雑談<NO.377>
みんながパソコン大王 |
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表題一覧表 |
NO | 表題 | 起稿 | 起稿日 |
雑談NO.378 | |||
3272 | <がんの消滅>がん細胞がぷちぷち壊れていく/「光免疫療法」発見の瞬間 | シバケン | 23/09/28 |
3271 | <日本マクドナルドの広告>海外で炎上<?> | シバケン | 23/09/27 |
3270 | ≪訃報≫「ダークダックス」遠山一さん(ゾウさん) 93歳 | 磯津千由紀 | 23/09/25 |
3269 | 「社長」って大変! | パソコン大魔神 | 23/09/25 |
雑談NO.376 |
NO.3269 「社長」って大変!<起稿 パソコン大魔神>(23/09/25)
【パソコン大魔神】 2023/09/25 (Mon) 09:55
今更、パソコン大魔神が”パソコンの話”をしても仕方が無いので、「役に立つけど、誰も割り込めない」激レアな話を人生の終わりに披露させて頂きます。堅い話は専門書に任せるとして、社長経験者で無ければ判らない”アルアル話”や”仰天話”をさせて頂きます。
最初に”結論有りき”ですが、人生で最低一度は「社長」を経験すべきです。
そもそも、大魔神が日本IBM本社で社員教育の講師として大暴れが出来たのは「企業経営者」だったからです。私以外にも何人かの講師が居たのですが、経営者では無かったので経理担当や労務担当の”講師役”で終わっています。大魔神の場合だけ日本IBM中小型機事業部(パソコン・AS/400)とサービスビジネス事業部(受託事業とサプライ用品)の事業部長(役員)と六本木界隈を夜な夜な飲み歩いていたんです。その勢いで、普通に役員室に出入りして、事業計画作成を手伝っていたんです。
これまでに何度も何度もお話していますが、IBM最初のDOS/Vパソコン「PS/V」は、ほんの冗談から生まれたもので、それがマサカここまでになるとは当時夢にも思わなかったんです。
(初回は控え目にココまで)
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/09/28 (Thu) 02:42
1.「経理」は必須です。
自分自身の経験からですが、「社長」として企業経営をする上で絶対に避けて通れない知識が「財務会計」の知識です。大魔神の場合も、典型的な”技術屋”でしたので、会社を始めて最初にブチ当たった大きな”壁”が「経理」でした。
サラリーマン時代の財務知識は”家計簿”の延長で、収入である給与・賞与、支出である家賃・生活費・電気ガス代・ガソリン代などの”お金”の出入りを管理していれば良かったのですが、「会社」となると話がガラリと変わります。”家計簿”式の収支会計では管理出来ない事が発生します。その典型が「資産」と「負債」という概念です。
中国では「社長」という言葉では無く「総経理」と呼ばれるように、社長の一番の仕事は財務状況を正確に把握する事なんです。「そんなモン、経理担当に任せればイイ!」なんて考えで会社を始めたら大変な事になります。新人社長のかつての大魔神が、まさにソレでした。
実際、手元の現金と預金を勘定しているだけでは、会社が儲かっているのか赤字なのかサッパリ判りません。一見、手元の現金や銀行預金が増えて来ると「こりゃ~儲かってるな!」と錯覚するもので、後になって「請求書」の金額を支払う段になって初めて「お金が足りないゾ!」と焦る事になります。
友人や知人と話をしていて、社長経験者とサラリーマン・公務員と決定的に違うのが”経理知識”です。「商売繁盛で儲かってるやろ!」と言われても、「アホか!、そんな甘いモンじゃ無い!」と話が食い違ってしまいます。この時点で、人種の違いが露呈します。そう、「社長業」は違う人種になってしまうんです。
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/09/29 (Fri) 15:57
2.会社の「経理」は”税務会計”
”企業会計原則”に従う会社の経理処理は、実は”税務会計”で、税務署の業務を企業側が人件費を払って代行しているようなものなんです。従って、真面目に経理業務を行うと税務署の”思う壺”に嵌ります。最悪は税金を払うために苦心惨憺することになります。
先ず、顧問税理士の選定ですが、「税理士」は税務署職員の失業対策事業なんです。定年退職や早期退職した税務署員は、顧客に頭を下げる事が出来ませんので、一般企業の従業員として働くことは困難です。そこで昔”大蔵省”が考え出したのが「税理士制度」なんです。税務署に一定期間勤務すれば簡単な試験で「税理士資格」が授与されます。しかし、”国家資格”としては問題になるので、一般の人も「税理士試験」を受験する事が”表向き”は可能です。ただ、合格率は1%程度の”狭き門”なんです。
従って、”税務署上がり”の「税理士」と”一般試験”の「税理士」は、まるで立場が逆になります。”税務署上がり”の「税理士」は税務署の”回し者”ですので、納税額が高くなるような決算結果に誘導します。ただし、”税務調査”は甘くしてくれます。逆に”一般試験”の税理士は税務署の敵ですので、納税額を最低限にしようとします。その分”税務調査”は厳しくなります。
大魔神の会社が選任した顧問税理士は、あえて”一般試験”で合格した「税理士」を選任したため、税務調査は”業務妨害”に近いものが有りました。仕舞には税務署職員に対して「エエ加減にせんかい!」と税理士が怒鳴り上げ、税務署員と乱闘寸前まで行く事が有りました。
会社の経理担当というのは、お金の出し入れだけでは無く、税務署と熾烈な戦いをする戦闘員だと考えて採用する必要が有るんです。そして社長は、最前線で仕掛けられている地雷を撤去しながら前進しなければならない役目なんです。
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/10/01 (Sun) 02:24
3.法人登記をすると飛んで来るミサイル
個人で勝手に事業を始めるのと違い、地方法務局に法人登記をすると、新規の法人として公示されます。すると、色々な方面から必ず反応が有ります。
先ず、得体の知れない出版社から「会社をアピールする記事を出版させて欲しい」と連絡が来ます。その取材時には、有名なタレントが同行するとの事。大抵は、そこで舞い上がってしまい、取材OKを出してしまうんです。実際にタレントが同行して取材を受け、後日に出版物が届きますが、一般の書店で売られている雑誌では有りません。こう言う”詐欺まがい”(詐欺にはならない)の勧誘は必ず有ります。
次に、”同業者”の会社幹部が突然に訪れます。もちろん、探りが目的なのですが「私共と組みませんか?」という穏やかな態度で情報収集に来ます。そこで「組みましょう!」と言えば利用されます。逆に断れば、後に妨害工作を仕掛けて来ます。ここは、ノラリ・クラリと曖昧な態度を取って置き、状況を見ながら考えれば良いと思います。ただ「組みましょう!」というのは大抵ウソです。何れ潰しにかかって来ます。大魔神の場合も、京都で老舗と言われる「内田洋行」の事務機屋の専務が偵察に来ました。その時はキッパリと断ったので、速攻でミサイルが飛んで来ました。
更に、銀行や信用金庫の営業担当者が「ご挨拶」と称して次々に飛び込み(アポなし)で来ます。特に熱心なのは信用金庫・信用組合で、新規取引となると出資金が必要なため、何度でも来ます。逆に大手メガバンクは絶対に来ませんので、法人登記の主管銀行以外の金融機関と当座取引を検討すべきです。最低でも3行くらいは当座取引をするべきだと思います。
そして、満を持して「東京商工リサーチ」と「帝国データバンク」の調査員が来ます。その他では求人広報誌の営業、事務器屋の営業、ダスキン、生命保険会社の営業など、次から次と色々な人が訪ねて来ます。
問題は、これらの事で急に「忙しくなった!」と錯覚する事です。
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/10/02 (Mon) 03:20
4.社員をどうする
一人で出来る職人仕事なら”会社”にする必要は有りません。家族で出来るような商店や飲食店も同じです。最初から「それでは済まないだろう」と思ったら、”会社(法人)”として事業計画を立てます。
ところが、世の中”誤算”は付き物で、予想外の展開になるものなんです。勿論、仕事の内容に左右されるのですが、小売店や飲食店で有れば商圏が限られますので、一つの店舗では知れています。広げるためには店舗数を増やす必要が有ります。
私のコンピュータ販売会社の場合も近隣の企業(京都市下京区と南区の企業)を想定して営業活動を開始したのですが、初年度に販売出来たのは京都市左京区と亀岡市でした。たまたま、サラリーマン時代から使っていたエアコンも無い自家用車が有ったのが功を奏した事になります。
翌年度は、そこから横展開して顧客が少し増えたのですが、ソフト開発が出来るスキルが有った事で、トラブル対応の依頼が殺到し、アッと言う間に和歌山県を除く近畿一円で仕事をする羽目になりました。まさに、予想外の展開。そうなると、10人程度の社員を雇用しないと仕事の処理が出来なくなってしまいました。嬉しい悲鳴なのですが、社員を雇用するというのは大きなリスクにもなるんです。
先ず、社員の給料です。当然、世間相場が有りますので、最低でも月収何万円という事になるのですが、月給×12か月では済みません。賞与や社会保険の会社負担分も勘定に入れなければなりません。更には”退職金”までも考えて人件費を見積もらなければならないんです。その上に社用車の手配、福利厚生(これが大変)、事故などのリスク管理など、社長自身の営業の仕事が一切出来なくなってしまったんです。
まさに”大誤算”も”大誤算”。エライ事です。
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/10/07 (Sat) 04:22
