閻魔大王<NO.220>

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閻魔大王NO.221
454 続75<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/ガザ影響甚大<!> 閻魔大王 23/11/24
閻魔大王NO.219

NO.454 続75<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/ガザ影響甚大<!><起稿 閻魔大王>(23/11/24)


【閻魔大王】 2023/11/24 (Fri) 19:35

<参考=NO.453 続74<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/ガザ影響甚大<!>
(23/11/06)

副題=米、弾薬供与3割減と報道 ウクライナにガザ情勢影響(産経新聞)

こんな事、軍事機密ではないのかと。
兎角に、最近の戦争では、諸般、公開のし過ぎと、思うです。

がしかし、事実かは、わからんですが。

>米ABCテレビは21日、パレスチナ自治区ガザ情勢が緊迫した先月以降、米国がウクライナに供与した北大西洋条約機構(NATO)規格の弾薬量が3割以上減ったと報じた。ウクライナ政府当局者の話としている。米国による弾薬供与は全体の6~7割を占めるとされ、事実であればウクライナ軍にとって痛手となる。

>米政府高官はABCテレビに対し「ガザで起きていることとウクライナで起きていることの間には何の関連性もない」と影響を否定した。ウクライナ政府当局者は「弾薬が届かない。深刻な問題に直面している」とした。

>米国防総省のシン副報道官は記者会見で「米国はイスラエルと同時にウクライナも支援できると自信を持っている」と強調した。

>オースティン米国防長官は20日にキーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談。米政府は同日、対戦車兵器や300万発以上の小火器用弾薬の供与を含む最大1億ドル(約150億円)の追加軍事支援を発表した。(共同)

<参考=「米、弾薬供与3割減と報道 ウクライナにガザ情勢影響」(産経新聞)>
(23/11/22)


【閻魔大王】 2023/11/24 (Fri) 20:52

副題=クリミア半島攻撃とドニプロ川“渡河作戦” ウクライナ最新情勢を専門家が分析(BS朝日)


>ウクライナ軍による反攻が続く中、戦局の新たな動きが報じられている。最新のニュースをロシア・ウクライナ情勢の専門家3人が分析した。


>■ウクライナ軍、クリミア半島で水上ドローン攻撃ロシア“最新鋭艦”に大きなダメージ

>ウクライナ軍がクリミア半島で攻撃を強めている。9月13日にはセバストポリのロシア軍造船所を攻撃、9月22日にはロシアの黒海艦隊の司令部を攻撃した。

>さらにウクライナ国防省情報総局は11月10日、ロシアが占領しているクリミア半島西部チョルノモルスクで水上ドローンによる攻撃を行い、黒海艦隊の揚陸艦2隻を撃沈したと発表した。

>またアメリカの経済誌『フォーブス』は、11月4日にウクライナ軍はクリミア半島の東側のクリミア大橋につながるケルチの造船所を攻撃、Su-24爆撃機から、フランスが供与した巡航ミサイル「スカルプ」を少なくとも3発発射し、黒海艦隊の最新鋭艦「アスコルド」を損傷させたと報じている。「アスコルド」は黒海で試運転中で、年内に黒海艦隊に加わる予定だったとされている。同艦は2400キロ以上の射程を持つ「カリブル」巡航ミサイルを8発搭載可能。「カリブル」ミサイルはこれまでウクライナ領内のインフラ攻撃に使用されてきた。

>安全保障政策や防衛戦略に精通する渡部悦和氏(元陸上自衛隊東部方面総監、著書『プーチンの超限戦』など)はこの攻撃を「非常に大きな成果だ」として次のように分析する。

>現在ウクライナ軍は大規模な“ドローン艦隊”を作り、大量の水上ドローンを投入し黒海の制空権と制海権を押さえることをねらっている。ケルチの造船所施設を破壊したことで、黒海艦隊はクリミア半島での新たな造船や修理が困難になり退避を強いられる。

>「セバストポリの指令本部も被害をうけておりロシアの防空体制が弱体化しているのは間違いない。ウクライナは南部全域の反攻作戦を成功させるために、クリミア半島への攻撃を強めている」

>駒木明義氏(朝日新聞論説委員、元モスクワ支局長、著書『安部VS.プーチン』など)は今回の攻撃はウクライナ紛争全般においても以下の3つの意味があると指摘する。
>1)黒海艦隊の行動を制約することでウクライナは黒海からの穀物輸出を安定化させることができる
>2)ロシアの南部戦線への補給を困難にする
>3)クリミア半島に圧力をかけロシア軍の本拠を後退させることで、将来停戦交渉などを行う際に大きな圧力をかけることができる。
「クリミア半島はそれだけ重要な地点であり政治的にも非常に大きな意味を持つと言える」と駒木氏は分析する。


>■ウクライナ軍装甲車が初めてドニプロ川“渡河作戦”成功か?

