閻魔大王<NO.222>

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表題一覧表

NO 表題 起稿 起稿日
閻魔大王NO.223
457 続76<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/欧米の支援は<?> 閻魔大王 23/12/19
456 続<イスラエルvsハマス>ハマスがイスラエル奇襲/イスラエルはハマス壊滅宣言<!> 閻魔大王 23/12/18
閻魔大王NO.221

NO.456 続<イスラエルvsハマス>ハマスがイスラエル奇襲/イスラエルはハマス壊滅宣言<!><起稿 閻魔大王>(23/12/18)


【閻魔大王】 2023/12/18 (Mon) 17:04

<参考=NO.448 <イスラエルvsハマス>ハマスがイスラエル奇襲/イスラエルはハマス壊滅宣言<!>
(23/10/14)

副題=イスラエル軍、ガザ北部で4kmのトンネルの写真を公開…ハマスが越境攻撃で使用か(読売新聞)


<写真1>
15日、ガザ北部のエレズ検問所付近にハマスが造ったとされるトンネルの内部を歩くイスラエル兵=ロイター



<地図2>



>イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザ北部でイスラム主義組織ハマスが造った大規模な地下トンネルを発見したと発表し、内部の写真を公開した。トンネルはガザ北部とイスラエル南部の境界にあるエレズ検問所から約400メートルの地点に通じており、10月の越境攻撃で使われた可能性がある。

>軍によると、トンネルは南北に4キロ・メートル以上あり、中は車両が通行できるほど広く、電気や下水、通信網などを備えていた。レールが敷かれ、ロケット弾などの多数の武器や大型の機械が見つかった。

>エレズ検問所は10月7日のハマスの越境攻撃の際に襲撃された。軍はトンネルについて、「戦闘員の移動やテロ攻撃の出撃拠点として造られた」との見方を示した。

>軍は17日もハマス掃討に向けた地上作戦や空爆を続けた。ロイター通信によると、ガザ保健当局の報道担当は、北部のジャバリヤ難民キャンプが17日に空爆を受け、90人が死亡したと明らかにした。

>一方、イスラエル政府は17日、ガザ南部との境界にあるケレム・シャローム検問所からガザへの物資の搬入を始めたと発表した。戦闘開始以来、イスラエルからガザに直接物資が運ばれるのは初めてとなる。

>すでに物資搬入のために開通しているガザとエジプトの境界にあるラファ検問所と合わせ、これまでの倍の1日当たりトラック約200台分の物資の輸送が可能になる見込みという。

<参考=「イスラエル軍、ガザ北部で4kmのトンネルの写真を公開…ハマスが越境攻撃で使用か」(読売新聞)>
(23/12/18)


【閻魔大王】 2023/12/24 (Sun) 23:37

副題=イスラエル、ガザ南部でトンネル破壊作戦 ハマス幹部ら潜伏か(毎日新聞)

ハマスの幹部は、どこかには、潜伏してるですが。

>イスラエル軍のハガリ広報官は23日、パレスチナ自治区ガザ地区第2の都市である南部ハンユニスで、地下トンネルの破壊を目的とした大規模な軍事作戦を開始したと述べた。南部のトンネル内にはハマスのガザ地区トップ、シンワル氏らが潜伏しているとみられる。イスラエルのガラント国防相は23日、ハンユニスをガザ北部のように破壊する可能性を示唆した。

>イスラエル軍は23日、ガザ中部や南部で攻撃を実施。南部ラファでは武器の密輸を担当するハマス幹部を殺害したと発表した。軍は21日から中部でも地上作戦を始めており、中部ブレイジやヌセイラットなどで約9万人に避難勧告を出した。ガザ当局によると、23日はヌセイラットなどが空爆され、20人以上が死亡した。22~23日で市民ら200人以上が死亡し、これまでのガザ側の死者は2万424人となった。またイスラエル軍は23日、ガザ全域でこれまでに対戦車砲など3万の武器をハマスから押収したと発表した。

>ハマスは23日、イスラエル軍の空爆により、拘束していた人質5人と連絡が取れなくなったと発表した。ハマスは恒久的な停戦を求めており、進展していない停戦交渉に圧力をかける狙いもあるとみられる。

>国連安全保障理事会が22日に採択したガザへの人道支援を促進する決議については、不満の声が出ている。NGO「国境なき医師団」は23日、X(ツイッター)で、ガザでは病院や医療スタッフが攻撃を受けており、必要なのは「即時停戦と停戦を持続させることだ」と主張した。

>国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のホワイト・ガザ地区代表は23日、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」に対し、ガザでは戦闘で多くの住民が死亡しており、「物資(の搬入拡大)だけでは問題は解決しない」と述べ、停戦を求めた。

>一方、イスラエルのネタニヤフ首相は23日、バイデン米大統領と電話協議し、米国が安保理決議で停戦を求めることに反対したことに対し、謝意を示した。

>こうした中、英国の海上警備会社「アンブリー」は23日、イスラエル関連の商船がインド西部の120キロ沖合で無人機による攻撃を受けたと発表した。船体は損傷したが、けが人は出ていない。イスラエルメディアは、イランの無人機による攻撃の可能性があると報じている。【エルサレム三木幸治】

<参考=「イスラエル、ガザ南部でトンネル破壊作戦 ハマス幹部ら潜伏か」(毎日新聞)>
(23/12/24)