5.「退職金」のカラクリ
サラリーマン・OLの皆さん。これから”世にも恐ろしい話”をしますので心してお読み下さい。会社の「社長」というのは、悲しいかな、この様な考え方をしなければならないんです。すなわち「社員は金」と割り切る事です。
定年退職が近くなると「退職金」の金額が気になるものです。普通は「退職慰労金」として支給される「退職金」で残った住宅ローンの返済に充て、退職後に夫婦で海外旅行を企画するものです。あるいは”老後の資金”として蓄えても、株式を購入して”投資家”を気取るのもアリです。
ところが、実際「退職金」は社員のために会社が積み立てているワケでは有りません。会社は社員に「生命保険」を掛けて、不慮の事故や病気欠勤に備えているんです。臭いCMでご存じ「大同生命」を筆頭に「〇〇生命」という生命保険会社は会社員の生命保険を集め、マンション建設などで運用して利益を上げています。
「退職金」というのは生命保険の解約金が原資なんです。本来で有れば”給与”として支給すべき金銭の一部を”生命保険の掛け金”として流用しています。これは経理上「退職給与引当金」として全額が経理上の損金扱いとなります。サラリーマンの年末調整では生命保険の掛け金は一定額しか税額控除になりませんが、会社が社員に掛ける生命保険は全額が損金扱いとなります。
あまり考えたくは無い話ですが、社員が勤務中に事故で亡くなった場合などは”保険金”が会社に支払われます。その一部は遺族に「見舞金」や「退職金」として支払い、残りは会社の収入となります。現在公判中の「京都アニメーション放火事件」では”京アニ”に多額の保険金が支払われている筈です。あれだけ大勢の社員が犠牲になっても会社が倒産しないのは、この様なカラクリが有るんです。もちろん、”大儲け”にはなりませんが、事件で犠牲になった社員の遺族に「見舞金」と「退職金」を支払っても、幾らかは”京アニ”に残ります。
実は”運送会社”や”土木建築会社”は、このカラクリを利用しています。トラックの運転手や建設重機のオペレータは”同和”や”朝鮮人”を雇用して、生命保険を掛けています。極端な話ですが、事故で社員が亡くなれば会社には莫大な保険金が支払われます。今頃になって運送業界の過剰労働が問題になっているのは、トラック運転手は元々は”捨て駒”感覚だったからです。
もう一つ「リストラ」のカラクリをお話します。
「早期退職」として条件にする「割増退職金」は、実は”割り増し”では有りません。本来会社が定年まで支払う「生命保険金」の掛け金なんです。定年前に退職させれば給与・賞与の支払額を大幅にカット出来ます。そこで、”餌”として「今、辞めれば割増退職金が上乗せする」と言って騙すんです。リストラ対象者に「これは得だ!」と錯覚させるのがミソなんです。
「社長」にとって社員は”宝”です。しかし、この言葉の意味は若干の”見解の相違”が有るんです。(若干どころの話では無く、正反対です。)
-割り込み禁止-
【打悪法師】 2023/10/07 (Sat) 13:54
割り込みたい話ですが、割り込み禁止なので割り込みません。
【パソコン大魔神】 2023/10/07 (Sat) 16:28
是非、別板を立てて下さい。打悪法師さんのご意見、是非お聞かせ下さい。
この『「社長」って大変!』の板は、「奥の院」と同じようにシバケン会長にHTML化して貰い、検索ロボットに読ませて”世論形成”をするのが目的ですので、宜しくお願いします。
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/10/08 (Sun) 09:40
6.借金は総て「社長」が個人保証する。
日本の(明治時代に制定された)民法では、法人の借入金でも「代表取締役」の個人保証が要求されます。これは、担保が有っても同じです。最終的には「社長」が責任を負うという事で、金融機関を保護しています。
ここが欧米の考え方と根本的に違うことで、欧米では「法人」は”プロジェクト”のような概念のもので、事業が失敗した場合でも”出資者”の自己責任とされ、「最高経営責任者」の個人資産にまでは及びません。だから、何度も失敗しても這い上げる事が可能です。
日本の場合は「社長」の個人保証が求められるので、最終的には”一家心中”となり再起は不可能となります。政府は無責任にも「スタートアップ企業の奨励」等と言っていますが、金融屋を保護する「民法」の個人保証条項を廃止しなければ”自殺者”を増やすだけなんです。
この民法の個人保証条項は「社長」に限らず、知らない内に皆さんに掛って来ているんです。それが「住宅ローン」で、住宅ローンを借りる時には必ず「保証会社」が関わって来ます。「もし、ご主人が事故や病気で亡くなられた場合、その後の住宅ローンの返済は要りません」という一見して”有難い”仕組みだと思うでしょうが、高額な「保証料」を請求されます。これは「ローン保証会社」が所帯主に”団体生命保険”を掛けているんです。世帯主に何かが有れば保険金が「ローン保証会社」に支払われ、銀行の住宅ローンは「完済」となります。
問題はご主人の会社が倒産して収入が無くなり、住宅ローンの返済が滞る事態になった場合です。住宅ローンが3ヶ月返済が滞ると、銀行の請求で「ローン保証会社」が残金を決済する契約になっています。債権は銀行から保証会社に移り、保証会社から督促状が届きます。ここでもローンの返済が無いと、”財産差押え”と”競売申立て”が裁判所に提出され、裁判所から高圧的な内容の書類が届きます。この場合、弁護士は逃げてしまいますので、大抵は「前途を悲観」する事になり、精神的に不安定になって最悪”自殺”する人も出ます。すると、保証会社が掛けた生命保険が支払われ”一件落着”となります。
問題は、一家が”夜逃げ”をした場合で、生命保険が支払われず、裁判も継続不能となり、物件を処分するまでに最低でも10年を要します。”自殺”も”夜逃げ”もしないで済む方法は、購入した自宅を他人に賃貸し、「社長」は賃貸マンションに住む事です。日本の民法は「賃借人」を保護する条項が有るので、強制的に家を追い出される事は有りません。
世の「〇〇法律事務所」という弁護士事務所は庶民の味方では有りません。弁護士は自由業ですので、金になる仕事しかしません。絶対に”貧乏人”の味方では有りません。裁判所も”貧乏人”の味方では有りません。印紙税を払って「訴状」を提出した側の味方をします。
ちなみに、大魔神は”バブル崩壊”の時、「京都信用金庫」がヤクザに貸した莫大な貸付金が焦げ付いて、真面目にコツコツと頑張っていた我が社に”貸し剥がし”を仕掛けて来ました。そこで、京都地方裁判所に裁判を起こし、更に大阪高等裁判所にも裁判を起こし、「京都信用金庫」を被告席に立たせてやりました。裁判では負けましたが、以後「京都信用金庫」は二度と立ち上げれない状態になってしまいました。もちろん、こんな訴訟を手助けしてくれるマトモな弁護士は居ませんでしたので、「ワード」で”訴状”と”準備書面”を作成し、近くの郵便局で収入印紙を買って”本人訴訟”を起こしました。
「社長」は弁護士以上に法律の勉強をしておかないと、”首を吊る”事になるんです。
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/10/11 (Wed) 09:03
7.世にも不思議な「約束手形」の世界(1)
「法人登記」が完了すると銀行に当座預金を開設する事ができます。個人事業でも”当座取引”は可能ですが、資産内容など、色々と審査をされます。「法人」は地方法務局の一定の審査を受けて”登記”されるので、特別の審査が必要無いんです。
一般の人は、普通預金と定期・定額預金だけですが、「当座預金」というのは金利が付かない預金の意味が判らないと思います。「当座預金」は厳密には”預金”では無く”決済口座”なんです。
「当座預金」を開設すると、小切手帳と手形帳を購入する事が出来ます。この小切手と手形は”現金”と同じ扱いになります。言い換えれば、自分で勝手に”お札”を発行するようなモノなんです。例えば、仕入先への支払の時、支払金額を手書きかチェックライターで記載し、社印と銀行印を押せば、お札も硬貨も要りません。金庫の中の手持ち現金が無くても小切手で支払が出来る非常に便利な”紙切れ”なんです。
「約束手形」は支払期日を記載すれば、その日まで実際の支払を猶予する事が出来る、更に便利な”紙切れ”なんです。ただし「約束手形」は小切手と異なり支払金額に応じた”収入印紙”を貼る必要が有ります。この印紙が貼られていないモノは”無効”になります。
支払期日は一般的には3ヶ月(90日)か半年(180日)後なのですが、業種によっては「台風手形(7か月:210日)」や「お産手形(10か月)」を発行する場合も有ります。例えば、繊維業界は夏場に冬物、冬に夏物を生産する習慣が有るので手形の期日は長くなります。製薬業界も夏場に風邪薬を売るので決済は半年以上先になります。更に出版業界は年度末に決済するので、長期の手形決済になります。
一般的に製造業や建築業は売上代金を回収する前に原材料の支払や社員の給与が発生しますので、約束手形での決済が多くなります。そんな事をしなくて済むように銀行が有る筈なのですが、日本の銀行は”お役所”なので借入を申請しても即決にはなりません。その結果、手形決済が多くなって逆に手間が増えてしまっています。
(次回は「約束手形」の落とし穴の話です。)
-割り込み禁止-
【パソコン大魔神】 2023/10/12 (Thu) 11:45
8.世にも不思議な「約束手形」の世界(2)
理屈の上では”お金”が好きなだけ作る事が可能な「約束手形」という”紙切れ”なのですが、そこには幾つもの落とし穴が有るんです。
その一つは”現金”と同様、”一人歩き”をしてしまうんです。「約束手形」の表書きには”宛先”を明記することが出来ます。問題は、”裏書”で、社長個人の名前と実印を押さなければならない決まりが有ります。「社長」は約束手形でも個人保証が求められるんです。