>クリミア半島への攻撃と並行してウクライナ軍は、ドニプロ川東岸への“渡河作戦”を進めている。

>ロシアの著名軍事ブロガーは11月7日、ウクライナ軍が10月中旬以降、南部ヘルソン州ドニプロ川東岸へこれまでにない渡河作戦を展開しており、東岸のクリンキー付近に初めて装甲兵員輸送車「BTR?4」1―2台を運ぶことに成功した、と報じた。ウクライナ軍はさらに橋頭堡を構築し、クリンキー近辺で2―3kmロシア占領地に入り込んでおり、川沿いに20kmから30kmの奪回を狙っているという。

>一方で渡河作戦に使用されたとみられる水陸両用車「PTS―2」は水上での搭載能力は12トンであり、移送したとされる「BTR―4」は最低重量が18トンのため、“過剰な荷重”だった可能性も指摘されている。

>渡部氏はこの作戦もまた、大きな一歩と分析する。

>「ウクライナ軍はこれまで約300人の歩兵を投入し渡河作戦を実施してきたが、装甲兵員輸送車「BTR-4」は水陸両用で機動力があり広範囲の移動も可能となる。今後、本格的に架橋しながら、歩兵を増員し装甲車両を投入し橋頭堡を築きながら東岸の奪還地域を拡大させようとしている。ロシア軍は歩兵主体のため、ウクライナ軍が装甲車両を数十台渡河させることができればかなり有利な状況になるだろう」

>一方、駒木氏は「小さな一歩ではあるがまだ予断を許さない。ウクライナ軍は数km単位で東岸の内陸に進んでいるようだが、数十km先の内陸に拠点などをつくらないと戦況は大きく変わらない。根本的に困難な状況は変わらないのではないか?」とも指摘する。


>■ウクライナ軍ザルジニー総司令官の主張する戦術意図は?

>渡部氏によると、渡河作戦にはウクライナのザルジニー総司令官の主張してきた戦術意図が表れているという。ザルジニー総司令官は、11月1日付けのイギリス『エコノミスト』誌の取材の中で「ロシア軍の航空優勢こそがウクライナの前進を困難にしている」として、戦線膠着(こうちゃく)状態を打破するためには

1)航空優勢を獲得するための技術

2)深い地雷原を突破するための技術

3)有効な対砲兵戦の技術

4)電子戦能力

5)予備兵力の増強と訓練、の5つが必要だと語った。

>「今回の渡河作戦では1)航空優勢の獲得、3)対砲兵戦、4)電子戦の3つがまさに実施されているといえる。渡河作戦では、ロシア軍の航空攻撃、榴弾砲射撃、ドローン攻撃が最大の脅威となる。ウクライナ軍は、大量のドローンを投入し“ドローン優勢”ともいうべき状況をつくり、ロシア軍の兵站や電子システムの破壊を行う電子戦を実施しドローンの展開を阻み、地域の戦況を根本的に変える作戦を行っているのではないか」

>と渡部氏は分析する。


>■アメリカの新たなウクライナ支援の行方と3月のロシア大統領選

>イスラエルとハマスとの戦闘が激化する中、アメリカの新たな支援が潤滑に行われるかも大きな不安要素だ。

>杉田弘毅氏(共同通信社特別編集委員、明治大学特任教授、著書『国際報道を問い直す ―ウクライナ戦争とメディアの使命』など)は、アメリカのウクライナ支援がどのくらい続くかが困難な時期を迎えていると指摘する。

>「アメリカ全体の国家予算の期限切れが近づいており、11月17日までにつなぎ予算を議会で通過させる必要がある。さらにイスラエルへの軍事支援の予算も通す必要があり、ウクライナへの支援予算はその次の3番目の政治課題となる。いずれもまだ合意がたっておらず、ウクライナ支援予算をいつ成立させることができるのか大きな懸念を持っている」


>駒木氏は2024年3月にロシア大統領選を控えていることも今後の戦況を考える要素だと語る。

>「12月14日にプーチン大統領は大規模記者会見などを行うとみられている。おそらくそこで来年の大統領選に関して何らかの表明があるだろう。ロシア国内はすでに選挙モードになっており、そのためにウクライナ情勢の成果報告を必要としているのではないか、そこに注目している」。

>渡部悦和氏(元陸上自衛隊東部方面総監) 安全保障政策や防衛戦略などの情勢に精通、著書『プーチンの超限戦』
駒木明義氏(朝日新聞論説委員、元モスクワ支局長)モスクワ特派員などを歴任、著書『安部VS.プーチン』
杉田弘毅氏(共同通信社特別編集委員、明治大学特任教授)『国際報道を問い直す ―ウクライナ戦争とメディアの使命』)

>BS朝日 日曜スクープ 2023年11月12日放送分より

<参考=「クリミア半島攻撃とドニプロ川“渡河作戦” ウクライナ最新情勢を専門家が分析」(BS朝日)>
(23/11/14)


【閻魔大王】 2023/11/25 (Sat) 21:51

副題=ロシア、キーウに最大規模の無人機攻撃 50機が飛来(日本経済新聞)

>ロシア軍は25日未明、無人機でウクライナの首都キーウ(キエフ)を大規模攻撃した。ウクライナ当局によると、約50機のイラン製シャヘドが飛来。クリチコ市長は昨年2月の侵攻開始以降で最大規模の無人機攻撃との見方を示した。撃墜した破片により幼稚園や集合住宅で火災が起き、周辺のキーウ州では1万6千世帯が停電した。