【閻魔大王】 2024/01/17 (Wed) 22:02

副題=「ハマスの地下トンネル、最長720kmか…出入り口は5700か所で遠隔操作の爆破装置も(読売新聞)

>米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は16日、パレスチナ自治区ガザでイスラム主義組織ハマスが軍事拠点としている地下トンネルについて、イスラエル軍が再分析した結果、総延長で約560~720キロ・メートルに及んでいると推計していると報じた。


>イスラエル軍は、トンネルの総延長を約400キロ・メートルと推計していた。再分析によると、出入り口は約5700か所あり、現在、戦闘の中心となっている南部ハンユニスだけでも約160キロ・メートルある。トンネルには遠隔操作の爆破装置が仕掛けられており、全体を使用できない状態にするには数年かかると軍は見込んでいるという。

>これに関し、イスラエル軍は16日、ガザの南北を貫く主要道路の地下に新たなトンネルを発見したと発表した。長さは数百メートルで、ハマスの戦闘員が南北の移動に使用する戦略的に重要なトンネルとみられるという。

<参考=「ハマスの地下トンネル、最長720kmか…出入り口は5700か所で遠隔操作の爆破装置も」(読売新聞)>
(24/01/17)


【閻魔大王】 2024/02/02 (Fri) 23:39

副題=イスラエル国防相、ハマス戦闘員「1万人」殺害と発表…地元紙は56~75%が戦闘不能と推計(読売新聞)


>パレスチナ自治区ガザでイスラム主義組織ハマスと戦闘を続けるイスラエルのヨアブ・ガラント国防相は1日、これまでにハマスの戦闘員約1万人を殺害し、約1万人を負傷させたと述べた。

>地元紙エルサレム・ポストは、昨年10月の戦闘開始前のハマスの戦力を3万~4万人とすると、拘束された戦闘員と合わせて56~75%が戦闘不能になったことになると伝えた。

>ガラント氏は、南部の拠点都市ハンユニスで「任務をほぼ達成しつつある」と述べ、エジプトとの境界にあるラファでの攻勢を本格化させる考えを示した。

>境界沿いには、ハマスが多数の地下トンネルを使ってエジプトから武器や食料を搬入してきたとみられている。避難民が押し寄せているため、攻勢が本格化すれば巻き込まれる恐れがある。エジプトは避難民の大量流入を警戒しており、AP通信によると、本格攻勢の前に避難民をガザ北部に帰還させるようイスラエル側に求めた。

<参考=「イスラエル国防相、ハマス戦闘員「1万人」殺害と発表…地元紙は56~75%が戦闘不能と推計」(読売新聞)>
(24/02/02)


【閻魔大王】 2024/02/12 (Mon) 10:19

副題=ガザのUNRWA本部地下にハマスの諜報拠点トンネル発見、イスラエル軍が発表…建物から武器も(読売新聞)

いよいよ、終結の方向か<?>

>イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部の地下で、イスラム主義組織ハマスが 諜報ちょうほう の拠点としていたトンネルを発見したと発表した。

>発表によると、地下トンネルの入り口は、ガザ市のUNRWA本部近くの国連学校付近にあった。深さ約18メートル、長さ約700メートルで、トンネル内に多数の電子機器が置かれていた。UNRWA施設から電気の供給を受けていたという。

>本部の建物からは、ライフルや弾薬、手投げ弾などの武器が見つかった。UNRWAによると、イスラエル軍の退避命令を受け、職員は昨年10月12日に本部を離れており、その後にハマスの戦闘員が施設内に侵入し、武器を隠した可能性もある。

>1月にUNRWAの職員がイスラエルへの奇襲に関与した疑惑が浮上し、米国や日本などが資金の拠出を停止している。UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は「ガザ本部の地下に何があるか知らなかった」との声明を出した。

<参考=「ガザのUNRWA本部地下にハマスの諜報拠点トンネル発見、イスラエル軍が発表…建物から武器も」(読売新聞)>
(24/02/11)


NO.457 続76<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/欧米の支援は<?><起稿 閻魔大王>(23/12/19)


【閻魔大王】 2023/12/19 (Tue) 23:24

自由主義圏vs独裁国家

独裁国家が勝つのか<?>
元々が、国力一桁違うです。そこに、欧米が、支援を約束故、ウクライナが反攻<!>
そこに、政権の思惑、政争の具にされれば、どしょもなく。

<参考=NO.454 続75<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/ガザ影響甚大<!>
(23/11/24)


副題=米ホワイトハウス高官、ウクライナ軍事支援は残り1回で予算枯渇と指摘(ABEMA)


>アメリカ・ホワイトハウスの高官は、議会の反発で滞っているウクライナへの軍事支援について、あと1回の支援で予算が枯渇すると指摘しました。

>アメリカ国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は18日、12月末にウクライナへの追加の軍事支援を計画していると表明しました。一方で、「これ以上の支援を行う権限は我々にはない」と述べ、残り1回で予算が底をつき支援の継続ができなくなると指摘しています。

>カービー氏は「自由や民主主義、自国の安全保障上の利益を守るために行動する時期はとうに過ぎている」として、政権が求める予算承認など即座に行動を起こすよう議会に求めました。

>また、ロイター通信は、欧米からの軍事支援が滞り、ロシア軍と戦うウクライナ軍の最前線で砲弾が不足し始めていると伝えています。こうした事態はすでに前線全体に及んでいて、ウクライナ軍は作戦の縮小を余儀なくされているということです。(ANNニュース)