この「約束手形」は”現金”と同じ扱いなので、”宛先”となった会社の支払に使う事が出来ます。次々と手形が渡って行って、その都度会社名や個人名が”裏書”されて行きます。最後に”裏書”をした人の所に、支払期日の現金が渡されます。正確には「当座預金」に金額が表示され現金として引き出す事が可能となるんです。
ところが、この「約束手形」は一旦発光すると何処に行くか判りません。大魔神の場合は「ミロク経理」に発行した300万円ほどの手形2枚が行方不明になったんです。「ミロク経理」が倒産する前日に京都支社長がマシンを2セット購入して欲しいと懇願され、先に約束手形を手渡したところ、翌日に倒産。勿論、商品が届くことは無く「約束手形」だけが取られた形になりました。
すると、手形の期日前になって「北海道拓殖銀行」と「東京銀行」から電話連絡が来て「決済が可能か?」という問い合わせ。噂では聞いていたが「ミロク経理」が倒産した日に銀行団が窃盗団になって手形や契約書を盗んで行ったらしい。破産管財人が選任される前の間隙を狙ったようだ。その窃盗団が「北海道拓殖銀行」と「東京銀行」だったんです。
しかし、この事を弁護士に相談したら「例え”窃盗”でも、警察に被害届が出ていなければ”善意の第三者”になる」という信じ難い話。弁護士に「何とかならん?」と相談したら「手形というのはそう言うモノなので仕方が無い。」との事。それでも裁判に出来ないのか相談したら「そんな勝てない裁判、私の名前に傷が付く!」と断られました。以後、弁護士は大魔神の敵となったんです。
最終的には「北海道拓殖銀行」と「東京銀行」に、分割の手形に差し替えてもらって1年掛けて決済しました。しかし、大魔神の祟りによって「北海道拓殖銀行」は廃業、「東京銀行」は三菱銀行に吸収されて無くなりました。
【パソコン大魔神】 2023/10/15 (Sun) 09:48
9.まとめ
「社長」って本当に大変なんです。
最初の回でお話した「人生で最低一度は「社長」を経験すべきです。」と言うのは、逆に言えば「こんなアホなことはしないに越したことは無い!」という意味でも有ります。
人生で「社長」「代表取締役」を経験せずにサラリーマンか公務員で定年まで勤め上げ、退職金を頂いて、”悠々自適”な生活を送り、家族に見守られて生涯を終えるというのが理想でしょう。
このスレッドに書いた事は、波乱万丈の経営者人生のほんの一部に過ぎません。しかし、これ以上話を続けても一般の方には「何のこっちゃ!」という内容になってしまいます。
最後に「社長」なんてヤルもんじゃ無い……とだけ申して置きます。
御清聴有難う御座いました。
【パソコン大魔神】 2023/10/16 (Mon) 17:29
一旦、閉めたつもりでしたが、折角ですのでご質問・ご意見など承ります。
実際に会社を経営された方、これからスタートアップをお考えの方、社長にかつてコケにされた方など、遠慮無くご質問・ご意見をお寄せ下さい。
【パソコン大魔神】 2023/10/19 (Thu) 11:10
「東京大学:スタートアップ推進部」への疑問
2004年(平成16年)東京大学では「東京大学産学連携協議会」を設立して学術界と産業界を繋ぐ具体的な活動を開始し、現在は「東京大学産学協創推進本部」として長谷川
克也特任教授が「スタートアップ推進部長」として活動している。
「東京大学産学協創推進本部」は、
インキュベーション事業を中心としたスタートアップ支援や工学系研究科と連携した起業家教育などを行う「スタートアップ推進部」
各種事業化推進プログラムの推進を行う「国際オープンイノベーション機構マネジメント部門」
連携した事業創成につなげるエコシステム型のイノベーションモデルの設計や、多様な出口戦略の創出を担う「産学イノベーション推進部」
知的財産の管理と活用や研究契約全般を担う他、国内外の産学協創案件における特定の技術分野についての戦略的な管理、契約を担う知財契約グループと知財管理グループを擁する「知的財産契約・管理部」
の4つの部門に分かれる。
その中の核となる「スタートアップ推進部長」長谷川 克也特任教授は1957年(昭和32年)生まれで1980年(昭和55年)に東京大学工学部物理工学科を卒業しているので、大魔神より5歳若い(一年浪人してるな!)。
卒業後は松下電器産業株式会社(現:パナソニック株式会社) 半導体研究センターにてGaAs LSI、CMOS画像処理LSIの研究開発に従事という現場型エンジニアで、大魔神の後輩に当たる。
この取り組みは結構な事だと思うが、民法上の問題が何ら解決されていない現状では”自殺者”を増やすだけだと思う。ただ、近年の東大生は民族上の問題で公務員に任官出来ない卒業生が増えているので、その対策としては一定のメリットは有ると思う。
大魔神の経験では”資金面のバックアップ”が最も重要だが、その事が逆に”甘え”を生む。「スタートアップ」等と言う甘い言葉に乗せられないようにして欲しい。会社を起こすといのは意外に大変、それを維持するのは更に大変、そして”辞める”タイミングを決めるのは最も大変なんだ。このタイミングを誤ると失速して地面に激突し”木端微塵”になる。
NO.3270 ≪訃報≫「ダークダックス」遠山一さん(ゾウさん) 93歳<起稿 磯津千由紀>(23/09/25)
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@dynabookQosmioD711/T7CW】 2023/09/25 (Mon) 16:05
こんにちは。
4人全部が鬼籍に入ったことになります。
> 男声コーラスグループの草分け「ダークダックス」で活躍した最後のメンバーで、「ゾウさん」の愛称で親しまれた遠山一(とおやま・はじめ、本名・金井政幸=かない・まさゆき)さんが22日、慢性心不全及び老衰のため死去した。93歳。通夜は10月1日午後6時、葬儀は2日午前11時、東京都杉並区上荻2の1の3の光明院。喪主は妻金井恵美子(かない・えみこ)さん。
> 1951年、遠山さんら慶応大のワグネル・ソサィエティー男声合唱団に所属するメンバー3人で結成。後に1人加入し4人組となった。レパートリーはゴスペル、ジャズ、ロシア民謡、日本の叙情歌など幅広く、優れたハーモニーと品の良さで「ともしび」「銀色の道」など多数のヒット曲を世に出した。
> 遠山さんはバスの音域でコーラスに深みを与え、2010年代に他のメンバー3人が亡くなった後も、「ダークダックスのゾウさん」として1人で音楽活動を続けていた。
> グループは87年、同一メンバーのまま日本で最も長く活動するコーラスグループとしてギネス世界記録に登録。93年には4人そろって紫綬褒章を受章した。
<参考=「「ダークダックス」遠山一さん死去 93歳 男声コーラス草分け」(毎日新聞、9月25日)>
NO.3271 <日本マクドナルドの広告>海外で炎上<?><起稿 シバケン>(23/09/27)
【シバケン】 2023/09/27 (Wed) 16:24
まあねえ。
ところ替われば、感じ方も異なるです。
がしかし、多様性も、ええのか、悪いのか<?>
よお、わかりませんです。
<画像>
>まあ正確には炎上してなかった(後述)のですが、それでも「あの広告」を見た欧米人は相当ショックを受けたようです。まずは話題となったCMを見て頂きたいのですが、ネットで
>「特別じゃない、しあわせな時間。」
>と検索すると、日本マクドナルドがSNSに投稿したアニメ広告が見つかります。いや、ホントなんてことない広告なんですよ。アニメキャラの若い夫婦と小さな娘さんが、3人で旨そうにポテト食ってるだけ。
>ですがこの投稿、閲覧数が1億2千万、「いいね」が60万越えという鬼バズり状態となっており、しかもぶら下がっているコメントの多くは欧米からの投稿なんですね。
>「素晴らしい!これでいいんだよ」
>「私の国(カナダ)で、この広告は無理だ」
>「……羨ましい」
>この何気ない広告に対し、ナゼみなさんが「日本SUGEEEE」と言っているのか。実は彼らの国でこのCMを流すと、
>家族=幸せという勝手な価値観を押し付けるな!
>黒人が出て来ないのはナゼ?
>男女カップル? LG・BTに対する配慮はないの!?
<注=「LG・BT」=「・」不要>
>とタコ殴りにされるそうで、つまり面倒臭い方面のお話なんですね、なるほど(そしてこの「海外の大反響」が、なぜか日本国内ではネット炎上と解釈され、話題となっていました)。
>実際、近年のハリウッド映画やディズニーアニメ、テレビドラマには、LG・BTやマイノリティー人種がさしたる文脈もなくぶち込まれ、その画面からは「私たちの多様性!!先進的で素晴らしいわ」という圧が溢れ出ています。
>あ、言うまでもなく多様性は大事ですよ。でもそれって、不自然なキャスティングによって得られるものなんでしたっけ?
>確かにアナタ方の社会は、街を歩いているゲイカップル(時には非白人も)が、何の謂れもなくいきなり殴られ、流血し、それが強く咎められない時代が長かったワケだし、その点は大いに反省すべきだと思いますが、でも多様性って映画のキャラでツジツマを合わせるような、多分そういう話じゃないと思うんですよね。
>だって、そんな風に頑張った結果「男女の夫婦とその子供がポテトを食べている」だけの光景をアウトとする世界を、ホンの一瞬で作り上げてしまったワケですから。
>最近は欧米のゲームに出てくる女性キャラクターですら「あまり可愛くない」デザインに寄せられ始めています。ルッキズムと批判されることを恐れ、ワケわかんない状態に陥っているのです。もはや表現の自由の「自殺」とも言えるこの状況、いったい誰からの批判を恐れているのでしょう。
>みなさん、もうお気づきですよね。
>「ああ……きっと声のデカい少数派が、ノイジーに暴れて、妙な着地をしてしまったんだろうな」
>可哀そうなマルちゃん
>実は以前、日本国内でも同じような騒動が起きていました。東洋水産「マルちゃん正麺」の広告マンガで、若い父子が、母親の外出中にインスタント麺を作って食べたというエピソード。なぜかこれをバッシングする連中が現れたんですよ。えっ?
