雑談<NO.390>

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表題一覧表

NO 表題 起稿 起稿日
雑談NO.391
3333 <子どもの頭のよし悪し>自己コントロールが出来るか シバケン 23/12/25
3332 <がん>70%は予防できる/そのための「10の方法」 シバケン 23/12/25
3331 <バンクシー>新作発表/軍需産業を批判/発表1時間で盗まれる<!> シバケン 23/12/23
3330 <体質<?>>「「インフルエンザ」にかかりやすい人、かかりにくい人、その違いは<?> シバケン 23/12/23
3329 <認知症>早期発見で、回復出来る<!> シバケン 23/12/21
雑談NO.389

NO.3329 <認知症>早期発見で、回復出来る<!><起稿 シバケン>(23/12/21)


【シバケン】 2023/12/21 (Thu) 22:40

>認知症になってから症状が一気に進行してしまう人と、現状維持を保てる人がいるが、その違いは何だろうか? 「認知症は早期発見・早期対応が大切。初期の認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の時期に治療やセルフケアを行えば、進行をゆるやかにすることができます。さらに4人に1人は健常な脳の状態にUターン(回復)できるといわれています」と話すのは、認知症専門医・朝田隆(あさだ たかし)さん。朝田さんの著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム刊)から、認知症が「進行する人」vs「Uターンする人」の違いを紹介します。


>認知症になる人は必ずグレーゾーンを通る
>認知症治療を専門とする私のクリニックに訪ねてくださった60代の女性の話をします。

>「10個入りパックの卵を買ったことを忘れて3日も連続して買ってしまった」と不安にかられて訪れました。

>診断の結果、この女性は認知症ではありませんでした。

>かといって、正常な脳の状態でもありません。

>「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる状態だったのです。

>MCIとは、日常生活に大きな支障はないものの、本人やご家族にとっては「最近ちょっとおかしいなあ」と感じるさまざまな警告サインを発する状態。

>正常な脳と認知症の間に位置する、いうなれば『認知症グレーゾーン』です。

>認知症になる人は、その前段階として必ず、このグレーゾーンの状態を通るのですが、すべての人が、グレーゾーンから必ず認知症に移行するとはかぎりません。

>認知症グレーゾーンの時期に、適切な対応をすることで認知機能の低下をゆるやかにし、認知症への移行を遅らせることもできます。さらに従来の報告によれば、4人に1人は健常な脳の状態にUターン(回復)できることがわかっているのです。


>認知症からUターンする最後のチャンス
>認知症グレーゾーンの段階で何も手を打たなければ、5年以内に約40%の人が認知症になるといわれます。

>その差は、最初の「あれ? いつもと違う」という違和感に気づくかどうか。

>どうか、その「ちょっとおかしい」という直感を大切にしてください。

>もしそれが、認知症グレーゾーン(MCI)のサインだとすれば、認知症へ進む前にUターンして戻ってこられる最後のチャンスかもしれないのです。


>60歳くらいから脳の変化は始まる

<図1>
認知症の前段階にあるグレーゾーン



>80歳で認知症になる人は、60歳くらいから脳の変化が始まります。

>あなたは、「認知症」という病気にどんなイメージをもっていますか?

>「突然発症する恐ろしい病気」「いつ自分がなるかわからない」「防ぎようがない」。そんなふうに考えているかもしれませんね。

>でも実際は、認知症は、毎日の生活習慣が大きく影響して起こります。

>高血圧や糖尿病と同じように、長い歳月をかけて認知機能が衰えていき発症する生活習慣病の一つであり、認知症に至る20年も前から脳の病的変化が始まるといわれているのです。

>生活習慣病は『早期発見、早期対応』が回復の決め手であり、それは認知症も同じこと。

>「あれ?」と思ってから病院に行くまで平均4年

<絵2>
「あれ?」と思ったらすぐに受診!



>認知症の患者さんは、最初に自分が「おかしい」と感じてから、専門の医療機関を受診するまでに平均4年もかかっていることが、世界的権威のある医学誌『ランセット』で2021年に報告されました。

>この4年の間に認知症は進行してしまいます。

>認知症は、発症する原因によって「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」の4種類に主に分けられますが、どの場合でも、放置しておく歳月が長くなるほどUターン(回復)が難しくなります。

>受診をためらう背景には、「認知症になったらおしまい」「知るのが怖い」という思いがあるのでしょう。

>しかし、私は何度でも言います。

>グレーゾーンの状態で適切に対処をすれば、認知症の発症を遅らせることができます。さらには、健康な脳にUターンして戻ってこられる可能性も十分にあるのです。

>「あれ? いつもと違う」と思ったら、歯科医を受診するのと同じくらいの気軽さで、一度、認知症の専門医を受診してください。

>それが「認知症の分かれ道」となるといっても過言ではありません。


>2023年8月、治療薬「レカネマブ」が承認
>認知症グレーゾーン、およびアルツハイマー型認知症に対する治療薬は、これまで症状を抑える対症薬しかありませんでした。

