閻魔大王<NO.187>
みんながパソコン大王 |
総 合 | 目 録 | 趣意書 |
表題一覧表 |
NO | 表題 | 起稿 | 起稿日 |
閻魔大王NO.188 | |||
415 | 続45<ロシアのウクライナ侵攻>情報錯綜、どちらが優勢<?>/が、戦況替わる<?> | 閻魔大王 | 23/02/25 |
閻魔大王NO.186 |
NO.415 続45<ロシアのウクライナ侵攻>情報錯綜、どちらが優勢<?>/が、戦況替わる<?><起稿 閻魔大王>(23/02/25)
【閻魔大王】 2023/02/25 (Sat) 11:44
バイデン大統領がウクライナ入りした<!>
プーチン大統領はモスクワから一歩も出ず、出られず<?>
<参考=NO.414 続44<ロシアのウクライナ侵攻>情報錯綜、どちらが優勢<?>/プーチンは核<?>>
(23/02/22)
<副題=侵攻直後のロシア軍の大失態、なぜ起きたのか 56キロの車列が動けず(BBC)>
ロシア軍は出だしから、失敗したは、世界が承知。
<写真1>
人工衛星が捉えた昨年の侵攻開始直後のロシア軍の車列の動画 ©2022マクサー・テクノロジーズ
<地図2>
ロシア軍の車列の経路
<写真3>
米マクサーの人口衛星画像では、ロシアの車列が迷走しているさまがうかがえる
<写真4>
ホストメリで高く積み上げられたロシア軍の車両の残骸
>ロシアがウクライナに侵攻して3日目、同国北部で15キロ半にわたって続く長大な装甲車の列ができ、人工衛星がそれを捉えた。同じ日の朝、キーウ郊外のブチャではウォロディミル・シェルビニンさん(67)がスーパーの前に立っていると、ロシアの軍用車両100台以上がなだれ込んできた。シェルビニンさんも人工衛星も、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の迅速かつ圧倒的な勝利の計画に関して、その重要部分の目撃者となった。そして、その失敗の目撃者にもなった。
>西側メディアはこれを「車列」と呼んだ。実際には交通渋滞であり、戦術的な大失態だった。この最初の衛星写真が撮られてから48時間後の2022年2月28日には、車両の列は56キロという途方もない長さに伸びていた。車両の停滞は何週間も続いた。ついには後退を決めると、一夜にして消え去ったようだった。
>いったい何が起きたのか。これほど大規模の部隊はなぜ、キーウに到達できなかったのか。
>BBCのチームは、数十人の目撃者に話を聞いた。軍関係者、国内外の情報機関員、民間人、退役軍人、領土防衛隊員など、車列を見た人たちだ。さらに、ロシアの地図と文書にアクセスし、計画の実態と、見事なまでに失敗した理由を明らかにした。
>最初の数時間
>物語は、戦争の初日、ウクライナ北部のベラルーシ国境付近から始まる。
>ウクライナ第80独立空中強襲旅団のウラジスラフさん(23)は、その日最初のタバコを吸いに外に出た。すると夜空に明るい光が飛び交うのが見えた。
>「森全体から光が発していたのを覚えている。最初は車のヘッドライトかと思った。でもすぐにグラート(ロシア軍の自走多連装ロケット砲)だと分かった。こっちに向けて撃っていた」
>ウラジスラフさんの部隊は、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発の立ち入り禁止区域の森の奥深くでキャンプを張っていた。ロシアの車両が最初にウクライナに侵入したとき、部隊はパトロール中だった。
>「地面全体が揺れていた。戦車に乗ったことはあるか? あんな音は他にない。すごい迫力だ」
>侵攻された場合の計画どおり、第80独立空中強襲旅団は、チョルノービリと隣の大きな町イヴァンキフを結ぶ橋を爆破した。
>ロシア軍は代わりの浮き橋の建設に時間を取られることとなった。その間に、ウラジスラフさんらの部隊はキーウに引き返した。
>「なぜチョルノービリで(ロシア軍を)止めないのかと、最初は驚いた。でも、敵のことを知る必要があった。それでそうした」
>ベラルーシ国境が近かったため、ウクライナは新たな紛争を発生させないよう発砲を控えた。まず優先すべきはロシアの戦法を理解することであり、それから部隊を戦線に展開させることになっていた。
>プーチン氏のマスタープラン
>ウラジスラフさんが目にしたのは、ロシア軍の車列を形成することになる最初の車両だった。
>ウクライナ軍によると、全長56キロにわたったこの隊列は、ロシアの10のロシア大隊戦術群によるものだった。これは当時の多くのメディアの報道とは異なる。
>ロシア軍はウクライナの東部と南部でも攻撃を繰り広げたが、この10戦術群の任務は明確だった。ベラルーシからウクライナに入り、ウクライナの首都を転覆させ、政府を排除する――というものだった。軍事用語でいう「首切り攻撃」だ。
>BBCが確認したロシアの文書には、この計画の時刻表が書かれている。最初の大隊は2月24日午前4時にウクライナに入り、午後2時55分までにキーウに到着するよう命じられていた。
>大隊の一部は、キーウ北郊のホストメルまで前進し、空港の確保のために空から入った部隊を支援することになっていた。
>その他はキーウ中心部に直行する予定だった。
>この侵攻は2つの要素に大きく依存していた。保秘とスピードだ。
>イギリスの安全保障関連のシンクタンク、王立防衛安全保障研究所(RUSI)によれば、キーウへの攻撃計画を秘密にすることで、ロシア兵は同市北部でウクライナ軍を12対1の比率で圧倒できた。
>しかし、プーチン氏の秘密主義は代償を伴った。保秘が非常にうまくいったため、大半の指揮官ですら侵攻の24時間前まで命令を受け取らなかった。
>これにより、戦術レベルではロシア軍はもろい立場に置かれた。食料も燃料も地図もなかった。適切な通信手段もなかった。弾薬は不足していた。冬の寒さへの備えさえ不十分だった。
