引き出せる環境を整備していくことが望まれる。
> 執筆にあたり、AlphaGoの学習アルゴリズムについて示唆的なコメントを頂きました内部英治主幹研究員(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)に感謝いたします。
<参考=「Google AlphaGoの仕組みを理解する─AI技術は今、どこまで進化したのか?─」(IT Leaders)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/05/15 (Sun) 21:16
こんばんは。
現在放映中のNHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」にて、AlphaGoが取り上げられています。
2100~2150。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/21 (Mon) 02:01
<副題=囲碁電王戦:治勲がソフトに先勝…第1局(毎日新聞)>
こんばんは。
知人が開発したZenをベースに、ディープ・ラーニング手法を導入して、日本代表囲碁ソフトウェアが開発されました。
大規模マシンによるアルファ碁に匹敵する棋力を、パソコンによるDeepZenGoが身に着けたようで、3月の知人自身の予測を十年以上は早めたことになります。
第1局では、知人は、途中まで「勝てるツモリ」で居たようですが、結局負けてしまいました。
> 二十五世本因坊治勲(趙治勲九段)と囲碁ソフト「DeepZenGo」が対局する第2回囲碁電王戦三番勝負第1局が19日、東京都内で打たれ、治勲が223手で黒番中押し勝ちした。国内で棋士とソフトが、ハンディなく19路盤で対局するのは初めて。飛躍的に実力を伸ばしたソフトに対し、史上最多74のタイトル獲得・優勝回数を誇るトップ棋士が、中盤まで不利と見られながらも意地を見せ先勝した。
> 今年3月、米グーグル傘下の人工知能(AI)開発企業のソフト「アルファ碁」が世界トップ級の李世乭(イ・セドル)九段(韓国)を破り、注目を集めた。国内では、19路盤で置き石をせず、プロ棋士と渡り合えるソフトはなく、世界トップのAIを開発するプロジェクトが始まった。「Deep……」は短期間で棋力が急上昇し、昨年10月時点のアルファ碁の実力に追いついたという。
> 先番の治勲は序盤、目ハズシから意欲的な打ち回しを見せたが、ソフトは布石が巧み。部分的な損はあっても、先手を取りつつ陣地を広げるうまさで優位に立った。しかし終盤、ヨセ勝負になると、ソフトに疑問手が出るとともに、治勲は正確な着手で逆転した。
> 治勲は「『創造できない』と言われているAIが、布石で強いというのが面白い」と笑顔を見せた。「Deep……」の開発チーム代表、加藤英樹さんは「ややこしい局面にされ、判断を間違えたようだ」と語った。
> 第2局は20日、打たれる。【最上聡】
<参考=「囲碁電王戦:治勲がソフトに先勝…第1局」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/21 (Mon) 02:08
<副題=囲碁電王戦:AIタイに…趙治勲九段降す 第2局(毎日新聞)>
こんばんは。
第2局は、勝ちました。
> 二十五世本因坊治勲(趙治勲九段)と日本発の囲碁ソフト「DeepZenGo」が対局する第2回囲碁電王戦三番勝負第2局が20日、東京都内で打たれ、ソフトが黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。日本のソフトが棋士にハンディなしで勝つのは初めて。
> 米グーグル傘下の人工知能(AI)開発企業のソフト「アルファ碁」にトップ棋士級の力があることが知られているが、日本発のソフトも一流棋士クラスの棋力があることを見せつけた。「Deep……」の開発チーム代表、加藤英樹さんは「感無量。最終局はさらに改良を加えて臨みたい」、治勲は「言葉がない。まずい碁を打った。次はもう少しましな碁を打ちたい」と話した。第3局は23日、打たれる。
> 先番の「Deep……」は序盤から中央を重視する作戦を展開し、優勢を確立。中盤戦、治勲が中央で勝負手を放ち、治勲のしのぎ、ソフトの攻めという展開になった。治勲はしのぎの名手として知られるが、ソフトの攻めは強烈を極め、最後は大石を撲殺し、圧勝した。【金沢盛栄】
<参考=「囲碁電王戦:AIタイに…趙治勲九段降す 第2局」(毎日新聞)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/21 (Mon) 15:09
こんにちは。
メーリングリストに知人からの返事がありました。
12月23日(水、祝)の第3局のインターネット中継で皆で日の丸ソフトウェアの応援を宜しくお願い致します。
日本は電算機斜陽の国となっていますが、人材を集めればまだまだ世界トップクラスの実力があることを証明しましょう。
> 加藤様自身の予想を十年以上も早めた勝利、おめでとうございます。
そうですね,予想が外れたのには複数の理由がありますが,昨日のは簡単で,趙名誉名人がポカをしたからです.もちろん,ポカで勝つにもそれなりの棋力が必要ですが,まだ実力で勝てるレベルではないのも事実です.