>批判の的となったのは、帰宅したお母さんが、キッチンにあったラーメンの空袋と食器を見て「ラーメン食べたのね」と気付き、夫婦並んで洗い物をするシーン。
>「外から帰ってきた母親に洗い物をさせるなんて」
>「男は作るだけか!」
>うーん、そうですか。洗い物は夫婦でやっているし、空袋や洗い物は「あなたの外出中にラーメンを食べたよ」を説明するための単なる作画テク。つまり批判自体が相当マトハズレだったのです。
>世間からはあまり相手にされず、結果的に東洋水産も「相手にしない」と決め、幸いなことにそのマンガは今でも掲載されております。東洋水産はマッチョで良いですね。
>何度も言いますが、多様性は大事。でもそれは、私たちが相互に譲り合い、それなりに痩せガマンすることで初めて成立するものです。少なくとも声のデカい少数派によって作られるものではありません。
>お腹が空いたのでラーメンでも作って食べましょうかね。
>Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
>※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。
<参考=「日本の「マクドナルド広告」が海外で炎上?! 欧米人が受けた衝撃とは……」(FORZA STYLE)>
(23/09/27)
NO.3272 <がんの消滅>がん細胞がぷちぷち壊れていく/「光免疫療法」発見の瞬間<起稿 シバケン>(23/09/28)
【シバケン】 2023/09/28 (Thu) 22:34
がん対策の最前線<?>
>2020年9月、厚生労働省から正式に承認を受け、楽天メディカルが普及に尽力中の光免疫療法。およそ9割のがんに効く治療法であると期待されている。がんという複雑怪奇な病に立ち向かう、この治療法はいったいどうやって生まれたのだろうか。『がんの消滅:天才医師が挑む光免疫療法』
(芹澤健介[著]/小林久隆[医療監修]、新潮新書)より、一部抜粋、再構成してお届けする。
>始まりは、がんを「治療する」ための研究ではなかった?
>2009年5月、米国メリーランド州ベセスダ。ワシントンD.C.のすぐ北西に隣接するその町に、アメリカ最大の医学研究機関、米国国立衛生研究所(NIH:National
Institutes of Health)はある。そのNIHの主任研究員、小林久隆の実験室で奇妙な現象が起きていた。
>――がん細胞がぷちぷち壊れていく。
>当時、小林が取り組んでいたのは「がんの分子イメージング」である。
>医学における〈イメージング〉とは人体内部の構造などを解析、診断するために画像化すること。「がんの分子イメージング」とは、つまりがんを可視化する研究だ。がんを「治療する」ための研究ではない。ましてやがん細胞を破壊するなどということが目的ではない。
>がん細胞の表面には他の正常細胞にはないタンパク質が多数、分布している。がん細胞を移植されたマウスの体組織内に、このタンパク質とだけ(特異的に)結合する物質を送り込んでやれば、がん細胞にだけその物質がくっつくことになる。
>この物質に蛍光物質をつけてやればどうなるか。がん細胞だけを光らせることができる。外科手術の際は、その光っている部分、がん細胞だけを取り除くことが可能になるし、取り残しも防げる。簡単に言えば、当時の小林が取り組んでいた研究のひとつはそうしたものだった。
>その日、朝から試していたのは〈IR700〉という光感受性物質だった。光に当たると化学反応を起こして発光する物質である。IRはInfrared=赤外線の略だ。700nm(ナノメートル)付近の波長の光に反応するからIR700と名づけられた。
>700nmの光とは、テレビの赤外線リモコンでも使われるような無害安全な種類の光である。紫外線のような波長の短い光だと細胞を傷つけてしまう恐れがある。そのために選ばれた可視光に近い近赤外線である。
>その光を何度がん細胞に当ててもうまく光らない。
>マウスのがん細胞と試薬はちゃんと結合しているはずだった。だが、きれいに光らない。がん細胞が仄かに発光はするのだが、際立った反応を見せることもなく、そのまま暗くなってしまう。明らかにほかの試薬とは違う反応だった。実験は失敗に見えた。
>「またダメだ……」
>「どうしてなんだろう」続く、実験現場の奇妙な現象
>実験に当たっていた小川美香子(現北海道大学大学院薬学研究院教授)は、蛍光顕微鏡のモニターを見つめていたその時のことをよく覚えていた。小川は京都大学薬学部出身。浜松医大の助教職から2年間という期限で小林のもとに留学していた。
>小川の研究テーマもまた「がんの分子イメージング」だ。自他ともに認める〝化学屋〟で、実験の精度や手順には定評がある。実際、NIHでも優秀な博士研究員(フェロー)に与えられる賞を受賞していた。
>「どうしてなんだろう」
>がん細胞と結合させる試薬によって、がんの光り方や明るさも変わる。リストアップした試薬を片っ端から実験し、その差異をデータとしてまとめるのが小川の仕事だった。
>東京慈恵会医科大学の大学院からNIHに来たばかりの光永眞人(現慈恵医大医学部講師)も戸惑いながらモニターを見つめていた。
>帰国を控えた小川から実験を引き継いでいる光永の役割は記録用に撮影データを残すことだった。当時を振り返って光永は言う。
>「パッと光を当てれば、ほかの色素はだいたいこちらの予想通りに光ってくれました。近赤外線の強さや露光時間を計算してやると、がん細胞がどのくらい光って、何秒後には消えていくというパターンがある程度は分かっていたんです。ですが、IR700の場合はがん細胞の光り方も違っていて、近赤外線を当てた後、顕微鏡の視野が急激に暗くなっていきました」
>この2年で小川はすでに200近くの蛍光物質を試している。近赤外線を当てたとたん、その光エネルギーに反応してモニター内でがん細胞が鮮やかな緑色に光ればそれは「よい試薬」だ。
>しかし、リストの最後の方にあったこのIR700は、何度実験を繰り返してもきれいに光らせることができなかった。ぼんやりと光るには光っても、その淡い光はすぐ消え、顕微鏡の視野が暗くなる。その繰り返しだった。
>IR700の大元は、道路標識や東海道・山陽新幹線の車体のあの青色の塗料
そもそも、このIR700の実験を小川が後回しにしていたのにはわけがある。
>「小林先生には前々からやってみてと言われていたんですけどね」と小川は言う。
>「〝化学屋〟の私としては、IR700の化学式があまり素敵な形じゃないなあと思っていたんです」
>理系の研究者はしばしば自分の専門分野を伝える際にこうした言い回しをする。〝物理屋〟〝化学屋〟〝数学屋〟などだ。それはともかく、小川のような薬学の専門家の目からはIR700という物質はそう見えたらしい。
>「化学式を見るとわかるんですが、この試薬はもともとは水に溶けにくいフタロシアニンという色素を水溶性にするために、スルホ基を上下につけているんです」
>スルホ基とはスルホン酸の陰イオン部分で、水によく溶ける。スルホン酸自体は硫酸に匹敵する強い酸なのだが、このスルホ基の性質を利用して、染料や界面活性剤など水に溶けていないと使えない有機化合物を合成する際に使われる。
>「実験の素材としては非常に扱いにくそうな化合物だったんですね。なので、正直なところ、ほったらかしにしていたんです。でも、そろそろ留学期間も残りわずかだし、小林先生にもお尻を叩かれていたので、ちょっとやってみようかと」
>フタロシアニンは光や熱に強い性質を持つ色素である。道路標識や東海道・山陽新幹線の車体のあの青色の塗料に使われている。これを水溶性にしたIR700は小林が以前から懇意にしていた小さな化学メーカーが売り込んできた。この物質が気になった小林はメーカーと調整を重ね、実験や治療に使えるよう仕立てていたのだ。
>そのIR700の実験がうまくいかない。
>それどころか、がん細胞は死んでしまっているようだった。死んだがん細胞を特定できたところで画像診断としては意味がない。生きたがん細胞を光らせてこそ、治療に役立つのだから。
>ぷちぷち割れる…光免疫療法の「発見」
>急いで倍率を上げてよくよく観察してみると、がん細胞がどんどん壊れているように見えた。まるで水風船が割れるように、あるいは焼いた餅が膨らむように、がん細胞が次々と膨張して破裂していくのだ。その様子を小川は「ぷちぷち割れる」と表現した。
>「そんなふうにがん細胞が割れるのはそれまで見たこともありませんでした。それに、がん細胞を光らせる実験中にがん細胞が死んじゃうっていうのは、少なくとも担当者の私は求めていない結果でしたし、どこで実験の手順を間違えたんだろうって、そればっかり考えていましたね」
>実験のエキスパートである小川が「それまで見たこともなかった」と首をひねるような現象だった。
>光永も困った顔でモニターを見つめるばかりだった。光永にとってもがん細胞が割れて死んでいくのは想定外だった。普通に考えれば、近赤外線を当てるだけでがん細胞が壊れるはずがない。光の出力は正常値。高出力でがん細胞を焼き殺しているわけではないのだ。
>そもそも実験に使う光として近赤外線が選ばれているのも、「細胞には影響を与えない安全な光」だったからだ。だが、何度繰り返しても結果は同じ。
>「やっぱりコイツの形が悪いんじゃないかなあ。このスルホ基が何かを邪魔してるんじゃないかと思うんですけど」
>小川が言ったのはIR700のことだ。
>「なんだか光り方も変ですよね……」
>このIR700には光永も朝から撮影のタイミングや露出の調整で苦労させられていた。
>すでに午後一番のラボ・ミーティングの時間が迫っていた。小川はミーティング直前、実験の様子を上司である小林に伝えた。
「今朝からIR700を試しているんですけど、うまくいかなくて……」
「うまくいかない?」
「何度やっても死んじゃうんですよ」
「……死ぬって、何が」
「がん細胞が、です」
「がん細胞が死ぬって……小川さん、それってどういうことや」
>小林は時折、生まれ故郷の西宮の話し言葉が出る。
>そそくさとミーティングを終え、小川が顕微鏡室でその現象を小林に見せた時だった。小林が大きな声でこう言った。
>「これはおもろいなあ!」
>食い入るようにモニターに見入っていた。
>「すごい、すごいで! これは治療に使えるんちゃうか!」
>光免疫療法が〝発見〟された瞬間だった。
>「がん細胞だけを殺す治療法が開発されつつある」と大統領が漏らした!?