>雪の中で不適切なタイヤを装着したロシア軍の車両は、泥の中へと突っ込んだ。イワンキウ近郊の住民らによると、ロシア兵らはウクライナの農民たちに対し、戦車を泥から出すのを手伝うよう求めたという。
>前進できなくなったロシア軍の車両は、軟弱地盤を避け、舗装道路へと回り道を強いられた。何千もの車両が1つの列を作ることになった。
>しかし、大隊同士の通信が限られていたため、すぐに大渋滞が発生した。
>現場の軍事専門家は、「敵地に長い車列で入り込むなどありえない。絶対にだ」と話した。
>目撃者の証言やウクライナ軍の情報をもとに、BBCは昨年の侵攻開始から3月末までの車列を地図化した。各車両は野原の横断を避けたため、キーウ北部のほとんどの主要道路を埋め尽くした。
>隊列の総延長が56キロに及んだころには、最大で戦車1000台、機械化歩兵車両2400台、兵士1万人が並んでいた。さらに、食料や燃料、石油、弾薬を積んだ補給トラック数十台も加わっていた。
>キーウの北で停滞し、食料と燃料が不足するなか、ロシア軍は敵そのものも過小評価していた。
>結束して抵抗
>前出のシェルビニンさんと仲間のボランティアたち(大半は年金生活者)は3日間、自分たちの町ブチャに車列が進入してくるのに備えていた。
>12人につき1丁の機関銃で武装し、全ての道路標識を取り外し、検問所を作り、火炎瓶を何百も用意した。
>そして、2月27日(日)の朝、ついにロシア軍の戦車が町へ入ってきた。
>シェルビニンさんらの草の根部隊は30分近く、なけなしの戦力で戦車を打ちのめした。
>「2台に火をつけ、車列全体を減速させた」とシェルビニンさんは言う。
>だがその後、報復があった。
>「私たちが火炎瓶を投げているのを見て、ロシア軍は撃ってきた」とマクシム・シュコロパルさん(30)は言う。「私はバーテンダーだった。軍隊の訓練は全く受けていなかった」。
>30分後、シェルビニンさんの仲間は全員撃たれ、病院へと運ばれた。
>シェルビニンさんは病室からも戦い続けた。キーウ全域の住民らから車列の目撃情報を入手し、それを照合してウクライナ当局に連絡した。
>電話の向こうにいたのは、イルピンの副首長ロマン・ポホリリイさん(23)だった。
>彼は3日間一睡もしなかったと、BBCに話した。
>「私と同僚は議会事務局でホットラインを担当していた。隊列に関する電話や、車列が通るために地面に印をつけていた工作員たちについて連絡を受けていた」
>ポホリリイさんは昼は議員だが、夜はオープンソース・インテリジェンスの専門家に変身する。共同設立したウェブサイト「DeepState」で、ソーシャルメディアと情報機関の情報を収集。それらを地理的に特定し、高い評価を受けている同サイトに掲載している。
>「ロシア人はキーウに向かう途中、ソーシャルメディアに動画を投稿していた。私たちはそれを再投稿し、動向を明らかにした。向こうは注目を集めようとしてやっていたが、そのために打ちのめされることになった」
>キーウが攻撃された時に最も重要だったのは、ウクライナが一つに結束したという感覚だったとポホリリイさんは言う。
>「誰もが何かをしていた。たしかに最初の数日はとても慌ただしかった。でも、退役軍人たちが住民らを助けていた。みんな自分の街を守りたいと思っていた」
>キーウ州各地の町や村で、手製の武器で武装した市民たちや機械化歩兵、大砲などが、ロシア軍の車列を激しく攻撃した。
>時代遅れの戦術
>ウクライナ側とは対照的に、ロシア軍は繰り返し、戦場でダイナミックな決断ができないことを露呈させた。
>第80旅団のウラディスラフさんは、「ロシアはみな、『機密』と書かれた大きな金属の箱を運んでいた」と語る。
>「待ち伏せて襲撃した時、そのうちのひとつを押収したところ、すべての経路に印が付いている地図が出てきた。この後、我々はロシアの全戦術を知った」
>ロシアのナビツールもひどく時代遅れだった。侵攻開始から1年の間、BBCがたびたび発見したロシア軍が置き去りにした地図の中には、1960年代や1970年代のものもあった。現存する町がまるごと、ロシア軍が使っていた地図に載っていない場合もあった。また、部隊間でのやりとりとしてはほぼ時代遅れといえる手旗信号も見つけた。
>ウクライナ抵抗部隊が成功した戦術のひとつに、車列の前方にある橋やダムを爆破し、経路を変えさせるというものがあった。古い地図に頼り、司令部への報告手段が限られる中、ロシアの部隊はたびたび、決定できずに立ち往生した。
>ロシア軍の車両が円を描いて走っている様子をとらえた人工衛星画像もある。
>占領
>ウクライナの空からの攻撃と砲撃の中、ロシアの車列は最終的に、キーウ市境のすぐ外側で停止した。立ち往生した部隊の傍に住んでいた数千人の住民にとって、この時の体験は恐ろしいものだった。
>「あらゆるところからあらゆるものを盗んだ。店を空っぽにして」と、ウラディスラフさんは語った。
>「それから民間人を、人間の盾に使った」
>キーウ北部と西部の多くの村や町での出来事については、国際刑事裁判所(ICC)を含む多くの当局によって現在も調査されている。
>長い4週間の後、ロシア軍はやっと撤退を始めた。
>残されていた大隊のうち2つは、ホストメリ空港の近くで敗北した。このほか、おそらくズヴィジウカの村に取り残されていた幌付き軍用トラック370台も、砲撃によって破壊された。
>ウクライナ軍は3月19日まで車列を押し返し続け、その後はロシア軍がキーウ州から撤退を始めた。
>ロシアは現在も、東部の工業地域ドンバスに、南部ではヘルソンやザポリッジャへの侵攻を続けている。
>キーウに新たな攻撃が仕掛けられるとの憶測がある半面、ベラルーシ国境にロシア軍が大量に群を配備している様子はなく、専門家の大半はその可能性は低いとみている。