<参考=「米ホワイトハウス高官、ウクライナ軍事支援は残り1回で予算枯渇と指摘」(ABEMA)>
(23/12/19)
<消滅・24/01/07>


【閻魔大王】 2023/12/19 (Tue) 23:59

<副題=ウクライナ軍、前線全域で砲弾不足 支援減り、作戦縮小(産経新聞)>

>ウクライナ軍のタルナフスキー司令官は18日までにロイター通信のインタビューに応じ、欧米による軍事支援の減少で砲弾が不足し、作戦規模の縮小を余儀なくされる影響が出ていると述べた。砲弾不足はロシア軍と戦う約千キロの前線の全域に及んでいるとした。

>欧米で支援疲れが表面化し、米国では支援資金が枯渇する恐れが出ている。ウクライナは、支援の遅れが「敗北の大きなリスクになる」(政府高官)として、支援継続を訴えている。

>タルナフスキー氏は砲弾不足は「非常に大きな問題だ」と強調。砲弾が足りず、作戦を縮小して砲弾を振り分ける措置を取っていると説明した。

>東部ドネツク州アブデーフカではロシアが途切れなく攻撃を仕掛けて「一部で成功を収めている」が、防御を固めたウクライナ軍が押しとどめていると分析した。(共同)

<参考=「ウクライナ軍、前線全域で砲弾不足 支援減り、作戦縮小」(産経新聞)>
(23/12/19)


【閻魔大王】 2023/12/20 (Wed) 09:41

副題=いまや自壊寸前のウクライナ、プーチンは待つだけ! 「ウクライナを誰よりも知る男」の直言 西谷 公明(現代ビジネス)

ロシアの待ちの歴史的戦略<!>
それで、フランスにも、ドイツにも勝利してるです。

此度、待たれて、米国も、欧州も、草臥れた<?>
つまり、ロシアの術中にはまった。

の、以前の、バイデン大統領の戦略、方針が、腑に落ちず。
とするのか、プーチンの脅し、「核」が効いた<!>。

とか、言うてるの場合でないですが。

>自信をみなぎらせる大統領
>12月14日、国民との対話と内外記者会見の統合イベントにのぞむロシアのプーチン大統領には自信がみなぎっていた。ウクライナによる反転攻勢は、大きな成果を上げることなく袋小路に入っている。米国や欧州では、ウクライナ支援に明らかなスローダウンが兆している。

>国連では、同月13日に開かれた中東をめぐる緊急特別総会で、人道のための即時停戦を求める決議案が世界153ヵ国の賛成で採択されて、ガザ地区への攻撃を止めないイスラエルと、それを擁護する米国への批判が際立った。

>その米国で、プーチン寄りを隠さないトランプ前大統領が、2024年大統領選挙の共和党候補として有力であることは言うまでもない。


>時間がロシアに味方する
>プーチン大統領には時間が味方している、と信じるだけの理由がある。

>消耗戦の様相を呈する東部ウクライナの戦場で、ロシア軍が敗れつつある兆候は見られない。侵攻当初こそ、ロシア経済は西側の強力な制裁によって痛打されたが、現状は崩壊からほど遠い。

>新年と、それにつづく東方正教会のクリスマスを前にして、夜のモスクワは七色のイルミネーションで照らされる。去年と同じように、人々は地域集中暖房システムの効いた暖かな室内で、Tシャツ一枚の快適な冬を過ごしているはずだ。エネルギー資源と食糧を持てる国の経済は強い、と言わざるを得ない。


>ロシア経済は好調
>逆説的だが、6月末に起きた「プリゴジンの乱」を経て、プーチン氏の権力基盤はいっそう強化された。結局、最後に勝ったのはプーチン氏で、彼は自らが味わった辱めを「冷ました料理」(「復讐は、ほとぼりが冷めた頃におこなうもの」というロシアの諺)で仕返しした。いまでは多くの国民が、これまで以上に大統領に忠実であらねばならないと感じている。

>強い君主に隷従する大衆は、モノに不自由がなく、ふつうに生活できるかぎり我慢するだろう。2022年9月に部分動員令から逃れていっとき国外へ脱出した人々の多くも、近ごろでは、住み慣れて居心地のよいロシアの都市へ戻っている。プーチン氏に対するエリート層の支持も崩れていない。

>ロシア経済のパフォーマンスを示す実質国内総生産(GDP)は、2022年2月の開戦直後こそ、ー10%以上の後退が避けられないとみられたものの、結果的にはー2.1%に止まるまで回復した。

>ミシュスチン首相が率いる政府と、ナビウリナ総裁のもとで働くロシア中銀のテクノクラート(実務官僚)たちは、有能で機略に富むことを証明した。財政と金融手段の両面で、制裁によるショックを最大限和らげつつ、これまでのところハイパーインフレを起こさずに、戦時シフトの経済をときに強力に、かつ巧みにハンドリングすることに成功している。

>すべての軍需工場は、「戦争特需」に対応して投資を増やし、生産力を増強している。戦車や砲弾の生産量は西側諸国のそれを凌ぐだろう。国際通貨基金(IMF)は10月、2023年のGDP成長率を+2.2%と見直して、予想以上に景気がよい現実を追認した。実績値は+2.5%ぐらいになるだろう。


