閻魔大王<NO.146>

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NO 表題 起稿 起稿日
閻魔大王NO.147
363 続11<ロシアのウクライナ侵攻>益々の、混沌。/決着は可成り先<?>、それとも。 閻魔大王 22/05/04
閻魔大王NO.145

NO.363 続11<ロシアのウクライナ侵攻>益々の、混沌。/決着は可成り先<?>、それとも。<起稿 閻魔大王>(22/05/03)


【閻魔大王】 2022/05/04 (Wed) 15:54

<参考=NO.360 続10<ロシアのウクライナ侵攻>益々の、混沌。/マリウポリの製鉄所は<?>
(22/04/29)


副題=ロシア軍、東部戦線で一進一退 補給難、「無気力」…(産経新聞)


>米国防総省高官は2日、ウクライナ東部ドンバス地域で攻勢に出たロシア軍の動向について、前進と後退を繰り返し、目立った進展がみられないとの分析を示した。補給難が解決していないうえに、地上、空中いずれの戦闘でも犠牲回避の傾向があり、兵士らは「非常に用心深く、熱意にかけ、活動にむらがある」と指摘した。

>高官は、露軍の戦いぶりを表現する「最良の言葉は『無気力』だ」とも語った。首都キーウ(キエフ)制圧に失敗した露軍はドンバス地域を主戦場と位置づけ距離的に近いロシア西部の軍事拠点から装備や兵士の補充を続け、東部マリウポリの攻撃部隊も同地域へ北上させているが、緒戦の敗退で発覚した士気と補給両面の課題が「第2段階」でも続いているようだ。

>高官は東部戦線の戦況について、ドンバス地域を構成するドネツク州北部のポパズナの戦闘で露軍に小規模の戦果があったとしたが、「進入して勝利を宣言すると部隊を引き揚げ、ウクライナ軍の奪還を許す」という他の村落でみられた状況があるとも指摘した。

>高官はまた、東部の主要都市ハリコフで続く包囲戦について、過去1、2日間にウクライナ軍の反撃で露軍が同市東方約40キロのドンバス地域北部の近くまで後退したと明らかにした。

>露軍にとりハリコフ制圧は、ドンバス地域のウクライナ軍を背後から攻めるための重要目標。高官は「大きな注目を集めていないが、ウクライナ側が示し続けるもうひとつのレジリエンス(強靭さ)だ」との見解を語った。

>高官によると、2日までにウクライナ軍の砲兵220人以上が、米軍による155ミリ榴弾(りゅうだん)砲の訓練を完了した。米国が供与する同榴弾砲計90基の8割はウクライナ国内に届けられており、ドンバス地域の地上戦を支える。

<参考=「ロシア軍、東部戦線で一進一退 補給難、「無気力」…」(産経新聞)>
(22/05/03)


【閻魔大王】 2022/05/04 (Wed) 16:29

副題=投入ロ軍、4分の1が「戦闘不能」 精鋭部隊再建に数年 英国防省分析(時事通信)

あくまでもの、英国国防省分析で、ロシア軍の4分の1が「戦闘不能」。
再建に、数年<?>

<写真>
ウクライナ・キーウ(キエフ)近郊のブゾワ村に残されたロシア軍の戦車=4月10日(AFP時事)



>英国防省は2日、ロシア軍がウクライナ侵攻で被った損害に関する包括的な分析結果を公表した。

>それによると、ロシアは侵攻開始時、全地上戦闘能力の約65%に相当する120以上の大隊戦術群を投入し、うち4分の1以上が「戦闘不能」になった可能性が高い。

>大隊戦術群は700~1000人の兵員で構成する。空挺(くうてい)部隊を含む精鋭部隊が最も大きな打撃を受けており、国防省は部隊再建に「恐らく数年を要する」と見込んでいる。

<参考=「投入ロ軍、4分の1が「戦闘不能」 精鋭部隊再建に数年 英国防省分析」(時事通信)>
(22/05/02)
<消滅・23/05/07>


【閻魔大王】 2022/05/04 (Wed) 16:44

副題=露、マリウポリの製鉄所への攻撃再開 露軍戦力25%喪失 英が分析(産経新聞)

まさしくの、プーチンの戦争であり、欲求<!>

<写真>
煙が立ち上るアゾフスターリ製鉄所近くの道を横切る人々=2日、ウクライナ南東部マリウポリ(ロイター)



>ロシア国防省は3日、ウクライナ部隊やなお約200人の市民が籠城する東部マリウポリの製鉄所への攻撃を再開したと発表した。国営ロシア通信が伝えた。ウクライナ部隊が停戦合意を利用し、攻撃態勢を整えたためだとしている。

>製鉄所からは5月1日、周辺での2日間の停戦合意に基づき市民約100人が退避。ウクライナ側は露軍が市民の退避直後に攻撃を再開したと発表していた。ウクライナ東部ドネツク州の知事は3日、州内の3カ所がロシア側の攻撃を受け、市民9人が死亡したと交流サイト(SNS)で明らかにした。

>一方、米国防総省高官は2日、ウクライナに侵攻したロシア軍の動向について、前進と後退を繰り返し、目立った進展がみられないとの分析を示した。東部ハリコフ周辺では40キロ後退したという。同高官は露軍が停滞している要因を士気の低さと補給の不備だと指摘。ウクライナ軍の反撃も「強靱(きょうじん)だ」とした。

>英国防省も2日、露軍は保有する全地上戦力の65%をウクライナに投入したが、25%以上が戦闘能力を失ったとみられるとの分析を発表した。

>ウクライナメディアによると、露軍が占領した南部ヘルソンではインターネットが露回線に切り替えられた。ロシアが近く予定しているとされるウクライナからの「独立」を問う「住民投票」に向けた下準備の恐れがある。

<参考=「露、マリウポリの製鉄所への攻撃再開 露軍戦力25%喪失 英が分析」(産経新聞)>
(22/05/03)


閻魔大王】 2022/05/06 (Fri) 20:22

副題=ウクライナ農家、ロシア軍が大量の穀物を略奪と証言 飢餓の歴史再来の懸念(CNN)

食料調達は奪略で<?>
所有者にしたら、殺されるとりは、マシの世界。

<写真>
ウクライナの住民がCNNに提供した写真。ロシア軍に農機具(写真)を略奪されたという/Vasiliy Tsvigun



>(CNN) ロシア軍がウクライナの占領地で農家から大量の農業機械や穀物を略奪していると、複数の関係者がCNNに語った。食糧貯蔵庫も砲撃の標的にされているという。

