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話題<NO.203>

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表題一覧表

NO 表題 起稿 起稿日
話題NO.204
1532 “解体”へと歩む東芝 名門に何が 会社分割案の期待値とリスク 磯津千由紀 21/11/15
1531 <今更ですが>横田早紀江さん、解決に「なぜ良い知恵を出せないのか」 通りすがり
でもないMr.X
21/11/14
1530 誰も止められない藤井三冠 ノグチ 21/11/12
1529 ≪新型コロナ≫米モデルナ製ワクチン、3回目に向け申請 来年2月接種開始目指す 磯津千由紀 21/11/11
1528 「子ども10万円給付」は単なるばらまき? 困窮者限定できない事情 磯津千由紀 21/11/09
話題NO.202

NO.1528 「子ども10万円給付」は単なるばらまき? 困窮者限定できない事情<起稿 磯津千由紀>(21/11/09)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/09 (Tue) 23:24

 こんばんは。


 子供一律10万円給付は公明党の選挙公約だったため、連立与党を組み選挙でも共闘した自民党が、押し切られようとしています。


> 自民、公明両党は9日、18歳以下の子どもに10万円相当を給付することで一致した。岸田文雄政権が19日にも取りまとめる経済対策の柱となるが、新型コロナウイルスの感染拡大が収束傾向を見せ、経済活動が徐々に再始動する中、現金などの給付にどれほどの効果があるのだろうか。


> 公明こだわる「一律」に逆風強く

> 子どもに対する給付措置は与党・公明党が衆院選の目玉公約として打ち出した。18歳以下の全員に現金10万円を配るアイデアで、対象は約2000万人。このまま実施すれば2兆円程度の予算が必要となる。財源は2020年度の決算剰余金約4兆5000億円から捻出する方向だ。

> 9日の自公幹事長会談では現金5万円を早期に給付したうえで、残る5万円分はクーポンの形で来春に向け支給することで合意した。ただ、大阪府の吉村洋文知事が「所得制限なしに18歳以下だから全員に配るというのは、何を目的としているのか分からない。(子どもが3人いる)僕だって30万円もらえる」と批判するなど「一律給付」には世論の逆風が強く、自民党の茂木敏充幹事長は9日、年収960万円の所得制限を提案している。

> 年収960万円は、中学生までの子どもがいる世帯に支給される児童手当で、支給額が減額となる基準額。財務省によると、この基準で除外されるのは全体の1割前後にとどまる見通しで、同省幹部は「予算規模で見れば、一律給付とあまり変わりはない」と指摘する。自民党内には対象を住民税非課税世帯など生活困窮者に絞るべきだとの声もあるが、富裕層を含む一律給付にこだわる公明党は「(所得制限を設けると)支給のタイミングが遅れてしまう」と反論しており、最終調整が続いている。


> 「効果望めない」専門家は否定的

> だが、本来の焦点は給付の線引きではない。「コロナ後」をにらんだ経済の再構築が求められる中、政府の経済対策の柱が現金給付でいいのかという「そもそも論」がすっぽりと抜け落ちていることだ。

> 安倍晋三政権(当時)は20年春、約12兆円の予算を投じて国民全員に一律10万円を配る「特別定額給付金」を実施した。しかし、配った給付金の7割が貯蓄に回ったとする調査結果もあり、消費への影響は限定的だったとの見方が強い。

> 与党側は今回、給付の一部について使い道を教育関連に限定したクーポンの形にすることで大半が貯蓄に回る事態を防ぎたい考えだが、SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「コロナ禍から経済活動が回復に向かう現在のタイミングで現金などを給付しても大きな効果は望めない」と指摘する。コロナ禍による長期の行動抑制で家計の金融資産残高は2000兆円近くに積み上がっており、そこにさらにお金やクーポンを配っても「経済対策としての意味合いは薄い」と否定的だ。


> 安倍氏も「一律」に切り替えた背景

> 給付措置を巡っては、識者の間でも「コロナ禍で困窮している人たちに救いの手を差し伸べる社会政策としては一定の意義がある」との声は強い。ただ、給付範囲を限定したものにしようとしても、行政のデジタル化の遅れによる所得把握の難しさが大きな壁となっている。

> 実際、20年の特別定額給付金も岸田氏が自民党政調会長だった20年4月に取りまとめた当初案では減収世帯への30万円給付とする方向だった。しかし、「所得把握に時間がかかる。困っている人たちに一刻も早く現金を届けるべきだ」という与党内の声に押し切られ、安倍氏が最終的に所得制限を設けず、全国民への一律10万円給付に切り替えた経緯がある。

> 牧野氏は「個人の銀行口座とひも付けたマイナンバーカードを全ての国民に行き渡らせれば、所得制限を設けても迅速に現金給付ができたはずだ。特別定額給付金の論争から1年半もたっているのに、状況は何ら変わっていない」と批判。給付措置が困窮者支援ではなく、単なるバラまきになりがちな背景に政府の怠慢があると指摘する。

> 岸田氏は9日、10万円相当の給付を含む経済対策を19日に取りまとめる方針を示した。その裏付けとなる21年度補正予算案も月内に策定し、年内の成立を目指す考えだ。与党内からは30兆円超の大型対策を求める声が強まっているが、政治的な思惑や対策の規模ばかりが優先され、事業の必要性を見極めない状況が続く限り、対策が十分な効果を発揮するのは難しそうだ。【袴田貴行】