>ウクライナ空軍は全土に75機のシャヘドが飛来し、71機を撃墜したと発表した。火災が起きたキーウ市内の幼稚園では、園児はいなかったが、プレールームの壁が崩れ、おもちゃなどが散乱。被害を確認していたリラ・コシャンチュク園長(61)は「子どもたちがいなくて本当に良かった。遊び場が壊されたことが恐ろしい」と話した。

>25日は、ソ連時代に400万人以上が死亡した大飢饉(ホロドモール)の犠牲者追悼の日。ゼレンスキー大統領は「特別な日に70以上の無人機で攻撃があった。ロシア指導部は殺人を誇りに感じている」と非難した。

>英国防省は24日、ウクライナ軍の長距離兵器による攻撃でロシア軍が大きな被害を受けていると分析した。10日に南部ヘルソン州のドニエプル川東岸フラドキウカでロシア兵70人以上が死亡した可能性があると指摘。19日には東部ドネツク州クマチョボで式典会場が攻撃を受け、ウクライナ側はロシア兵25人が死亡したと主張している。

>それぞれ前線や支配地域の境界から数十キロ離れた場所で、長距離兵器が使われたとみられる。ロシアメディアによると、クマチョボでは兵士慰問のため訪れていた著名な俳優も死亡した。

>ウクライナ側でも今月に入り、ロシア軍の弾道ミサイルによる攻撃で一度に19人の兵士が死亡した。

<参考=「ロシア、キーウに最大規模の無人機攻撃 50機が飛来」(日本経済新聞)>
(23/11/25)


【閻魔大王】 2023/12/08 (Fri) 18:24

副題=バイデン大統領「プーチンを勝たせるわけにはいかない」…米議会にウクライナ支援予算の年内承認求める(読売新聞)

尚、予算案は、審議にも入っていない。
この件、米国の完全なるの、政争の具になったです。

予算獲得出来なければ、12月末を以て、資金切れ<!>

>米国のバイデン大統領は6日、枯渇しつつあるウクライナへの支援予算について「(ロシア大統領の)プーチンを勝たせるわけにはいかない」と述べ、米議会に年内の予算承認を求めた。ホワイトハウスで記者団に語った。

>バイデン政権は610億ドル(約9兆円)のウクライナ支援予算を含む総額1060億ドルの追加予算を議会に要求しているが、野党・共和党の一部がウクライナ予算に反対し、成立のメドは立っていない。

>バイデン氏は資金枯渇で支援が途絶える可能性を念頭に、「共和党はプーチンに最高の贈り物を渡し、米国の国際的なリーダーシップを捨て去ろうとしている」と野党を批判した。「プーチンがウクライナを完全に制圧していないのは我々のおかげだ」とした上で、「我々が支援しなければ、どれほどの欧州の友人たちが支援を続けるだろうか」と訴えた。

>米政府は6日、ウクライナに対する総額1億7500万ドルの追加軍事支援を発表した。高機動ロケット砲システム「HIMARS」の弾薬や防空用ミサイルなどが含まれる。ブリンケン国務長官は声明で、議会の予算承認がない限り「ウクライナに提供できる最後の安全保障支援の一つとなるだろう」と指摘した。

<参考=「バイデン大統領「プーチンを勝たせるわけにはいかない」…米議会にウクライナ支援予算の年内承認求める」(読売新聞)>
(23/12/07)


【閻魔大王】 2023/12/08 (Fri) 22:53

副題=「プーチンに最高の贈り物を贈ろうとしている」ウクライナ支援の予算審議めぐりバイデン政権が野党批判(TBS)


>アメリカ議会でウクライナへの軍事支援を可能にする追加予算の審議が進まない状況をめぐり、バイデン政権は「共和党がプーチンに最高の贈り物を贈ろうとしている」と野党を批判しました。


>ジャンピエール報道官
>「議会共和党はプーチンに彼が望みうる最高のプレゼントを贈ろうとしている。今起きているのはそういう事態です」

>ホワイトハウスのジャンピエール報道官は7日、このように野党・共和党を批判しました。

>議会下院で多数を占める共和党はメキシコとの国境を越えてくる不法移民や違法薬物などへの対策の重要性を訴え、バイデン政権が求めているウクライナやイスラエルへの支援予算の審議に応じていません。

>カービー戦略広報調整官も「あと数週間でウクライナへの支援が尽きる」と指摘したうえで、「わずかな数の共和党議員が国境政策の実現のために支援を人質にしている」と批判しました。

<参考=「「プーチンに最高の贈り物を贈ろうとしている」ウクライナ支援の予算審議めぐりバイデン政権が野党批判」(TBS)>
(23/12/08)


【閻魔大王】 2023/12/09 (Sat) 07:48

副題=ウクライナ支援の阻止継続を ロシア大統領府、米議員に期待(AFP)

敵の、敵は、味方<!>

これで、米国共和党の反対で、ウクライナ支援打ち切りになれば、世界的には、どなるやの、米国の信用失墜。

そもそもがの、生かさず、殺さぬの支援の仕方が問題ですが。
これは、ロシアの、核兵器の阻止<?>

>米議会でウクライナ軍事支援予算の承認が滞る中、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は7日、米議員らが予算成立を阻止し続けることを期待すると述べた。

>米上院共和党は、求めていた移民制度改革が予算案に盛り込まれないことに難色を示し、ウクライナとイスラエルに対する総額1060億ドル(約15兆3900億円)の支援予算を阻止した。

>クレムリンのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は会見で、「米議員の中に冷静な人物が十分残っていることが期待される」と述べた。

>さらに、米ホワイトハウス(White House)が米上院議員を「懐柔」し、「米国民から集めた税金を、ウクライナ戦争という炉」で焼き尽くそうとしていると非難した。

>クレムリンは、米国がウクライナへの軍事支援をやめることが、和平交渉の前提条件だと主張している。

>ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、西側諸国の支援がなければウクライナ軍は1週間で崩壊するとの見方を示している。

>ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はウクライナ支援で世界を主導しているが、議会では共和党議員の間でウクライナ支持が弱まっている。バイデン政権は、議会が予算を承認しなければ、ウクライナ軍事支援予算が数週間以内に枯渇すると警告している。(c)AFP

<参考=「ウクライナ支援の阻止継続を ロシア大統領府、米議員に期待」(AFP)>
(23/12/08)


【閻魔大王】 2023/12/11 (Mon) 15:34

副題=バイデンはなぜウクライナの「血みどろの膠着」を放置しているのか(Forbes)

諸般、条件付けて、生かさず、殺さず政策<!>

挙げ句の果てに、政争の具とされ、予算枯渇では、どもならず。

>北大西洋条約機構(NATO)諸国はウクライナでの戦争で膠着状態が続くのをなぜ許容しているのだろうか。米国はウクライナに対して、ロシアを打ち負かすのに十分な兵器を供与しようとしない。供与のペースも遅すぎる。米国やドイツがこうした「点滴」のような小出しの支援を続けてきたために、ウクライナの前線は第1次大戦時のような膠着した塹壕戦の様相を呈し、消耗戦が数年続く公算が大きくなっている。

>「肉挽き機」などとも呼ばれるが、こうした戦い方では双方が甚大な損害を出すのは避けられない。ロシアは犠牲をいとわないように見える。ロシアはかなりの人口があるし、政権にとって好ましくない人を「始末」するために、戦場をいわば社会工学的な手段として利用しようともするだろう。

>だが、戦線の膠着が続き、犠牲ばかり膨らんでいくという状況は、ウクライナにとっては恐ろしい悲劇だ。とくに西側の支援国の無責任さを見れば、ウクライナは苦悩のあまりファウストのようにプーチンと契約を交わしてしまい、和平交渉に入るのではないかと思う人がいてもおかしくはない。

>ウクライナがそうしないのにはいくつか理由がある。ロシアがウクライナの子どもたちを連れ去り始めた時点で、ウクライナにとってこの戦争は最後まで戦い抜くものになった。また、多くの人が言っているように、ロシアと取り決めを結ぶことはできない。結んだところで、ロシアはそれを守らないからだ。和平交渉に応じようとすればロシアに弱さを見せることになり、付け入る隙を与えるだろう。

>思い出してほしいが、ウクライナは何十年にもわたってロシアの背信行為を間近で見てきた。まずチェチェン。最初の戦争でロシアは事実上、チェチェン人に独立を与えたが、その後、プーチンのもとで準備を整えて戦争を再開し、グロズヌイを徹底的に爆撃して焼け野原にした。10万人が死亡した。

>次にジョージア。2008年の戦争の停戦協定後、ロシアは粛々とジョージアの国土を奪い取っていった。その次が、ウクライナのクリミアとドンバスだった。20年あまりにわたって、チェチェンで、ジョージアで、そしてウクライナで、外国の首脳たちは常に、被害者の側に和平を促してきた。プーチンは話のわかる男で、戦闘を止めたがっているなどと請け合って。

>ジョージアでの戦争では、欧州評議会がトビリシにハイレベルの調停チームを送り込んだ(筆者は当時、トビリシに滞在していた)。調停チームはサーカシュビリ大統領に矛を収めるよう説得した。まるで彼が問題を引き起こしたかのように。

>彼らはサーカシュビリに文字通りこう言った。プーチンにチャンスを与え続けましょう、そう頑なではいけません、と。彼らは間違っていた。プーチンの「魂に触れた」と思ったブッシュも間違っていた。ロシアとの関係の「リセット」ボタンを押し続けたオバマも間違っていた。

>バイデン政権も同じパターンを繰り返している。それは必ずしもバイデンが選んでしたことではない。彼は国内でトランプの脅威を食い止める必要があり、対外的な冒険主義にかまけるわけにはいかないのだ。だが、彼は気づくと世界各地で危機に直面していた。

>もちろん、これはプーチンが仕掛けたゲームである。そちらが手を引かなければ、こちらはどこにでも火をつけてやる。ウクライナ、アルメニア、イスラエル、イラン、バルカン半島、モルドバ、フーシ派、イスラム世界、あるいは米国でも──と。米国ではその火で国内のコンセンサスが引き裂かれている。

>その結果、どうなったか。米国の戦略は過剰に拡張し、予算は破綻をきたした。政治は不安定になり、社会の分断も進んだ。そしてトランプが出現した。

>プーチンの脅しはたんに外国の「発火点」をたきつけることだけを狙ったものではない。それは自由世界の根幹を揺さぶることを意図している。彼は自由主義諸国の指導者、ひいてはその国民にこんなメッセージを突きつけている。あなたたちは民主主義のほうが、安定し、公平で、持続的な体制だと思っているのか? 自分たちの社会で起きている激しい分断に目を向けるがいい。われわれ全体主義の体制はこのような分断には直面していない──。