>特にウクライナ南部のヘルソンやザポリージャなどの穀倉地帯では、ロシア軍が統制を強め、略奪を加速させていると関係者は訴える。そうした地域では種まきの中断や中止を余儀なくされた農家も多く、世界有数の穀物生産国ウクライナで、今年の収穫が脅かされる恐れもある。

>農業専門家がCNNに語ったところによると、ロシア軍の侵攻が始まる前日の時点で、600万トンの小麦と1500万トンのトウモロコシがウクライナから輸出できる状態にあり、その大半が南部で保管されていた。

>ウクライナ国防省は5日、これまでに推定40万トンの穀物が盗まれたと発表した。

>ヘルソン州やザポリージャ州の農家などは、具体的な略奪の状況を証言している。

>ヘルソン州のマラ・レペチカ村では4月下旬、ロシア兵が1500トンの穀物を、クリミア半島のナンバープレートが付いたトラックで貯蔵庫から持ち去ったという。翌日には同じトラック(全部で35台)が戻って来て、ドニエプル川の対岸にあるノボラジスクの大型穀物貯蔵施設を空にして行った。

>ロシア軍に占領されたザポリージャ州メリトポリの市長は、ロシア軍を象徴する「Z」の文字が入ったトラックが、穀物を積んでクリミア半島に向かう様子を映した動画をCNNに提供した。市内の主要倉庫は空になっていた。

>ミコラ・ソルスキー農相は、過去2週間の間に農家からの略奪が急増したと指摘する。ウクライナ当局者によれば、占領軍は農家などに対し、窃盗について警察に通報すれば、家族の身に危険が及ぶと脅しているという。

>占領軍にとって穀物は大きな価値がある。小麦は今年に入って急激に値上がりし、世界市場で1トン当たり約400ドルで取引されている。出所をたどるのは難しく、輸送は簡単にできる。

>農業専門家によると、中東諸国はロシアから進んで小麦を輸入しており、20%の値引きも受けている。本当はウクライナ産の小麦なのかどうかは気にかけないという。

>ウクライナには1930年代、農民が貯蔵していた食糧をスターリンが収奪し、数百万人が餓死した歴史がある。ウクライナ人の多くは「ホロドモール」と呼ばれるこの大飢饉(ききん)をホロコースト(大量虐殺)とみなしている。

>ルハンスク州の当局者は、ロシアはホロドモールの再来を狙っているとの見方を示す。ロシア軍は同州の農地の約90%を占領し、約10万トンの穀物をこの地域から持ち去ったと推定している。

>略奪されなかった穀物倉庫はほとんどが破壊された。4月14日に穀物貯蔵施設が破壊されたという男性はCNNの取材に対し、破壊された貯蔵庫は2年前に建てたばかりで、約1万7000トンの小麦と約8500トンのヒマワリの種が保管されていたと語った。

>この一帯にほかの建物はなく、貯蔵施設が意図的に狙われたのは間違いないと男性は証言。同地ではほかにも貯蔵施設少なくとも2棟が爆撃されたと話している。CNNは、ドニプロ地区で別の穀物貯蔵庫が爆撃される映像を入手した。

>ルハンスク州の当局者によると、同地でこの春の種まきは行われていない。別の当局者によれば、ロシア軍はヘルソンで収穫量の70%を無条件で引き渡すことを条件として農家の種まきを認めたが、ほとんどの農家は拒んでいるという。

>「次の収穫ができなければ、飢餓の影響が深刻化しかねない」とメリトポリ市長は危機感を強めている。

<参考=「ウクライナ農家、ロシア軍が大量の穀物を略奪と証言 飢餓の歴史再来の懸念」(CNN)>
(22/05/06)


【閻魔大王】 2022/05/08 (Sun) 08:33

副題=マリウポリ製鉄所「民間人の退避完了」、ウクライナとロシア国防省が発表(読売新聞)

ウクライナとロシアが発表故、事実かと。

結果、製鉄所には、「アゾフ連隊」の面々のみと、成ったです。
ロシア軍からしたら、遠慮無用。元々が、遠慮してませんですが。益々の過酷に成るかと。

で、ウクライナ軍は、何してる<?>
製鉄所の面々なるは、完全なるの、捨て駒<?>

>ウクライナのイリナ・ベレシュチュク副首相は7日夜、ロシア軍が制圧を目指している南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所について、「全ての女性、子供、高齢者が退避した」とSNSに投稿し、取り残されていた住民の退避が完了したと明らかにした。露国防省も同日、完了を発表した。

>製鉄所の敷地内には約1000人の住民が取り残されていたとされる。4月下旬に国連や赤十字国際委員会が両国と調整を進め退避が始まったが、その後も露軍による激しい攻撃が続き、住民退避が完了するかどうか懸念されていた。ただ、製鉄所内にいる負傷者の退避も進んだのかどうかなど詳細は不明だ。

>製鉄所では、ウクライナの部隊が潜伏し、抵抗を続けているとみられる。民間人の退避完了を受け、露軍が製鉄所を制圧するために攻撃を一層激化させる可能性がある。

<参考=「マリウポリ製鉄所「民間人の退避完了」、ウクライナとロシア国防省が発表」(読売新聞)>
(22/05/08)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2022/05/12 (Thu) 20:46

副題=ウクライナ軍が使い始めた米M777榴弾砲の威力(ニューズウィーク日本版、5月11日)

 こんばんは。


 米の6インチ砲は威力大とのこと。


********** 以下引用 **********


アメリカがウクライナ軍に供与するM777榴弾砲が、その正確性と威力で、ロシア軍との戦いの流れを変える大きな切り札になる可能性が出てきた。

ウクライナ軍はすでにこの榴弾砲を、ロシア軍に対する砲撃に使用している。この野戦向け大砲は、同国軍がこれまで持っていた旧ソ連製の兵器と比べて、性能が格段に向上している。

アメリカはM777榴弾砲90門の供与を開始したほか、オーストラリアは6門、カナダは4門を供与した。現在アメリカ陸軍および海兵隊によって用いられているM777は牽引式の榴弾砲で、最大射程距離は15マイル(約24キロメートル)、操作には8〜10名の兵士を必要とする。

ウクライナの「キエフ・インディペンデント」紙の防衛担当記者、イリア・ポノマレンコは5月10日、こうツイートした。「M777はすでにドンバス地方に到着し、ロシアとの戦線で戦闘に用いられていることが確認できた!」


