みんながパソコン大王
雑談<NO.287>

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表題一覧表

NO 表題 起稿 起稿日
雑談NO.288
2662 立民・共産の共闘は間違いだったか? 歴史をさかのぼれ=下山進 磯津千由紀 21/11/23
2661 日本人は差別されない? 違います 普通に差別されます 磯津千由紀 21/11/23
2660 ブックマーク:福祉車両ヤマシタオート 磯津千由紀 21/11/23
2659 <賃金>日本の賃金は高くない。/世界の物価上昇について行けない。 シバケン 21/11/22
2658 自立支援医療(更生医療) 磯津千由紀 21/11/22
2657 総合感冒薬「パイロンPL顆粒Pro」 磯津千由紀 21/11/21
2656 ≪新型コロナ≫11歳以下のワクチン接種、16カ国が承認 日本は2月にも 磯津千由紀 21/11/21
2655 <少子化で定員割れの大学>121大学で、資金ショートの恐れ/廃校にすべし。 シバケン 21/11/21
2654 ≪新型コロナ≫コロナ下の救急要請混乱からわかった医療の課題 磯津千由紀 21/11/21
2653 ≪新型コロナ≫第6波は来るのか 専門家が楽観視しない理由 磯津千由紀 21/11/21
2652 職場のトラブルどう防ぐ? 「在宅勤務やめ!」新任上司の独断にチーム全員あぜん 磯津千由紀 21/11/19
雑談NO.286

NO.2652 職場のトラブルどう防ぐ? 「在宅勤務やめ!」新任上司の独断にチーム全員あぜん<起稿 磯津千由紀>(21/11/19)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/19 (Fri) 20:27

 こんばんは。


 まさに「老害」ですね。


> A輔さん(32)は、従業員約150人のあるメーカーのエンジニアです。新型コロナウイルスの感染が拡大した昨春以降、A輔さんの部署は30人ほどのメンバー全員が在宅勤務(テレワーク)をしています。しかし、今年10月に代わった部門長から、来年1月以降は原則全員が出社するよう命じられました。メンバーは業務を支障なく進めており、A輔さんは部門長の方針に疑問を感じています。


> 在宅勤務でうまく回っていたのに……

> A輔さんの会社は、もともと在宅勤務制度がありませんでした。しかし、A輔さんの部署では前任の部門長の主導のもと、昨春にいち早くウェブ会議や情報共有のシステムやビジネスチャットツールを導入し、メンバーが在宅勤務できる環境を整えました。

> それ以降、メンバーは在宅勤務でも支障なく業務を進めるための工夫をしたり、ルールを作ったりしてきました。その結果、繁忙期以外は残業せず、これまでよりも成果を上げられるようになっていました。

> A輔さんは在宅勤務で通勤のストレスがなくなり、精神的にも肉体的にも良好な状態で仕事ができるようになったと感じていました。また、導入したシステムでメンバーとの情報の共有がスムーズにできるようになったり、部門長の決裁をすぐに受けられるようになったりするなど、時間を節約しながら仕事に集中できる環境もできていました。メンバーの多くも在宅勤務を好意的に捉えているようでした。

> しかし、新しい部門長は営業部出身で、在宅勤務になじみがありませんでした。営業部は昨春以降も原則出社で一定の時期だけ交代で在宅勤務をしていました。部門長は異動後、毎日1人だけ出社しています。A輔さんの部署で導入しているシステムなども使ったことがありませんでした。

> そのため、部門長とメンバーとの電話でのやりとりや指示が増えました。「あの資料はどこにある?」と聞かれたり、情報共有のシステム上にまとめてある資料について「営業部へのプレゼンのために別資料にまとめてほしい」といった指示が頻繁に行われたりしました。メンバーが部門長にシステムなどの使い方を説明してもなかなか理解してもらえず、「俺は忙しいんだ。電話の方が早い」の一点張りでした。

> 電話での指示はメンバー全員に伝わりません。メンバーはシステムにその内容を記録するなどして対応しましたが、連絡の行き違いによるミスが起こるようになりました。また、別資料の作成などの仕事も増え、残業で対応するケースが増えました。

> そうした中、原則全員出社が命じられました。部門長はその理由として、在宅勤務でコミュニケーションが取りづらくミスが発生しやすい▽繁忙期でないのに残業が発生している▽在宅勤務ではメンバーが自分の仕事を優先して指示への対応が遅れていると考えられる――といったことを挙げました。

> A輔さんたち多くのメンバーは、この命令に納得していないようで、中には憤っている人もいます。しかし、会社員である限り、上司の命令に従わなければならないのか、あるいは人事部にかけあって在宅勤務を認めてもらうことはできないのか悩んでいます。


> 在宅勤務をする条件は?