>しかし、画期的な薬が日本で承認されることが、2023年8月に決まりました。

>「レカネマブ」と呼ばれる薬です。

>「レカネマブ」を投与した患者さんは、偽薬を投与した患者さんにくらべて、1年半後の認知機能の低下が約27%抑えられ、症状の進行をゆるやかにすることが、国際的な学会で発表されています。

>「レカネマブ」を使用できるのは、脳にアミロイドβの蓄積が認められた早期のアルツハイマー型認知症の患者さんにかぎられます。

>認知症グレーゾーンの段階であればUターンして回復できる可能性が高いので、早期発見・早期受診が最良の選択といえます。

<本3>
認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること 単行本(ソフトカバー) ? 2023/9/28
朝田隆 (著)



<参考=「【専門医が教える】認知症が進行してしまう人と回復する人の違いは? 「認知症の初期がUターンのチャンス」」(AERA)>
(23/12/21)


NO.3330 <体質<?>>「「インフルエンザ」にかかりやすい人、かかりにくい人、その違いは<?><起稿 シバケン>(23/12/23)


【シバケン】  2023/12/23 (Sat) 11:45

>日本人には、日本人のための病気予防法がある! 同じ人間でも外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果ということさえあるのです。見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法を徹底解説!

>*本記事は『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』(講談社ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。


>体質とは何か
>体質とは何でしょう。じつは「体質」という言葉は最近の医学書には登場しません。昔はその人の体に本来備わった特徴を「体の性質=体質」と呼んでいました。たとえば虚弱体質といえば、顔色が悪く、やせて体力がなくて、病気になりやすい人のことです。質の一字だけを使って、ちょっと優雅に「蒲柳之質」と言うこともありました。蒲柳はカワヤナギやネコヤナギの別名で、木が柔らかく、秋になると他の樹木より早く葉がハラハラと散り始めることから、虚弱体質を蒲柳にたとえるようになったようです。

>蒲柳之質の反対に、体が丈夫で頑健であれば「松柏之質」です。こちらは松やヒノキ、サワラなどの常緑樹のこと。冬もずっと葉を茂らせていることから、丈夫な体を指して使われるようになりました。

>体は誰にとっても大切で身近なものなので、体質の話は頻繁に会話にのぼります。

>「酒が飲めない体質だから、いつもノンアルコールにしてるんだ」

>「あのサプリ、脂肪が燃えやすい体質になるんだって」

>体質という言葉を使わないこともあります。

>「アボカドはなんか合わないみたいで、食べたあとで胃がもたれる感じがするんだよね」

>「あの子、なんべんでもインフルエンザ拾ってくるの。主人も子供のころそうだったらしいから、そういうたちみたい」

>言い換えると、自分はアボカドが食べられない体質だ、うちの子はインフルエンザにかかりやすい体質だ、ということです。

>さて、冒頭で書いたように体質がその人の体に本来備わった特徴のことであるなら、一生を通じて変わらないはずです。しかし実際には、これまでなんともなかった人が突然花粉症になった、ランニングに打ち込むようになったら風邪を引かなくなった、というように、体質が変わったとしか考えられない現象が起こります。生まれもったものが変わるなんて、そんなことがあるのでしょうか?

>では、ここで辞書を引いてみましょう。『大辞泉』は体質をこう定義しています。


>たい-しつ【体質】
1 からだの性質。遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される、個々人の総合的な性質。「風邪をひきやすい体質」「特異体質」
2 団体・組織などがもつ、性質や特徴。「日本人の体質に合わない思想」
2は1の意味を人間集団や組織にあてはめたものですから、ここでは1の定義を見てください。「からだの性質」は良いとして、注目してもらいたいのが「遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される」という部分です。体質というと、生まれつき備わった遺伝的素因だけに目を向けがちですが、環境要因も体質に大きな影響をおよぼすと考えられていることがわかります。

>ここでいう環境要因は、食生活、喫煙、気候、細菌やウイルス、紫外線、運動、ストレス、睡眠など、体に影響を与えうるすべてのできごとと行動を含みます。じつは、この定義は、病気が起きる原因について昔から医学者たちが考えてきたものと同じなのです。

>図1-1を見てください。これは医学・医療分野の学生が必ず学ぶ、古典的な模式図です。

<図1-1>
遺伝子要因と環境要因



>病気の発生には、遺伝的素因と環境要因がさまざまな割合で関係することが描かれています。図の左上に近いほど遺伝的素因の影響が強く、逆に右下に近づくにつれて環境要因の影響が強まります。このなかで遺伝的素因が大きな原因となって発生するのが遺伝子病、環境要因の影響が大きいのが骨折などのケガです。

>遺伝子病は遺伝子の異常により発生する病気のことです。筋ジストロフィー、血友病、家族性高コレステロール血症などが有名ですが、遺伝子の異常は突然変異で起きることもあるので、親から受け継いだとは限りません。