>それでもウクライナの新兵たちは、偵察ドローンで国境近くを監視している。
>「チョルノービリでの夜をいつまでも覚えているだろう」とウラディスラフさんは語る。
>「友人とたばこを吸いに外に出た。でもたばこを吸い終えるころには戦争が始まっていた」
>「友人と私にはこんな夢がある。あの日と同じようにシフトに入り、またたばこを吸っていると、戦争が終わっと、私たちは勝ったのだという知らせを聞くんだ」
>協力:スラワ・シャルモウィチ、マーカス・バックリー、マイケル・ウェラン、アリスター・トンプソン、アレンとティム・コーイー
>(英語記事 How Russia's 35-mile armoured convoy ended in failure)
<参考=「侵攻直後のロシア軍の大失態、なぜ起きたのか 56キロの車列が動けず」(BBC)>
(23/02/24)
【閻魔大王】 2023/02/25 (Sat) 23:59
<副題=「レオパルト2」ポーランドが前倒しで初供与…ゼレンスキー氏「強力な動きだ」(読売新聞)>
とりあえずは、4両。
4両では、どにもなりませんですが。
当面、練習、演習、教育には、使えるかと。
>ウクライナ政府は24日、ドイツ製戦車「レオパルト2」4両が初めて、保有国のポーランドから供与されたと発表した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は24日、キーウでポーランドのマテウシュ・モラウィエツキ首相と共同記者会見を開き、領土奪還に向け「強力な動きだ」と歓迎した。
>ポーランドは3月の見通しだった引き渡しを前倒しした。ロシアによる侵略開始から1年の節目に、ウクライナ支援の加速を示す狙いとみられる。ポーランドはレオパルト2を計14両供与する予定で、モラウィエツキ首相は、残りも「迅速に引き渡す準備ができている」と述べた。実戦配備は、ウクライナ軍の訓練後になるとみられる。
>ウクライナの首相は24日、国防相と共に引き渡しに立ち会い、自身のSNSに4両の写真を投稿した。
>一方、ドイツの国防相は24日、独軍から支援するレオパルト2の供与数を4両増やし、計18両にすると発表した。
>スウェーデンの10両、ポルトガルの3両とあわせ、3か国で1個戦車大隊の計31両を確保できたとしている。ドイツは、保有国とあわせて2個戦車大隊規模の供与を表明していたが、まだ目標には届いていない。
<参考=「「レオパルト2」ポーランドが前倒しで初供与…ゼレンスキー氏「強力な動きだ」」(読売新聞)>
(23/02/25)
【閻魔大王】 2023/02/26 (Sun) 09:28
<副題=池上彰「実は大変な状況にあるのはロシアより米国のほう」 エマニュエル・トッドとのウクライナ戦争対談を振り返る(週間朝日・AERA)>
今度は、ロシアの侵攻収まるに5年説出現。
5年戦争では、ロシアも、ウクライナも疲弊するです。この調子では、ロシアは、ウクライナを焦土とし、地雷を埋め、ウクライナ国民諸共の、抹殺、再起不能にするの気かと。
兎に角、ロシアは、自国には、攻撃すなと。勝手都合の、ウクライナ侵攻。
で、
この戦争の難しいは、ウクライナが、作戦ミス等で、負ければ、おしまい。欧米等、支援国が、分裂し、出来ずになれば、万事休すで、おしまい。
がしかし、欧米は、今更、負けられず。負けぬよに、支援するです。
対するの、ロシアは大国。資源国家で、軍事国家で、独裁政権。
この1年で、見えて来たは、ロシアは、諸般の謎だらけ。
元々が、ロシアなるは、信用してたら、足下蹴られて、ひくり返して来るの国。
<写真1>
ジャーナリスト・池上 彰さん(いけがみ・あきら)/1950年、長野県生まれ。NHKの記者やキャスターを経てフリーに。名城大学教授、東京工業大学特命教授。主な著書に『一気にわかる!池上彰の世界情勢2023』など(photo 片山菜緒子)
<写真2>
歴史人口学者・家族人類学者・エマニュエル・トッドさん/Emmanuel Todd 1951年、フランス生まれ。家族構造や人口動態などのデータで社会を分析し、ソ連崩壊などを予見してきた。近著に『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』(photo 朝日新聞社)
>開戦から1年経っても、停戦への道筋が見えないウクライナ戦争。その背景や今後などについて、AERA 2023年2月27日号で、歴史人口学者・エマニュエル・トッドさんと意見を交わしたジャーナリスト・池上彰さん。この対談で何を思ったのか。
>印象的な対話だった。
>一つは、戦争が始まる前は破綻国家だと思っていたウクライナが、皮肉なことではあるが侵略を受けたことで国家としてのまとまりができ、民族主義的な意味での団結心が出てきたことをトッドさんが認めたこと。
>もう一つは、トッドさんは以前からアングロサクソン、特に米国が諸悪の根源だとおっしゃったが、そこを改めて強調したということだ。
>ロシアは危機的状況なのではないか。そんな論調がほとんどの中、実は大変な状況にあるのは国民の間で分断が進む米国のほうなのだ。例えば共和党の内部も分裂し、下院議長が15回投票しないと決まらないような状況の中、トランプ前大統領は再登板を狙ってしゃしゃり出てくる。しかし、党内でもトランプさんについていこうという人はごく少ない。一方で、バイデン大統領は大丈夫かというと、自宅で見つかった機密文書の件や、自身の高齢の問題(現在80歳)もある。米国自身が迷走し、危機的状況にあることが露呈している。米国のことも考えていかなければいけないということだろう。