<参考=「「子ども10万円給付」は単なるばらまき? 困窮者限定できない事情」(毎日新聞有料記事、11月9日)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/10 (Wed) 19:19

副題=子供10万円給付 年収960万円で制限 自公が合意(毎日新聞、11月10日)

 こんばんは。


 公明が妥協しました。
 其れにしても、子育て家庭の約1割が年収960万円以上とは高給なことで。


> 自民党と公明党は10日、新型コロナウイルス禍に対応する経済対策に盛り込む18歳以下の子供を対象とする計10万円相当の給付について、年収960万円の所得制限を設ける方針で一致した。同日昼の与党党首会談で正式合意した。

> 18歳以下の子供を対象とする給付を巡っては、9日の両党幹事長会談で、年内に現金5万円を給付し、来春に残りの5万円分を原則クーポンで支給することで合意。公明が18歳以下への一律給付を主張する一方、自民は「世帯主の年収が960万円以上」の高所得者世帯を対象から外すよう求め、協議を継続していた。

> 公明は衆院選公約で一律給付を掲げたため、所得制限に難色を示していたが、高所得者への給付には世論の反発もあるため、容認に回った。児童手当の制度を参考に年収960万円で制限をかけ、現金とクーポンのいずれも対象とする見通しだ。年収960万円までを対象とする場合、9割程度の子育て世帯に行き渡るという。【木下訓明】

<参考=「子供10万円給付 年収960万円で制限 自公が合意」(毎日新聞、11月10日)>


<参考=NO.309 <18歳以下の子ども/10万円給付>右往左往の、結果、遅れに、遅れのアホウばかり。


NO.1529 ≪新型コロナ≫米モデルナ製ワクチン、3回目に向け申請 来年2月接種開始目指す<起稿 磯津千由紀>(21/11/11)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/11 (Thu) 23:11

 こんばんは。


 ファイザー製の承認に続き、モデルナ製もブースタ接種申請です。


> 米モデルナ製の新型コロナワクチンについて、日本国内の流通を担う武田薬品工業が3回目の追加接種に向け、用法や用量に関する承認事項の一部変更申請を厚生労働省にしたことが11日、同社への取材で分かった。申請は10日付。

> 臨床試験(治験)データも提出した。治験では、2回目接種から6カ月以上の間隔を置き、ワクチンの量は2回目までの半分を投与したという。12月下旬以降の厚労省の専門分科会で取り扱いを議論し、来年2月の接種開始を目指す。3月をめどに職場接種も実施する見通し。

> 3回目接種を巡っては既に申請があった米ファイザー製について厚労省が11日、特例承認した。(共同)


<参考=「米モデルナ製ワクチン、3回目に向け申請 来年2月接種開始目指す」(毎日新聞、11月11日)>
<消滅・22/11/16>


NO.1530 誰も止められない藤井三冠<起稿 ノグチ>(21/11/12)


【ノグチ】 2021/11/12 (Fri) 21:41

今日明日、竜王戦、第四局です。

7番勝負で、藤井さんが3連勝。

豊島竜王は、後がありません。

残り4局を、藤井さんが4連敗は考えられないので

藤井さんの竜王は、決まりでしょう。

竜王になると、現役棋士のトップに立ちます。

恐ろしい人が出てきたものです。


【シバケン】 2021/11/12 (Fri) 23:41

ノグチさん、こんばんわ。

イヤ、
藤井聡太三冠<19歳・王位・叡王・棋聖>

これで、竜王になれば、四冠<!>

話では、AIを凌ぐ<?>

イヤ、
当方的、将棋はわかりませんです<汗>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/13 (Sat) 18:45

副題=藤井聡太九段が四冠に

 こんにちは。


 藤井聡太九段(王位・棋聖・叡王)が竜王戦七番勝負第4局で豊島将之九段(竜王)に勝って、四冠になりました。
 かつての羽生善治七冠と並ぶ藤井聡太八冠も夢ではありません。


【ノグチ】 2021/11/13 (Sat) 19:38

こんばんは

夕方から、ネット中継で対局を見ていました。

藤井さん、残り時間が11分になるまで長考して
大丈夫か?と心配になりました。

しかし、再度指し始めると
先手を追い詰めてきました。

6時41分、豊島さん、投了。

豊島さんもかつて天才と呼ばれたのですが、無冠に。

もうこうなったら、私も藤井さんには八冠を取ってもらいたいです。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/13 (Sat) 22:47

副題=藤井聡太新竜王「見合う実力をつけたい」 最年少4冠、一問一答(毎日新聞、11月13日19:54)

 こんばんは


 対戦両者への直後のインタビューです。


> 山口県宇部市で指されていた第34期竜王戦七番勝負第4局で13日、藤井聡太新竜王(19)が豊島将之竜王(31)を破って4連勝で竜王を奪取、最年少で4冠を達成した直後の一問一答は以下の通り。