> 在宅勤務の制度化と運用の仕方について説明します。

> 新型コロナの感染拡大で昨春以降、在宅勤務を始めた会社が多くあります。緊急事態宣言中の臨時的な措置としたケースもありますし、労使の合意を得るなど必要な手順を踏んで正式に制度として導入し、対象者が会社に申請することで認めるケースもあります。

> そもそも従業員は“どこで”働くことになっているのでしょうか。原則、従業員の就業場所は会社が人事権の範囲で指定できます。「勤務地限定」の労働契約でない限り、従業員は就業規則などの定めにより、就業場所は会社の指示に従う必要があります。

> 在宅勤務のように、本来、会社の管理下ではない従業員の自宅を就業場所と指定するには、臨時的な措置である場合を除き、対象の従業員が自宅で働くことを希望するのが条件とされています。

> 従業員が自宅で働くことを希望する場合、会社はその自宅を就業場所として指定するわけではありません。原則の「人事権の範囲で指定」という権限が適用されます。在宅勤務は、それに適した業務で、従業員に適したスキルと作業環境があることが条件になります。従業員の希望に加えて、会社が在宅勤務を認める必要があるということです。


> 柔軟な対応を

> 事例のA輔さんの会社は、正式に在宅勤務を制度として導入していません。臨時的な措置として継続しています。

> A輔さんたちは、メンバーと部門長、人事部を含めて話し合いの場を持つようにするとよいでしょう。

> 会社は、A輔さんの部署が在宅勤務を始めた経緯や実態、実績を確認する必要があります。その上で、今後、制度として導入するのかどうか、臨時的な措置として続けるのかどうかを決めることが大切です。

> メンバーたちの在宅勤務に対する意向の確認も必要です。中には、在宅勤務を続けることを希望しないメンバーもいるかもしれません。従業員の働き方として、在宅勤務か出社かの2択ではなく、週数日出社するなど個々の希望に合わせて条件を設けるなど柔軟に対応することも視野に入れます。

> この場合、出社する人と在宅勤務をする人が混在するため、全員が在宅勤務をしていたときのやり方がうまく回らない可能性があります。さまざまな条件で業務に支障なくチームを運営できる仕組みを作っていくことが欠かせません。

> 2021年11月の現時点で、新型コロナの感染状況は一時期に比べて落ち着いているといえます。しかし、冬の訪れとともに第6波への懸念も出ています。現在は、コロナ前の状況に戻るかどうかわからず、新しい生活様式への対応が求められています。こうした状況も踏まえて、在宅勤務の運用を考えていく必要があります。


<参考=「職場のトラブルどう防ぐ? 「在宅勤務やめ!」新任上司の独断にチーム全員あぜん」(毎日新聞、11月19日)>


NO.2653 ≪新型コロナ≫第6波は来るのか 専門家が楽観視しない理由<起稿 磯津千由紀>(21/11/21)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/21 (Sun) 00:36

 こんばんは。


 第6波は確実に来るといいます。


> 新型コロナウイルスの感染状況は11月現在、2020年夏以降で最も落ち着いており、大阪府では感染者が10人未満の日もある。しかし専門家は「感染の第6波は確実に訪れる」と口をそろえる。何をきっかけに感染は再拡大するのか。そもそも、本当に波は来るのか。関係者や専門家の証言をたどった。


> 病院は平穏、飲食店も客足回復

> 大阪府では第5波のピークだった9月1日に3004人の新規感染者を確認して以降、急激に感染者が減少。10月15日以降は100人未満の日が続き、11月1、15日は1桁だった。9月末に緊急事態宣言、10月25日には飲食店への営業時間短縮や酒類の提供制限などの要請も全面解除されたが、感染の再拡大には至っていない。感染者の減少に伴い、病床の状況も改善。9月9日に286人いた重症患者は、11月16日には9人にまで減った。

> 「コロナの入院患者がゼロになる日もあり、平穏を取り戻した」。第5波で軽症・中等症患者を受け入れた大阪暁明館(ぎょうめいかん)病院(大阪市此花区)の西岡崇浩事務長はほっとした様子で話す。同病院では、8月後半にコロナ用の全19床がほぼ埋まる日が続いたが、11月10日以降はコロナ患者の入院はゼロになる日も。8月は40%を超えていた発熱外来患者の陽性率も、10月には6%程度に減り、11月はさらに低下している。西岡事務長は「ワクチンの接種率が7割を超え、感染が広がりにくい状態になっている。ただ、自粛明けはこれまでも感染が広がっている」と話し、静かに備えている。

> 感染経路になりやすい飲食店の客足も戻りつつある。飲食店向けに予約システムを提供する「トレタ」(東京都)によると、4回目の緊急事態宣言中(8月2日~9月30日)、大阪府内ではコロナ禍前の19年の同時期に比べて24・5~37・9%に減っていた来店客が、宣言解除後に50%を超え、11月には70%前後に回復した。ただ、同じように感染が落ち着いていた20年11月初めは90%を超えていた。また、全国でも21年8、9月は19年に比べて29・7~46・9%と低かったが、10月以降は70%を超え、緩やかに回復している。ただ、同時期に90%近くまで回復した20年に比べると客足の戻りは鈍い。同社の担当者は「2次会、3次会で訪れる客は少なく、感染が広がらないように慎重に食事を楽しんでいる。忘年会シーズンに向けて客足はさらに戻るだろう」と分析する。