その後、小川美香子から助手を引き継いだ光永眞人が実験を重ね、光永を第一著者、浜松医大に戻った小川を第二著者、小林久隆を最終著者とした論文「特定の膜分子を標的とするがん細胞を選択的に近赤外線によって破壊する治療法(Cancer
Cell -Selective In Vivo Near Infrared Photoimmunotherapy Targeting Specific
Membrane Molecules)」(2011年11月、『ネイチャー・メディシン』)が発表された。後に「光免疫療法(PIT:Photoimmuno-therapy)」、あるいは「近赤外線光免疫療法(NIR-PIT:Near
Infrared Photoimmunotherapy)」とも呼ばれることになる治療法の最初の論文だ。
>当時のバラク・オバマ大統領が年頭の一般教書演説でこの治療法を「米国の研究成果」として取り上げたのは、論文発表からたった2ヶ月後のことだ。
>〈近赤外線でがん細胞を選択的に破壊する〉という前代未聞の治療法が、いかに医学界を超えたインパクトを与えたかがよくわかる。
>オバマは「技術革新(イノベーション)を起こすには基礎研究が必要だ」と述べた後、こう言った。
>「今日、連邦政府が支援する研究所や大学において、数々の発見がなされている。健康な細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを殺す治療法が開発されつつあるのだ」
>おそらくは「注目すべき研究がないか」と大統領府からNIHに問い合わせがあるなり、「注目すべき研究があります」とNIHから報告がなされるなりしたのだろう。
>演説内で取り上げられることを事前に知らされていなかった小林は、その翌日、隣の研究室の同僚から知らされ、ホワイトハウスの公式サイトに行ってみると動画があった。
>「ほんの一瞬だったので〝あ、言ったな〟という感想以上のものは抱きませんでしたが、あの演説がひとつの契機になったのは事実ですね」
>「がん細胞だけを狙い、物理的に殺す」シンプルなメカニズム
実際、小林の研究生活はここから大きな変化を遂げていくことになる。光免疫療法は「第五のがん治療法」として注目を浴びる中、2020年9月に承認、12月に保険適用を果たすわけだが、まずは光免疫療法のざっくりとした仕組みはこうだ。
>小川が出会った「奇妙な現象」のメカニズムは実にシンプルである。光免疫療法はがん細胞だけを狙い、物理的に、「壊す」のだ。がん細胞と特異的に結合したIR700が、近赤外線を当てられると化学反応を起こし、がん細胞を破壊する。これだけだ。
>後の研究で詳しくわかったことでは、IR700は近赤外線を照射されると化学変化を起こして結合している抗体の形状を物理的に変化させる。その際、がん細胞に無数の穴を空け、穴から侵入した水ががん細胞を内部から破裂させるのだ。
>この「がん細胞だけを狙い、物理的に殺す」という点が光免疫療法の重要な特徴だ。この仕組みはのちに詳しく見ていくことにする。
>原理はシンプルだが、もちろんここには最先端の科学技術が詰まっている。
>どうやってがん細胞にだけIR700をくっつけるのか?
>なぜ近赤外線を使うのか?
>特定のがんにしか効かないのではないのか?
>そもそも、画像診断の研究をしていたはずの小林が、なぜ治療へと研究の舵を切ったのか?
>その根底には、小林のサイエンティストとしての、そして医師としての、深い知見と哲学が宿っているのだが、詳細を見る前に、なぜこのシンプルな光免疫療法が「ノーベル賞級」と言われ、がん治療の「第五の治療法」と呼ばれるほどに注目されたのかを見ておこう。
>「第五の」と言うくらいであるから、これまでに「第四」までが治療法として認められてきた。長らく「三大療法」とされてきたのが「外科療法(外科手術)」「放射線療法(放射線治療)」「化学療法(抗がん剤治療)」である。
>「第四の治療法」と呼ばれるのが本庶佑京都大学特別教授が開発に携わり、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞したことで知られる「がん免疫療法」だ。
>文/芹澤健介
<本>
『がんの消滅:天才医師が挑む光免疫療法』 (新潮新書)
芹澤 健介 (著)、小林 久隆 (監修)
<参考=「『がんの消滅』#1 がん細胞がぷちぷち壊れていく…人類の希望「光免疫療法」発見の瞬間「がんを光らせる実験のはずがまさかの結末に」」(集英社)>
(23/09/27)
【シバケン】 2023/09/29 (Fri) 00:07
<副題=『がんの消滅』#2 人間とがんとの戦いに終止符をうてるか…「がん細胞だけを狙って殺す」希望の光免疫療法とは? そのメリットとは?(集英社)>
>日本人の死因1位は1981年から変わらずがん(悪性新生物)だ。2021年の厚生労働省の統計によると、死因1位のがんの26.5%は、2位の「高血圧性を除く心疾患」の14.9%を大きく引き離す。日本人は2人に1人ががんになり、4人に1人はがんで死ぬ時代、「9割のがんに効く」と言われる「光免疫療法」は従来と治療法とは何が違うのだろうか。『がんの消滅:天才医師が挑む光免疫療法』
(芹澤健介[著]/小林久隆[医療監修]、新潮新書)より、一部抜粋、再構成してお届けする。
>標準治療
>がん治療ではしばしば「標準治療」という言葉を耳にする。私たちが「がん」と診断された時、まず最初の選択肢として示されるのがこの標準治療だ。
>国立がん研究センターの公式サイトによれば「科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療」とされている。
>誤解が多いが、厚生労働省の承認を得、公的医療保険、いわゆる健康保険が適用されただけでは「標準治療」と呼べない。この後、さらに充分な科学的データを積み重ね、その分野の医師たちが学会で検討、作成した「診療ガイドライン」に掲載されたものが「標準治療」となる。光免疫療法はこの途上にある。
>一方に「先進医療」という言葉もある。
>こちらは、やはり国立がん研究センターによれば「医療技術ごとに、実施者、治療対象、治療法とその実績、医療安全など、厚労省の基準を満たし、かつ、実施承認を受けた医療機関でのみ行われる医療」のことだ。厚生労働省の承認を得て、診察・入院・検査代は保険適用となるが、医療技術料は全額自己負担となる。
>これらと一線を画すのが「自由診療」だ。
>身近なものでは健康診断やワクチンの予防接種、歯医者さんで銀歯でなく新素材を使う場合などがそうだが、日本未承認の抗がん剤や治療法を扱うクリニックで行う診療もこれに当たる。公的医療保険の適用とならないので、診察・入院・検査代も全額自己負担となる。
>現代の私たちはインフォームド・コンセントが義務化された時代を生きている。インフォームド・コンセントとは、治療に当たって医師の充分な説明と患者の同意が必要とされるプロセスのことで、患者の自己決定権を保障するものだ。
>医療法によりその義務が明文化されている。そんなの当たり前でしょと思うかもしれないが、導入以前は医療は患者のものというより医師のもの、治療方針は医師が決定するものだった。
>逆に言えば現代は、患者が自分でどの治療を選ぶのか決めなければならない。「標準治療」で行くのか、その途上にある光免疫療法を選ぶ手もあるのかもしれないし、「先進医療」の可能性や「自由診療」に賭ける人もいるかもしれない。
>がん治療は複雑だ。
>がんの種類は多様、がんが発生する臓器によって治療法も違えば、生存率も異なる。患者の体質も一様でなければ、どこの病院でもまったく同一の治療やサポートが受けられるわけでもない。その人にだけ効くがん治療法というのもあるのかもしれない。
>いずれにせよ私たちはがんと診断されて初めて、自分のがんにはどんな治療法が最適なのか、どこの病院を選べばいいのか、そうした膨大な情報が溢れる現実に直面する。
>選択するのは自分だ。自ら調べねばならず、かといって無限に情報収集を続けていられるほど時間的余裕があるわけでもない。「名医」を扱う書籍や雑誌、テレビ番組が多数存在するのはそうした理由からだろうし、困り果てて怪しげな民間療法や口コミに頼りたくなってしまうのも無理はないのかもしれない。
>その際、判断のひとつの材料になるのは保険診療か自由診療かだ。
>保険診療と認められるためのハードルは高い。自由診療とは異なり、国の承認を得なければならないからだ。日本の大多数の医師や医療スタッフが日々研鑽する主戦場はここであり、この舞台に上がっているかどうかがその治療法の信頼度も左右する面があることは否めない。中でも「標準治療」と認められるには長い歳月が必要とされることも記しておかねばならない。
>こんなことをあらかじめ書いたのは、本書刊行の2023年時点では、光免疫療法を名乗る自由診療のクリニックがあまりに多いからだ。本書で扱う光免疫療法は保険診療でしか受けられない。「第五の治療法」と注目されるのもそのためである。その点に留意して読み進めていただきたい。