> ――一局を振り返って。

> 藤井 途中、ずっと難しいのかなと思って指していたんですけど、角交換になった後によくない手を指して、苦しくなったと思って指していました。

> ――終盤はどう思っていたか。

> 藤井 先手からの手段がかなり多いのでどう指されるか分からなかったですが、先手玉ににらみを付けるしかないのかなと思っていました。

> ――今日は夕方で長考したが誤算があったのか。

> 藤井 角を打ってからあまり自信がある展開ではなかったです。

> ――手応えを感じたのは。

> 藤井 最後、桂馬を打って先手玉に迫れる形なのかなと思いました。

> ――4連勝で初の竜王獲得となった。

> 藤井 まだ全く実感はありませんが、それに見合う実力を付けていきたいと思います。

> ――4冠になった。

> 藤井 今期はここまで結果を出せていますけど、内容的には課題が多いのでそのあたりを今後なんとか改善していけたらなと思います。

> ――羽生善治九段の記録を塗り替えて最年少4冠になった。

> 藤井 それについても現時点では全く実感がないというのが正直なところです。

> ――豊島竜王との今シリーズを振り返って。

> 藤井 中盤でペースをつかまれることが多かったので、自分の足りないところを感じたシリーズでもありました。

> ――今日の一局を振り返って。

> 豊島 1日目の途中までは互角なのかなと思ったんですけど、封じ手のあたりは自信がなくなってしまいました。その後は、結構際どいですけど、自信がある順が見つからなかったです。

> ――形勢がよくなったと感じた瞬間はあったか。

> 豊島 よくなってたんですか? あまりなかったですけど、どこかで読み抜けているかもしれないですけど、基本的に自信がない気がしていました。

> ――藤井王位とのシリーズを振り返って。

> 豊島 先手番で作戦があまりいかなかったところがあったのと、後手番の時はまずまずの局面は作れたが、その後、中盤から終盤の辺りで力負けてしまいました。

> ――失冠について。

> 豊島 竜王戦もそうですが、王位戦や叡王戦も含めて実力不足を痛感したので、実力を付けていかないといけないと思いました。

<参考=「藤井聡太新竜王「見合う実力をつけたい」 最年少4冠、一問一答」(毎日新聞、11月13日19:54)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/14 (Sun) 01:13

副題=“藤井聡太がマンガ・小説より面白い”という葛藤…『りゅうおうのおしごと!』原作者が感じる《現実将棋のドラゴンボール化》(NumberWeb、11月13日)

 こんばんは。


 11月13日の記事ですが、内容は暫く前に読んだことがあります。
 少し前なら、藤井聡太や大谷翔平の活躍に相当する内容をライトノベルや漫画に書けば、現実離れした御伽噺と揶揄されたでしょう。


> 藤井聡太三冠の大活躍など、話題が尽きない近年の将棋界。ライトノベル「りゅうおうのおしごと!」原作者である白鳥士郎氏の目に現在のブームがどのように映っているかを記してもらった。


> W杯が近づくとサッカー漫画の連載が多く始まるのは業界の定説だ。だいたい1年前くらいから連載を始めれば、W杯予選での盛り上がりを追い風にして作品の注目度が高まるし、週刊連載であれば本大会までに単行本が4冊ほど溜まるので、他のサッカー関連本と一緒に書店の棚をジャックすることができるからだ。

> オリンピックでも同様の効果が見込まれており、東京五輪ではボルダリングの漫画が目立っていた印象だった。残念ながら1年延期となったことで、ほとんどの漫画は五輪が始まる前に終わってしまったが……。

> ある競技が世間で話題となることで、それまで日の目を見ることがなかった題材の作品が商業ベースでの出版に至ることがある。それは将棋も同じだ。私が執筆している『りゅうおうのおしごと!』という作品は漫画ではなくライトノベル(挿絵の入った小説)だが事情は似たようなもので、拙作より前に正面から将棋を題材にしたラノベなどほぼ存在しなかった。


> 6年前の熱さの源は「電王戦」だったが

> ではなぜ出版社は『りゅうおうのおしごと!』が初めて刊行された約6年前に「今、将棋が熱い!」と思ったのか?

> それは電王戦の存在があったから。将棋ソフトとプロ棋士が対決する様をニコニコ動画が生配信したそれは、将棋という伝統的な頭脳競技と、ネットや人工知能という最新技術との融合という視点から、全世界的な話題となった。銀色のロボットアームと和服を着た棋士が向かい合っている姿を憶えておられる方もいらっしゃるだろう。「ニコニコ動画の三大コンテンツは将棋・政治・アニメ」という合言葉のもと、一時期は東京の将棋会館にニコニコ動画の中継用スタジオまでしつらえて、将棋の対局を配信した。電王戦がなければ今のように将棋の対局を映像付き・棋士の解説付きで(しかも無料で!)見ることなどできなかっただろう。

> この時の盛り上がりは、将棋にとってW杯やオリンピックと同じだった。電王戦は年1回のペースで行われていたため、出版社的には同じような販売戦略に乗せやすかったのだ。

> その証拠に、『りゅうおうのおしごと!』が発売されたのとほぼ同時に、週刊少年ジャンプ史上初めて将棋を題材にした漫画が始まっている。この作品は電王戦の後継棋戦(後にタイトル戦に昇格)である叡王戦とコラボまでしていることから、集英社が電王戦の盛り上がりを作品の人気に繋げようとしていたのは明らかだろう。残念ながらコラボしてすぐ連載は終了してしまったのだが……。

> このように、電王戦と同時期に始まった将棋漫画は多い。しかしその全てが短命に終わった。なぜなら電王戦自体が短命だったからだ。『コンピューターVS人類』というテーマは一時的に大きな話題を呼んだが、佐藤慎一四段(当時)がプロ棋士として初めて将棋ソフトに敗れた時を頂点として、その話題性は急速に衰退していった。そしてニコニコ動画(ドワンゴ)は叡王戦も手放すに至る。

> ほとんどの漫画は電王戦の絶頂期に企画を通し、その衰退期に連載を始めたため、話題になることもなく終わっていった。どの作品も将棋漫画として高いクオリティを持っていたので、打ち切りのように終わっていくのを見るのは将棋ファンとして悲しかった。


> では、藤井ブームは何をもたらしたのか?