> 「さざ波」予想も変異株警戒

> 社会が日常を取り戻しつつある中、感染再拡大の引き金になる恐れがあるのは、普段会わない人との接触が増える年末年始の人の流れだ。昨年はこの時期に感染が拡大した。関西大の高鳥毛(たかとりげ)敏雄教授(公衆衛生学)は「忘年会などの外食機会の増加や年末年始の生活パターンの変化で、大人が家庭にウイルスを持ち込む機会が増える。それが家庭内で子どもに広がり、年明けの登校で社会に広がっていくのではないか」とし、1月以降に第6波が訪れると推測する。

> では、「波」はどの程度の大きさになるのか。「これまでほど状況は悪化しない」というのが専門家の一致した見方だ。関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「接種後に感染するブレークスルー感染もあるが、重症化する人は少ない。そのため第5波で起きたような医療の逼迫(ひっぱく)はないと期待できる」と説明する。暁明館病院の西岡事務長も「次の波は『さざ波』程度になると思うし、実際にそうなってほしい」と期待を込める。

> しかし、他国に目を向けると安心はできない。英国やドイツなどの欧州や隣国の韓国で感染が再拡大している。勝田教授は「欧州を見れば既に(日本から見た)第6波は来ている。寒くなり空気が乾燥すると、鼻などの粘膜が荒れ、感染しやすくなるからだ。韓国で増えているのも、気温と湿度の低下と関係している」と話し、日本でも気温や湿度が低下する12月中下旬に感染者数が増加に転じる可能性があると指摘する。

> 11月8日にはビジネスや留学で訪れる外国人の入国制限が大幅に緩和された。英国ではワクチンが効きにくくなったデルタ株の亜種の感染が広がりつつあり、ワクチン接種者の感染が大半を占めている。大阪大の荒瀬尚教授(免疫学)は、第4波や第5波が変異株によってもたらされたことを念頭に「新たな変異株が海外から入ってきて第6波につながることも考えられる」と指摘する。

> そして、こう結論づけた。「ワクチンで感染者が減ったとされるが、接種率が7割以下の20歳前後でも感染は減っている。また、ウイルスの変異による自滅説も出ているが、第5波の拡大時と収束時でウイルスの主要な変異に変化がない。第5波が収まった原因が分からない以上、今後の感染状況がどうなるのかは分からない」。未知のウイルスとの闘いは、もうしばらく続きそうだ。【近藤諭、高野聡】


<参考=「コロナ第6波は本当に来るのか 専門家が語る楽観視できぬワケ」(毎日新聞有料記事、11月20日)>


NO.2654 ≪新型コロナ≫コロナ下の救急要請混乱からわかった医療の課題<起稿 磯津千由紀>(21/11/21)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/21 (Sun) 11:05

 こんにちは。


 医療関係者には頭が下がりますが、「平時」は問題なかったシステムの問題点が色々露呈しました。


> ヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染が再拡大し、日本でも「(感染拡大の)第6波は12月から」とAIが予測したと伝えられています。治療薬や予防薬の承認についても報じられていますが、楽観できないのが新型コロナ。前回に引き続き、「第5波」で在宅療養の現場を経験した東京都世田谷区の訪問診療医、遠矢純一郎さん(桜新町アーバンクリニック)に、第5波で分かった地域医療の課題と、第6波への「備え」について聞きます。


> 混乱に陥った保健所と地域医療機関の連絡体制

> 遠矢さんが、在宅療養する感染者の往診をする中で、しばしば遭遇したのが救急搬送の問題でした。新型コロナでは多くの場合、発症から何日間も38~39度の高熱が続くため、不安になった患者が救急車を呼ぶことが少なくありません。第5波のピーク時には、救急車を呼んでも搬送先が見つからず、自宅に戻されてしまうことが日常的にありました。遠矢さんが保健所からの依頼で駆けつけたところ、薄暗い部屋で独り、身動きできないほどの呼吸苦であえいでいた30代の男性もその一人です。

> 診察を始めても、男性は呼吸苦で話ができない状態でした。酸素濃度も88~90%とあって、本来なら即入院となるレベル。本人は苦しさのあまり、前日に2度の救急要請をしましたが、駆けつけた救急隊が搬送先を見つけることができず、そのまま自宅にとどまるしかなかったそうです。

> 「食事もとれず、処方された解熱剤も使い果たし、高熱と低酸素の苦しみで、その方にとっては人生で最も不安な日々だったでしょうね。すぐに在宅酸療療法の機器を手配し、ステロイド治療を開始。肺の炎症を抑え込むことにしました。薬局には必要な薬のお届け、保健所には食料の配給をお願いし、診察が終わると患者さんにはクリニックの緊急連絡先の電話番号を伝え、いつでも電話や往診で対応しますと言うと、ほっとした様子で涙を浮かべました」