>プーチンの脅威とはそういうものだ。この脅威が存在するのは、開かれた社会は他国での戦争などに影響されるのを免れないからだ。ロシアはそのうえ、サイバー戦争やオンラインの偽情報によって積極的にかく乱してもいる。

>バイデン政権がこの脅威を深刻にとらえているのは確かだ。とはいえ、バイデンは主戦論者ではなく、グローバルパワーの追求者でもない点も思い起こす必要がある。彼はベトナム戦争世代だ。アフガニスタンでの戦争は唐突に終わらせた。混乱した、ひどい終わらせ方だった。冷戦後のほとんどの米国大統領と同様に、バイデンも自国の「平和の配当」を考慮した。

>残念ながらロシアはそうではなかった。もちろん、米国が一?引き、内政を優先し、プーチンにロシア帝国を再興させても問題ないという考え方もあるだろう。米国内の孤立主義派はまさにそうした立場から、南部の国境に壁を建設したり、国を安定にしたりするのが先決だと訴え、ウクライナなどの問題は後回しにしている。

>こうした政治的に押し込まれやすい面があるため、米国は案の定、これまでウクライナに全面的に関与するのを慎重に避けてきた。プーチンがイスラエルによるガザでの戦争をゲームの舞台に加えた現在は、なおさら慎重になっている。米国はウクライナのために、大量の武器やお金を携えてどかどかと出てきて、レッドラインを引き、「やつらを通すな!」と叫ぼうとはしないだろう。これは膠着状態を終わらせるひとつの方法だが、起こりそうにない。

>最後に、こういうこともある。米国や欧州は、ロシアがウクライナの泥まみれの戦場で徐々に、だが確実に弱体化することで利益を得ている。ロシアだけでなく、その同盟国であるイランや北朝鮮も、ウクライナに資源を費やすことで疲弊している。プーチンに理解を示すすべての全体主義国家も同じ運命をたどるだろう。ウクライナでの戦争による消耗が何年も続けば、悪の帝国は世界で力を失っていく。

>その間に西側諸国は、自国の利益へのダメージを最小限に抑えられるような結果に向けて計画を練ることができる。その結果には、ロシアの影響圏からの中央アジアの解放、イラクやシリア、レバノンに対するイランの影響力の縮小、ロシア連邦の緩やかな解体、シベリア、タタールスタン、ヤクーチア(サハ)などの独立の可能性なども含まれるかもしれない。

>もしプーチンが一気に完全に打倒されれば、大きな災害、大量の難民、ウランの拡散、はては核兵器の使用のような自暴自棄な反応を引き起こすおそれもある。一方、冷戦のような漸進主義的アプローチをとれば、西側諸国は時間はかかるが主導権を握れるだろう。ソ連はつまるところ、アフガンでの戦争によって時間をかけて破壊されたのだ。

>漸進主義はよく知られたアプローチではあるが、こちらもそれなりに高いリスクがある。なぜなら、たとえばイランはガザでやったようなことをするからだ。欧州ではヘルト・ウィルダースのような人物が権力を握ろうとしている。中国はいつ思い切った行動を起こし、バランスを変えようとしてもおかしくない。

>ウクライナはその間、終わりの見えない地獄、終わりのない苦悩を、何カ月、何年と体験することになるだろう。神よ、ウクライナを助けたまえ。そして、ウクライナを見殺しにしている西側にご加護を。

<参考=「バイデンはなぜウクライナの「血みどろの膠着」を放置しているのか」(Forbes)>
(23/12/11)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@dynabookQosmioD711/T7CW】 2023/12/11 (Mon) 23:44

副題=手詰まりのウクライナ戦況、今後どうなる 小泉悠氏の分析

 こんばんは。


 日本の「識者」の分析によれば。
 「だろう」等が多く、断定も少ないですが、先が読めぬということでしょう。


> ロシアがウクライナで続ける「特別軍事作戦」で、ウクライナ軍の反転攻勢の開始から半年が過ぎた。ウクライナ側は占領地域の奪還で目立った成果を上げられないまま、再び冬を迎えた。さらなる長期化が予想される戦闘の行方はどうなるのか。東京大先端科学技術研究センターの小泉悠准教授(ロシア軍事分析)に話を聞いた。【聞き手・山衛守剛】


> ――戦況は手詰まり状態と見えます。

> ◆現在、どの戦線においても、どちらか一方が著しく有利という状況にはない。ウクライナはロシアを自国領から追い出すこと、ロシアはウクライナを屈服させることが戦略目標だが、いずれもハードルは高い。

> ウクライナ軍は大規模な反転攻勢を始めた6月から10月ごろまでは主導権を握り、どこで戦うかを決められていた。反攻の「本丸」としていた南部ザポロジエ州の戦線では8月末~9月初め、露軍の第1防衛線を一部突破し、さらにその周辺で第2防衛線の一部も破った。

> 一気に進軍するかとも思われたが、露軍は防衛線が破られた2カ所に各1個の空挺(くうてい)師団を送り込み、穴を塞いでしまった。それ以降、戦況はほとんど動いていない。