> では藤井ブームはどうか?

> 藤井聡太の名が初めて全国的に話題となったのは、ABEMAが企画した『炎の七番勝負』において、14歳で羽生善治に勝った瞬間だろう。ヤフーニュースのトップにもなった。そして直後から始まった29連勝で、藤井ブームは決定的なものとなった。

> 電王戦の時と同様に将棋漫画は多く始まったが、連載ではなく読み切りという形が多かった。中には、衝撃波で相手を吹っ飛ばすという、完全にギャグ漫画となっているものもあった。これは電王戦が年1回のペースで行われていたのと違い、藤井ブームが「連勝」という、いつ終わるかも、そしていつまた始まるかも予測が立てづらいものだったからと考えられる。

> しかし連勝が止まっても、藤井ブームは終わらなかった。それどころかあまりにも多くの記録を次々と塗り替えており、特に史上最年少タイトル挑戦から現在に至る状況には毎月のようにW杯やオリンピックで日本が優勝するようなフィーバーが続いている。


> 藤井聡太と大谷翔平という『フィクション超え』

> ABEMAの月間視聴者数を(非公式にではあるが)集計しているサイトによると、トップ10の半分ほどを常に将棋が独占している。そのほぼ全てが、藤井の対局を中継したものだ。藤井のタイトル連戦が始まった今年7月からは、トップ10を藤井の将棋と大谷の野球が分け合うような感じになっていた。

> 藤井聡太の活躍が『フィクション超え』と話題になった時に、最もよく比較されるのが大谷翔平のメジャーリーグでの二刀流だ。どちらの活躍も「こんな話を編集に提案しても絶対に却下される!」と、漫画家たちは悲鳴を上げている。

> ではそんな状況で、将棋漫画はどう変わったか?

> 勝負事として将棋を取り上げるのではなく、部活の恋愛や、食べ物や、BLといった面から将棋を描き始めたのだ。

> 最近では文春オンラインで『盤記者!』なる「新聞社で将棋の取材を担当する記者を主人公にした漫画」という極めてニッチな作品が掲載された。とても面白い漫画なのでぜひ読んでいただきたいが、これは象徴的な出来事だ。


> 王道ストーリーが藤井の存在によって「詰んでしまう」

> 先述した週刊少年ジャンプで初めて連載された将棋漫画は、奨励会に入ってプロを目指す少年を主人公にした、王道のストーリーだった。そこからジャンプは同様に奨励会を舞台にした漫画を2作品連載したが、どちらも短期間で終了している。ジャンプには将棋の兄弟分ともいえる囲碁で『ヒカルの碁』という超名作があるが、その成功をなぞろうとしたのだろうか。

> だが、あまりにもタイミングが悪かった。史上最年少でプロ入り、しかも三段リーグ1期抜けという藤井の快挙を前にすると、奨励会で苦労する話はあまりにも地味だ。かといって藤井の記録を超える話を作ろうとすると、特に山場もなくスピーディーにプロになってしまい、やはり連載が終わってしまう。どの手を選んでも詰んでしまうのだ。

> 藤井の活躍によって『りゅうおうのおしごと!』が取り上げられる機会はどんどん増えているが、拙作に話題が集中する理由は至極単純で、生き残っている作品があまりにも少ないことと、藤井ブーム後に開始された作品は意識的に藤井との関連性を(つまりプロ棋界との関連性を)排除した作品ばかりだからだ。


> 羽生九段をモデルにしたキャラも出ているからこそ

> しかしフィクションが藤井を避ける傾向は、歴史的に見ればいずれ収まっていくことが予測される。

> 羽生善治は七冠同時制覇という前人未踏の偉業を達成し、将棋界のあらゆる記録を塗り替えていったが、後の将棋漫画に「羽仁名人」や「羽賀七冠」といった羽生をモデルにしたキャラが溢れている現状からすると、同様にいずれ世間が藤井の存在を当然のものとして消化した際には、再び将棋を勝負事として正面から取り上げるような作品が生まれるだろう。「井藤八冠」や「藤本竜王」といったキャラが登場するような将棋漫画が。

> 『Number』の将棋特集が20万部以上の大ヒットを記録したことからも、藤井ブームで将棋に注目する層が増えているのは間違いない。将棋の漫画を読みたいと思っている人も多いはずだ。ありがたいことに『りゅうおうのおしごと!』も、電子版を中心に今も読者が増えているし、紙の本も増刷が続いている。


> 王道の将棋漫画を扱うために憂慮していること

> では、いつ頃になれば将棋界を正面から扱った王道の将棋漫画を始めるのに適したタイミングが訪れるのだろう?