> 翌日も、保健所から入院についての連絡はありません。幸いにも酸素濃縮器が手配できたので、遠矢さんは酸素業者とともに自宅を訪問しました。ところが、本人がどこにもいません。保健所に問い合わせると、「入院の手配ができたので、30分前に救急搬送した」との答え。遠矢さんの場合だけではなく、刻々と変化する状況の中で、自宅療養を支える在宅医と入院手配をする保健所の間では、こうしたお互いの連携ミスによるトラブルが全国で頻発していました。

> 遠矢さんが関わった、一家全員が感染したケースでは、入院を要請していたのは父親だけだったのに、症状が落ち着いてきた娘さんまで一緒に救急搬送されてしまいました。「ほかにもっと重症の方がおられるのに、なぜこちらの診断が反映されなかったのか。これでは高リスクな現場に、危険を冒して医師が入り込む意味がなくなってしまう」と、悔しい思いをしたと遠矢さんは語ります。

> 第5波ではなぜ、こうした在宅療養の現場と保健所との行き違いが頻発したのでしょうか。そこには、保健所と医療現場との日ごろの関係が大きく関わっているようです。世田谷区の場合、在宅療養者への往診は当日の朝、保健所からその日に訪問してほしい在宅療養者のリストがメールで届くことでスタートしていました。

> 保健所とやりとりする情報がこれだけでは、日々の訪問診療の中、予定を組むのが大変です。今回のコロナ往診が始まるまで、遠矢さんたち医師は保健所と直接的に関わることはほとんどありませんでした。保健所の体制も、仕事の内容も分からない。そこで前回この連載「新型コロナ 感染者は自宅療養で増えた? 訪問診療医の体験」で紹介した区内の在宅療養往診チームの医師3人で、世田谷保健所の感染症対策課を訪ねました。


> 「伝染病だから保健所の管轄」?

> 保健所と話して分かったのは、東京都が入院調整を一括して行っているため、中等症レベルの感染者が出ると各区の保健所は都に入院要請をし、ひたすら返事を待っているだけ。保健所が直接、病院とやりとりすることはできないということでした。

> 「災害時にはあってしかるべき体制だとは思いますが、今回のような感染爆発では、恐らく都の入院調整部門もオーバーフローの状態だったでしょう。コロナ病床の不足に加えて、調整しなければならない件数が増大して処理が遅れたりすれば、在宅往診、保健所、都の入院調整のやりとりの中で、情報が錯綜(さくそう)したり、行き違いが起こったりすることは容易に想像されます」

> 保健所による自宅療養者の健康観察が追いついていない実態も、実際に保健所の職員と話す中で見えてきました。かかりつけ医や発熱外来の医師は、PCR検査で感染者と診断した人についてはすぐに保健所に届けることになっていますが、「伝染病であるコロナは保健所管轄」という認識がこの1年半で刷り込まれているため、多くの場合、診断後のフォローをすることはありません。その結果、自宅療養になったコロナ感染者の中には、自分を継続的にサポートしてくれる医者も保健師もいない状態に置かれてしまう人が出てきます。

> 「だから、心細くて救急車を呼んでしまうんですね。保健所がパンクしているのなら、かかりつけ医や診断した医療機関が分担してフォローすればいい。軽症レベルでも救急要請してしまうほどの不安や、苦しい症状をサポートするには、かかりつけ医や保健所から要請を受けた在宅往診チームが電話や往診で話を聞き、必要な薬や酸素を処方し、これから毎日サポートしていくことと、連絡先をお伝えする。それだけでも自宅療養者の不安は軽減され、救急要請も減らせます。自宅療養で必ず起こる家族内感染についても、日々の電話フォローで確認していき、必要なら往診でPCR検査等を行っていくという体制ができるといいと思います」


> 地域でのネットワークづくりが生きた

> 今後、予想されている第6波や、新しい感染症に備えるためには、地域ではどんなことが必要なのでしょうか。

> 「まずは地域の病院、保健所、在宅往診チームの間で円滑なやりとりができる体制をつくることだと思います。回復局面に入った入院患者は早々に自宅に戻し、空いた病床に自宅で苦しむ中等症レベルの方を送る。都が一括して管理するよりも、地域の患者については地域で完結させたほうが、かえって動きがスムーズになるはずです。今回、保健所とのやりとりの中で、そうした体制を深めていきましょうという話をしました。区内でコロナ病床を持つ病院とも、直接やりとりできるような連携体制をつくる相談を進めています」

> 実は第5波のピーク時には、3カ所のクリニックだけでは対応しきれないだろうと、世田谷区の玉川地区で10カ所の診療所が訪問診療に応援の手を挙げました。遠矢さんたちのチームも当番制でやっていましたが、声を掛けられる診療所が増えたことで、とても心強かったといいます。遠矢さんたちが診療を行っている玉川地区は、もともと医師会やケアの専門職など、ネットワークづくりの盛んな土地柄でした。

> 「僕ら3人は普段から一緒に勉強会をしたり、在宅の専門医を育てたりすることを何年もやってきました。普段から言いたいことを言える信頼関係があったので、あとは役割分担を決めるだけでスタートすることができました」