二日連続&60歳というのが(こちらには)幸いしました.第三局は絶対負けないつもりで来られると思います.皆様,応援よろしくお願いします (_ _).
<参考=「第2回 囲碁電王戦 趙治勲名誉名人 vs DeepZenGo 第3局」(ニコニコ生放送)>
https://live.nicovideo.jp/watch/lv280070087
<IE以外>
#第三戦の解説は,何と!井山裕太六冠です! 井山六冠の解説なんて見た記憶がありません.また,同日,大阪の寝屋川囲碁将棋まつりでも,Zen と河英一六段の対局があります.お近くの方は是非.#分身の術.多分世界初?
加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/23 (Wed) 12:35
こんにちは。
第3局の中継が始まりました。
<参考=「第2回 囲碁電王戦 趙治勲名誉名人 vs DeepZenGo 第3局」(ニコニコ生放送)>
https://live.nicovideo.jp/watch/lv280070087
<IE以外>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/23 (Wed) 16:07
こんにちは。
趙治勲九段の勝ちに終わりました。
終盤のヨセになってからDeepZenGoの弱さが露呈。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/23 (Wed) 17:35
こんばんは。
1723生中継は終了いたしました。
序盤や大局観はディープ・ラーニングで9カ月で別物のように強くなったが、小脳だけで勝負している状態(大脳がない)ので人間の様な奇手を打って挽回する等は無理の由。
9か月前のプロジェクト開始時から見ると、当時のアルファ碁なみの強さにはなったという。
この9月までにディープ・ラーニングの導入を終えたところで、現在まだ調整中とのこと。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/11/23 (Wed) 22:35
こんばんは。
知人からメーリングリストに返事が。
尚、「終盤になって劣勢」は私は盤面のことを言ったのですが、知人は「評価値」のことと思ったようです。
> 第3局、残念でした。
> 終盤になって急に劣勢になったようですが。
画面の数値ではそう見えたかもしれませんが,あれは終盤になって誤差が減ってきた,つまりそれまで楽観(中央を過大評価)していただけです.
> でも、人間のプロ9段と対等に勝負できる実力になったのは凄いですね。
>
> 来年辺りは、どうなるんでしょうか。
一年経ったらもう人間は勝てないでしょう.数か月でもどうだか.