>そして、ロシアがこの戦争の勝者になり得るという話。実はロシアはこの戦争の前から、「世界で米国だけが唯一の大国であってはならない、多様な世界でなければならない」といった趣旨のことを言っていた。いまロシアはウクライナでは大変な苦戦をしているようで、私たちはついそこだけ見てしまいがちだが、この戦争で結果的に世界がさまざまに分断し、多様なものになっていくとしたら、それはもっと広い、長いスパンで見ればロシアの世界戦略が実は成功しつつあるのかもしれない……。そういう冷静な視点でこの戦争を見ていかないといけないのだということを、トッドさんに教わった気がする。
>トッドさんはこの戦争が5年は続くと言う。私の推測だが、ロシアのプーチン大統領は、(第2次世界大戦の)独ソ戦でドイツの侵略を受けたときもウクライナで大戦車戦が展開され、4年かかってドイツを追い出したのだから、少なくとも4年くらいは続くだろうと考えているのではないか。私たちも残念ながら、あと3年くらいは覚悟しなければならないのかもしれない。
>結果的に勝者がいない戦争がいま展開されていることを、これも残念ながら私たちは認識しなければいけないと思う。
>最後に希望はあるかと問うとトッドさんは「ジョーカーだ」と少し笑って答えた。希望は持ちたい。箱からあらゆる災厄が世界に飛び出していっても、最後に一つ「希望」だけは残ったという有名な話もあるではないか。何とか私たちの手で希望を見つけていかなければならない。改めてそう考えた。
>(構成/編集部・小長光哲郎)※AERA 2023年2月27日号より抜粋
<参考=「池上彰「実は大変な状況にあるのはロシアより米国のほう」 エマニュエル・トッドとのウクライナ戦争対談を振り返る」(週間朝日・AERA)>
(23/02/25)
<消滅・23/07/31>
【閻魔大王】 2023/02/27 (Mon) 11:18
<副題=【中村逸郎氏の独自解説】プーチン演説から消えた勇ましさ「勝利する」「やり遂げる」の言葉なし...次の注目は『5月9日』習近平国家主席がモスクワに?(MBS)>
2月24日、ロシアのウクライナ侵攻から、1年経ったですが、特段の、動き無く。
では、次と、なれば、5月9日<?>
「副題」の通り、習近平国家主席がモスクワに<?>
そして、核問題<!>
<映像1>
ロシアは深刻な砲弾不足→核に頼るしかない
<映像2>
(プーチン大統領に)勇ましさがなくなってきている
<映像3>
(中国の)12にわたる主張はこんな内容
>◎中村逸郎氏:筑波大学名誉教授 専門はロシア政治でプーチン大統領研究の第一人者 ロシア外務省から入国禁止対象に指定される
>―――中村先生はこの1年を振りかえって、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をどのようにご覧になっていますか?
>「何のための戦争なのか、何のための軍事侵攻なのか、迷走しているプーチン大統領の姿がよく見えてきたということですね。去年の12月の末だったんですが、CNNが衝撃的な映像を流したんですよ。首都キーウに住んでいた5歳の子が、お父さん・お母さん・おばあちゃんが亡くなって、1人で400km、キーウからポーランドまで泣きながら歩いている映像を流したんですよ。これがプーチン大統領がやっている軍事侵攻の実態なんですね」
>―――プーチン大統領は今年2月21日に侵攻後初となる年次教書演説を行い、22日は20万人規模の愛国集会で演説、そして23日の「祖国防衛の日」にはビデオメッセージと、連日発信しています。
(MBS 三澤肇解説委員)
>「モスクワ支局の経験者に何人か話を聞いてみたのですが、過去と比べてもいつも通りかなという感じはするんだけども、もし健康に問題を持っていたとしてもたぶん見せられないだろうと。それよりも会場の雰囲気が“よどんでいる”という。その人が2018年に年次教書を取材したときには、新しい核ミサイル4つぐらい、コンピューターグラフィックを出してドーンとやったらしいんですけども、そんな雰囲気じゃ全然ないと。拍手が出たのは新STARTの停止ぐらいで、会場がなんともどんよりとした空気であるということが印象に残っているって言っていました」
>―――一方、中村先生の見立てですが、勇ましさがなくなってきていると?
「この年次教書演説の直前、アメリカのバイデン大統領が電撃でキーウに行きましたよね。ですから、プーチン大統領がどうそれに反応してくるのか、BBCのモスクワ総局のニュースによれば、キーウへの電撃訪問を受けて一生懸命年次教書を書き換えているっていうようなニュースも入ってきて、私もどんなふうにプーチン大統領がしゃべるのかと思ったんですが、びっくりしたことには、今回の軍事作戦に『勝利するんだ』という言葉がなかったんですよ。しかも『やり遂げる』という言葉もなかった。今一番ロシアの国民が知りたいのはそこなんですね。それともう1つ、プーチン大統領は何を言ったのかと。後半の部分ですが、兵士の22万人近くが死傷していて、その人たちの社会保障をちゃんとしますよっていうことを言ったんです。ただ、この年次教書を聞いたモスクワに住む40歳の私の友人がすぐメールを送ってきて、『いまさら何を言ってるんだ』と。去年の秋にもたくさんの兵士が亡くなったり、けがをしたりしている。いまさら何を言っているんだ遅すぎるんだと。全く目新しいものがないっていうことで、今回プーチン大統領はかつてのような勇ましさがもう見られなくなってきているということなんですね。そこでプーチン大統領のビデオメッセージが出てきたもんですから、ついにプーチン大統領が最後の切り札を出してきたんじゃないかと私は思っているんですね」
>「核への依存に頼ってきているんじゃないか」
>―――ビデオメッセージでは核戦力の3本柱を強化すると表明しました(陸:大陸間弾道ミサイル=ICBM実戦配備 海:潜水艦発射弾道ミサイル=SLBM 空:戦略爆撃機)。これについては?