> 地域の薬局のネットワークもサポートに動きました。ステロイドが足りなくなると、薬局同士がお互い声を掛け合って調達するなど、心強いバックアップがあったといいます。訪問看護のネットワークにも大いに支えられました。地域の訪問看護は医師会のように組織化されていないため、一緒に動くことが少ないのですが、今回は連絡協議会のメンバーが中心になり、玉川地区の約10カ所の訪問看護ステーションで、コロナ在宅療養支援のための連携体制が整いました。遠矢さんたちの、日ごろのネットワークづくりの成果です。

> 「コロナへの対応は、自分たちが虚弱な高齢者のお宅にウイルスを持ち込むことへの感染リスク管理もあったので、在宅医も訪問看護師も最初は及び腰でした。それでも自分たちがこの地域の医療を守らねばならないという使命感は強くあったと思います。在宅療養支援に関わったことで、地域でのコロナ感染についての学びが深まりました。そして、地域の医療体制のこと、保健所が見えていなかったこと、コロナが1年半続いてきたのに、まだこのありさまなのか――ということが改めて分かりました。災害と一緒ですよね。実際に災害に遭って、初めてこの堤防をどうしようとか考え始めるようになるんです」


> 「かかりつけ医がいない」 有事で浮かんだ平時のシステム未整備

> 新型コロナ感染症では、地域医療のあり方が大きく問われました。「感染症は公衆衛生の立場から保健所が管理する」という戦後の伝染病対策スタイルでは、今回のような状況にはとても対応できない、と遠矢さんは言います。

> 「『(専門医とは別に)地域で身近に、住民一人一人の健康を守る責任を持つプライマリーケア医が行政や保健所と連携しながら、感染予防や感染者診療に取り組む』というあるべき枠組みも未整備のままでした。(患者が自由に医療機関を選んで受診できる)フリーアクセスという日本の医療の特徴が、裏を返せば、プライマリーケアが構築されてこなかったという弊害にもつながりました。僕らが日々携わっている高齢者への在宅医療でも同じようなことを感じています。臓器別、疾患別に遠くの専門医を求めてあちこち受診されていた方が、晩年になり通院が難しくなると途端に、身近で自分のことを分かっていてくれるかかりつけ医がいないことの危機にさらされる。有事に備えるには平時のシステムを整える必要を強く感じています」

> 「病気」も「医療のあり方」も人ごとではない。そのことを多くの人たちが、今回の新型コロナ感染症で痛切に感じたと思います。第5波の危機感が記憶からまだ消えない今のうちに、住民も専門職も一緒になって地域の「ケアのあり方」や「備え」を考えることが大切だと、私自身、肝に銘じているところです。


<参考=「コロナ下の救急要請混乱からわかった医療の課題」(毎日新聞、11月21日)>


NO.2655 <少子化で定員割れの大学>121大学で、資金ショートの恐れ/廃校にすべし。<起稿 シバケン>(21/11/21)


【シバケン】 2021/11/21 (Sun) 17:44

そもそもが、少子化なら、大学も、その分、減らすべし。
そもそもが、遠の昔に、小中学校なるは、廃校にされてるです。
何故に高校、大学が存続かは、わからんです。ましてやの、大学が、一時には、増えまして。

定員割れするよな大学、学部、学科は、廃止にしたらと。
それよりも、優秀な大学、学生に手厚いの援助を<!>


<図>
私大の入学定員・入学者数・入学定員充足率の推移



>充足率100%を割る
>私立大学の定員割れが深刻化してきた。日本私立学校振興・共済事業団(以下、事業団)の「2021年度私立大学・短期大学等入学志願動向」によれば、四年制大学の入学定員充足率(入学定員に占める入学者の割合)が前年度比2・80ポイント減の99・81%となった。100%を下回ったのは、比較可能な1989年度以降で初めてだ。

>定員割れしたのは前年度比93増の277大学だ。大学全体に占める割合は15・4ポイント増の46・4%で、2008年度の47・1%に迫る水準だ。
<以下、有料記事>

<参考=「日曜講座 少子高齢時代 私大の定員割れが深刻化 121大学で資金ショートの恐れ 客員論説委員・河合雅司」(産経新聞)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/21 (Sun) 18:18

 シバケン様、こんばんは。


 入試が難しくて定員割れしてるなら兎も角、希望者が少なくて入試で全員合格にし授業は中学校の復習から始めてるような大学は、廃校にすべきと私も思います。
 会社員時代、高卒よりも仕事が出来ない大卒が多いことに、うんざりした記憶があります。(仕事が出来なくても初任給は仕事が出来る高卒よりも高い)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/21 (Sun) 18:24

 追伸です。


 希望者が少なくて定員割れでも、残すべきところもあります。
 例えば、原子力工学科。


NO.2656 ≪新型コロナ≫11歳以下のワクチン接種、16カ国が承認 日本は2月にも<起稿 磯津千由紀>(21/11/21)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/21 (Sun) 18:55