加藤
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2017/02/22 (Wed) 23:13
こんばんは。
うっかりして、本スレッドの続きたる電聖戦の記述を複数、下記スレッドに書いてしまいました。
仕方ないので、下記スレッドを本スレッドの続きとして扱わせて頂きます。
<参考=雑談NO.1481 謎の囲碁ソフト、トップ棋士を次々撃破(毎日新聞)>
NO.674 8インチ(WUXGA)液晶、SIMフリーのタブレット NEC Lavie Tab Sが28800円<起稿 磯津千由紀>(16/03/15)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/15 (Tue) 17:52
こんばんは。
日電と聞けば「すぐ故障する」と身構える人が多いですが、パソコン関係はそうでもないですよ。
<参考=「NEC ★限定特価★PC-TS708T1W [LaVie Tab S (Atom Z3745/2G/16G/8型(WUXGA)/SIMフリー(micro)/パールホワイト)]」(e-Trend)>
<消滅・18/01/31>
NO.675 PC OnlineはITpro PCに生まれ変わります(PC Online)<起稿 磯津千由紀>(16/03/23)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/03/23 (Wed) 17:50
こんにちは。
日経パソコンのオンライン版から発展的にITproに統合されるそうです。
> 本日は一点、重要なお知らせがあります。この度、PC Onlineは、新たにエンタープライズICTの総合情報サイト「ITpro」(https://xtech.nikkei.com/top/it/index.html<修正・18/02/12>)のPCセクションとして、生まれ変わることになりました。2016年4月25日に、PC Online内のコンテンツをITproへ統合し、その後はITproの中でPCの活用情報を発信していきます。PC
OnlineメールはITpro PC/モバイルメールに名前を変え、これまで同様の内容でお届けします。
> PC Onlineは日経パソコンのオンライン版との位置付けでスタートし、ビジネスパーソンがPCやスマートフォン、タブレットを活用するための総合サイトとして様々な情報を発信してきました。今後、名前はITpro
PCに変わりますが、これまで以上に読者の皆様に役立つ情報をお届けしていきます。
> PCやモバイル関連のビジネスパーソン向け情報はもちろん、専任のIT担当者がいない中小企業や、企業の部門内でのIT活用に向けた記事の強化にも取り組みます。統合に合わせて新連載も開始する予定です。
> ITpro PCにご期待ください。
> PC Online編集長 小向 将弘、ITpro/日経コンピュータ編集長 中村 建助
NO.676 「Windows 7、最新CPUでは来夏でサポート終了」、波紋呼ぶMSの方針変更(ITpro)<起稿 磯津千由紀>(16/04/05)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2016/04/05 (Tue) 16:04
こんにちは。
Plamo-方面名倉様が速報されてた記憶がありますが、ちょっと見付けられませんでした。
新しいマシンは、Windows 10にアップグレードする「必要」があります。
> 「2020年1月まで安心して使えるようサポートしますよ」と言われていたのに、ある日を境に「やっぱり2017年7月でサポートを打ち切ります」と一変したら――。にわかに信じがたい話が現実になっている。米Microsoftが突如打ち出したサポート期間の変更を巡り、国内の法人ユーザーやパソコンメーカーの間で波紋が広がっている。
> きっかけは2016年1月15日、Microsoftが運営するブログの1つ「Windows Experience Blog」に掲載された1本の記事だ。同社はこのなかで、米Intelの最新CPUである第6世代Core(開発コード名Skylake)を搭載したパソコン、タブレットでのWindows
7/8.1のサポートについて2017年7月17日で終了すると発表した。ブログでは「サポート期間終了後も継続してサポートを受けるには、今後18カ月のサポート期間中に端末をWindows
10へアップグレードしなければならない」と明記している。
> Windows 7の本来のサポート期限は2020年1月。Windows 8.1は2023年1月までサポートが残っており、2017年7月時点ではメインストリームサポートすら終了していない。Skylakeより前の世代のCPUではWindows