>「実はもう通常兵力が使えなくなるほどもう消耗していると。ですからプーチン大統領はどうやらほかのことを考えている。つまり核への依存に頼ってきているんじゃないかということですね」
>―――海外メディアによりますと、ウクライナでの戦闘で1日に使われる砲弾の数は、ウクライナが6000発に対してロシアが2万発だということです。
>「ウクライナの6000発っていうのも、ヨーロッパの小さな国が1年間でいろんな軍事演習をするときに使う数と言われています。それをウクライナは1日で使っている。ロシアは3倍以上使っているということで、砲弾不足っていうのがかなり深刻になってきている。そうした中でやっぱり最終的には核に頼るという流れが少しずつ出てきているんだろうなと。ですから通常の戦争から核をにおわせる、核使用をにおわせる、また本当に核を使うんじゃないかと、局面が大きくここにきて変わっているということですね。ロシア独立系の最新の世論調査によれば、『あなたの周りで今回の戦争でけがをしたり死んだりした人いますか?』という調査で、『いる』との答えが28%も。ロシア兵の死傷者は22万人というニュースが出ていますが、実態はもっと多いんじゃないかなと」
>中国が停戦を呼びかけ これを機に「米中関係改善」の思惑も?
>―――そしてもう1つ気になるのが、停戦を呼びかけた中国の動きです。中国政府は、ウクライナ問題の政治的解決に関する中国の立場を発表。内容としては▼核兵器の使用や核による威嚇をしてはならない▼冷戦的な考え方を捨てる▼安保理で承認されていないいかなる一方的な制裁にも反対…などです。先生は中国の立場というのをどう見ていますか?
>「非常に微妙なところなんですね。なぜかといいますと、中国っていうのは気球問題があって、米中対立っていうのが非常に厳しい状況。そしてウクライナもプーチン大統領が核を使うんじゃないかと。そこで、習近平国家主席は自分の出番だと思っているんですね。それはロシアを止めるだけではなくて、これを機会に米中の関係も改善したいと。そのために、プーチンの緊張を高めているところで自分の出番だと。じゃあ一体何ができるかということです。経済制裁を欧米がロシアに科していますけども、それを緩和する方向で自分が欧米との間に入ってやろうかと。そして先ほど入ってきたニュースですが、ゼレンスキー大統領も習近平国家主席と直接会って話をしたいという話も出てきたんですね。ここで何か習近平国家主席の動きが出てきて、もちろんどれだけできるかわかりませんけれども、何か動き出してきたなということです」
>(MBS 三澤肇解説委員)
「冷戦的な考え方を捨てなさいという部分なんですが、年次教書でプーチンさんが言ったのは、『西側』『西側』って連発したんですよね、今回。『ネオナチ』という言葉より『西側』という言葉を使っていた。冷戦的な考え方を使っているのはプーチンさんじゃないですか。そこに対するメッセージもあったのかなというところはすごく思いましたね」
>(筑波大学 中村逸郎名誉教授)
「冷戦で負けたのがソ連なんですよ。今回、この軍事侵攻について『勝てる』とは言えなかったんですね、冷戦で負けているから」
>(MBS 三澤肇解説委員)
「あと安保理ですね。安保理のことを言っていましたが、安保理で拒否権を行使しているのはロシアと中国ですからね、そこもどうなんだというところは正直思いますね」
>広島サミット前に習近平国家主席が「国際的な存在感を見せつけてやろうと」
>―――そして習近平国家主席が4月か5月初旬にロシアを訪れる可能性をアメリカのメディアが報じました。中村先生によりますと、次のターニングポイントになるのではないかというのが、5月9日の戦勝記念日(ソ連がナチスドイツに勝利した日)ということですね?
>「そうですね。4月下旬から5月の頭あたりに、習近平国家主席がモスクワに行ってプーチン大統領と会う可能性がある。なぜかというと、1年前に戦争が始まって、プーチン大統領にとって頼りになるのは習近平さんしかいないということで、ぜひモスクワに来てくださいっていうことを1年間ずっと要請してきたんですね」
>―――5月19~21日に開催されるのが広島サミット。これより前に“手柄”がほしい中国が停戦に向けて動くのではと。こういったところも1つタイミングになっているのではないかと?
>「そこが実は非常に大きいと思うんです。広島のこのG7の会議というのは、まさにこのウクライナ問題が中心テーマなんですね。バイデン大統領も含めて、ウクライナ戦争に仲介してうまく止めることができない、フランスのマクロン大統領もうまくいかなかった。そこで広島サミットの前に自分がプーチンさんまたはゼレンスキーさんと会って話をつけて、自分の国際的な存在感を見せつけてやろうということなんですね」
>―――クリミア半島の併合の翌年である2015年の戦勝記念日には、習近平国家主席も参加していたという実績があるわけですね?