> 私が憂慮するのは、作中で扱う棋譜についてである。棋譜とは野球やサッカーでいう試合展開、音楽でいう楽譜のようなものだ。

> 藤井ブーム以前と藤井ブーム以後では、この棋譜の精度が格段に変わっている。将棋ソフトが棋士の指し手を厳しく採点するようになったことで、トップ棋士の対局はミスらしいミスが出ずに終わることが増えた。そして終盤では当然のように超絶技巧の応酬が求められる。


> 豊島-藤井の竜王戦に感じる「強さのインフレ」

> 今回の竜王戦でも、藤井はもちろん、豊島将之竜王の指し手も非常に精度が高く、悪手は存在しなかったように見える。ほんの少しの精度の差の積み重ねが勝敗に繋がった印象だ。なお豊島は電王戦で将棋ソフト『YSS』に勝利したことがあり、それをきっかけに将棋ソフトでの研究にのめり込んだ棋士として知られている。

> 思えば『りゅうおうのおしごと!』を開始した6年前は戦法の発達にも停滞感があり、人間の強さもどこか頭打ちになっていたように感じる。私を含む多くの将棋ファンは羽生善治はまだまだタイトルを持ち続けると信じていたし、その記録を更新するような棋士は現れないだろうとも思っていた。現実では起こりえないからこそ、フィクションの中で羽生を超える棋士を書くことができた。

> 将棋ソフトの強さは果てしない。今では電王戦の頃から改良され続けている従来型のCPUを使ったものだけではなく、GPUを使用するディープラーニング系の将棋ソフト『dlshogi』や『GCT』が登場し、さらに精度の高い棋譜を生産し続けている。

> そしてそこから学ぶことで、藤井を筆頭に人類も急速に強くなっている。自分の指した将棋をソフトで検証するだけではなく、互角局面からソフトと対局をするような練習方法も取り入れるといったように、プロ棋士は使い方も試行錯誤し、どんどん人類を超越していっている。そこに若さは関係ない。フリークラス転出を宣言した永世名人資格者の森内俊之九段や、藤井から王位を奪われてもすぐに王座挑戦を決めた木村一基九段のように、ベテランでも将棋ソフトを使うことで自分の将棋をアップデートし続けている棋士がいる。


> まるで『ドラゴンボール』のように

> まるで『ドラゴンボール』のように強さのインフレが続く現実の将棋界は、どんな漫画よりも王道の少年漫画の世界と化した。そこで生み出される棋譜を超える物語を紡ぐのは、並大抵のことではない。

> 『りゅうおうのおしごと!』でも、最新の15巻では遂に将棋ソフト同士が対局した棋譜を参考にして物語を組み立てた。そして将棋ソフト開発者たちにインタビューする等、常日頃から情報収集を行うことで、将棋界の進歩から取り残されないよう努力を続けている。それでも現実は今日もまた、私の想像など軽々と超越していってしまうのだが……。

> このインフレが続く限りは、現実の将棋界がフィクションよりも面白いという状況が続きそうである。

> そして藤井聡太がその成長を止める様子は、今のところ全く見えない。

<参考=「“藤井聡太がマンガ・小説より面白い”という葛藤…『りゅうおうのおしごと!』原作者が感じる《現実将棋のドラゴンボール化》」(NumberWeb、11月13日)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/19 (Fri) 21:50

副題=藤井聡太九段が王将戦挑戦者に

 こんばんは。


 また、掛川市の二の丸茶室から、葛布の座布団を貸してくれという要請が来るでしょう。


> 渡辺明王将(37)への挑戦者を決める第71期ALSOK杯王将戦リーグ(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛)の藤井聡太竜王(19)―近藤誠也七段(25)戦が19日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、藤井が勝って開幕から5連勝を決めた。近藤は3勝2敗となって1敗者がいなくなったため、最終局を待たずに藤井の初挑戦が決まった。藤井は13日に竜王を獲得して史上最年少4冠になったばかりで、次は5冠をかけて渡辺との王将戦七番勝負に挑む。


<参考=「藤井聡太「最年少5冠」に前進 王将戦初の挑戦権 渡辺と七番勝負へ」(毎日新聞、11月19日)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/20 (Sat) 08:33

 追伸です。


 掛川市の二の丸茶室での1局目は、来年1月9日~10日です。


NO.1531 <今更ですが>横田早紀江さん、解決に「なぜ良い知恵を出せないのか」<起稿 通りすがりでもないMr.X>(21/11/14)


【通りすがりでもないMr.X】 2021/11/14 (Sun) 20:58

仰るとおりです。

>東京・千代田区で拉致被害者の救出を訴える国民大集会が開かれ、横田めぐみさんの母親の早紀江さんが、岸田総理らを前に「なぜ良い知恵を出せないのか」と訴えました。

>横田早紀江さん:「13年間しか育ててあげることができなかったことを、私は本当に悔しいです」

>会には拉致被害者の家族のほか、岸田総理や松野官房長官も出席しました。

>早紀江さんは、何人もの総理大臣が状況を変えられないことについて、「これだけの立派な総理大臣が、何らかの良い知恵を出して頂くことができなかったのか」と訴えました。