>「外科療法(外科手術)」のメリット&デメリット
>では標準治療における従来の「三大療法」と光免疫療法の何が大きな違いなのかを見ていこう。
>それぞれの治療法にメリットとデメリットがある。
>「外科療法(外科手術)」は、がん細胞を完全に切除できれば体内からがんを消すことができ、「最も直接的かつ根治の可能性が高い」と言われる。
>その一方で、当然のことながら、正常細胞も傷つける。どんな天才外科医でも、細胞レベルで選り分けて、がん細胞だけを取り除くことは不可能だ。
>大腸がんや早期の胃がんなどで内視鏡や腹腔鏡を使うなど患者の負担が少なく済む手術もあるが、開腹手術や開頭手術となると術後の負担も大きい。臓器や体の部位を温存できないことももちろんありうる。
>がんは成長すると原発巣、つまり元の発生場所から周囲の組織に浸潤したり、血液やリンパ液の流れに乗ってほかの臓器やリンパ節に転移する。そのため原発の腫瘍を切除するだけでなく、転移の可能性がある箇所も取り除く必要が出てくる。
>これを「郭清(かくせい)」と言うが、がん細胞の取りこぼしがないよう、マージンを大きく取っておくのが一般的だ。がんの進行により、切除箇所を広げる術式を「拡大手術」と言うが、80年代に医師となった小林によると、「腹腔鏡手術が普及する90年代までは、身体の中がほとんど空っぽになるような拡大手術を受けた患者も少なくない」とのことだ。
>「放射線療法(放射線治療)」のメリット&デメリット
>「放射線療法(放射線治療)」は放射線(高エネルギーX線、電子線、陽子線、重粒子線、α線、β線、γ線など)でがん細胞のDNAを傷つけて死滅させる治療法だ。体を切らずに治療できる。治療中の痛みもなく、体への負担が比較的少ない、外科手術が難しい場所にあるがんでも有効、などといった利点がある。
>とはいえがん細胞を殺すほどの放射線を照射するので、がん細胞の周囲の正常細胞もダメージを受ける。
>近年ではよりピンポイントに照射ができるようになったが、それでもがん細胞だけに照射するのは不可能だ。照射によって患部周辺の幹細胞が死滅してしまえば、がん細胞が死滅した後も組織を再生させることができず、いわば「焼け野原」のような状態が残ってしまう。
>また、放射線感受性が高い免疫細胞などはほぼ死滅することになり、免疫機能は低下せざるを得ない。全身のだるさや吐き気といった副作用を伴うことも多い。同じ場所に再発した場合は、初発の際に照射した放射線量を考慮すると、定められた耐容線量を超えてしまうため再び放射線治療を受けられないことがほとんどだ。
>「化学療法(抗がん剤治療)」メリット&デメリット
>「化学療法(抗がん剤治療)」は、外科手術では治療できない血液やリンパのがんも治療できる、体内に広く分布するがんに対応できる全身療法である、といったメリットがある。がんの増殖を抑えたり、転移や再発を防ぐ効果もあるとされる。
>だが、抗がん剤の作用はがん細胞にだけ及ぼされるわけではない。正常細胞にも働いてしまう(分子標的薬を用いたがん薬物療法は後述する)。副作用をゼロにすることも困難だ。代表的なものだけでも吐き気、脱毛、倦怠感、頭痛、めまい、発熱、悪寒、発汗、疼痛、しびれ、麻痺、患部の腫れ、むくみ、咳、口内炎、食欲不振、高血圧、血尿、頻尿、下痢、皮膚障害などなど。
>抗がん剤の祖は毒ガスと言われる。事実、日本初の抗がん剤「ナイトロミン」は第一次世界大戦の際にドイツ軍が使用したマスタード・ガス(イペリット)を起源としている。「毒をもって毒を制す」とでも言えばよいのだろうか、抗がん剤はその強い毒性でがんを攻撃する。その毒が正常細胞に影響すれば、「がんを叩く」という主作用以外の作用が起きてしまうのもいわば当然だろう。
>また、がん細胞に抗がん剤に対する耐性がついてしまうことがある。その場合、その抗がん剤はもう使えなくなる。数週間で耐性ができることもあり、再発しても使えない。
>原因の多くは、がんが変異することにある。がん細胞は正常細胞の100~1000倍の頻度で遺伝子に変異を蓄積していく。結果的に、過酷な環境を生き抜いたがん細胞だけが増えていき、投与できる抗がん剤の選択肢も減っていく。
>「がん免疫療法」のメリット&デメリット
>「第四の治療法」とも言われる「がん免疫療法」にも触れておこう。
>がん免疫療法とは「患者の免疫力を高めてがん細胞への攻撃力を強化する治療法」だ。
>標準治療でも、免疫細胞が作るインターフェロンやインターロイキンといったタンパク質を投与して免疫細胞を活性化する治療法を「サイトカイン療法」と呼んだり、膀胱がん治療に使われる「BCG膀胱内注入療法」を「膀胱がん免疫療法」と呼んだりして、がん免疫療法の一種とする場合もあるのでややこしいが、国立がん研究センターの区分では、現在、保険適用となっているがん免疫療法は次の2つだ。
>「免疫チェックポイント阻害薬」を使うものと「エフェクターT細胞療法」(キメラ抗原受容体=CARの遺伝子を用いるCAR-T療法)である(ネットで検索すると大量に出てくるこれ以外の「○○免疫療法」は保険外診療、つまり自由診療なのでご注意を)。前者はがん薬物療法の一種とも言える。
>「免疫チェックポイント阻害薬」はがん細胞を攻撃する免疫細胞のいわばブレーキを外し、CAR-T療法はその数を増やす。いずれにせよ「免疫の力を強める」治療法だ。
>まだ治療の対象となるがんは限られており、免疫チェックポイント阻害薬を使えるがん種でも効果が出るのは2割ほどというのが現状だ。
>どちらも免疫細胞ががん以外の場所でも活性化しすぎることで重症化したり死亡したりするといった重篤な副作用の例も報告されている。患者自身の免疫細胞の性質に左右される面もあり、まだまだ発展の途上にあると言っていいだろう。
>「がんの消滅」
>では光免疫療法のメリットとはなんだろうか。
>まずオバマの言葉を借りれば、光免疫療法は「がん細胞だけを殺す」ことだ。従来の三大療法はどうしても正常細胞を傷つけてしまう。
>どんな天才外科医でもがん細胞だけを摘出するのは不可能だ。どれだけピンポイントに放射線を当てようと、がん細胞の周囲の正常細胞も傷ついてしまう。抗がん剤治療は、ざっくり言えば「毒」をもってがんを制する治療法だ。がんだけでなく正常細胞にも「毒」の影響が出てしまう。
>がん免疫療法はがん細胞を直接殺すわけではない。がん細胞を殺す免疫細胞を活性化するものだ。
>光免疫療法は、近赤外線照射のスイッチを押せば、がん細胞だけが狙われ、選択的に壊される。
>次に、これは「がん細胞だけを殺す」ことと同義とも言えるが、「体への負担が少ない」点がメリットだ。つまり、何度でも治療することができる。
>医学的には「低侵襲」という言い方をするが、人体には安全な薬剤を体内に注入し、安全な光を照射し、がん細胞が選択的に殺せるなら、体への負担はないはずだ。しかも、治療後には正常細胞が残る。がんがあった場所は元のきれいな状態に戻るに違いない。
>それに対して、外科手術を行って切除した臓器や組織が戻ってくることはないし、切開したところは傷痕として残るかもしれない。放射線治療は当てられる線量が決まっており、放射線を浴びた通常の組織は元に戻らないことがある。抗がん剤治療の場合、がん細胞に耐性ができる場合があり、これも投与できる上限が決まっている。
>最後に、「汎用性の高さ」だ。
>本章の冒頭で、「がん細胞の表面には他の正常細胞にはないタンパク質が多数、分布している。がん細胞を移植されたマウスの体組織内に、このタンパク質とだけ(特異的に)結合する物質を送り込んでやれば、がん細胞にだけその物質がくっつくことになる」と述べた。
>この〈物質〉は免疫学では「抗体」と呼ばれる。後に触れるが、光免疫療法は抗体医薬の原理でがんだけを攻撃する。
>この抗体が特異的に結合するタンパク質(免疫学では「抗原」)は、一般には「腫瘍マーカー」として知られている。がんの種類によって作られるタンパク質が異なるため、がんの診断の際に利用されている。
>EGFRというタンパク質は、多くのがんに発現する。頭頸部がん、皮膚がん、卵巣がん、乳がん、肺がん、胃がん、すい臓がん、胆管がん、大腸がん、子宮がん、膀胱がんなどだ。
HER2(ハーツー)というタンパク質は、乳がんや胃がん、すい臓がん、胆管がん、膀胱がんなどで発現が見られる。
>こうしたタンパク質(抗原)はすべてのがん患者で同様に発現するわけではないのが難しいところだが、この抗原に合わせて抗体を変えてやれば、がんの種類ごとに抗体がIR700をがん細胞のもとに運んでくれ、がんを殺すことができる。原理的には、9割のがんをカバーできるのだ。
>つまり光免疫療法は「がん細胞だけを狙って殺す」「何度でも治療できる」「9割のがんをカバーする」ということになる。
>光免疫療法が広く実用化されたら、そんな未来が待っているのだ。
>がん検診でがんと診断されたとする。自分のがんが光免疫療法のカバーする9割のがんだということがわかり、光免疫療法での治療を選択したとする。