> 一方、東部ドネツク州アブデーフカ周辺では10月ごろから露軍が激しい攻勢をかけて、じわじわと前進している。ウクライナ側は苦戦しているが、政治的制約もあって都市を放棄するという決断ができないでいる。


> 遅すぎて中途半端だった欧米の軍事支援

> ――ウクライナ軍の反攻が失速した理由は。

> ◆ウクライナ側は、この戦争の前半は守備中心で複雑な攻勢作戦の必要がなく、比較的しのげていた。しかし、占領地域奪還のため、露軍が守りを固める地域に攻め込む作戦となると難度は高かった。露軍の工兵の能力が高く、防衛線は相当に強固だった。反攻に適したポイントは限られるため、露側はこうした地域を重点的に要塞(ようさい)化した。

> また、欧米による軍事支援のスピードが遅すぎ、その質と量が中途半端だった点も大きい。ウクライナ側に勢いがあった昨年の秋ごろに戦車の供与などを決めていれば、今年の春先には反攻が始められた可能性がある。その段階では露側の防衛線は脆弱(ぜいじゃく)だったはずだ。実際の決定は今年1月までずれ込み、戦車も歩兵戦闘車もなかなか届かなかった。結果として、露軍に防衛線を強化する時間を与えてしまった。

> 米国は、ロシアの侵攻を抑えるのに必要な軍事支援は与えてきたが、露軍を追い出すための攻勢用の武器支援をしたとは言えない。射程の長いミサイルなどの供与にはかなり消極的だ。米主力戦車「エーブラムス」の供与も大幅に遅れ、9月下旬以降に31両が到着したのみ。米国の産業能力や兵器の在庫を考えると非常に限定的といえる。

> 露側はウクライナ領土の約17%を占領している。ウクライナ軍による大規模な反攻が成功しそうになった場合、ロシアは核兵器を使う可能性がある。米国はそれを恐れて攻勢用の支援に消極的なのかもしれない。


> 存在しない「ゲームチェンジャー」

> ――再びウクライナ軍が主導権を握る可能性は。

> ◆客観的に見て、状況は厳しい。今ある諸要因が全て変わらないと難しいだろう。まず、米国の姿勢が今のままでは厳しい。米国は、このままではウクライナ側が現状維持さえできなくなると認識し、腹をくくって大規模な軍事支援に踏み切る必要がある。

> 加えて、ウクライナ側の攻勢作戦能力が高くない。ザポロジエ州での反攻はチャンスだった。ウクライナ側は露軍の支配地域を東西に分断することを狙っていた。要衝トクマクを攻略し、さらに南のメリトポリまで進軍する作戦だ。従って、本来は兵力をトクマク方面に集中させるべきだったが、他の戦線にかなり分散させてしまった。仮に戦力の集中ができて、タイミングも合えば、アゾフ海まで到達する可能性はあったと思う。

> 今回、反攻に参加した旅団の中には数カ月で一から編成されたものもある。旅団同士が連携して戦うには時間的余裕がなかった。ウクライナ軍は、作戦の考え方も含めた全体の練度を上げなければ、露軍を領土内から押し出すことは難しいだろう。

> 欧米の武器供与について補足すると、どれか一つの兵器が戦況を大きく変える「ゲームチェンジャー」になることはない。ウクライナ軍に足りないのは航空戦力と長距離火力。70機の供与が決まっている米戦闘機F16だけでは航空優勢を奪い返すのは難しい。


> 南部ヘルソン方面で手詰まり打破なるか

> ――ウクライナは雨で地面がぬかるむ「泥濘(でいねい)期」を経て、冬を迎えました。

> ◆泥濘期には攻守双方とも身動きがとれなくなるが、寒くなって地面が凍ると戦闘は再び動き出す。新たなざんごうが掘れなくなり、落ち葉で身を隠す場所も減るため、守る方にとっては厳しい。冬の間、戦線ごとに有利な側がその状況を維持するだろう。

> 例えば、南部ヘルソン州の戦線では、ウクライナの海兵隊の一部がドニエプル川の渡河に成功し、露側が支配する左岸(南側)に作戦の足場となる「橋頭堡(きょうとうほ)」をいくつか築いた。この方面の露軍はまだ手薄だ。ウクライナ側が大規模に部隊を投入できれば、手詰まりの現状を変える可能性は否定できない。


> ロシアは「継戦に利あり」と判断?

> ――ウクライナのゼレンスキー大統領は11月のAP通信のインタビューで、反攻について「期待通りの結果を得られなかった」と吐露。今後、欧米から停戦への圧力が強まる可能性は。

> ◆米国では現に停戦を求める声が強まっているようなので、圧力をかけ始める可能性はある。ただ、問題が二つある。

> 一つはウクライナが停戦を受け入れるかどうか。停戦に際しては、ロシア占領地を除く約8割の国土の安全保障を確実にする必要がある。占領地以外のウクライナ領を北大西洋条約機構(NATO)の保護下に入れ、再び露軍が攻めてきたらNATOの集団防衛が発動する――といった措置が必要だろう。そうでなければ、ウクライナは再侵攻を恐れて停戦できない。