>また、家族会の飯塚繁雄代表は「計画をしてどうなったかという答えを出してほしい」と具体的な行動を求めました。

>一方、岸田総理は「私の手で拉致問題を必ず解決しなければと強く考えている」と述べましたが、具体的な動きについては明らかにしませんでした。

<参考=「横田早紀江さんが訴え「なぜ良い知恵出せないのか」」(テレビ朝日)>


【通りすがりでもないMr.X】 2021/11/14 (Sun) 21:27

担当大臣が現場視察されただけでも立派です。

>北朝鮮による拉致問題担当相を兼ねる松野博一官房長官は14日、新潟市を訪れ昭和52年に横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=が北朝鮮工作員に連れ去られた現場周辺を視察した。

>視察には、めぐみさんの弟、哲也さん(53)も同行。松野氏は視察後、記者団に「閑静な住宅街、通学路で拉致が行われた。私はめぐみさんと同年配。誰が被害者になってもおかしくなかった」と厳しい表情で語り、早期解決を改めて誓った。松野氏は同日、被害者救出を訴える同市の集会に参加する。

>当時中学1年生だっためぐみさんは52年11月15日夕、下校中に自宅近くで襲撃され、工作船で拉致された。平成14年の日朝首脳会談で北朝鮮はめぐみさんが死亡したと主張し、偽の遺骨や改竄(かいざん)した資料を提出。日本政府は早期帰国へ誠実な対応を求めている。

<参考=「めぐみさん拉致現場を初視察 松野官房長官」(産経新聞)>


NO.1532 “解体”へと歩む東芝 名門に何が 会社分割案の期待値とリスク<起稿 磯津千由紀>(21/11/15)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/15 (Mon) 02:26

 こんばんは。


 東芝ほどの老舗大企業が解体されるとはショッキングです。「物言う株主」の圧力のせいだそうです。


> 発電施設から半導体まで幅広く手掛け、複合経営を続けてきた東芝が12日、会社全体を事業別に3分割する方針を発表した。好調な分野が稼いだ利益を不振事業が食い潰す構造のままでは、株式市場から低く評価されるとの不満が大株主にあった。株主総会で承認されれば、1875年創業の名門企業は事実上“解体”される。

> 「東芝は140年以上の長い歴史の中で、時代の変化とともに会社の形を変えて進化してきた。今回の戦略的再編により、インフラサービス、デバイスそれぞれでリーディングカンパニーを目指していく」。綱川智社長は12日のオンライン記者会見で強調。会社分割が単なる株価向上だけでなく、グループの飛躍を目指す「最善の道だ」と繰り返した。

> 日本初の電信設備メーカーとして設立された東芝。一時は原発建設や鉄道車両から生活家電に至るまで展開し、日立製作所などと共に「総合電機メーカー」の一角に。経団連会長を輩出し、新日本製鉄(現・日本製鉄)、トヨタ自動車と並ぶ「経団連の御三家」とも呼ばれ、戦後の産業界をリードした時期もあった。

> さまざまな事業を抱える複合企業(コングロマリット)は、部門ごとの好不調を補い合うことで収益を安定させやすい。財務基盤も厚くなり、投資の余力も高まるため、経営の多角化を進めた企業は多い。

> その半面、経営のかじ取りが難しく、投資家も会社の実態が見えにくい。会社全体の価値が各事業の合計よりも低く評価される「コングロマリット・ディスカウント」と呼ばれる状態だ。

> 実際、東芝では事業が長期にわたるインフラ事業や、短期間で巨額投資が求められる半導体事業などが複雑に絡み合う。高収益の部門で稼いだ利益が不調な部門の支援に回れば、事業の成長機会を損なったり、社員の士気を低下させたりする懸念も指摘されている。

> こうした中で示された今回の再編方針は、事業ごとに「インフラサービス社」と「デバイス社」の2社に分離。現在の東芝は、約4割を出資する半導体大手キオクシアホールディングスや事務機器を扱う子会社の東芝テックなどの株式を管理することになる。

> 綱川社長は、専門性の高い役員による経営体制の構築や意思決定の迅速化といった分割のメリットを挙げ、「それぞれの事業の競争力を高め、持続的で利益ある成長を実現する」と狙いを語る。

> 米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)も今月9日、会社を3分割する経営再建策を発表した。GEはかつて時価総額で世界最大を誇ったが、事業の伸び悩みに直面。会社を「航空」「ヘルスケア」「エネルギー」の3部門に再編し、上場企業3社に会社を分割する方向だ。

> 他にも海外では、米IT大手ヒューレット・パッカードや米化学大手ダウ・デュポンに同様の事例がある。日本の大手企業でこうした会社分割に踏み切るのは東芝が初めてだが、企業経営に詳しい一橋大の沼上幹教授は「類似する事業領域に集約して成長した企業も多い。東芝はどれだけ創造性を発揮できるかが試される」と指摘する。


> 「物言う株主」存在感で経営混迷

> 東芝が“奇策”とも言える手段に打って出る背景には「物言う株主」の存在感が高まる中で、経営の混迷が深まっていた事情もある。

> 東芝では2015年の不正会計問題以降、株主の圧力が強まった。経営危機を脱するため、17年に約6000億円の巨額増資を実施して「物言う株主」が東芝株の3割近くを握った結果、経営方針を巡って株主側と会社側の対立が深刻化した。