>米国の思いどおりに動かない国々
>プーチン大統領はまた、「グローバル・サウス」のさまざまな国や地域で受け入れられてもいる。欧米のダブル・スタンダードや、西側先進国中心のルールに不満を抱く国々にとって、ドンバスにおける戦争はさほど重要ではない。

>石油輸出国機構(OPEC)プラスの枠組みにおけるサウジアラビアとの連携もあって、原油の輸出は相変わらずロシアの国庫を潤しつづけている。

>一年前の12月、G7と欧州連合(EU)は、ロシアの資金源を絞るためにウラル産原油の取引に1バレル60ドルの上限キャップを設けたが、それも7月以降ほとんど機能していない。

>なにしろ米当局はすべてを追跡、調査、制裁するだけの能力を持たないし、それに米国には、あまり厳しく対処すると、逆に需給がタイトになるあまり、価格が高騰して自分たちも困る、という複雑な事情もあるだろう。

>いまや中東の都ドバイは、ロシア産原油やダイヤモンドの、制裁とは無縁の取引市場と化している。ウラル原油の採算分岐点は1バレル30‐40ドルほどと推定されるが、9月におけるバルト海に面するロシアの港からの平均積出し価格は1バレル81.8ドルだったと、国際エネルギー機関(IEA)は推定している。

>そしてこの一年で、ロシア企業による並行輸入や、第三国を経由する迂回ビジネスも定着した。モスクワやサンクトペテルブルクのショッピングモールには、有ってはならないはずの西側ブランドの商品がふつうに並んでいる。

>「結局、経済がどうなるか。つまり、石油・ガスと財政がいつまで持つかだが、結論を言えば、ロシア経済の侵蝕は進んでいるが、体制には依然として十分な余力がある」

>9月におこなったオンライン会見(前稿「ロシア経済、短期的には戦争特需、長期的にはイラン化」参照)で、元カーネギー・モスクワの論客コレスニコフ氏はそう述べた。


>送金なしには持たない国家運営
>過去一年半以上にわたり、ウクライナは西側からの兵器供与と資金援助を頼りにしてきた。武器・弾薬に止まらない。政府機能の維持、教育、医療、年金などを維持するのに必要な歳費の一部までもが西側からの送金で賄われた。

>ロシアによる侵攻が始まった2022年、ウクライナの実質GDP成長率は-29.1%と壊滅的に落ち込んだ。IMF は2023年のそれを+4.5%成長と見込んでいる。回復の兆しは見えるものの、破綻状態からのわずかな浮上にすぎない。

>この戦争が始まって、ウクライナは穀物大国として日本人の間でも知られるようになりはしたが、もともとは国土の東部と南部で生産される鉄鋼や石炭の輸出と、ドニプル川流域の重化学工業で支えられてきた経済だ。その東部と南部の一帯は、半ば廃墟と化している。

>議会は11月、総額3兆3500億フリブナ(約916億ドル)からなる2024年予算案を採択した。歳入として見込まれるのは半分をいくらか超える1兆7700億フリブナ(約484億ドル)ほどで、不足額は1兆5800億フリブナ(約432億ドル)にのぼる。


>「事実上、税収はすべて軍のために使われる」 

>会見で、シュミハリ首相は、そう強調した。同時に、戦時下の物価高騰に対応すべく、最低賃金と年金の引き上げも表明した。

>2023年、西側は国際機関の融資プログラムを動員し、あるいは二国間の金融支援をおこなって410億ドルを送金して、この国の歳入不足を補填した。ウクライナ政府は、2024年もほぼ同額の送金がつづくことを当て込んで予算を組んでいる。送金がなければ、国家運営すらもままならない。


>ロシアに勝たせてはならないが…
>パンも銃も西側頼みの戦争には、そもそも限界がある。

>ロシアに勝たせてはならない、という西側の正義を否定するつもりはさらさらないが、半面、勝てる見込みのない戦争を、いつまでも続けさせてよいわけがない。ウクライナの地で暮らし、ドンバスで戦うのは、米国人でも、英国人でも、欧州連合(EU)の人々でもない。ウクライナの男たちと女たちなのだから。

>そのウクライナの経済は崩壊し、国土の20%は廃墟と化している。そしてこの先、西側による支援はこれまで通りには続かないだろうし、その兆候はすでに現れている。


>先日、キーウで暮らす友人は、メールでこう伝えてきた。

>「私たちは戦争を続けたいわけではありません。ロシアの影響から逃れたいだけなのです」

>ゼレンスキー大統領は、戦時のリーダーとしていっとき英雄視されはした。けれども、二度目の冬を迎えたいま、国民のこの願いにどう応えることができるのか。領土を取り返すための戦いだけが、政治のすべてではないはずだ。


>ドンバスからの砲声は止まない。

>プーチン氏は攻撃の手を緩めずに、ウクライナの「自壊」をじっと待つ。

<参考=「いまや自壊寸前のウクライナ、プーチンは待つだけ! 「ウクライナを誰よりも知る男」の直言 西谷 公明」(現代ビジネス)>
(23/12/20)


【閻魔大王】 2023/12/20 (Wed) 21:39

副題=ウクライナ予算、年内断念 米議会、与野党合意できず(産経新聞)