砲弾は精密誘導が可能

M777の口径は155ミリ。ポピュラー・メカニクス誌によると、これはNATO軍の標準的な規格だという。この点は、ウクライナが持つ旧ソ連製の口径122ミリおよび152ミリの榴弾砲からの性能向上と言える。

ウクライナが保有する「2S3アカーツィヤ152mm自走榴弾砲」は、最大射程が10.5マイル(約17キロ)しかない。同国の大砲は1991年の旧ソ連時代に製造されたものなので老朽化が著しい。

これに対し、M777榴弾砲は一般に精密誘導が可能な砲弾「エクスカリバー」を発射する。これは、衛星利用測位システム(GPS)を用いて標的を正確に狙えるもので、ウクライナはこの砲弾が供与されることになっている。4月25日付のAFPによると、カナダはすでにエクスカリバーを供与しているとのことだ。

アメリカ陸軍習得支援センター(USAASC)はエクスカリバーについて、「作戦司令官に対して、より強力な火力支援を提供し、致死性を向上させ、一般市民の巻き添え被害の可能性を減少させる」と説明している。

「エクスカリバーの砲弾は、妨害電波に耐える内蔵GPS受信機を搭載しており、慣性ナビゲーションシステムを改良している。これにより飛行中の正確な誘導が可能になり、射程距離に関係なく、ミス・ディスタンス(標的と実際の着弾点の間の距離)は2メートル以内に抑えられ、劇的に正確性が向上している」と、USAASCのウェブサイトでは解説されている。

M777榴弾砲の正確性と射程の長さに、性能が向上した155ミリ口径の砲弾が加わることは、ウクライナ軍にとって大きな強みとなる可能性がある。ウクライナ軍はすでに、同国北東部にある都市ハルキウ周辺の地域を奪還しつつあると伝えられている。


砲弾とドローン

英タイムズ紙は5月9日、ウクライナ軍がすでに、M777を用いたロシア軍拠点の攻撃を開始したと報じた。ドンバス地方では、大砲やドローンをより効果的に用いた戦いを行える側が優位に立つだろうという専門家の見方も伝えている。

戦闘初期の段階でウクライナの首都キエフの攻略に失敗したロシア軍が、次に狙いを定め、戦力を集中しているのがドンバス地方だ。ウラジーミル・プーチン大統領も、5月9日に行った戦勝記念日の演説で、ドンバス地方の重要性を強調した。

ウクライナはまた、ロシア軍の進軍を妨害するためのドローンも入手している。これらのドローンは偵察に用いられ、標的を特定後、大砲で攻撃する。


戦況を一変させる武器

かつてアメリカ陸軍の陸軍野戦砲兵学校の校長を務めたこともある退役少将のブライアン・マッキーナンは、4月25日付けの「ディフェンス・ワン」記事で、榴弾砲は「ロシア側の軽装甲機動車や支援車両や大砲」への攻撃に効果的だと語っている。「ロシア軍の攻撃能力を削ぐ上で、大きな力を発揮する武器になると思う」

同様に、イギリスの王立防衛安全保障研究所(RUSI)が4月22日に発表した報告書は、ウクライナ軍の総司令官、ヴァレリー・ザルジニー大将の上席顧問をつとめる人物の発言を引用している。「対戦車ミサイルには、ロシア軍の進軍を遅らせる効果があったが、壊滅させたのは我々の大砲だ。ロシアの部隊を崩壊させたのは大砲だった」

第二次大戦中に連合国軍がオランダで実施した「マーケット・ガーデン作戦」に関する著書を持つR.G.ポウルセンは、5月10日に投稿したツイートで、M777を「戦況を一変させる兵器(ゲームチェンジャー)」と呼んだ。


アメリカ軍による訓練

アメリカ国防総省の高官は5月9日の記者会見で、「現時点で310名以上のウクライナ軍兵士が、M777に関する訓練を完了した」と発言。約束した90門のうち85門がすでにウクライナに届けられたと述べた。

「これに加えて我々は、2週間に及ぶM777のメンテナンス講座を開始した。これは新たな進展になる。ウクライナ国内に非常に多くの榴弾砲が配備されることになった以上、メンテナンスの支援も重要だ」

米国防総省のある高官は4月29日、ドンバス地方でウクライナ軍を支援することに関して、M777は「圧倒的に効果的」だと考えられていると述べた。

M777榴弾砲に加えて、別のタイプの155ミリ大砲も供与される予定だ。オランダはPzH2009自走榴弾砲を6門送っており、フランスも10〜12門のカエサル155mm自走榴弾砲を供与すると約束している。

(翻訳:ガリレオ)

※記事のタイトルと本文の一部を修正しました。

<参考=「ウクライナ軍が使い始めた米M777榴弾砲の威力」(ニューズウィーク日本版、5月11日)>
<消滅・22/05/20>


【閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 00:47

再度、「M777」の事。
記事の、中身異なるです。

副題=神出鬼没「空飛ぶ砲兵」爆誕? 米がウクライナに供与の「M777」榴弾砲の驚くべき使い道(乗りものニュース)

最大の魅力、軽量砲故、中型ヘリコプターで、空輸出来る<!>

<写真1>
アメリカがウクライナに供与したM777 155mm牽引式榴弾砲(画像:アメリカ国防総省)。



<写真2>
フィンランド軍のMi-8。基本的にMi-17と同じ(画像:フィンランド国防省)。(乗りものニュース)



>「次世代砲」M777の圧倒的強みとは

>ロシア軍へ対抗するウクライナに、アメリカはさらなる武器支援として「M777」155mm牽引式榴弾砲90門を供与しています。ただ、兵器に詳しい人は疑問に思うかもしれません。「ドイツやオランダは装軌(キャタピラ)式のPzH2000、フランスは装輪式(トラック搭載式)のカエサルといった機動性に優れた比較的新しい155mm自走砲の供与を決めたが、天下のアメリカはなぜいまだに『トラックで牽引する』という旧来のやり方なのか?」と。

>しかし、これこそが、反撃に転じようとするウクライナ軍にとっての“秘密兵器”になる、とアメリカは確信しているようです。

>M777はイギリスが海外輸出用として2000年代前半に開発した次世代砲で、アメリカ陸軍と海兵隊は数百門単位で採用しました。現在は、これまで使用してきたM198 155mm牽引式榴弾砲と順次交代している最中です。