 こんばんは。


 親は迷っているようです。専門家によるエビデンスの詳しい説明が必要でしょう。


> 日本で5~11歳の子どもに対する新型コロナウイルスワクチン接種の議論が進む中、世界でも子ども向けを承認した国が増えている。ロイター通信などによると、少なくとも16カ国が20日までに、11歳以下が対象の接種を認めた。米国は今月から5~11歳対象の投与を始め、中国は年齢を3歳まで引き下げた。ただ、接種が遅れる発展途上国への供給を優先すべきだとの意見もある。

> 米国では新規感染者が10月下旬から徐々に増加。冬を前にして集団感染による休校などへの懸念もあり、5~11歳へのファイザー製の投与を決定した。通常の3分の1の量を、3週間間隔で2回接種する。

> 開始から10日ほどで推定260万人が接種を受けた。一方、米カイザー・ファミリー財団の調査によると「長期的な影響がよく分からない」などの理由で、重症化しにくい子どもへの接種を模様眺めとしたり、拒否したりする保護者は6割超に上る。

> イスラエルは今月14日、5~11歳へのファイザー製ワクチン接種を承認。カナダも19日に承認した。感染を極力抑制する「ゼロコロナ」を貫く中国では3~11歳への国産ワクチン接種が各地で進む。冬季五輪を来年2月に控える北京では10月下旬に始まった。

> インドネシアは6~11歳への接種に中国製を承認。南米アルゼンチンやチリなどもこうした年齢層へ中国製の接種を始めている。カリブ海のキューバは2歳以上への投与を進め、中米コスタリカは5歳以上の接種を義務化した。

> 日本では厚生労働省のワクチン分科会で専門家が5~11歳への接種に関し協議中。厚労省は早ければ来年2月ごろに始まる可能性があるとし、自治体に態勢づくりの準備を求める事務連絡を16日付で出した。欧州連合(EU)の医薬品規制当局、欧州医薬品庁も審議中だ。

> アフリカなど途上国では医療従事者への接種も進んでいない。国連児童基金(ユニセフ)は「命を守る人の命を守らなければならない」と強調。先進国とのワクチン格差解消を訴えている。(共同)


<参考=「11歳以下のコロナワクチン接種、16カ国が承認 日本は2月にも」(毎日新聞有料記事、11月21日)>
<消滅・22/11/23>


NO.2657 総合感冒薬「パイロンPL顆粒Pro」<起稿 磯津千由紀>(21/11/21)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/21 (Sun) 20:54

 こんばんは。


 シオノギヘルスケアから総合感冒薬「パイロンPL顆粒Pro」が発売された。
 医師が処方する塩野義製薬「PL配合顆粒」と同じ成分で同じ量である。
 12包1848円(実売価格)と、従前の「パイロンPL顆粒」の5割増しの価格だが。

<参考=「パイロンPL顆粒Pro」(シオノギヘルスケア)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/22 (Mon) 03:58

 おはようございます。


 市販薬なので健保が効かぬから高いです。

 しかし、医者での待ち時間、医者の待合室での感染症リスク、等がありませんので、高い確度で上気道炎等と判断できるときは、此の市販薬に頼るという判断もあり得ます。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/24 (Wed) 01:40

 追伸です。


 ちょっとした風邪なら葛根湯やパブロンで充分です。
 此れは、医者に掛かるほどに重い風邪のときに服用する薬です。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/27 (Sat) 20:06

副題=医師処方の「PL配合顆粒」と市販の「パイロンPL顆粒Pro」

 こんばんは。


 写真左は市販のシオノギヘルスケア「パイロンPL顆粒Pro」(3日ぶん12包1848円)、写真右は医師処方の塩野義製薬「PL配合顆粒」の後発品のメーカ不明「サラザック配合顆粒」(他の薬の調剤の序でだと、7日ぶん21包で健保3割負担なら薬剤料14円に調剤料28円)である。支払額が2桁も違うのである。


NO.2658 自立支援医療(更生医療)<起稿 磯津千由紀>(21/11/22)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/22 (Mon) 00:28

 こんばんは。


 私は、対象になりませんでした。


> 更生医療は、身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できるものに対して提供される、更生のために必要な自立支援医療費の支給を行うものです。


<参考=「自立支援医療(更生医療)の概要」(厚生労働省)>


NO.2659 <賃金>日本の賃金は高くない。/世界の物価上昇について行けない。<起稿 シバケン>(21/11/22)


【シバケン】 2021/11/22 (Mon) 09:33

日本の現実、
直近30年で、賃金がほぼ上がっていない<!>

<図>
各国の平均賃金の推移



>「先進国で最低」。日本に対してよく使われるようになった言葉だ。「先進国で唯一」も悪い意味での使用が増えた。その最たるものに「賃金」がある。平均賃金が先進国で最低であるばかりか、先進国で唯一、直近30年間で賃金がほぼ上がっていないのだ。「豊かな国」だったはずが、どうしてこうなってしまったのか。岸田文雄首相は「賃上げ」を最優先の政策課題にするものの、賃金を生む源泉の労働者の生産性も先進国で最低だ。生産性のない日本に賃上げは可能なのだろうか。