越年して、合意出来るの保証なく。

>米議会は19日、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援予算について年内の可決を断念した。野党共和党が支援継続の条件として米南部国境の警備強化を要求。与党民主党と折衝を続けたが、合意に至らなかった。バイデン政権は月内に追加軍事支援を発表する予定。その後は議会が新たな予算を認めない限り支援できなくなるとしている。

>上院の与野党幹部は声明で、年明けに協議を再開すると明らかにした。新たな議会の承認を経ずに大統領権限で武器などを供与する仕組みもあり、国防総省によると、この予算は12月初旬時点で48億ドル(約6900億円)残っていた。(共同)

<参考=「ウクライナ予算、年内断念 米議会、与野党合意できず」(産経新聞)>
(23/12/20)


【閻魔大王】 2023/12/21 (Thu) 08:44

副題=ウクライナ戦闘継続に暗雲、米議会が年内の支援承認を断念…一部の部隊は作戦縮小か(読売新聞)

プーチンからすれば、今、攻めればよい。

<図>
ウクライナ戦闘継続に暗雲、米議会が年内の支援承認を断念…一部の部隊は作戦縮小か



>米議会は19日、ロシアの侵略を受けるウクライナに対する支援に関する追加予算の年内承認を断念し、ウクライナの来年以降の戦闘継続に暗雲が漂っている。

>ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、キーウで開いた記者会見で「レジリエンス(回復力)を維持すれば、戦争を早く終わらせることができる」と国民を鼓舞した。「米国は裏切らないと確信している。(支援が)どう(戦況に)影響するか彼らはよく分かっている」と最大の支援国への信頼を強調した。

>しかし、この記者会見の後、米議会の「断念」が伝わり、ウクライナの苦境が浮き彫りになった。

>独調査機関「キール世界経済研究所」によると、各国のこれまでのウクライナ軍事支援(10月末現在)の総額980億ユーロ(約15・5兆円)のうち米国が5割弱を占める。米国の支援が止まればウクライナの「回復力」が大きく損なわれるのは確実だ。

>軍事面以外でも財政支援に頼っており、「医師や救急隊員の給与も払えず、国家の機能がマヒする」(国会議員)との悲観的な見方が広がっている。

>支援の遅れの影響はすでに前線に出始めている。反転攻勢を指揮するオレクサンドル・タルナフスキー司令官は18日のロイター通信のインタビューで「弾薬不足は、全ての前線で存在する大きな問題だ」と窮状を訴え、一部の部隊は作戦縮小を余儀なくされていると語った。

>兵の補充も課題だ。侵略当初は志願兵が殺到したが、最近は人員の確保が困難になっているためだ。

>ゼレンスキー氏は会見で、軍が45万~50万人の追加動員を提案したと明らかにした。「国民(がどう思うか)や軍の防衛能力、財政に関わる問題で、議論が必要だ」と悩みを吐露した。

>動員の組織的な問題を指摘する声もある。ウクライナメディアによると、軍トップのワレリー・ザルジニー総司令官は、今年8月に各地の徴兵責任者が大量解任され、「(動員の)やり方を知っているプロがいなくなった」と指摘した。解任は、汚職撲滅を理由にゼレンスキー氏が指示したもので、ザルジニー氏の発言は大統領を暗に批判したとの臆測が広がった。


>プーチン氏「主導権握った」
>課題が山積するウクライナとは対照的に、ロシアのプーチン大統領は19日、露国防省の会合で「(ウクライナとの戦闘で)ロシア軍が主導権を握っている」と自信をにじませた。米欧の支援を受けるウクライナ軍に対し、優位にあるとして「西側兵器は無敵だという神話を破壊した」と誇った。

>プーチン氏は「我々は(ウクライナでの)目標を諦めることはない」と軍事侵攻を継続する構えを示した。国際情勢の変化で陸海空軍が核兵器を持つ「核のトライアド(3本柱)の重要性が高まっている」と述べ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や原子力潜水艦の追加配備が進んでいることを強調し、米欧をけん制した。

<参考=「ウクライナ戦闘継続に暗雲、米議会が年内の支援承認を断念…一部の部隊は作戦縮小か」(読売新聞)>
(23/12/21)


【閻魔大王】 2023/12/21 (Thu) 23:49

副題=アウジーイウカ守備隊の弾薬枯渇 逃げるロシア兵を苦渋の傍観(Forbes)


>12月15日、ウクライナ東部アウジーイウカの周辺には霧が立ち込めていた。ロシア軍は好機とみて、市の南方面を防衛しているウクライナ軍部隊に急襲を仕掛けた。

>攻撃は例によって失敗に終わった。だが、攻撃に参加したロシア兵の多くが生き残った。ウクライナ側の迫撃砲弾、擲(てき)弾、自爆型FPV(一人称視点)ドローン(無人機)が枯渇しているためだ。

>「言っておかないといけないのは、われわれには弾薬が不足しているということだ」とウクライナ軍のあるドローン操縦士はソーシャルメディアで認めている。

>ロシア側は今回、2つのチームで攻撃してきた。どちらも戦車1両とBMP歩兵戦闘車1両のペアだった。こうした小規模な部隊による攻撃は、ロシア軍による2カ月にわたるアウジーイウカ攻略戦の最近の傾向とも合致する。

>軍事アナリストのトム・クーパーは18日、アウジーイウカ方面の先週の戦況について「ロシア軍の攻撃は継続しているが、強度は低下した」と評価している。「(攻撃の)波は減っている。波は以前は15〜20人の兵士から成っていたが、現在は6人に減っている」