>最大の特徴はチタン合金をふんだんに使って実現させた驚くほどの軽さで、標準型でわずか3.7t、改良型のM777A2で4.2tに抑えています。

>ライバルの火砲と比べると、前述のM198は約7.2t、ロシアの2A65は7t(旧ソ連/ロシア製は152mm)、旧西ドイツ/イギリス/イタリアが共同開発し陸上自衛隊も採用するFH-70は7.8~9.6t(短距離自走が可能な補助エンジンを持つためやや重い)など、おおむね7t台が相場です。つまりM777はそれらに対しほぼ半分~6掛けの軽さということで、もちろん155/152mm砲クラスでは最軽量を誇ります。


>軽さを活かし「中型ヘリでスリング輸送」も

>この軽さは、「中型の汎用ヘリコプターで手軽に空輸できる」という、競合の牽引砲にとっては不可能な“離れ業”を実現します。

>世界中に素早く戦力を展開する能力、すなわち「パワープロジェクション」(戦力投射)を重視するアメリカ軍だからこそ、M777の軽量さに惚れ込んでいる訳で、だからこそウクライナに大量供与したのでしょう。

>従来であれば、アメリカ陸軍/海兵隊がM198を1門、ヘリコプターでスリング輸送(機外での吊下げ輸送)する場合は、CH-47F(積載量約10.9t)やCH-53E(同約13.6t)といった大型輸送ヘリコプターか、またはMV-22Bオスプレイ垂直離着陸輸送機(同約9.1t)が必須でした。ただし機体が非常に高価なため数は限られ、調達・ランニングコストも驚くほどかかります。

>これに対して重量がわずか4.2tのM777は、大量配備されている中型のUH-60M汎用ヘリコプター(同約5.2t)で1門をスリング輸送できるので、戦術的メリットが極めて大きいのです。

>しかし、ここで「M777が軽いのは分かるが、普通は”お古”のM198をウクライナに差し出すのが一般的では」といぶかる声も出るかもしれません。しかしアメリカにとっては中型ヘリコプターを使って「空飛ぶ砲兵」をウクライナの戦場で実行することに重きを置いているようで、となれば重量4t台のM777でなければだめなのです。

>というのも、ウクライナ軍が有する152mm牽引砲は主に3種あり、前述の2A65のほか2A36ギアツィント‐Bカノン砲(重量9.8t)、旧式のD-20(同5.7t)です。全て旧ソ連/ロシア製ですが、もちろん4t台の超軽量砲などありません。
(※カノン砲…榴弾砲よりも高初速で比較的直線的な弾道を描く火砲のこと)

>また中型ヘリコプターも、旧東欧圏で最もポピュラーな旧ソ連/ロシア製のミルMi-8ヒップを開戦直前に50機ほど保有していましたが、最大積載量4tのため、前述した既存の152mm砲はどれもスリング輸送ができません。ちなみに旧ソ連/ロシア製のミルMi-26ハーロー(同20t以上)という世界最大の“怪物”輸送ヘリコプターもかつて活躍していましたが、現在は老朽化のため退役しています。

>そこでアメリカが考えたのが、Mi-8の海外輸出型であるミルMi-17を11機、M777とほぼ抱き合わせで供与するというものです。同機はMi-8の発展型で積載重量も5tにアップ、M777をスリング輸送するには十分です。ウクライナ軍にいきなりアメリカ製UH-60を渡しても、使いこなすまでに相当な年月がかかってしまいますが、Mi-17なら仕様が基本的にMi-8と同じなので、すぐさま使え合理的というわけです。


>悪路や地雷原も高速でひとまたぎ
>こうしてM777とMi-17のコラボによる「夢の“空飛ぶ砲兵”」が いよいよ出陣となります。垂直離着陸できるヘリコプター、それも費用対効果に優れ小回りの利く『中型』で火砲をスリング輸送すれば、道路事情や地形、地雷原も無関係に、200km/h超で目的地まで最短ルートで移動が可能。その利点をフル活用して、前線で神出鬼没・獅子奮迅の活躍を実行するのです。

>例えば、敵地上部隊の数十km前方へ瞬時にM777を空輸・布陣して速攻で砲撃し、敵が反撃に転じる前にすぐさまMi-17で吊り下げて撤収し、今度は敵の側面に移動して再び砲撃、といった具合に機動性重視の作戦が実行できます。こうした軽業は他の155/152mm砲では難しく、さらに重量がかさ張る自走榴弾砲には不可能でしょう。

>一方、ロシア軍はこれを真似しようにも、実現させるのは物理的に困難です。152mm牽引砲や中型ヘリコプターのラインアップはウクライナ軍とほぼ同じ。唯一Mi-26を30機ほど保有しているのですが、この巨大機は別の作業で忙しいはずで、152mm砲のスリング輸送に転用する余裕などないでしょう。それに、4tクラスの超軽量155mm/152mm砲もないのです。

>なおM777の特徴として「最大射程40kmと高い命中率を誇るGPS誘導弾M982エクスカリバーを発射できる点」を指摘する向きもあるようですが、同砲弾はM198やアメリカ製M109、PzH2000など西側の主要自走榴弾砲でも使えるので、M777だけの専売特許とは言えません。やはりこの大砲の最大特徴は、「155mm/152mm牽引砲の中で唯一、中型ヘリコプターで空輸可能」という点に尽きるといえるでしょう。

>深川孝行

<参考=「神出鬼没「空飛ぶ砲兵」爆誕? 米がウクライナに供与の「M777」榴弾砲の驚くべき使い道」(乗りものニュース)>
(22/05/13)


【閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 08:54

副題=「ウクライナを守る盾」、ロシア旗艦を撃沈した「ネプチューン」が戦争の潮目を変えた(Newsweek)

ネプチューンは、ウクライナが開発の、ミサイル。
事実、潮目が替われば、宜しいですが。

><2014年のクリミア併合を受けて開発されたウクライナの国産ミサイルが、ロシアの侵攻に対する防衛戦争で大活躍>

>ロシアによる軍事侵攻に激しい抵抗を続けているウクライナ。その「防衛戦」で最も大きな戦果のひとつをもたらし、戦局を有利に変える中心的な役割を果たしたのは、ウクライナ国内で設計・製造された、ある兵器かもしれない。

>ウクライナ軍は4月に、ロシア黒海艦隊の旗艦、ミサイル巡洋艦「モスクワ」を沈没させたと宣言した。これは自軍よりはるかに大きな規模を誇るロシア軍に対する、象徴的かつ戦略的に重要な勝利だった。