>「プーチン大統領が頼っているのは、最後、習近平さんに仲介役を頼むしかないということです」
>(2023年2月24日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
<参考=「【中村逸郎氏の独自解説】プーチン演説から消えた勇ましさ「勝利する」「やり遂げる」の言葉なし...次の注目は『5月9日』習近平国家主席がモスクワに?」(MBS)>
(23/02/27)
【閻魔大王】 2023/02/27 (Mon) 23:11
<副題=ウクライナ侵攻1年で泥沼化 プーチン大統領失脚しないと戦況変わらない…元防衛省情報分析官・西村金一氏(Yahoo!ニュース・スポーツ報知)>
「一般的に、投入した戦力の3割を失うと敗北を意味します。露軍はすでに約15万人の死傷者を出しており、どう考えても勝ち目はない。ただ、露軍が占領した領土を返還するという可能性はほぼない。停戦前に、なるべく多くの領土を獲得しようとして戦闘が激しくなる可能性もある。プーチン大統領が失脚するなど大きな動きがないと、なかなか今の状況は変わらないと思います」
成る程の、そと、考えられるです。
余程の打撃を与えないと、駄目。
但し、打撃の程度、プーチンの受け取りよで、核もあり得るかと。
それを、阻止するがための、欧米の支援。
兎に角、ウクライナを負けさせるは出来ず。核も阻止<!>
難しい舵取りかと。
>ロシアによるウクライナ侵略から、24日で1年を迎えた。ウクライナは米欧から軍事支援を受けるなど徹底抗戦の構えを見せており、膠着(こうちゃく)状態が続く。両国では推計で30万人が死傷するなど、消耗戦の様相を呈している。北朝鮮など各国の軍事事情に詳しい元防衛省情報分析官の西村金一氏(70)が現状と今後の見通しについて分析した。(久保 阿礼)
>世界に衝撃を与えたロシアによるウクライナ侵略が始まって1年を迎えた。
>露軍は当初、空港や原発を制圧し、首都キーウを陥落させるという早期決着を狙っていたとされる。だが、露側にとってウクライナの猛反撃は想定外とされ、「早期逃亡する」との見方もあったゼレンスキー大統領らが奮闘。米欧などから幅広い支援を取り付けた。その結果、露軍は東部・南部にとどまるなど戦略変更を余儀なくされ、戦況は泥沼化している。
>西村氏はウクライナ側の反撃が奏功した要因について「電子戦が機能した」と指摘する。防衛白書によると、電子戦とは、電波を始めとする電磁波を利用した戦いのこと。戦闘時の「攻撃」「防護」「支援」という3つの局面で活用する。例えば、敵国の通信機器やレーダーを攻撃したり、電波を妨害するジャミングや高出力レーザーによる破壊活動などがある。
>「開戦当初から、ウクライナ側の電子戦が能力を上回り、ジャベリン(歩兵携行式多目的ミサイル)などで、露軍の戦車を中心とした機甲部隊の進軍を止めた。露軍は兵器のレベルで劣り、地域確保がままならない。ウクライナの防空システムも機能しており、空軍も使えない状況です」
>1次攻撃をしのいだウクライナは昨年8月末から反撃を開始。北東部ハリコフ州、南部ドニエプル川沿岸などを取り戻し、米欧は次々と反撃に必要な最新の武器を提供している。
>ただ、現場の消耗は激しく、戦闘は長期化するとの見通しもある。中でも西村氏が気になる動きとして挙げるのが「塹壕(ざんごう)」の増加だ。陣地の周りに掘る穴や溝のことで、敵の銃砲撃から身を守るため、木材などで屋根を作る。地上戦では攻撃、防御ともに活用される。
>「塹壕には戦闘用と衣食住の2種類がある。私も自衛官だったのでよく分かりますが、塹壕に入ると『穴から出たくない』という感覚に陥る。戦闘が長期化すれば、人は誰しも『死にたくない。じっとしていよう』という心理になるもの。プーチン大統領が『攻めろ』と言っても相手は塹壕の中。そう簡単に倒せないし、戦線も進みません。こうした状況も膠着状態になった要因の一つでしょう」
>今後の展望はどうか。
>「一般的に、投入した戦力の3割を失うと敗北を意味します。露軍はすでに約15万人の死傷者を出しており、どう考えても勝ち目はない。ただ、露軍が占領した領土を返還するという可能性はほぼない。停戦前に、なるべく多くの領土を獲得しようとして戦闘が激しくなる可能性もある。プーチン大統領が失脚するなど大きな動きがないと、なかなか今の状況は変わらないと思います」
>◆西村 金一(にしむら・きんいち)1952年4月23日、佐賀県生まれ。70歳。法大卒業後、陸上自衛隊の幹部学校指揮幕僚課程(CGS)修了。防衛省・統合幕僚監部・情報本部などの情報分析官、幹部学校戦略教官などを歴任。定年後、12年に軍事・情報戦略研究所長として独立。著書に「こんな自衛隊では日本を守れない」など。
>報知新聞社
<参考=「ウクライナ侵攻1年で泥沼化 プーチン大統領失脚しないと戦況変わらない…元防衛省情報分析官・西村金一氏」(Yahoo!ニュース・スポーツ報知)>
(23/02/25)
<消滅・23/03/28>
【閻魔大王】 2023/02/27 (Mon) 23:45
<副題=「支援疲れを回避」天もウクライナに味方する…プーチンの切り札も記録的な暖冬で不発に 木村太郎(FNN)>
<表紙1>
<写真2>
1月に海水浴を楽しむ人まで(スペイン)
<写真3>
暖冬による雪不足に悩むスイスのスキー場(1月)
<写真4>
ドイツ製戦車「レオパルト2」
>エネルギー供給がロシアの切り札 FNNプライムオンライン
>ロシアの侵略に1年間耐えて戦い続けているウクライナを、天も味方をしているようだ。
>「欧州の暖冬がプーチンの切り札を奪っている」
>CNNのウェブサイトに1月16日に掲載された記事見出しだ。
>「ロシアのウラジミール・プーチン大統領が部隊にウクライナへの侵攻を命じて以来、欧州の政府を最も悩ませていた問題はロシアが天然ガスの供給を断てばどうなるかということだった。
>欧州諸国は家庭の暖房から工場の動力のために消費する天然ガスの多くをロシアに頼っており、その供給を断つことはプーチン大統領の『切り札』のような手段だったからだ」
>ところがこの冬に限って、その「切り札」が使えない状況になったと記事は伝えた。
>今シーズン欧州では記録的な暖冬に
>欧州では昨年来記録的な暖冬に恵まれ、天然ガスの供給をロシアに頼らなくても良い状況になっていたからだ。
>今年の元日、リヒテンシュタインの首都ファドーツでは20度、チェコ北部のヤボルニークで19.6度、ポーランド南部の村ヨドウォブニクで19度などを記録した他、オランダ、デンマーク、ラトビアやクリミア半島を除くウクライナなどで1月として過去最高気温が観測された。
>この暖かさでスイスなどのスキー場では雪不足で開場できなかったり、逆にスペインなどでは海水浴場が季節外れの賑わいになるということにもなった。
>欧州連合(EU)統計局によると、昨年8月から今年1月までのEUの27カ国のガス使用量は過去5年間の同時期の平均消費量と比較して19.3%減少している。
>ロシアはウクライナ侵攻後、EU諸国への天然ガスの供給をほとんど停止し、いったんはガスの供給不足と価格高騰でエネルギー危機を引き起こしていたが、EU諸国がガス消費を自主的に15%倹約する中で暖冬からガスの需要が減って価格が急落し危機を脱していた。
>プーチン大統領のもくろみ外れ…
>プーチン大統領としては、欧州でエネルギー危機を起こせばそれは「ウクライナが妥協しないからだ」と欧州国民の「ウクライナ離れ」を呼び起こし、支援の機運を断とうという狙いがあったことは明白だ。
>しかしその「切り札」も不発に終わり、欧州国民の間で多少の「支援疲れ」があったにせよドイツが始めは逡巡して「防弾ヘルメット」しか供余していなかったのに今やレオパルト2戦車を供余するなどNATO諸国の支援体制は逆に強化されてきている。
>天は「欧州の記録的な暖冬」でウクライナを救ったとも言えるわけだが、この紛争はこれからの戦いが勝敗を決すると言われる中で、天は今度はどうウクライナの味方をするのだろうか?