>霧がかかる中、ロシア軍部隊はさらに煙幕を張ったうえで、白昼、アウジーイウカに向けて突入してきた。

>ウクライナ側は、予想される突撃ルートを上空からドローンで監視していた。しかし、煙と霧のため、接近するロシア軍部隊はほとんど見えない状態だった。

>だが、ウクライナ側に幸運が訪れる。先導していた戦車が地雷を踏んだのだ。攻撃は頓挫した。「ロシア軍部隊は退却し始めた」と前出のドローン操縦士は説明している。「誰が最初に逃げ出したか。ご想像のとおり、戦車の乗員だった」

>さらに、こちらもおそらく地雷が原因とみられるが、2つ目のチームの戦車とBMPも立て続けに行動不能になった。生き延びたロシア兵たちは、何もさえぎるものがない中を徒歩で急いで撤収した。

>上空から監視していたウクライナ軍のドローンは、生き延びたロシア兵らの姿を克明に捉えていた。通常なら、ウクライナ軍の40mm擲弾やFPVドローンの格好の目標になっていたはずだった。

>しかし「大隊の主要兵器である迫撃砲やMk19(擲弾発射器)用の弾薬がない」とドローン操縦士は嘆いている。使えるFPVドローンもなかった。「これがわれわれの砲兵の置かれている現状だ。われわれはドローンも常に必要としている」と訴えている。

>ロシア軍が10月以来、アウジーイウカ周辺で出した1万3000人の死傷者と異なり、これらのロシア兵は陣地に無事生還できたようだ。「ロシア兵が罰を受けずに歩き去るのを見るのは虫酸が走る」とドローン操縦士は吐き捨てている。

>米議会のロシア寄りの共和党議員らは、ジョー・バイデン米大統領がウクライナの戦争努力を支えるために提案している610億ドル(約8兆8000億円)の援助を滞留させている。

>交渉は続けられているものの、上院は休会期間に入っており、再開は1月上旬になる。バイデン政権がこの予算を執行できないかぎり、ロシア兵たちはアウジーイウカ周辺で引き続き幸運に浴するかもしれない。アウジーイウカをすぐに奪うことはできなくても、生き延びてそれを試み続けるかもしれない。

<参考=「アウジーイウカ守備隊の弾薬枯渇 逃げるロシア兵を苦渋の傍観」(Forbes)>
(23/12/20)


【閻魔大王】 2023/12/23 (Sat) 22:14

副題=ロシア軍が制圧地域拡大か、米紙「戦場の大半で主導権」…ウクライナ議会幹部「米国の砲弾がない」(読売新聞)

オランダは積極的<!>

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オランダでF16戦闘機を見学するウクライナのゼレンスキー大統領(右から2人目、今年8月)=AP



>ロシアがウクライナ侵略を開始してから24日で1年10か月となる。米紙ニューヨーク・タイムズは22日、露軍が東部の戦線に人的犠牲をいとわず兵力を投入しており、「ロシアが戦場の大半で主導権を握っている」との見方を伝えた。ウクライナは防衛態勢を強化して露軍の攻勢をしのぐ構えだ。ウクライナにとっては試練の冬となっている。

>同紙によると、露軍は東部ドネツク州アウディーイウカやバフムト、ドネツク州に隣接するクピャンスク方面の戦線で、わずかながら制圧地域を拡大している。ウクライナ最高会議(議会)の幹部は「現在、前線の状況は困難で徐々に悪化している」と劣勢を認めた。「米国の砲弾がなく、我々は今夏に苦労して奪還した領土を失い始めている」とも語った。ウクライナ軍が大規模な反転攻勢を仕掛けた南部ザポリージャ州一帯の戦線でも露軍の逆襲に直面しているとの情報もある。

>ウクライナは昨年8月後半以降、ほぼ一貫して戦闘の主導権を握ってきた。だが、今年6月に南・東部で着手した反転攻勢に失敗したことが響いているようだ。

>オランダのマルク・ルッテ首相は22日、18機の米国製戦闘機F16をウクライナに送る準備を進めていることをSNSで明らかにした。米政策研究機関「戦争研究所」は22日、「ウクライナが年末までに受け取る可能性が非常に高い」と指摘した。実際に供与すればオランダが初めてとなる。

>一方、ウクライナ空軍は22日、南部でロシアの爆撃機「Su(スホイ)34」3機を撃墜したと発表した。

<参考=「ロシア軍が制圧地域拡大か、米紙「戦場の大半で主導権」…ウクライナ議会幹部「米国の砲弾がない」」(読売新聞)>
(23/12/23)


【閻魔大王】 2023/12/24 (Sun) 08:23

副題=ロシア兵を襲う「ネズミ熱」 ウクライナ戦場で猛威振るう(Forbes)

>ウクライナ国防省情報総局(GUR)によると、同国に侵攻したロシア軍兵士の間で「ネズミ熱」と呼ばれる病気が流行している。ネズミなどのげっ歯類が媒介し、感染すると嘔吐や目からの出血などの症状を引き起こすという。2年近く続くウクライナ侵攻がこう着状態に陥りつつあるなかで、ロシア軍の兵士が劣悪な環境に置かれていることを示している。