>ロシア政府は「モスクワ」沈没の原因がミサイル攻撃によるものだったとは認めていないが、ウクライナ側がロシアに激しく抵抗する中で、時にロシアにとって予想外の先進兵器を使用してきたのは事実だ。

>「モスクワ」への攻撃に使われたのは、対艦ミサイル「ネプチューン」。歴史専門サイトのHistoryNet.comによれば、これは2014年にロシアがクリミア半島を併合したことを受けて、ウクライナが独自に開発した対艦ミサイルだ。

>開発を行ったのはウクライナの国家キーウ設計局「ルーチ」で、旧ソ連の対艦ミサイル「Kh-35」に幾つかの改良を加えて、2015年に首都キーウ(キエフ)で行われた兵器見本市「アームズ・アンド・セキュリティ・インターナショナル・エグジビション」で「R-360ネプチューン」としてお披露目された。

>同設計局はネプチューンについて、巡洋艦や駆逐艦、戦車揚陸艦をはじめとする艦船などを撃破するために開発された対艦ミサイルだと説明している。


>■海における「ウクライナを守る盾」

>HistoryNet.comによれば、ネプチューンは全長約4.8メートル。ミサイル重量は870キログラムで、弾頭が150キログラムだ。ネプチューンの1個大隊は6両編成の移動式発射装置で、海岸線から最大約25キロメートル離れた地点からの発射が可能。海面上10~15メートルを飛翔することで、敵のレーダーをかいくぐることができる。

>キーウ・ポスト紙の報道によれば、ウクライナ海軍の最高指揮官であるオレクシー・ネイジュパパ少将は、2021年3月15日のミサイル納品式典の際、「このシステムは、アゾフ海と黒海でウクライナを防衛するために設計されたものだ」と述べていた。

>同紙によればウクライナ海軍は、ロシアの脅威から自国の海岸線を守るために、新たに設けた沿岸防衛専門のミサイル大隊にネプチューンを導入。現在ロシア軍の爆撃を受けている、クリミアに近い黒海沿岸の都市オデーサ(オデッサ)に配備したという。

>ネイジュパパは式典の中で「海軍の沿岸ミサイル防衛部隊にとって、今日は歴史的な日だ」と述べ、ネプチューンを「海におけるウクライナのミサイルの盾」と称した。


> 縦割り行政の影響で開発が遅れていた
>HistoryNet.comによれば、このネプチューンの真価が問われたのが2022年4月13日。「モスクワ」が拠点としていたクリミアを発ち、オデーサの南方約150キロメートルの地点から、オデーサに複数の巡航ミサイルを発射したのだ。

>ウクライナの複数の当局者は、これに応戦してネプチューンから2発のミサイルを発射し、「モスクワ」を沈没させたと説明した。ロシア側は、モスクワの艦上で弾薬が爆発して火災が発生したことが沈没の原因だとしているが、複数の写真からは、モスクワの左舷にミサイルが着弾したらしいことが伺える。

>オデーサ州のマクシム・マルチェンコ知事はメッセージアプリ「テレグラム」で、「黒海を守るネプチューンがロシアの艦船に重大な損傷を与えた」と述べ、こう続けた。「ウクライナに栄光あれ!」

>ロシアとウクライナの戦闘において、モスクワは特別な意味を持っていた。黒海のスネーク島に駐留するウクライナの国境警備員13人は、ロシアが侵攻を開始した直後にモスクワから投降するよう指示されたが、これを拒否して「地獄に落ちろ」と返答。国内では英雄的な行為を称賛する声が上がった。

>なお、モスクワ撃沈で黒海とその沿岸部におけるロシア軍の支配力に大きな痛手を負わせたネプチューンだが、キーウ・ポストによれば、実は縦割り行政の影響で開発が遅れ、国民からの圧力が高まったことで、ようやく完成にこぎつけていたという。

>ジェイク・トーマス

<参考=「「ウクライナを守る盾」、ロシア旗艦を撃沈した「ネプチューン」が戦争の潮目を変えた」(Newsweek)>
(22/05/13)
<消滅・22/05/20>


閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 12:54

副題=ロシアの穀物封鎖で「とんでもない事態」「世界的な危機」…黒海の港封鎖・機雷敷設(読売新聞)

ロシア軍が、ウクライナの穀物奪略、封鎖<!>

寄稿閻魔大王 2022/05/06 (Fri) 20:22
<副題=ウクライナ農家、ロシア軍が大量の穀物を略奪と証言 飢餓の歴史再来の懸念(CNN)>

<表>
世界の輸出に占めるウクライナ産品の割合(%)



>世界に供給不安 G7協議
>ロシアによるウクライナ侵攻で、世界の食糧供給への不安が広がっている。「欧州の穀倉」と呼ばれるウクライナからの穀物輸出がロシアの侵攻で打撃を受け、小麦などの価格上昇に拍車をかけているためだ。ドイツで12日に開幕した先進7か国(G7)の外相会合では、食糧安全保障を主要議題とし、対応策を協議した。

>議長国ドイツのアンナレーナ・ベーアボック外相は12日の記者会見で、「ロシアの穀物封鎖」によって中東やアフリカで食糧危機が深まる恐れがあるとして、ロシアのウクライナ侵攻を「欧州だけでなく、世界的な危機だ」と強調した。

>ウクライナは、ヒマワリ油やトウモロコシ、大麦などの生産が盛んで、世界有数の農産物輸出国だ。9割超は南部オデーサ(オデッサ)など黒海の三つの港から輸出されてきたが、ロシア軍が黒海の港を封鎖し、機雷を敷設したことで輸出が阻まれ、大量の穀物が国内に滞留している。国連食糧農業機関(FAO)の担当者は6日、「封鎖で輸出できない穀物は2500万トンに上っている。とんでもない事態だ」と訴えた。

>露軍による略奪や倉庫の破壊も相次ぐ。米CNNによると、露軍が制圧する南部メリトポリではコンバインなど27台(6億5000万円相当)が奪われ、一部は露南部チェチェンに運び込まれたという。FAOはネット上の未確認情報とした上で、奪われた穀物は70万トンに上る可能性があると指摘した。


>◆アフリカ・中東
>ウクライナ国内では戦闘が小康状態にある西部を中心に農作業が続くが、祖国防衛への参戦や国外避難による農業の担い手不足も懸念される。

>ウクライナからの供給減は、新型コロナウイルス禍や干ばつの影響で上昇傾向にあった世界の食糧価格の押し上げ要因となっている。アフリカのスーダンでは小麦の輸入量が激減し、パンの値段が2倍に跳ね上がったとの報道もある。