> 20年7月の定時株主総会では車谷暢昭社長(当時)の再任案への賛成が6割弱にとどまり、21年4月には英投資ファンドによる買収提案を巡って車谷氏が突如辞任した。

> さらに20年の定時株主総会の議案への賛否を巡っても、東芝と経済産業省が一体となって一部株主に圧力をかけたとする報告書が21年6月に公表され、直後の定時株主総会で取締役会議長だった永山治氏らの再任案が否決された。現在では「物言う株主」との協議を経て就いた社外取締役が半数を占めている。

> ある東芝関係者は「(一部の物言う株主から)東芝の株価が適正でない、と強く言われている」と明かす。とりわけ非上場のキオクシア株の価値が東芝の株価に適正に反映されていないとの不満が根強いといい、株価上昇の手段として会社分割が持ち上がったというわけだ。

> 東芝は今回、キオクシア株を売却して得る資金の「過半を株主還元に充てる」としていた従来の方針から「全額」に改めた。ここでも短期的な利益を求める株主への配慮は鮮明だ。市場では「ドラスチックな手段で株価を引き上げて物言う株主に去ってもらいたいのだろう」(金融機関)との声も聞かれる。

> 一方で、リスクもある。電機業界に詳しいエース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは「東芝は先行きが不透明な原発事業や、業績の変動が大きい半導体事業も抱えている。(分割後の3社は)業績悪化のリスクが増大しかねない」との考えを示す。

> 業績不振が続く東芝は、16年には生活家電事業を中国企業に売却し、17年には海外の原発建設からの撤退を表明。連結売上高はかつての7兆円台から現在は3兆円程度まで縮小した。分割後の3社が成長できなければ、事業の切り売りが進む可能性も否定できない。

> もっとも「半導体もインフラも外為法の規制対象で、簡単には売却できない。経産省も目配せしている」。ある金融機関の幹部はこう語り、事業の切り売りは容易には進まないとみる。経産省幹部は「東芝の判断を注視する必要がある」として、原子力をはじめ安全保障に関わる技術が国外に流出する事態に目を光らせる。

> 東芝にとって会社分割は企業価値の向上となるのか、終わりの始まりなのか。「これは未来への進化。解体ではなく進化への始まりだ」。綱川社長は会見でそう言い切ったが、戦略の成否が問われるのはこれからだ。【井川諒太郎、高橋祐貴、岡大介】


<参考=「“解体”へと歩む東芝 名門に何が 会社分割案の期待値とリスク」(毎日新聞有料記事、11月12日)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/15 (Mon) 02:43

副題=そろって企業3分割「東芝とGE」中身はこんなに違う(毎日新聞、11月13日)

 こんばんは。


 同じ「会社3分割」でも、経営立て直し中の米GEと物言う株主の圧力による東芝では、事情が異なるといいます。


> 東芝とGEの企業分割(上)

> 東芝が11月12日、会社を主要事業ごとに3分割する計画を発表した。その3日前に、米ゼネラル・エレクトリック(GE)も会社を3分割する計画を発表した。総合電機大手として名をはせた日米の名門企業が同じ道筋を示したことで重ね合わせる見方も多い。だがGEは、東芝とは置かれた経営状況も分割に至った経過も全く異なっている。


> 経営再建中のGE

> GEが発表した分割案は、2023~24年に航空、ヘルスケア、エネルギー部門を担う上場企業3社に会社を分割する。GE本体はこのうち航空分野に特化した企業として存続する。巨額債務に苦しむ経営再建策の一環として、経営陣が示したものだ。

> GEは17年10~12月期に保険事業の評価損を計上するなど約1兆円の巨額赤字に陥った。経営陣が代わり再建途上の翌18年7~9月期には、発電機需要の低迷が続く電力事業で巨額の減損費用を計上し、約2兆5800億円の赤字となった。

> 経営陣は再建に向け、資産売却により債務を削減する計画を公表。エジソンが発明した白熱電球をルーツとする家庭用照明事業を売却。航空機リース事業も手放し金融事業から撤退した。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で航空機エンジン事業の需要が急減するなど経営環境の悪化にも苦しみ、事業効率化を目指して会社分割を決断した。


> 一方の東芝は…

> 一方の東芝は不正会計に米原発子会社の経営破綻が加わって債務超過となり、こちらもGE同様に経営危機に陥った。だが、医療子会社を売却し、半導体メモリー子会社の経営権を手放し、その一方で海外投資ファンド60社への第三者割当増資で6000億円にのぼる資本を手にした。

> この結果、いまの東芝は業績、財務的には立ち直りを見せている。21年度の売上高営業利益率は5%台を見込んでおり、自己資本比率は30%前後。いずれも同業他社に大きくは見劣りしない。業績は高いとは言えないが安定しており、「大穴」はふさがれた。

> 業績面でも財務面でも、東芝がいま会社分割をして効率化を追求しなければならない状況ではない。むしろ多くの事業分野のなかから、将来性のある事業を見いだして投資を行い、将来の成長を描かなければいけない局面と言える。

> 問題は不正会計と米子会社の破綻の過程で、経営陣に対する信頼が失墜したことだった。また、増資で債務超過を回避した代わりに、“物言う株主”である海外ファンドが大株主として名前を連ね、繰り返し企業価値の最大化を要求してきたことだ。