>GURはテレグラムへの投稿で、ウクライナ北東部ハルキウ州クピャンスク近くに展開するロシア兵が「ネズミ熱」によって「ばたばたと倒れている」と説明した。症状には激しい頭痛や発熱、発疹、低血圧、吐き気、嘔吐、目からの出血があり、初期症状はインフルエンザに似ているという。腎臓にも影響を及ぼし、感染者は腰に激しい痛みを感じ、排尿困難になるとも説明している。

>げっ歯類の排せつ物のほこりを吸い込んだり、汚染された食べ物を口にしたりすることで感染するとされる。GURは、この病気に関する兵士からの訴えが、ロシア軍の司令部から戦闘任務を回避するための口実だとみなされ、無視されていると指摘した。

>ロシア軍で病気がまん延しているとの情報の信ぴょう性は確認されていない。フォーブスはロシア国防省にコメントを求めたものの、回答はなかった。

>GURは病気の正体を特定していないが、ウイルス性だと説明している。このことや感染経路、症状を踏まえると、腎症候性出血熱(HFRS)の可能性がある。

>米疾病対策センター(CDC)によると、HFRSはハンタウイルスによって引き起こされる。呼吸器系の感染症を引き起こすこともあるハンタウイルスは、げっ歯類が媒介。その排せつ物や唾液が、傷口や目、鼻、口の粘膜に直接触れたりすることで感染する。

>特別な治療法や薬、ワクチンなどはなく、「ハンタウイルス感染の第一の予防策はネズミの駆除」だという。ハンタウイルス感染の致死率は、ウイルスや感染症の種類により1%未満〜38%と幅がある。

>また、複数の報道機関によると、ロシア軍で広がっている病気は鼠咬(そこう)症である可能性もある。感染経路はHFRSと似ており、症状は発熱、嘔吐、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹など。CDCによると、重症化したり、死に至ったりする可能性もあるという。

<参考=「ロシア兵を襲う「ネズミ熱」 ウクライナ戦場で猛威振るう」(Forbes)>
(23/12/22)


【閻魔大王】 2023/12/24 (Sun) 10:24

副題=オランダからウクライナへF16戦闘機の引き渡し準備始まる(TBS)


>ロシアによる侵攻が続く中、ウクライナのゼレンスキー大統領はオランダからのF16戦闘機の引き渡しに向けた準備が始まったことを明らかにしました。

>ゼレンスキー大統領は22日、オランダのルッテ首相と電話会談を行ったとしたうえで、オランダがF16戦闘機の引き渡しの準備に入ったことについて感謝の意を伝えました。あわせて18機の引き渡しが予定されているということです。

>F16戦闘機をめぐってはオランダのほか、デンマークなどからの供与も決まっていますが、パイロットの訓練が必要なことから実際に配備されるまでには時間がかかるとみられていました。

>また、電話会談でゼレンスキー大統領は、今月開かれたEU=ヨーロッパ連合の首脳会議でウクライナへの資金援助が合意に至らなかったことに触れ、ルッテ首相に「できるだけ早く提供することの重要性を強調した」と明かしました。

>ウクライナでは欧米からの支援の見通しが立たない中、ロシアへの反転攻勢も膠着状態にあることが指摘されていて、F16戦闘機の導入によって戦況の打開が期待されています。

<参考=「オランダからウクライナへF16戦闘機の引き渡し準備始まる」(TBS)>
(23/12/24)


【閻魔大王】 2023/12/25 (Mon) 17:59

副題=ロシア経済統計にみる不都合な真実。国民はなぜ卵を買うために行列するのか(BUSINESS INSIDER)

当たり前に、戦時経済なるは、軍需最優先のため、国民にとっては、モノ不足。
にしたって、経済制裁で、ロシアは、数箇月で破綻としてたですが、嘘ばっかりで、来年2月には、丸2年で、3年目に突入するです。

問題は、欧米の支援が、どこまで、継続出来るか<?>

>2023年のロシア経済は、統計上は回復の動きが見られたが、その裏ではさまざまな構造変化が生じた一年だった。例えば、最新2023年7-9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比0.9%増と、5期連続でプラス成長となった(図表1)。また同期の実質GDPの水準は、それまでのピークだった2022年1-3月期を上回り、景気は「拡張局面入り」した。

<図表1>
ロシアの実質GDPの推移



>他方で、実質GDPの動きを主な需要項目別に確認すると、個人消費の回復が遅れる一方、政府支出の急増が顕著だった。特に2023年1-3月期の政府支出は前期比9.3%増と、増勢は2022年10-12月期(同2.9%増)から急加速した。その反動で翌2023年4-6月期は同9.5%減と大幅マイナスとなるが、政府支出は膨張したままだ。

>政府支出の膨張は、

(1)ウクライナとの戦争に伴う軍需(戦争に伴う需要)の急増

(2)国内向けの経済対策費の急増

>の2つの要因からもたらされたものだ。つまり2023年のロシア経済は
(1)を中心とする公需(政府の需要)が成長をけん引したが、一方でそれが民需(民間の需要)を圧迫し、
(2)も効果が乏しかったため、景気が浮揚感を欠いて当然だった。

>直感的にいえば、ロシアは経済成長で得た果実を国民に配分するのではなく、戦争の遂行に費やしたことになる。ロシア経済の最大の武器は原油に代表される資源であり、本来ならその資源を輸出して得られた所得は、国民に配分されなければならない。しかしロシアは戦争の遂行にそれを注ぎ込んだ。景気が浮揚感を欠くのは当然といえる。