>13日の外相会合では、オデーサ港の封鎖解除や、輸出の本格再開に向けた物流の課題について協議した。

>米欧各国は今後の生産支援に加え、ウクライナの海上輸送にかわる代替輸送ルートの確保を支援する意向だが、大量の穀物を輸送する手段を見つけるのは容易ではない。協議に参加したウクライナのドミトロ・クレバ外相は「穀物が新たに収穫されても貯蔵場所がない。このままでは食糧危機の問題が構造的なものになる」と指摘し、影響を受けるアフリカ諸国などに、ロシアに対して声を上げるよう訴えた。

<参考=「ロシアの穀物封鎖で「とんでもない事態」「世界的な危機」…黒海の港封鎖・機雷敷設」(読売新聞)>
(22/05/14)


【閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 13:14

副題=最新鋭ロシア艦船に新たな損害か ウクライナが炎上と発表(産経新聞)

<写真>
ボスポラス海峡を航行する、ロシア海軍の後方支援艦「フセボロド・ボブロフ」=1月7日、トルコ・イスタンブール(ロイター)



>ウクライナ南部オデッサ州当局は12日、オデッサ沖の黒海海域で、物資輸送や測量を担うロシア海軍の最新鋭の後方支援艦「フセボロド・ボブロフ」がウクライナ軍の攻撃により炎上したと発表した。ロシア軍はオデッサへのミサイル攻撃を続け、オデッサをめぐる攻防が一層激化している。ウクライナ部隊が籠城する南部マリウポリの製鉄所でも戦闘が続いている。

>オデッサ州当局によると、フセボロド・ボブロフはロシアが実効支配する南部クリミア半島の海軍基地に向け曳航(えいこう)された。ウクライナメディアによると、同艦にウクライナ軍の最新対艦巡航ミサイル「ネプチューン」が命中したとの情報もある。

>露軍は黒海に面した要衝オデッサを掌握し、ウクライナを内陸に封じ込めるとともに、隣接するモルドバ国内の親露分離派地域「沿ドニエストル」への回廊を確保する思惑とされる。

>ただ、ウクライナ軍の抵抗は強固で、4月に露黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈。今月上旬には哨戒艇や上陸艇など複数の露艦艇を撃破したと発表した。

>一方、露国防省は12日、オデッサのレーダー施設を破壊したと発表。オデッサ市長は露軍のミサイル攻撃で市内中心部の歴史的建造物、ボロンツォフ宮殿が損傷したと明らかにした。露軍が占領したオデッサ沖のズメイヌイ島周辺でも、島の奪還を目指すウクライナ軍と露軍との戦闘が続いている。

>東部では、マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊「アゾフ大隊」が12日、SNS(交流サイト)上で「露軍の襲撃を撃退した」と発表。一方で「露軍の空爆や砲撃が絶え間なく続いている」とも述べた。

>露国防省は同日、東部ハリコフ州やドネツク州で弾薬庫やレーダーをミサイルで破壊したと主張した。

<参考=「最新鋭ロシア艦船に新たな損害か ウクライナが炎上と発表」(産経新聞)>
(22/05/13)


【閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 16:19

副題=ロシア軍の稀に見る無能ぶりは今後も続く──英国防省分析(Newsweek)

「比較のために言うと、アフガニスタンとイラクの戦争を通して米軍は、実際の戦闘では1人の将官も失っていない。ロシアでは2カ月で少なくとも十数人の将官が命を落とした。驚くような無能ぶりだ」

><記録的な数の指揮官が戦死し、精密誘導兵器も当たらない体たらくで、都市を攻略してもすぐ手放すはめに>

>イギリス国防省は8日、ウクライナに侵攻したロシア軍が一部で厳しい状況に置かれていると指摘するとともに、こうした状況は「今後も続くだろう」と述べた。

>「司令官たちは前方に配置されたために大きな危険にさらされた。今回の紛争においてロシア軍士官の死亡率が異常に高いのもそのためだ」と英国防省はツイッターに投稿した。「この結果、軍は問題にすぐ対応できないばかりか作戦の変更もできない状態になった。戦死者の穴埋めで(司令官に)昇格した士官たちは作戦指揮の経験が比較的少ないため、こうした状況はこれからも続くと見られる」

>英国防省はまた、ロシア軍の上級司令官たちは「指揮統制上の困難」や「前線でのロシア軍の働きの不安定さ」から、自ら作戦を指揮する傾向があると指摘した。

>「しかしながら、前線における指揮官の存在が作戦の精度向上や修正につながったかどうかは明らかではない。計画立案の誤った前提や(支配の)持続の失敗は今後もロシアの前進の足を引っ張り続けることになる」と英国防省は述べた。

>ロシア軍が思うように前進できていないと指摘する声は他にも上がっている。4日、米国防総省のジョン・カービー報道官は記者会見で、ロシアは期待通りの戦果を上げられずにいると述べた。


>精密誘導ミサイルも外れる

>「私に言えるのは、ロシア側はウクライナ東部のドンバス地方や南部で望むような前進ができていないということだけだ。予定よりも遅れていると思われる。彼ら(の前進)は遅く、ことあるごとにウクライナの激しい抵抗に遭っていると思われる」とカービーは述べた。

>カービーはまた、ウクライナにおいてロシアの精密誘導ミサイルがなかなか目標に命中しないのは「技術的問題」のせいだと示唆した。「それはウクライナ側の防衛だったかも知れないが、単にオペレーターの能力不足だったのかも知れない」と彼は言う。

>ロイター通信は3月、アメリカの当局者3人の話として、ロシアの精密誘導ミサイルの命中率は最悪4割程度とアメリカは推定していると伝えた。もっとも当局者はその根拠については触れておらず、命中率の低さの理由についても詳細は語られなかった。

>ジェームズ・スタブリディス元NATO欧州連合軍最高司令官は先週、ロシアはウクライナで「驚くような無能ぶり」をさらしていると語った。


>「将官の死者の多さは現代史で例がない」
>「現代史において、将官の死者数の多さは他に例を見ない」と、彼は米ラジオ局の取材に答えて語った。「比較のために言うと、アフガニスタンとイラクの戦争を通して米軍は、実際の戦闘では1人の将官も失っていない。ロシアでは2カ月で少なくとも十数人の将官が命を落とした。驚くような無能ぶりだ」