>クルマが買えない日本
>最近、クルマ好きの間で静かな変化が起きている。輸入車を長らく乗り継いできた人が国産車に乗り換えるか、車を手放すようになっているのだ。一部の富裕層を除いて。彼らは口をそろえてこう言う。「輸入車が高くなって買えない」

>日本で人気の輸入車の代表格、独メルセデス・ベンツの中間グレード「Cクラス」のセダンで、排気量2リットルクラスのエンジンを積む「C200」を例にとる。日本での価格は平成10年ごろは400万円前後だったが、25年ごろに500万円を超え、昨年からは600万円を上回った。

>もはや一般的なサラリーマンが手を出せる価格ではなくなった。メルセデスに限らず、BMWやアウディも同様だ。もちろん、自動ブレーキなどの安全装置を積むことで生産コストが上がっている側面もある。しかしそれ以上に、世界の物価上昇に日本がついていけていない現実を突きつけられる。
<以下、有料記事>

<参考=「経済24時 韓国に抜かれた日本の平均賃金 賃上げできない深刻事情」(産経新聞)>


NO.2660 ブックマーク:福祉車両ヤマシタオート<起稿 磯津千由紀>(21/11/23)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/23 (Tue) 12:39

 こんにちは。


 新車より廉価な中古の福祉車両の販売店です。静岡県。


<参考=「福祉車両ヤマシタオートは福祉車在庫数東海地区NO.1 全国に福祉車両をお届け」(ヤマシタオート)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/23 (Tue) 19:55

 こんばんは。


 此の会社、中古車販売だけでなく、改造も引き受けて呉れます。
 例えば、ダイハツのタントなどに車椅子乗降用スロープや車椅子固定装置を付けるとか、AT車を脚を使えぬ人用に手でアクセルとブレーキを操作出来るように改造するとか。


<参考=「福祉車両改造 あなた好みの福祉車両を作製します」(ヤマシタオート)>


NO.2661 日本人は差別されない? 違います 普通に差別されます<起稿 磯津千由紀>(21/11/23)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/23 (Tue) 12:54

 こんにちは。


 池間哲郎氏の昨日のFacebook投稿より。


> 日本人は差別されない?
> 違います 普通に差別されます
> 不思議なもので、日本人は「自分たちは特別で、他のアジアやアフリカなどの人々とは違い、日本人は差別され無い」と思ってる方が意外に多い。「違うよ!」普通に差別は有りますよ。
> 私は差別的扱いを何度も受けた。団体旅行とは違い、単独で動いてるだけに経験豊富だ。ホテルに入るとジメジメした悪い部屋をあてがう。何度も経験有り。食事はトイレ近く。悪臭プンプン。席は空いてるのに、あえて悪い席へ。ヘイ!と上から目線でポリスが人さし指を手前に折る。ポリスに逆らうとロクな事は無い。白人(しろびと)の傲慢さとアジア人(日本人含む)の白人に対する卑屈さは何度も経験。
> 「けっ!」と傲慢な奴は無視。喧嘩にもなる。ホテルには「汚い部屋を変えろ」とはっきり伝える。食事タイム。トイレの横の席は断る。勝手に自分の座りたい席へ向かう。また口論となる。これ普通に経験してきた。
> 日本人だけは有色人種でも差別されない。トンデモナイ。異国の人々が「日本人、中国人、韓国人などの区別」を出来る訳が無い。これ当たり前。差別を受ける怒りと屈辱に耐える力を身につけるしかない。日本から「一歩、外に出る」と野蛮な世界も存在する。


NO.2662 立民・共産の共闘は間違いだったか? 歴史をさかのぼれ=下山進<起稿 磯津千由紀>(21/11/23)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2021/11/23 (Tue) 13:43

 こんにちは。


 「立憲共産党」と対立陣営から揶揄され、支持者の多くを失った立憲、かつて自民と連立を組んだ後の社会(現・社民)の凋落を皆が思い出しましたね。
 しかし、異なる見方もあるようで。


> <Susumu Shimoyama “MEDIA IN 2050”>

> 英国の週刊誌『エコノミスト』のエグゼクティブ・エディター、ダニエル・フランクリンがこんなことを言ったことがある。

≫ 「歴史を知るということは、未来を予測する上で重要なツールキットです。歴史がそのまま繰り返されることはありませんが、歴史をみることによって、新しいものが起きた時にどのような反応が起きるか、ある程度予測できるということです」

≫ 「私たち『エコノミスト』の使命は、非常に複雑で変化の多いこの世界において、何が起きているのかを読者に説明することです。その際に歴史的文脈で説明することはきわめて有効だと考えています」

> その言葉を思い出したのは、立憲民主党と日本共産党の先の衆議院選挙における共闘をほとんどのメディアが「失敗」と報道しているのに、もっと他の角度の分析はないかと思ったからだ。