> もう一つの問題は、ロシアに停戦する気があるかどうかだ。もし、停戦によって占領地以外のウクライナがNATOに入るといったことになるならば、露側としては戦争を続けてそのような事態を阻止した方がよいと考えるのではないか。

> ロシアでは、前線の兵士が現場労働者や地方の出身者に偏り、不満の声をあげやすい大都市圏の中産階級以上には負担があまり及んでいない。貧困層などから志願兵が補充される構図で、本来は失策のはずの格差によって兵力が補えている。社会をごまかせているため、人的被害が膨らんでも、戦争を続けるのではないか。さらに来年3月の大統領選が過ぎれば、プーチン政権にとって徴兵などの政策の自由は広がるだろう。


<参考=「手詰まりのウクライナ戦況、今後どうなる 小泉悠氏の分析」(毎日新聞有料記事、12月11日)>


【閻魔大王】 2023/12/16 (Sat) 18:14

副題=戦費で追い込まれたウクライナ、支援約束守られない場合の選択肢検討(Yahoo!ニュース・Bloomberg)

選択肢と、言うても、支援受ける以外、ありませんですが。

>ウクライナ政府当局者らは、西側諸国などが約束した支援が実現しない場合に戦費をどう賄うか頭を悩ませている。選択肢はいずれもリスクをはらむ。

>財政的な措置として考えられるのは増税などだが、荒廃した経済に厳しい要求を突きつけるのは明らかだ。支出を削減するにも市民は既に困窮している。金融政策の選択肢では通貨フリブナの切り下げや中銀資金の活用再開が挙がるが、マルチェンコ財務相はブルームバーグに対し、これらの措置は「悪影響」を伴うだろうと述べた。

>ゼレンスキー大統領はワシントン入りし、バイデン米大統領が提案した600億ドル(約8兆7400億円)余りの支援を足止めさせている共和党議員に緊急の呼び掛けを行った。しかし議員らは民主党が移民・国境政策で「大転換」を受け入れるまでウクライナ追加支援はないとの姿勢を崩さなかった。

>欧州連合(EU)も500億ユーロ(約7兆8600億円)規模の支援パッケージを用意しているが、EU予算全体を問題視するハンガリーのオルバン首相の妨害に遭っている。

>反転攻勢が望んだ成果を得られず、ロシア侵攻から2度目の冬を迎える中で、ウクライナは資金という新たな困難に直面している。

>米当局者と先週会談したゼレンスキー氏側近は、資金支援が止まればロシアのプーチン大統領を勝利させ、欧州の地図を塗り替える確率が高まると警告した。

>マルチェンコ氏は先週ブルームバーグに対し、「EUと米国からの支援は死活的に重要だ」と発言。「ウクライナは米欧の担当者らと活発な意思疎通を維持しており、来年度にわれわれが必要としている支援について伝えている」と述べた。

>ウクライナは国内総生産(GDP)のおよそ2割に相当する来年の財政赤字を、主に外部から400億ドル余りを調達することで埋める計画。ただ、マルチェンコ氏が先月語ったところによると、このうち3分の2余りはまだ確定していない。

<参考=「戦費で追い込まれたウクライナ、支援約束守られない場合の選択肢検討」(Yahoo!ニュース・Bloomberg)>
(23/12/13)
<消滅・24/02/11>


【閻魔大王】 2023/12/18 (Mon) 22:46

副題=“ロシア勝利”なら米負担「天文学的」 米戦争研究所が分析…ウクライナ全土の占領「不可能ではない」(日本テレビ)

こんな場面到来では、独裁国家の強さがわかるです。

>アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は14日、西側諸国がウクライナへの軍事支援を打ち切りロシアが勝利した場合、アメリカが直面する軍事的・経済的負担は「天文学的だ」とする分析を公表しました。

>戦争研究所は14日に公表した「ウクライナを失うことの高い代償」とする分析のなかで、アメリカやヨーロッパがウクライナへの軍事支援を打ち切れば、ロシアがウクライナ全土を占領することは「決して不可能ではない」と指摘しました。その場合、ロシア軍は豊富な戦闘経験を備えた、侵攻開始以前よりも大規模な軍隊になるとしています。

>また、占領したウクライナと国境を接するルーマニアやハンガリーなども含め、黒海からバルト海に至るNATO=北大西洋条約機構の加盟国に対して脅威を与えることができるということです。アメリカはこれに対応するために大規模な兵力や、保有するステルス戦闘機のかなりの部分をヨーロッパに配置する必要があると想定され、そのコストは「天文学的になる」としています。

>また、ステルス戦闘機の多くをヨーロッパに配置すると、台湾有事が起こった際のアメリカ軍の対応能力を著しく低下させる可能性があるということです。

>こうしたコストに比べれば、ウクライナへの軍事支援を継続し、戦線を維持させるだけでも「はるかに安上がりだ」とし、ウクライナが勝利すれば、「ヨーロッパ大陸で最大かつ最も戦闘力の高い友軍をNATO防衛の最前線に持つことになる」としています。アメリカなどで支援継続の先行きが不透明になるなか、戦争研究所は分析を通してウクライナが敗北した場合の軍事的・経済的コストについても真剣な議論を促したかたちです。

<参考=「“ロシア勝利”なら米負担「天文学的」 米戦争研究所が分析…ウクライナ全土の占領「不可能ではない」」(日本テレビ)>
(23/12/15)