7/8.1をそれぞれの期限まで使い続けられるが、これから新たにパソコンやタブレットを買おうという場合、Windows 7/8.1で使いたくても本来のサポート期限まで使えず、大きな制約を受けることになる。どうしても2020年まで使い続けたければ、旧型CPU搭載のパソコンやタブレットを探すという選択肢もあるが、既に大手メーカーの主力機種はSkylake搭載機に移っており、自由に機種を選べる状況からはほど遠い。
> さらにブログでは、Skylakeの後継となる「Kabylake」(開発コード名)世代のCPUなど、今後登場するCPUにおいて「サポートを受けるには最新版のWindowsプラットフォームが必要だ」と表明している。
> 「Win 7は10年前のOS」「Win 10への更新を助けたい」とMS
> 変更の理由についてブログでは「Skylake搭載端末でWindows 10を動かした場合、Windows 7に比べグラフィックス性能が最大30倍、バッテリー駆動時間が同3倍になる」「Windows
7は10年近く前のCPU向けに作られており、最新のCPUで動かすには演算処理やバスの駆動、電源管理をWindows 7に合わせて遅くエミュレートしなければならない」「Windows
10搭載機器の稼働台数が全世界で2億台を超えた」などと指摘。
> 「当社は、多くの顧客が信頼性や互換性の高さから依然Windows 7を頼りにしていることを知っている」としつつも、今回のサポート変更により「当社は顧客がWindows
10へのアップグレードを準備するのを助けたい」としている。
> 降ってわいた突然のサポート大幅短縮に、国内のユーザーは困惑を隠さない。Windows 10は、旧バージョンからのアップグレードが2015年7月、パッケージ販売が同年9月に始まったばかりだ。特に法人では、業務ソフト・サービスや管理ツールの検証や対応に追われている段階のところが多い。発売から一定期間を経てバグが減るまでWindows
10の社内利用を様子見する法人も少なくない。
> あるパソコンメーカーの関係者は「外部向けにWindows 10を販売する一方で、実は自社内での対応はまだ。Windows 10を社内LANに接続することも禁止されている」と打ち明ける。Microsoftのブログでは「法人ユーザーの76%が既にWindows
10のテストを始めている」と表明するものの、導入済みの法人ユーザーの比率は開示していない。提供開始から半年足らずの段階で、法人ユーザーの外堀を埋めるようなサポート短縮を打ち出せば、不安が噴出するのは当然だ。
> 「日本MSに問い合わせても返事ない」、怒り心頭のパソコンメーカー
> 法人ユーザー以上に困惑の色を浮かべているのが国内のパソコンメーカーだ。メーカー各社の担当者は「ブログでの発表は青天の霹靂。事前に何の連絡もなかった」と異口同音に語る。
> NEC、エプソンダイレクト、デル、東芝、日本HP、VAIO、パナソニック、富士通、レノボ・ジャパンなど、国内の大手パソコンメーカーのほとんどは、プリインストール版のWindows
10 Proで認められているダウングレード権を使い、法人向けを中心にSkylake搭載パソコンにWindows 7をプリインストールして販売している。理由は単純。「依然として法人ユーザーからWindows
7への引き合いが強い」(パナソニック)からだ。
> Skylakeを巡っては、当初Windows 7でUSB機器を動かすためのデバイスドライバーが提供されないといったトラブルもあり、大半のメーカーは2015年12月以降にWindows
7プリインストール機を発売したばかり。「懸案だったデバイスドライバーを2015年秋頃に入手してから大急ぎで検証を進め、ようやく年明けの発売にこぎつけた」(パナソニック)というように、開発や動作検証に多大な手間と費用を掛けている。その矢先に出た今回のサポート短縮。「法人・個人問わず、量販店の店頭やサポート窓口に『どういうことか』『何とかならないのか』など問い合わせが多数寄せられている」(国内の大手パソコンメーカー)、「ブログで発表が出た直後、対応について話し合うメールが社内で飛び交った」(同)。
> さらにメーカー各社が憤るのが、日本マイクロソフトの対応だ。「サポート変更の詳細について問い合わせているのにきちんとした説明が来ない。ユーザーからの問い合わせが殺到しているのに、Webサイトや店頭で説明することさえできない」「米Microsoftの発表が日本市場にも適用されるのか、という基本的な点を日本マイクロソフトに問い合わせているが、明確な返事がないまま半月以上待たされている」「1つ前の第5世代Core(開発コード名Broadwell)と同等のサポートができるよう日本マイクロソフトに要望しているが、話し合いもまともにできていない」など、各社の怒りの矛先は日本マイクロソフトに向かっている。
> 日本MS平野社長「移行難しい法人はしっかりサポート」