>【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
>【表紙デザイン:さいとうひさし】
<参考=「「支援疲れを回避」天もウクライナに味方する…プーチンの切り札も記録的な暖冬で不発に 木村太郎」(FNN)>
(23/02/27)
【閻魔大王】 2023/02/28 (Tue) 13:16
<副題=ワグネル創設者、深まるロシア軍上層部との対立(日本経済新聞)>
民間軍事会社ワグネルと、ロシア軍上層部との対立は本当<?>
一説では、軍は、ワグネルに弾薬をくれない。
よって、ワグネルは北朝鮮から、調達<?>
<写真>
ウクライナでの戦闘で死亡したワグネル戦闘員の葬儀に参列したプリゴジン氏=AP
>ロシアの民間軍事会社を率いるエフゲニー・プリゴジン氏はよく、ウクライナの戦場での恐れ知らずの偉業とされるものについて自慢するが、最も向こう見ずな戦いはロシア国内での行動だったかもしれない。クレムリン(ロシア統領府)で「成り上がり」すぎたことだ。
>民間軍事会社「ワグネル」の創設者であるプリゴジン氏は何カ月も前から、ウクライナでの軍事的惨状についてロシア軍と言い争いを繰り広げており、モスクワでの両者の対立は戦争をめぐる壮大な権力闘争の様相を呈していた。
>軍への不満は影響力低下の兆しか
>だが、ここ数日、プリゴジン氏はますます怒りに満ちた不満をぶちまけるようになった。クレムリンウオッチャーはこれを、ロシア国防省のエスタブリッシュメント(支配層)が結束を固めてプーチン大統領の取り巻きとしての優位性を取り戻したことで、プリゴジン氏の影響力が低下している兆しだと見ている。
>プリゴジン氏は2月下旬、ロシア軍がワグネルの戦闘員に弾薬を供給せず、刑務所での募集活動が打ち切られ、国営メディアでのワグネルの称賛が封じられたとして、(軍幹部は)「反逆罪」にあたるとまで訴えるようになった。同氏に近いある人物は「彼は(空を高く飛びすぎて墜落したギリシャ神話の)イカロスのような最期を迎えるリスクがある」と語る。
>プリゴジン氏の名前が広く知られるようになったのは、ロシアのワレリー・ゲラシモフ参謀総長とセルゲイ・ショイグ国防相による侵攻作戦の不手際によるところが大きかった。
>元ケータリング業者で、わずか数カ月前にはワグネルが存在することさえ否定していたプリゴジン氏は、強硬派の非公式グループの指導者として非正規軍を率いる役割を受け入れ、ロシア軍指導部に対する不満を募らせるどころか、その不備について公然と批判することを許されるまでの存在になった。
>ウクライナ東部の町ソレダルの制圧など、ロシア側が珍しく勝利を収めたときには、プリゴジン氏はワグネルの戦闘員の功績だと吹聴し、軍幹部の不興を買った。
>プーチン氏との長く太いパイプ
>プリゴジン氏は強硬派の中で天性のリーダーシップを発揮した。同氏とプーチン氏の長い付き合いは、1990年代に当時サンクトペテルブルク副市長だったプーチン氏が夜な夜なプリゴジン氏のレストランに通ったころまでさかのぼる。両氏を知る2人の人物によると、プリゴジン氏はそのおかげでプーチン氏に直談判できる関係を手に入れた。
>プリゴジン氏と近い前出の関係者によると、ショイグ氏が指揮するウクライナ侵攻での正規軍の惨状にプーチン氏が気づいた後、プリゴジン氏は大統領の個人的なお墨付きを得てクレムリン内でのし上がっていった。
>また、この関係者と西側の政府高官2人によれば、脚光を浴びたプリゴジン氏は、プーチン氏の最も古い盟友の1人であるショイグ氏の失脚をもくろむようになった。
>「配下の将軍を信頼できないことに気づいたために、プーチン氏は勝利に疑いを抱くようになった。そこで、ほかの人の意見を求め始めた」。プリゴジン氏に近い関係者は話す。「ショイグ氏がいなくなれば、我々の勝ちだ。我々にとっての最大の敵は、ウクライナ人ではなくショイグ氏だ」
>かつて謎に包まれていたプリゴジン氏は、戦闘員として受刑者を採用するために刑務所を訪問して回り、6カ月間の戦闘を生き延びたら恩赦が与えられると約束した。恩赦はプーチン氏だけが権限を持っていることだ。ロシアの独立系メディアサイト「メディアゾナ」は、プリゴジン氏は受刑者に向かって「ロシア軍は大失態をやらかし、すべてを失った。連中は役立たずで、我々こそがこの戦争に勝つプーチン氏の希望だ」と言ったと報じている。
>米外交政策研究所のシニアフェローで、ロシアに関する軍事研究家のロブ・リー氏は「プリゴジン氏は権力の中枢に食い込むようになった。彼やワグネルが誰に報告をあげるのかは不透明だ。ただ、プリゴジン氏はプーチン氏に直接電話をかけられる。これは大半のロシア軍将校にはできないことで、プリゴジン氏が持つ強みだった」と語る。
>軍上層部との対峙で集めた支持