> たとえば読売新聞。

> まず投票日前日の10月30日。一面で特別編集委員の橋本五郎は、両党の「限定的な閣外協力」について、〈共産党は「日米安保条約廃棄」の方針は変わらず、内閣提出の法案に反対することもあるというのです。それなら選挙のためだけの協力ではないかとの批判が出るのは避けられません〉と書いた。ここまではいいだろう。

> しかし、結果が出たあとの11月2日のストレート記事で「連携が裏目に出た」。3日の社説でその原因は、日米安保条約の廃棄を掲げている共産と〈「日米同盟を軸」とする立民との基本理念の違い〉が惨敗を招いたのだとし、4日の一面の政治部記者の署名原稿でも、〈日米同盟を基軸とする立民と、日米安保条約の廃棄を主張する共産が、限定的とはいえ「閣外協力」で合意したことに、多くの有権者が納得できなかった〉と同じ歌を繰り返しているのを読むと、もっと他に書くことがないのか、と思ってしまう。

> じゃあ、94年から98年までの自社連立はどうなんだ、という疑問がわく。

> 社会党が、自民党と連立を組んで政権に入った時、日本社会党の綱領的位置づけの文書は、「新宣言」という文書だった。基本政策目標の第一番目に掲げられたのが、〈平和、協調をもとにした国際体制と非同盟・中立・非武装の実現〉という外交政策だった。

> これは、日米安保条約廃棄と同じ。しかも「閣外協力」どころではない、文字通り政権に入ったのだ。

> 自民党は今回、「立憲共産党」という言葉を使いながら、立民と共産の共闘を「安全保障はどうするのか」と攻撃したが、四半世紀前には、自分も同じことをやっていた。

> だからよくない、ということを言いたいのではない。立民と共産の共闘を、日米安保条約をめぐる不整合から自民党が攻撃しているのであれば、では四半世紀前はどうだったのか、ということをメディアは、取材分析しなければならない。

> 総選挙の直前の月刊『Hanada』に慶應の教授で元民主党議員の松井孝治がすこぶる面白い原稿を書いていた。松井は、通産官僚時代、この自社連立政権の官邸に入った時の体験を書いていたのだ。

> この原稿で、1995年8月に時の首相の村山富市が出した「戦後五十年談話」いわゆる「村山談話」の原案を松井が書いたことを明かしている。そして穏当な表現だったはずの原案が、村山の執念で、「植民地支配」「侵略」「戦争責任」すべてにおいて踏み込んだものに変わっていったこと、それを当時の自民党は、黙って通したことが綴られてある。

≫ 「これだけは村山の思いを通してやってくれ」という官房長官の野坂浩賢の説得によって、亀井静香、橋本龍太郎といった自民党の政治家たちは引き下がった。これを松井は、「恩義を返すために自分を捨てる」日本人の気質を当時の自民党は持っていた、と書いている。なにせ、自衛隊にしても、消費税にしても、社会党は、自民党との連立政権で党是をぜんぶひっくりかえしたのだ。ここだけは村山の気持ちをわかってくれという浪花節を了とした。

> では、現在の自民党にそうした気質はあるか? そして共産党が、仮に政権に入ったとしたらば、かつての社会党のようになっていくのか?

> こうした疑問を、同じ95年に左翼民主党(旧イタリア共産党)が母体となって生まれた「オリーブの木」の左派中道政権のたどった道や、自社政権時の中国と今の中国の国力と体質の違いなどを調査しながら、今回の立民と共産の関係を見ていくと、まったく違う発見のある記事になると思う。

> 英エコノミスト誌は2016年に、「基軸通貨が交替するとき」という記事を出している。これは、中国の元がドルに代わる基軸通貨になりうるか、ということを、かつてポンドからドルに基軸通貨が移行した1920年~45年と比較して考察したものだ。かつてとの決定的な違いは、ポンドからドルに基軸通貨が移行したときは、英国と米国は同盟国だったが、今の米中は敵対する国家同士だということだ。そうした体制にあって、現在の世界経済は、危機に陥ったとき、国家や金融機関を破綻から救う「最後の貸し手」がいない、そのことを基軸通貨の問題を考えながら指摘する優れた記事だった。

> そのひそみにならえば、国民民主が立民・共産に共闘からの離脱を通告した今、たとえば1970年代の社共共闘から、80年代の社公民路線への転換と比較しながらの考察など、新聞は、もっともっと脳味噌を洗うようにして知恵を絞れ。現場の記者はそうした歴史を常に勉強しながら、今の政治を絵解きしてくれ。


> しもやま・すすむ
> ノンフィクション作家。著書に『アルツハイマー征服』など。上智大新聞学科で調査型の講座「2050年のメディア」を開く。5冊目の著作『2050年のジャーナリスト』が発売中


<参考=「2050年のメディア:第86回 立民・共産の共闘は間違いだったか? 歴史をさかのぼれ=下山進」(毎日新聞11月22日)>