>私たちはまず病院に行き、IR700を含む薬剤を点滴される。薬が患部に充分に行き渡る時間が必要だが、その間はただ待っていればいい。その上で医師の元に行き、患部に近赤外線を照射してもらう。強い光で細胞を焼くわけではないのに、がん細胞は照射の瞬間から壊れ始める。3センチ程度のがんであれば4~5分の照射で施術は終わるだろう。その後は体内に残った薬剤と壊れたがん細胞の排出を待つだけだ。
>さらに普及が進めば、私たちはがん検診すら必要なくなるかもしれない。定期的に病院に行って薬剤を飲み、近赤外線の照射を受けておけば微小なうちにがんを退治できる。
>そんな未来が来たならば、それは私たちががんという病から解放されることを意味しないだろうか。
>かつて結核は「死の病」だった。
>だが医学の進歩はその恐怖の記憶を遥かな過去に追いやった。
>がんはどうだろう。
>光免疫療法は実際にがん細胞を殺し、消滅させるだけでなく、私たちの「がんの記憶」さえ消すかもしれないのだ。それは「がんの消滅」と言ってもいいのではないか。
>文/芹澤健介 写真/shutterstock
<参考=「『がんの消滅』#2 人間とがんとの戦いに終止符をうてるか…「がん細胞だけを狙って殺す」希望の光免疫療法とは? そのメリットとは?」(集英社)>
(23/09/27)
【パソコン大魔神】 2023/09/29 (Fri) 00:13
ガン細胞は42℃で簡単に死滅することは、すでに判っています。問題はガン細胞を42℃に加熱する方法で、前立腺がんなどに使われる「放射線治療」や「重粒子線治療」が知られています。しかし、どちらも周辺の正常細胞のDNAにダメージを与え、新たなガン細胞を生む危険が有りました。
ガン治療として歴史的に知られているのは「温泉療法」で、特に”有馬温泉”の”金泉”は地中深くのマントル層から運ばれて来た”酸化鉄”と”海水由来の塩”の混合物である泥状物質と高濃度の二酸化炭素で”比熱”が高く、豊臣秀吉の正妻”ねね”のガン治療に効果を発揮したのは有名な話です。
その他、紀伊半島の”川湯温泉”や”竜神温泉”も地中深くのマントル層から染み出した温泉です。湯温が低いので加熱する必要が有りますが亀岡の”湯の花温泉”も同様の泉質です。
「直腸がん」が発覚したパソコン大魔神ですが、この「光免疫療法」に注目していて、数年前にガンで亡くなった”田中治夫”師匠が開発した半導体レーザーが偶然にもIR700の波長の近赤外線で発光します。これを内視鏡のファイバー・スコープを利用して照射すればガン細胞を死滅させる事が可能だと考えていました。
早速、「パソコン大魔神」本人を実験台として画期的治療法を「オリンパス」と共同開発します。
【シバケン】 2023/10/21 (Sat) 17:06
<副題=5分の照射でがんが消滅する…三木谷浩史が「おもしろくねえほど簡単だな」と唸った光免疫療法の新しさ 日本人医師が偶然発見した奇跡の治療法(PRESIDENT)>
前回の記事と、出典の本は一緒。
>理論上、9割のがんに効くとされる「光免疫療法」が注目を集めている。「夢の治療法」はどこが新しいのか。開発者で、アメリカ国立がん研究所(NCI)主任研究員の小林久隆さんに取材した芹澤健介さんの著書『がんの消滅 天才医師が挑む光免疫療法』(医学監修:小林久隆、新潮新書)より紹介する――。(第1回)
>革命的と言われる治療法の開発者は日本人
>9割のがんに効く治療法がある。
>そう聞いたらどう思われるだろうか。
>光免疫療法。
>そんな夢みたいな、と思われるかもしれないが、日本ではすでに実用化されている。2020年9月、厚生労働省から正式に承認を受け、楽天メディカルが普及に尽力中だ。
>2011年に論文が発表されるやそのインパクトは医学界を超えて広がり、論文段階にもかかわらず、わずか2カ月後に時のアメリカ合衆国大統領バラク・オバマは年頭の一般教書演説で取り上げた。論文発表から10年も経たない異例の早さで日本は世界に先駆けて承認した。
>この「革命的」とも「ノーベル賞級」とも言われる治療法の開発者は、小林久隆という日本人医師だ。渡米二十余年、全米最大・最古の医学研究機関、米国国立衛生研究所(NIH)で終身の主任研究員を務める。
>天才と呼ばれる。
>新聞も雑誌も「情熱大陸」も「ガイアの夜明け」も小林を取り上げた。一見、どこにでもいる普通の日本人の「おじさん」だ。酒をたしなみ、ともすれば関西弁のダジャレが口を衝き、アイドル好きでカラオケも歌う。関西人らしく、「人前に出たら一回は笑いをとりたい」とも口にする。
>だが小林が開発した光免疫療法の原理は素人でも理解できるくらいシンプルで、安全で、鮮やかだ。楽天グループCEO三木谷浩史はこう言った。
>「おもしろくねえほど簡単だな」
>がん細胞だけを狙う「光免疫療法」とは
>光免疫療法は「第五のがん治療法」として注目を浴びる中、2020年9月に承認、12月に保険適用を果たすわけだが、まずは光免疫療法のざっくりとした仕組みはこうだ。
>小川が出会った「奇妙な現象」のメカニズムは実にシンプルである。光免疫療法はがん細胞だけを狙い、物理的に、「壊す」のだ。がん細胞と特異的に結合したIR700(光感受性物質)が、近赤外線を当てられると化学反応を起こし、がん細胞を破壊する。これだけだ。
>後の研究で詳しくわかったことでは、IR700は近赤外線を照射されると化学変化を起こして結合している抗体の形状を物理的に変化させる。その際、がん細胞に無数の穴を空け、穴から侵入した水ががん細胞を内部から破裂させるのだ。
>この「がん細胞だけを狙い、物理的に殺す」という点が光免疫療法の重要な特徴だ。この仕組みはのちに詳しく見ていくことにする。
>原理はシンプルだが、もちろんここには最先端の科学技術が詰まっている。
>どうやってがん細胞にだけIR700をくっつけるのか? なぜ近赤外線を使うのか? 特定のがんにしか効かないのではないのか? そもそも、画像診断の研究をしていたはずの小林が、なぜ治療へと研究の舵を切ったのか?
>これまでの治療法との違い
>その根底には、小林のサイエンティストとしての、そして医師としての、深い知見と哲学が宿っているのだが、詳細を見る前に、なぜこのシンプルな光免疫療法が「ノーベル賞級」と言われ、がん治療の「第五の治療法」と呼ばれるほどに注目されたのかを見ておこう。
>「第五の」と言うくらいであるから、これまでに「第四」までが治療法として認められてきた。長らく「三大療法」とされてきたのが「外科療法(外科手術)」「放射線療法(放射線治療)」「化学療法(抗がん剤治療)」である。「第四の治療法」と呼ばれるのが本庶佑京都大学特別教授が開発に携わり、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞したことで知られる「がん免疫療法」だ。
>これらの治療法とどこが違うのか。
>他の細胞が傷付く
>標準治療における従来の「三大療法」と免疫療法の何が大きな違いなのかを見ていこう。
>それぞれの治療法にメリットとデメリットがある。
>「外科療法(外科手術)」は、がん細胞を完全に切除できれば体内からがんを消すことができ、「最も直接的かつ根治の可能性が高い」と言われる。
>その一方で、当然のことながら、正常細胞も傷つける。どんな天才外科医でも、細胞レベルで選り分けて、がん細胞だけを取り除くことは不可能だ。大腸がんや早期の胃がんなどで内視鏡や腹腔ふくくう鏡を使うなど患者の負担が少なく済む手術もあるが、開腹手術や開頭手術となると術後の負担も大きい。臓器や体の部位を温存できないことももちろんありうる。
>がんは成長すると原発巣、つまり元の発生場所から周囲の組織に浸潤したり、血液やリンパ液の流れに乗ってほかの臓器やリンパ節に転移する。そのため原発の腫瘍を切除するだけでなく、転移の可能性がある箇所も取り除く必要が出てくる。これを「郭清かくせい」と言うが、がん細胞の取りこぼしがないよう、マージンを大きく取っておくのが一般的だ。
>がんの進行により、切除箇所を広げる術式を「拡大手術」と言うが、80年代に医師となった小林によると、「腹腔鏡手術が普及する90年代までは、身体の中がほとんど空っぽになるような拡大手術を受けた患者も少なくない」とのことだ。
>放射線治療のリスク
>「放射線療法(放射線治療)」は放射線(高エネルギーX線、電子線、陽子線、重粒子線、α線、β線、γ線など)でがん細胞のDNAを傷つけて死滅させる治療法だ。体を切らずに治療できる。治療中の痛みもなく、体への負担が比較的少ない、外科手術が難しい場所にあるがんでも有効、などといった利点がある。
>とはいえがん細胞を殺すほどの放射線を照射するので、がん細胞の周囲の正常細胞もダメージを受ける。近年ではよりピンポイントに照射ができるようになったが、それでもがん細胞だけに照射するのは不可能だ。
>照射によって患部周辺の幹細胞が死滅してしまえば、がん細胞が死滅した後も組織を再生させることができず、いわば「焼け野原」のような状態が残ってしまう。