>ロシアで食品の値上げが止まらない

>民需が圧迫されている様相は、食料品の価格高騰も招いている。

>ロイター通信は11月17日付の記事で、ロシアの深刻な食料品価格の高騰を伝えている。またニューズウィーク誌は12月14日付の記事で、真冬の寒中、鶏卵を購入するために行列ができている様子を伝えた。欧米日による経済制裁や通貨の下落が、食品価格の高騰につながっている。

>実際に公式統計から食品価格指数の動きを確認すると、ロシアの食品価格(総合)は2022年2月のウクライナ侵攻直後に10%ほど上昇し、その後は安定していた(図表2)。しかしながら、2023年後半からは再び上昇トレンドとなっている。そして、価格変動の激しい生鮮食品を除く食品価格も、ほぼ同様の動きで上昇している。

<図表2>
ロシアの食品価格。



>ロシアは世界有数の穀物生産国であるため、ロシアには食品が溢れているというイメージを持つ人も一定数いるだろう。それはある面では正しいが、間違いでもある。

>穀物の多くは輸出に回るし、穀物以外に関しては、外国からの輸入品に頼ってきたのが実態だ。特に野菜などの生鮮食品は、温暖な国々からかなりの量を輸入してきた。

>そのため、食品価格は通貨ルーブルの動きに左右される。

>2023年初め、ルーブルの対ドルレートは1ドル=70ルーブル前後だったが、その後は下落が進み、8月と10月には100ルーブルを割り込んだ。こうしたルーブル安の影響は徐々に顕在化するため、2023年後半からのロシアにおける食品価格の再上昇も、基本的にはルーブル安の影響と考えられる。

>ところでロシアでは、少なくない国民が「ダーチャ」と呼ばれるセカンドハウスを郊外に保有している。そこで自家消費用の野菜を作るわけだが、当然、収穫できるのは夏季から秋季に限定される。そのため年間を通じて考えると、野菜も相応の量を輸入せざるを得ず、そのため生鮮価格もまた、為替レートの動向を受けざるを得ない。


>2024年のロシア経済は成長が鈍化

>本来、ロシア経済が統計通り回復過程であれば、ロシア国民が食品価格高騰に、これだけ苦しむことなどありえない。

>結局のところロシアで起こっている今の食品価格の高騰は、国富の流出であり、モノ不足を反映した現象だ。軍需を満たすことを最優先に、民需を圧迫した結果が、食料品価格の高騰を通じて、ロシア国民の生活を圧迫している。

>こうした状況下で、ロシアは年明け3月に大統領選を実施する。

>ウラジーミル・プーチン大統領の再選が確実視されているが、一方でロシア政府は物価高に対する警戒感を強めており、ロシア中銀に対応策を要請している。政府の意向を受けて、ロシア中銀は12月15日の会合で、政策金利(キーレート)を16%にさらに引き上げた。

>ロシア中銀は11月7日に公表した『金融政策レポート』の中で、インフレ抑制のためには、高金利政策を今後しばらくの間は維持する必要があるという見解を示している。そして高金利政策を維持する結果、ロシアの2024年の実質GDP成長率は0.5-1.0%増と、2023年の2.2-2.7%増から大幅に低下すると、ロシア中銀は予測している。

>実質GDP成長率そのものが低下する一方で、ウクライナとの戦争が継続する以上、ロシアの軍需は引き続き旺盛なままとなる。そのため、民需はさらに強く圧迫されることになるため、 2024年のロシアの景気の実勢は、実質GDPの数字が持つ印象よりも、停滞感が強いものになると考えるべきだろう。

>大統領選を控えたロシア政府は、本来なら追加の大型経済対策を実施して景気を加速させたいところだ。しかしウクライナとの戦争が長期化し、深刻なインフレも継続しているため、ロシア政府に大型の経済対策をとるだけの余裕はない。プーチン大統領の再選が確実なことも、追加の大型経済対策の必要性を低下させたのかもしれない。


>戦争が続く限り国民は疲弊する
>ロシアとウクライナの戦争がはじまってから、すでに2年近くが経過している。ロシア国民は着実に疲弊しているが、ロシアは引くに引けない状況となっている。それはウクライナも同様だ。

>いずれにせよ、戦争は中長期にわたって膠着状態が続くと考えられる。当然、ロシアの軍事費は急増が回避できたとしても、軍需が民需を圧迫する構図が今後も続くはずで、当然、ロシア国民の生活は苦しいままとなる。

>仮に原油価格が上昇し、ロシアの輸出が増えたとしても、それで得た所得が経済の発展に充てられずに戦争の継続のために浪費されるなら、元も子もない。

>こうした状況を、ロシアは2024年も続けることになる。このままでは、モノ不足に伴うインフレが生鮮食品以外にも拡がり、行列を目にする機会が増えてくることになるのかもしれない。

>※寄稿は個人的見解であり、所属組織とは無関係です。
土田 陽介 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 副主任研究員]

<参考=「ロシア経済統計にみる不都合な真実。国民はなぜ卵を買うために行列するのか」(BUSINESS INSIDER)>
(23/12/25)


<参考=NO.458 続77<ロシアのウクライナ侵攻>ウクライナ軍反攻も膠着/欧米の支援は<?>
(23/12/26)