> 大株主が納得する案

> その大株主と対立した銀行出身の前トップ、車谷暢昭氏は4月に辞任した。暫定的に経営を担うことになったのは、米子会社の破綻で右往左往した綱川智社長と原子力事業出身の畠沢守副社長、それに平田政善・執行役専務だ。要求のトーンを高める大株主の納得する案として、暫定経営陣が選んだのは会社分割だった。

> GE、東芝という、多くの事業を傘下に持つ二つの企業がほぼ同時に会社分割に向かうことで、コングロマリット(複合企業体)経営が曲がり角を迎えたと言われている。ただし、2社の経営の現状と、分割に至る経緯は全く異なるということができる。


> <次回は11月16日に掲載します>

<参考=「そろって企業3分割「東芝とGE」中身はこんなに違う」(毎日新聞、11月13日)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/17 (Wed) 00:00

副題=東芝とGE「事業の選択と集中」突き進んだ末の“分割”(毎日新聞、11月16日)

 こんばんは。


 記事の続きです。


> 東芝とGEの企業分割(下)

> 東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)が会社を3分割する計画をほぼ同時に発表し、注目を集めている。GEは「20世紀最高の経営者」と称されたジャック・ウェルチ氏が会長兼最高経営責任者(CEO)を1981年から20年間務めた。一方、東芝の経営者はウェルチ氏の「事業の選択と集中」にならい、原発と半導体を柱に据えた。ところが米原発破綻など曲折の末に今日の事態に至った。両社の経営者がたどった道を振り返る。


> 「20世紀最高の経営者」

> ウェルチ氏は60年にプラスチック部門の技術者としてGEに入社。若くして頭角を現し、81年に45歳で会長兼CEOに就任した。業界シェアが1位か2位でない部門はGEには不要であるとして次々と事業売却を行った。その一方で柱と位置づける事業に投資を集中させる「選択と集中」を進めた。買収も積極的に行い、金融事業を柱の一つに育てた。

> 思い切った人員整理を行う半面、多数の社員にストックオプション(一定価格で自社株を買い取る権利)を付与。事業部門の長の大半に40代の若手を登用する人事も行った。その手腕から、米経済誌「フォーチュン」は99年、「20世紀最高の経営者」に選んだ。

> ところがウェルチ氏退任後のGEは苦難の道を歩む。2008年のリーマン・ショックで金融事業が失速。電力事業の業績も悪化し、17年以降、巨額の赤字を計上した。借金を減らすため事業売却を進めたが、さらに効率化を徹底するため企業分割を決めた。ウェルチ氏はGEが再建に取り組んでいるさなかの20年3月に84歳で死去した。


> 東芝の「選択と集中」は“裏目”に

> 一方の東芝は、05年から14年まで社長、会長を務めた西田厚聡(あつとし)氏が「選択と集中」を強力に推進。経営の二つの柱と位置づけた原発と半導体に投資を集中させた。06年に54億ドル(約6200億円、当時の為替レートで換算)で米原子力大手ウェスチングハウスを買収し、半導体事業にも巨額の設備投資を行った。

> ところがリーマン・ショック後に半導体の市況が急落して損失を計上。11年には福島第1原発の事故が起き、原発事業が低迷した。柱となるべき二つの事業が不振に陥った。ウェスチングハウスの業績も急降下したが、うわべでは「好調だ」と取り繕った。

> 15年に不正会計が発覚した際も、米原発事業の苦境を隠していたが、ついに17年にウェスチングハウスが経営破綻した。1兆数千億円の損失が生じ、穴埋めのため半導体子会社の経営権を手放した。西田氏は会社に損害を与えたとして東芝から損害賠償請求訴訟を起こされ、失意のなか17年12月に73歳で亡くなった。


> 「柱と位置づけた事業」で経営が暗転

> GEと東芝は今回、それぞれの事情で会社3分割を決めた。振り返れば、かつて名をはせた経営者が経営資源をつぎ込み柱と位置づけた事業が、その後の会社を大きく狂わせたことが分かる。

> ウェルチ氏が亡くなって1年半あまり、西田氏が亡くなって4年近く。GEと東芝は分割で会社の規模は縮小し、2人の経営者が思ってもみなかった姿に変わることになる。

<参考=「東芝とGE「事業の選択と集中」突き進んだ末の“分割”」(毎日新聞、11月16日)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2022/03/24 (Thu) 12:34

副題=東芝の2分割案、株主総会で否決(毎日新聞、3月24日)

 こんにちは。


 「2分割案」さえ、「物言う株主」に反対されたです。


> 東芝は24日、東京都内で臨時株主総会を開いた。経営再建に向けて会社を2分割する計画を提出したが、否決された。

> 東芝の2分割計画は、2023年度後半に半導体などを手がける「デバイス社」を東芝本体から分離して上場。残った発電設備などを手がける「インフラサービス社」との上場会社2社体制とする内容だった。

> 2分割案については、大株主の投資ファンドや資産運用会社などが相次いで反対する意向を表明していた。総会の決議に法的拘束力はなく、来年6月に開催予定の定時株主総会での議決が拘束力を持つという。ただ、総会で否決された2分割案を推進していくのは難しく、投資ファンドなど「物言う株主」の意向を踏まえた計画の修正が避けられそうにない。【井川諒太郞】

<参考=「東芝の2分割案、株主総会で否決」(毎日新聞、3月24日)>