> 当の日本マイクロソフトはどう考えているのか。平野拓也代表執行役社長は「Windows 7/8.1も一定の期間そのままサポートを継続する。特に法人ユーザーで『時間が厳しい、対応が難しい』というところがあれば、当社の営業やテクニカルスタッフが出向いてしっかりサポートし、(Windows
10の社内システムでの動作)検証も早くできるよう手伝わせていただく」としたうえで「現状そういった(米国と同じ)プログラムで話を進めている」と語り、日本国内でも2017年7月にSkylake搭載パソコンやタブレットにおけるWindows
7/8.1のサポートを終了する方針を明言した。
> 「今回の発表は、Windows 10の新しい経験をSkylakeという最高のCPUでしていただく前提でやっている。全般的には賛成の声が多く、バッテリー駆動時間が何倍にもなり描画性能もだいぶ良くなる。それでいやだというお客様はさすがに……。あとはタイミングですね」(平野社長)。
> また、「2017年7月以降、一切サポートを打ち切るわけではない」(日本マイクロソフト)と弁明する。Skylake対応パソコン、タブレットで動作するWindows
7/8.1は、サポート終了後も「最も緊急度の高い(the most critical)セキュリティの問題については、他のシステム上のWindows
7および8.1の信頼性や互換性に影響がない場合にアップデートをリリースする」としている。
> 日本マイクロソフトでは「大きなセキュリティホールなど、本当にクリティカルな問題があったときはアップデートしていく。(パソコンメーカーに対し)そこの定義の説明をしているところだ」とする。とはいえ、「最も緊急度の高いセキュリティの問題」が、Windowsのセキュリティ情報における「緊急」を意味するのかは不明であるし、仮にそうだとしても「重要」以下のセキュリティホールは放置されることになる。中途半端なサポートを続ければ、パソコンメーカーやユーザーの混乱が拡大するだけだ。
> エコシステムの「お約束」、自ら反故にし難局迎える
> 平野社長は、パソコンメーカーからの不満に対しては「パソコンメーカーとは我々もコミュニケーションをちゃんとしなければいけないというのはある」と語り、事前の告知やその後の対応が十分でなかったと認めた。そのうえで「(今回のサポート変更について)メーカーに対する支援プログラムなどの施策を準備して進めていく」と表明した。
> 本当に3倍や30倍の性能が出るかはともかく、設計の新しいWindows 10がWindows 7より性能面で優れているのは確かだろう。また、米Googleの「Android」や米Appleの「iOS」が台頭している現状を踏まえれば、古いOSを一掃してWindows
10にそろえたいMicrosoftの立場も理解できる。
> とはいえ、Windowsのサポートを巡ってはMicrosoft自身が「サポートライフサイクル」を定め、それに沿って順次最新版へアップグレードするようユーザーやパソコンメーカーなどに広く呼びかけ、それを大前提として経済圏(エコシステム)が築かれている。現状のままでも移行は徐々に進み、Windows
8.1のサポートが切れる2023年にはWindows 10への統一は実現するわけだ。
> ところが今回Microsoftは、自らライフサイクルに例外を設け、エコシステム内の「お約束」を反故にした。ユーザーにとって不利な変更であるうえ、旧型CPU搭載機を買うなどの選択肢を与えない発表の仕方をしている以上、混乱を招くのも当然だろう。パソコンメーカーに対しても、手間と費用をかけてWindows
7に対応した最新機種の出鼻をくじいたのだから、「対応が十分でなかった」と反省の弁を述べるだけの対応では済まされないだろう。
> せめてもう1年待って、法人のWindows 10への移行が円滑に進んでいるのを見届けていれば。あるいは「次の世代のCPUからは」とユーザーに選択肢を与えていれば、大きな反発は起きなかっただろう。しかし、たらればを言っても何の解決にもならない。後手に回った対応によりメーカーが抱いた怒りを鎮めて協力体制を築き、来夏に円滑にサポート終了を迎えられるのか。それとも法人ユーザーやパソコンメーカーにそっぽを向かれたまま、再度の方針転換を余儀なくされるのか。Microsoftは自らまいた火種によって難局に立たされることになる。
<参考=「「Windows 7、最新CPUでは来夏でサポート終了」、波紋呼ぶMSの方針変更」(ITpro)>
【シバケン】 2016/04/05 (Tue) 20:17
<補足>
>Plamo-方面名倉様が速報されてた記憶がありますが、ちょっと見付けられませんでした。
<参考=「NO.490 Windows 8.x <話題>」寄稿Plamo-方面名倉 at Windows 8.1pro 2016/04/05 (Tue) 16:40>