>本人を知る関係者2人と欧米の政府高官2人によると、2022年2月に首都キーウ(キエフ)制圧に失敗した電撃作戦の責任者であるゲラシモフ氏とショイグ氏を嫌悪する他の非正規軍の指導者たちの間で、ロシア軍上層部と対峙することも辞さないプリゴジン氏の態度は支持を集めた。
>チェチェン共和国の強権的指導者であるラムザン・カディロフ首長は、キーウ郊外にあるホストメル空港に対する攻撃の際にチェチェン精鋭の落下傘部隊が負った被害に憤慨していた。一方、ウクライナ東部のドンバス地方でロシアの代理勢力となっている分離独立派とつながりがある超国家主義者らは、ロシア軍の戦術によってウクライナ東部での戦闘が消耗戦となったことが不必要に高い犠牲者数につながったと考えた。
>欧米の現職政府高官や元高官によると、ロシアのエリート層のメンバーもワグネルのやり方にならって民兵組織を立ち上げた。「これは寄せ集めの軍事的努力でしかない」と米国の元政府高官は話す。「ある意味でスペイン内戦と似ている」
>プリゴジン氏と親しい前出の関係者とウクライナの政府高官によると、ロシア軍の一部幹部もプリゴジン氏と同じようにショイグ、ゲラシモフ両氏を軽蔑していた。
>そのなかで最も著名な人物は、22年秋にウクライナでの戦闘を指揮した際に戦場でのロシア軍の限界を考慮に入れた戦術をとったセルゲイ・スロビキン航空宇宙軍司令官と、ゲラシモフ氏の攻撃作戦で多くの犠牲者を出したロシア空挺(くうてい)部隊司令官のミハイル・テプリンスキー氏だった。
>ウクライナ国防省情報総局のハディム・スキビツキー副局長は「ゲラシモフ氏の戦術は最も危険な紛争地に落下傘部隊を放り込むことで、部隊はただ殺されるだけだった」と話す。
>同氏はロシアの精鋭部隊である第155独立親衛海軍歩兵旅団の事例を引き合いに出す。軍と結びつきがあるロシア人の国家主義ブロガーやウクライナによると、旅団はこの冬、ドンバスで要塞化された陣地に攻撃を仕掛けた際に壊滅的な数の犠牲者を出した。
>「旅団にはまともな歩兵が残っていない」とスキビツキー氏は話す。部隊は主に「船から人員を下ろす」ことによって前線の要員を確保しているだけだと指摘する。「旅団の損失があれほど大きかったのは、そのためだ。第2陣が送られ、場合によっては第3陣も送られた」
>ワグネルは戦闘の前線で次第に大きな役割を担うようになり、プーチン氏が22年10月にスロビキン氏を侵攻の最高司令官に任命してからは特に存在が際立つようになった。
>総司令官の交代で力関係が一変
>だが、プーチン氏が23年1月、ゲラシモフ氏を侵攻作戦におけるただ1人の総司令官に据えると、力関係が変わった。
>米タフツ大学フレッチャー法律外交大学院の客員研究員、パベル・ルジン氏は、ゲラシモフ氏は「傭兵(ようへい)とその庇護(ひご)者」を支配下に置くため、スロビキン氏に欠けていた政治的影響力を駆使したと指摘する。
>状況は一変した。22年の大みそかには、プーチン氏はワグネルの戦闘員として戦う武装強盗犯に勲章を授与した。だが、そのわずか7週間後には、プリゴジン氏は前線の戦闘員に弾薬が与えられていないと不満を訴えた。
>ゲラシモフ氏が優勢に立ったことで、彼のライバルでさえ忠誠心を示し始めた。
>空挺部隊の司令官でゲラシモフ氏を批判していたテプリンスキー氏は数週間鳴りを潜めた後、22日になって軍の祝日を祝う動画で姿を現した。動画はゲラシモフ氏の肖像画が飾られたオフィスで、ショイグ氏が映ったスクリーンセーバーを背景に撮影されていた。
>対照的に、プリゴジン氏は芝居がかった姿勢を崩していない。同氏は23日、バフムトで自動小銃を構えた姿を映したとされる動画を新たに公開した。バフムトはドンバス地方で最も危険な激戦地の一つで、ワグネルが数千人もの死者を出した場所だ。
>「さあ行くぞ」。砲撃の音が鳴り響くなか、プリゴジン氏は言った。「さもなくば、こうした激励が我々の最後の言葉になる」
>By Max Seddon, Christopher Miller, Samer al-Atrush and Felicia Schwartz
>(2023年2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
>(c) The Financial Times Limited 2023. All Rights Reserved. The Nikkei
Inc. is solely responsible for providing this translated content and The
Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy
or quality of the translation.
<参考=「 [FT]ワグネル創設者、深まるロシア軍上層部との対立」(日本経済新聞)>
(23/02/27)
<参考=NO.416 続46<ロシアのウクライナ侵攻>情報錯綜、どちらが優勢<?>/戦車到着間に合う<?>>
(23/03/01)