>また、放射線感受性が高い免疫細胞などはほぼ死滅することになり、免疫機能は低下せざるを得ない。全身のだるさや吐き気といった副作用を伴うことも多い。同じ場所に再発した場合は、初発の際に照射した放射線量を考慮すると、定められた耐容線量を超えてしまうため再び放射線治療を受けられないことがほとんどだ。
>抗がん剤の副作用
>「化学療法(抗がん剤治療)」は、外科手術では治療できない血液やリンパのがんも治療できる、体内に広く分布するがんに対応できる全身療法である、といったメリットがある。がんの増殖を抑えたり、転移や再発を防ぐ効果もあるとされる。
>だが、抗がん剤の作用はがん細胞にだけ及ぼされるわけではない。正常細胞にも働いてしまう(分子標的薬を用いたがん薬物療法は後述する)。副作用をゼロにすることも困難だ。代表的なものだけでも吐き気、脱毛、倦怠けんたい感、頭痛、めまい、発熱、悪寒、発汗、疼痛とうつう、しびれ、麻痺、患部の腫れ、むくみ、咳、口内炎、食欲不振、高血圧、血尿、頻尿、下痢、皮膚障害などなど。
>抗がん剤の祖は毒ガスと言われる。事実、日本初の抗がん剤「ナイトロミン」は第一次世界大戦の際にドイツ軍が使用したマスタード・ガス(イペリット)を起源としている。「毒をもって毒を制す」とでも言えばよいのだろうか、抗がん剤はその強い毒性でがんを攻撃する。その毒が正常細胞に影響すれば、「がんを叩く」という主作用以外の作用が起きてしまうのもいわば当然だろう。
>がん免疫療法との違い
>また、がん細胞に抗がん剤に対する耐性がついてしまうことがある。その場合、その抗がん剤はもう使えなくなる。数週間で耐性ができることもあり、再発しても使えない。
>原因の多くは、がんが変異することにある。がん細胞は正常細胞の100~1000倍の頻度で遺伝子に変異を蓄積していく。結果的に、過酷な環境を生き抜いたがん細胞だけが増えていき、投与できる抗がん剤の選択肢も減っていく。
>「第四の治療法」とも言われる「がん免疫療法」にも触れておこう。
>がん免疫療法とは「患者の免疫力を高めてがん細胞への攻撃力を強化する治療法」だ。
>標準治療でも、免疫細胞が作るインターフェロンやインターロイキンといったタンパク質を投与して免疫細胞を活性化する治療法を「サイトカイン療法」と呼んだり、膀胱ぼうこうがん治療に使われる「BCG膀胱内注入療法」を「膀胱がん免疫療法」と呼んだりして、がん免疫療法の一種とする場合もあるのでややこしいが、国立がん研究センターの区分では、現在、保険適用となっているがん免疫療法は次の2つだ。
>「がん免疫療法」はまだ発展途上
>「免疫チェックポイント阻害薬」を使うものと「エフェクターT細胞療法」(キメラ抗原受容体=CARの遺伝子を用いるCAR-T療法)である(ネットで検索すると大量に出てくるこれ以外の「○○免疫療法」は保険外診療、つまり自由診療なのでご注意を)。前者はがん薬物療法の一種とも言える。
>「免疫チェックポイント阻害薬」はがん細胞を攻撃する免疫細胞のいわばブレーキを外し、CAR-T療法はその数を増やす。いずれにせよ「免疫の力を強める」治療法だ。まだ治療の対象となるがんは限られており、免疫チェックポイント阻害薬を使えるがん種でも効果が出るのは2割ほどというのが現状だ。
>どちらも免疫細胞ががん以外の場所でも活性化しすぎることで重症化したり死亡したりするといった重篤な副作用の例も報告されている。患者自身の免疫細胞の性質に左右される面もあり、まだまだ発展の途上にあると言っていいだろう。
>光免疫療法は「がん細胞だけ」を狙える
>では光免疫療法のメリットとはなんだろうか。
>まずオバマの言葉を借りれば、光免疫療法は「がん細胞だけを殺す」ことだ。
>従来の三大療法はどうしても正常細胞を傷つけてしまう。
>どんな天才外科医でもがん細胞だけを摘出するのは不可能だ。どれだけピンポイントに放射線を当てようと、がん細胞の周囲の正常細胞も傷ついてしまう。抗がん剤治療は、ざっくり言えば「毒」をもってがんを制する治療法だ。がんだけでなく正常細胞にも「毒」の影響が出てしまう。
>がん免疫療法はがん細胞を直接殺すわけではない。がん細胞を殺す免疫細胞を活性化するものだ。
>光免疫療法は、近赤外線照射のスイッチを押せば、がん細胞だけが狙われ、選択的に壊される。
>何度でも治療ができる
>次に、これは「がん細胞だけを殺す」ことと同義とも言えるが、「体への負担が少ない」点がメリットだ。つまり、何度でも治療することができる。
>医学的には「低侵襲」という言い方をするが、人体には安全な薬剤を体内に注入し、安全な光を照射し、がん細胞が選択的に殺せるなら、体への負担はないはずだ。しかも、治療後には正常細胞が残る。がんがあった場所は元のきれいな状態に戻るに違いない。
>それに対して、外科手術を行って切除した臓器や組織が戻ってくることはないし、切開したところは傷痕として残るかもしれない。放射線治療は当てられる線量が決まっており、放射線を浴びた通常の組織は元に戻らないことがある。抗がん剤治療の場合、がん細胞に耐性ができる場合があり、これも投与できる上限が決まっている。
>最後に、「汎用はんよう性の高さ」だ。
>本章の冒頭で、「がん細胞の表面には他の正常細胞にはないタンパク質が多数、分布している。がん細胞を移植されたマウスの体組織内に、このタンパク質とだけ(特異的に)結合する物質を送り込んでやれば、がん細胞にだけその物質がくっつくことになる」と述べた。この〈物質〉は免疫学では「抗体」と呼ばれる。後に触れるが、光免疫療法は抗体医薬の原理でがんだけを攻撃する。
>原理的には9割のがんをカバーできる
>この抗体が特異的に結合するタンパク質(免疫学では「抗原」)は、一般には「腫瘍マーカー」として知られている。がんの種類によって作られるタンパク質が異なるため、がんの診断の際に利用されている。
>EGFRというタンパク質は、多くのがんに発現する。頭頸部けいぶがん、皮膚がん、卵巣がん、乳がん、肺がん、胃がん、すい臓がん、胆管がん、大腸がん、子宮がん、膀胱がんなどだ。
>HER2(ハーツー)というタンパク質は、乳がんや胃がん、すい臓がん、胆管がん、膀胱がんなどで発現が見られる。
>こうしたタンパク質(抗原)はすべてのがん患者で同様に発現するわけではないのが難しいところだが、この抗原に合わせて抗体を変えてやれば、がんの種類ごとに抗体がIR700をがん細胞のもとに運んでくれ、がんを殺すことができる。原理的には、9割のがんをカバーできるのだ。
>4~5分の照射で施術は終わり
>つまり光免疫療法は「がん細胞だけを狙って殺す」「何度でも治療できる」「9割のがんをカバーする」ということになる。
>光免疫療法が広く実用化されたら、そんな未来が待っているのだ。
>がん検診でがんと診断されたとする。自分のがんが光免疫療法のカバーする9割のがんだということがわかり、光免疫療法での治療を選択したとする。
>私たちはまず病院に行き、IR700を含む薬剤を点滴される。薬が患部に充分に行き渡る時間が必要だが、その間はただ待っていればいい。その上で医師の元に行き、患部に近赤外線を照射してもらう。強い光で細胞を焼くわけではないのに、がん細胞は照射の瞬間から壊れ始める。3センチ程度のがんであれば4~5分の照射で施術は終わるだろう。その後は体内に残った薬剤と壊れたがん細胞の排出を待つだけだ。
>さらに普及が進めば、私たちはがん検診すら必要なくなるかもしれない。定期的に病院に行って薬剤を飲み、近赤外線の照射を受けておけば微小なうちにがんを退治できる。
>そんな未来が来たならば、それは私たちががんという病から解放されることを意味しないだろうか。
>かつて結核は「死の病」だった。
>だが医学の進歩はその恐怖の記憶を遥かな過去に追いやった。
>がんはどうだろう。
>光免疫療法は実際にがん細胞を殺し、消滅させるだけでなく、私たちの「がんの記憶」さえ消すかもしれないのだ。それは「がんの消滅」と言ってもいいのではないか。
>芹澤 健介(せりざわ・けんすけ)
ライター、編集者、構成作家、映像ディレクター
1973(昭和48)年、沖縄県生まれ。横浜国立大学経済学部卒。著書に『コンビニ外国人』など、共著に『本の時間を届けます』など。
>小林 久隆(こばやし・ひさたか)
米国国立衛生研究所(NIH)主任研究員
1961(昭和36)年生まれ。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。光免疫療法の開発者。
<参考=「5分の照射でがんが消滅する…三木谷浩史が「おもしろくねえほど簡単だな」と唸った光免疫療法の新しさ 日本人医師が偶然発見した奇跡の治療法」(PRESIDENT)>
(23/10/17)
【打悪法師】 2023/10/24 (Tue) 00:30
シバケンさん、有用情報を採り上げながら、次々と雑多情報をも扱いますが、自身本当に読んでいますか。
これの第1報に応じた私の投稿は、その後の物と大体に同内容で、的確で冗長性の少ないない物でした。それは私自身の独自評価でしたが。情報の価値や意義を、自身で評価していますか。表題のみでなく中身を読んでいますか。それが苦手な私はスイスイできる人には敬服ですが、何だか不満足なのですよ。重みが。