【閻魔大王】 2023/12/18 (Mon) 23:04

副題=ハンガリー、EUの対ウクライナ支援パッケージで拒否権発動 約7.8兆円(BBC)

EUでも、ハンガリーの拒否権発動で、ウクライナ支援に黄色信号。

<写真>
ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相(14日、ブリュッセル)



>欧州連合(EU)首脳会議(サミット)は14日夜、ウクライナに対する500億ユーロ(約7.8兆円)の軍事支援について採決を行ったが、ハンガリーが拒否権を発動したため、否決された。サミットでは数時間前、ウクライナとモルドヴァの加盟交渉開始が決まったばかりだった。

>ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相はサミット後、「今夜の仕事の概要は、ウクライナへの追加資金を拒否したことだ」と述べた。

>ウクライナは、ロシアとの戦争でEUとアメリカの資金に大きく依存しているが、追加支援の確保に苦慮している。

>EU首脳らは、支援をめぐる交渉を年明けに再開するとしている。

>オランダのマーク・ルッテ首相は「我々にはまだ時間がある。向こう数週間でウクライナの資金が尽きるわけではない」と話した。

>「26カ国が合意している。ハンガリーのオルバン氏はそれができなかった。来年初めには合意できると自信を持っている。1月末になるとみている」

>15日の記者会見でミシェル議長は、1カ国を除く全加盟国が、支援パッケージと、より広範囲のEU予算案に合意したと認めた。ただし、スウェーデンは自国議会での諮問が必要となる。

>「来年早々にもこの問題を再検討し、全会一致を目指したい」と、ミシェル議長は述べた。

>ウクライナはまた、アメリカの610億ドル(約8.9兆円)相当の支援パッケージを切実に求めているが、民主党と共和党の間で大きな意見の相違があるため、その決定も遅れている。

>ロシアの占領軍に対するウクライナの反転攻勢は冬の始まりと共に停止した。このままではロシア軍が、砲弾の数でウクライナに勝り、そのまま勝利するのではないかと懸念されている。

>ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の妻オレナ・ゼレンスカ氏は先週、BBCのインタビューで、西側諸国が財政支援を継続しなければ、ウクライナ人は見殺しにされる「死の危険」にさらされていると警告した。


>加盟交渉の是非では採決を棄権
>この採決の前には、ウクライナの加盟交渉の是非が問われた。ロシアと強いつながりを維持しているハンガリーはこれにも反対していたが、拒否権は発動しなかった。

>ウクライナとモルドヴァは、2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始した直後にEUへの加盟申請を行った。その後、今年6月に加盟候補国として承認されていた。

>オルバン首相は、採決の際に一時的に会議場から退出。残る26カ国の首脳が採決に臨んだ。オルバン氏の退出について関係者は、あらかじめ合意された建設的なふるまいだと話している。

>欧州理事会のシャルル・ミシェル議長の報道官は、この決定は全会一致で決まったと説明した。

>ゼレンスキー大統領は、「これはウクライナにとっての勝利だ。欧州にとっての勝利だ」と述べた。

>モルドヴァのマイア・サンドゥ大統領は、ウクライナとEU加盟への道を共有できたことを光栄に思うと発言。「ロシアの残忍な侵略に対するウクライナの勇敢な抵抗なくして、今日の我々の姿はなかった」と述べた。

>2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、モルドヴァは、ロシア政府がスパイ行為や国内の反対勢力の支援を行っていると非難している。

>ドイツのオラフ・ショルツ首相は、加盟国が「支持への強い意志」を示したことを称賛し、ウクライナとモルドヴァが「欧州の家族」の一員であることは明らかだと述べた。

>アメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も、EUの「歴史的な」動きを歓迎。ウクライナとモルドヴァの「EUおよび北大西洋条約機構(NATO)加盟の願望を実現するための重要な一歩」だと述べた。

>一方、ハンガリーのオルバン首相はEUの同僚らから距離を置き、「ウクライナのEU加盟は悪い決定だ。ハンガリーはこの悪い決定に参加したくないので、今日の決定から離れた」と述べた。

>オルバン氏はまた、ウクライナはEUの一員ではないため、EUから多額の資金を得るべきではないと主張している。

>ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は14日の演説でウクライナをあざけり、西側の支援はもう限界だと主張。「下品な言い方で申し訳ないが、ウクライナに持ち込まれる何もかも、おまけ、無料の景品みたいなものだ。しかし、もらえる景品もいつかは尽きるかもしれない。実際、徐々になくなりつつあるようだ」と語った。

>EU加盟交渉には数年かかる可能性もあり、今回の決定はウクライナの加盟を保証するものではない。

>EU加盟候補国は、法の支配から経済まで幅広い基準の順守が求められるため、国内で一連の改革法案を通過させる必要がある。だがEU執行部はすでに、ウクライナ政府が司法と汚職への取り組みを90%以上完了させたとたたえている。

>(英語記事 Hungary blocks €50bn of EU funding for Ukraine)

<参考=「ハンガリー、EUの対ウクライナ支援パッケージで拒否権発動 約7.8兆円」(BBC)>
(23/12/15)


<参考=NO.457 続76<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/欧米の支援は<?>
(23/12/19)