>またスタブリディスは、ロシア軍は「兵站や戦闘計画の能力にも欠ける」と述べた。

>もっともロシア側の見方は違うのかも知れない。3月にロシア外務省はツイッターで、ウクライナにおける作戦は「計画通り」進んでいると述べている。

>ファトマ・ハレド

<参考=「ロシア軍の稀に見る無能ぶりは今後も続く──英国防省分析」(Newsweek)>
(22/05/09)
<消滅・22/05/20>


【閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 16:19

副題=ロシア軍の稀に見る無能ぶりは今後も続く──英国防省分析(Newsweek)

「比較のために言うと、アフガニスタンとイラクの戦争を通して米軍は、実際の戦闘では1人の将官も失っていない。ロシアでは2カ月で少なくとも十数人の将官が命を落とした。驚くような無能ぶりだ」

><記録的な数の指揮官が戦死し、精密誘導兵器も当たらない体たらくで、都市を攻略してもすぐ手放すはめに>

>イギリス国防省は8日、ウクライナに侵攻したロシア軍が一部で厳しい状況に置かれていると指摘するとともに、こうした状況は「今後も続くだろう」と述べた。

>「司令官たちは前方に配置されたために大きな危険にさらされた。今回の紛争においてロシア軍士官の死亡率が異常に高いのもそのためだ」と英国防省はツイッターに投稿した。「この結果、軍は問題にすぐ対応できないばかりか作戦の変更もできない状態になった。戦死者の穴埋めで(司令官に)昇格した士官たちは作戦指揮の経験が比較的少ないため、こうした状況はこれからも続くと見られる」

>英国防省はまた、ロシア軍の上級司令官たちは「指揮統制上の困難」や「前線でのロシア軍の働きの不安定さ」から、自ら作戦を指揮する傾向があると指摘した。

>「しかしながら、前線における指揮官の存在が作戦の精度向上や修正につながったかどうかは明らかではない。計画立案の誤った前提や(支配の)持続の失敗は今後もロシアの前進の足を引っ張り続けることになる」と英国防省は述べた。

>ロシア軍が思うように前進できていないと指摘する声は他にも上がっている。4日、米国防総省のジョン・カービー報道官は記者会見で、ロシアは期待通りの戦果を上げられずにいると述べた。


>精密誘導ミサイルも外れる

>「私に言えるのは、ロシア側はウクライナ東部のドンバス地方や南部で望むような前進ができていないということだけだ。予定よりも遅れていると思われる。彼ら(の前進)は遅く、ことあるごとにウクライナの激しい抵抗に遭っていると思われる」とカービーは述べた。

>カービーはまた、ウクライナにおいてロシアの精密誘導ミサイルがなかなか目標に命中しないのは「技術的問題」のせいだと示唆した。「それはウクライナ側の防衛だったかも知れないが、単にオペレーターの能力不足だったのかも知れない」と彼は言う。

>ロイター通信は3月、アメリカの当局者3人の話として、ロシアの精密誘導ミサイルの命中率は最悪4割程度とアメリカは推定していると伝えた。もっとも当局者はその根拠については触れておらず、命中率の低さの理由についても詳細は語られなかった。

>ジェームズ・スタブリディス元NATO欧州連合軍最高司令官は先週、ロシアはウクライナで「驚くような無能ぶり」をさらしていると語った。


>「将官の死者の多さは現代史で例がない」
>「現代史において、将官の死者数の多さは他に例を見ない」と、彼は米ラジオ局の取材に答えて語った。「比較のために言うと、アフガニスタンとイラクの戦争を通して米軍は、実際の戦闘では1人の将官も失っていない。ロシアでは2カ月で少なくとも十数人の将官が命を落とした。驚くような無能ぶりだ」

>またスタブリディスは、ロシア軍は「兵站や戦闘計画の能力にも欠ける」と述べた。

>もっともロシア側の見方は違うのかも知れない。3月にロシア外務省はツイッターで、ウクライナにおける作戦は「計画通り」進んでいると述べている。

>ファトマ・ハレド

<参考=「ロシア軍の稀に見る無能ぶりは今後も続く──英国防省分析」(Newsweek)>
(22/05/09)
<消滅・22/05/20>


【閻魔大王】 2022/05/14 (Sat) 16:54

副題=【寄稿】 「プーチン氏の前にはもはや種々の敗北しかない」 英の国防専門教授(BBC)

当記事は、ロシアの「戦勝記念日」でのプーチン大統領演説までに、記載。
演説前後で、替わりは無いですが。

>ロシアでは毎年5月9日を、第2次世界大戦の対独戦勝を記念する「戦勝記念日」として祝う。モスクワで予定される毎年恒例の軍事パレードなど、各種の祝賀行事でロシア政府が何を主張するにしても、現状はウクライナに対する勝利とは程遠い状態にあると、イギリスの国防研究者、マイケル・クラーク教授は指摘する(文中敬称略)。

>もはやこの戦争に、ロシアが有意義な形で勝つことはできない。

>プーチンが2008年以降、世界各地で実現した軍事的成功はどれも、小規模の精鋭部隊と雇い兵と地元の民兵集団、そしてロシアの空軍力を組み合わせて実現したものだった。

>ジョージア、ナゴルノ・カラバフ、シリア、リビア、マリ、そして2014年にウクライナで2度、ロシア政府は低コストで介入し、相当に有利な立場に立った(2014年にウクライナで2度というのは、まずクリミアを違法に併合したのち、ロシアに従属するルガンスクとドネツクの自称共和国を作ったことを指す)。

>どの場所でもロシアは素早く、容赦なく動き、西側世界は段階的な制裁でしか対抗できなかった。西側の制裁に現実を変える力はなかった。プーチンは「現場で新しい事実を作り出す」のが得意だった。

>今年2月に彼は、同じことをウクライナで、最大級の規模でやろうとした。人口4500万人の国、領土面積でいうと欧州で2番目に大きい国の、政治的実権を約72時間のうちに奪取しようとしたのだ。驚くほど無謀なギャンブルで、最も大事な第1週で、その賭けは完全に失敗した。

>プーチンにはもはや、戦争を拡大して突き進む以外、あまり選択肢は残されていない。戦争を拡大とはこの場合、ウクライナ国内で拡大するか、ウクライナ以外で拡大するかだ。エスカレーションは現状に組み込まれている。そして欧州は近年の歴史で例を見ないほど、危険な時点にさしかかった。

>ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の軍隊や、外の世界が反応できる前に、首都キーウ(ロシア語でキエフ)の政府を支配下におくという「プランA」の実現に失敗した後、ロシア政府は「プランB」に移った。これは「プランA」よりも「作戦展開」を重視する軍事的な計画で、まずキーウを包囲してから、チェルニヒウ、スーミ、ハルキウ、ドネツク、マリウポリ、ミコライウといった他の主要都市を攻略しようというものだった。降伏か全滅かと首都キーウを脅かす間に、ウクライナの武力抵抗をあっさり消滅させようというのが狙いだった。

>しかし、これもまた失敗した。陥落してロシアの支配下に入った主要都市は南部へルソンのみで、ここでも住民はロシアの統治に抵抗し続けている。結局のところ、ウクライナほど巨大な国を圧倒的に支配するには、ロシアの軍勢は小さすぎた。そしてロシア軍の戦いぶりは実にお粗末だった。その理由はいくつかある。指揮系統の質が低く、キーウからミコライウまで4つの前線に部隊は分散され、全体を束ねる総司令官がいなかった。

>加えて、ロシア軍を待ち迎えていたのは、不退転の決意で立ちはだかるウクライナ軍だった。しっかり訓練されてきたウクライナ軍は、「動的防衛力」を古典的なまでに発揮し、戦線を維持するのではなく、敵軍が特に弱い急所を次々とたたくことで、ロシア軍を膠着(こうちゃく)状態に陥らせた。

>戦況の停滞にいらだつロシア政府は、今度は「プランC」に移行した。これはキーウと北部の制圧を諦め、その代わり、東部ドンバス地域からおそらく南西部オデーサに至る南部全域に大攻勢をかけるため、戦力を集結させるというものだ。主要な港湾都市オデーサを含む南岸一帯をロシアが掌握すれば、ウクライナは事実上、内陸国になってしまう。

>そして現在、南東部のイジューム、ポパズナ、クルルカ、ブラジキウカなどで展開しているのが、この作戦だ。

>ロシア軍はウクライナ軍の統合作戦部隊(JFO)を包囲しようとしている。JFOはウクライナ陸軍の約4割にあたる部隊で、2014年以来、分離派が実効支配するルハンスクとドネスクの自称「共和国」に対峙(たいじ)している。この地域でロシア軍にとって鍵となる目標は、スロヴィヤンスクとその南のクラマトルスクを掌握することだ。両都市ともドンバス地方全域を支配するための要衝となる。

>そしてこの戦争は、軍事的にこれまでとは異なる段階に入った。今までより広い土地で、今までより良い天候の中、戦闘が繰り広げられる。戦車と機械化歩兵、そして何よりも敵の装甲車がなだれ込んでくる前に相手の防衛を殲滅(せんめつ)するよう設計された大砲を駆使して。

>しかし、これはそれほど単純なプロセスではない。

>ロシアの攻勢は出遅れ、ウクライナのJFOはロシアの進軍を食い止めている。おかげで、今頃はここまで到達しているはずとロシア側が想定していたほどの前進は、まだ実現できていない。これによってウクライナ側は貴重な時間を稼いだ。戦闘が本格化する前に、それぞれが重火器を前線に投入しようと、今は「ヘビーメタル(重火器)の競争」が進行中だ。これは今後数週間でさらに状況が進むだろう。

>しかし、ドンバスで何が起きても、さまざまな種類の敗北からどれを選ぶかの機会を、プーチンに与えるだけだ。

>戦闘が秋になって膠着状態に陥った場合、それまであまりに多くの損害と苦しみを重ねたロシアに、プーチンはほとんど何も成果として示すことができないはずだ。戦況の勢いが変わり、ロシア軍が後退させられる事態になれば、なおさらだ。そして、たとえロシア軍がドンバス全域と南部全域の制圧に成功したとしても、ロシア軍を追い出したい数百万人のウクライナ人を前にして、いつまでも両地域を押さえ続けなくてはならない。

>もしもロシアが軍事的な大成功を収めた場合はおそらく、ロシアが制圧する全地域で、大規模な反ロシア運動が際限なく続くだろう。プーチンは2月に「プランA」に全てをかけて臨んだ。それが失敗したせいで、続く「プランB」だろうが「プランC」だろうが、他のどのような計画だろうが、ロシアは全力であたり、広大な国の一部もしくは全土を押さえ込まなくてはならないのだ。

>いずれにしても、ロシアはウクライナで戦い続けなくてはならない。住民と敵対しながら、あるいはウクライナ軍と敵対しながら。その両方と同時に敵対しながら、という可能性もある。そして、ロシア軍が撤退しなければ譲歩の検討などあり得ないという現在の姿勢をウクライナ政府が取り続けるならば、プーチンはかたくなに突き進むしか、ほかにできることはあまりない。

>西側諸国は今後も、ウクライナ政府に武器と資金を提供し続けるし、強力な対ロ制裁をそうそうすぐに解除することもない。ロシア産エネルギーへの欧州の依存度がいずれ大幅に下がれば、欧州が本当に欲しいものをロシアはほとんど持っていない。そしてアメリカも欧州も、自国経済への打撃は小さく抑えたまま、ロシアを苦しめる厳しい制裁はそのまま残すことができる。

>ウラジーミル・プーチン大統領個人は、もう後戻りできないし、戦争犯罪人として起訴される可能性さえある。彼に残された唯一の政治的な戦略は、ウクライナでの戦争を実際とは異なる何か別の物に作り替えることだ。たとえば、「ナチス」に対して、そして喜々としてロシアを敗北させたい西側諸国の「帝国主義者」に対して、ロシアは存亡そのものをかけて戦っているのだとする、そういう文脈に。

>だからこそ、ロシアはその他の欧州全体を相手にした「大祖国戦争2.0」を前にしているのだという、危険な発想を、プーチンはもてあそんでいる。そうすることが、彼にとって好都合だからだ。5月9日の「戦勝記念日」にはおそらく、これについてさらに発言を聞くことになる。プーチン大統領は自分のかじ取りで国もろとも突入した、実に長く暗いトンネルの先に、光が見えると言うのだろう。

>(マイケル・クラーク氏は英キングス・コレッジ・ロンドンの防衛研究客員教授)
>(英語記事 Viewpoint: Putin now faces only different kinds of defeat)(c) BBC News

<参考=「【寄稿】 「プーチン氏の前にはもはや種々の敗北しかない」 英の国防専門教授」(BBC)>
(22/05/09)


<参考=NO.364 続12<ロシアのウクライナ侵攻>形勢やや逆転<?>/決着は可成り先<?>、それとも。
(22/05/14)