>また、骨折のうち、骨がもろくなって発生する骨粗鬆症は遺伝的素因がかなりの部分を占めることが明らかになっています。そのため、高齢者の転倒による骨折に限っては、もっと左に寄った位置にきます。そして、遺伝的素因と、生活習慣を含む環境要因の両方が発生に影響するのが、糖尿病などの生活習慣病、がん、感染症です。

>このように病気の発生にかかわる体質にも、遺伝子によって決まり、基本的に一生変わらない部分と、生活環境やストレス、食生活や運動などの生活習慣によって変わる部分があり、日常生活においては、これらをひっくるめて、ばくぜんと「体質」と呼んでいます。そのため本書でも、「遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される、その人の体が持つ性質と特徴」を体質と考えることにします。


>体質には遺伝と環境がからみあう
>さて、この図1-1を見ていると、こんな疑問が浮かびませんか。

>「生活習慣病は遺伝に加えて生活習慣が関係するっていうのはわかるけど、がんはよくわからない。それに感染症に遺伝なんてあるんだろうか。たまたま悪い細菌やウイルスが体に入ったってだけじゃないの?」

>確かに、がんというと、遺伝をのぞけば何となく運が悪くて発症するイメージがあります。しかし、おそろしい病気とされるがんも、始めは1個の小さながん細胞に過ぎません。それが細胞分裂を繰り返しながら大きくなって、次第に病気としてのがんの症状があらわれます。ところが体の中にがん細胞が生まれても、全員ががんという病気を発症するわけではないのです。なぜでしょうか。

>これは感染症も同様です。身近な例としてインフルエンザで考えてみましょう。冬になるとインフルエンザが流行しますね。ところが不思議なことに、毎年のようにインフルエンザになる人がいるかと思えば、生まれてから一度もかかったことがない人もいます。インフルエンザワクチンは有効ですし、うがいや手洗い、マスクの着用も重要です。しかし、これらの対策をしっかりおこなっても感染しやすい人がいるのです。結核やエイズ(HIV)も同じで、細菌やウイルスなどの病原体に接触しても、すべての人が感染するとは限りません。ここに関係するのが遺伝的素因です。

>近年、病原体の感染しやすさにかかわる遺伝子が次々に見つかっています。たとえば2015年には、8番染色体に存在する、ある遺伝子に変異が起きると結核菌に感染しやすくなることが示されました。

>ここで簡単に説明しておくと、8番染色体とは染色体につけられた番号で、遺伝子の住所のようなものです。個人の遺伝情報が記録されたDNAは細長い糸のような構造をしています。これが複雑に折りたたまれ、8番染色体を含む22組の常染色体と、1組の性染色体に分かれた状態で、全身にある37兆個の細胞一個一個に入っています。この研究から、8番染色体の、ある遺伝子に小さな突然変異が起きて遺伝情報が書き換えられると、結核菌に感染しやすくなるだけでなく、症状も起きやすいことがわかりました。遺伝子変異は遺伝子の一部にキズがつくことと考えてください。

>このように、感染症の発症にも遺伝子変異を含む遺伝的素因が関係することが明らかになってきています。しかし、ここが肝心なのですが、この遺伝子に変異が起きたら全員が結核に感染するかというと、これまた、そうではないのです。あくまでも「発症する可能性が高くなる」だけです。これは感染症だけでなく、がんや生活習慣病でも見られる現象で、その理由はいくつかあります。

>まず、たいていの病気には複数の遺伝子が関係しており、遺伝子変異が1ヵ所で起きただけで病気が発生するのはまれです。また、体には、がん化した細胞や、体に入り込んだ病原体を、殺したり、体の外に追い出したりする防衛機能があります。この機能にも遺伝的素因にもとづく個人差があるので、同じように危険にさらされても誰もが病気になるわけではありません。

>そして、もう一つが遺伝子の発現の問題です。「遺伝子の発現」というのは、ちょっととっつきにくい表現ですが、ここでは、「遺伝子が実際に作用するかどうか」と考えてください。じつは、遺伝子に書き込まれた遺伝情報がどうであっても、その遺伝子が必ずしも作用するとは限らないことがわかっています。

>例として一卵性双生児で考えてみましょう。一卵性双生児はまったく同じ遺伝子を持っているので、顔もそっくりなら、同じような病気になりやすいといわれています。しかし実際には、年齢を重ねるにつれて二人の見た目や、受ける印象がかなり違ってくることが珍しくありません。また実際に調査したところ、二人そろって同じ病気になる確率は意外なほど低かったのです。

>なぜこんなことが起きるかと言うと、遺伝子にはスイッチがあって、生活習慣を含む多くの環境要因がスイッチを入れたり切ったりすることで遺伝子の作用を調整しているからです。この仕組みを「エピジェネティクス」と呼び、病気の発症にも大きな影響をおよぼします。病気と関連する遺伝的素因を両親から受け継いでいても、成長してから遺伝子にキズがついても、何らかの環境要因が遺伝子の作用にブレーキをかけてくれれば病気になることはないのです。

>図1-2に、遺伝子に起きる変化を絵で示しました。

<図1-2>
遺伝子変異とエピジェネティックス

<1>



<2>



<3>



>先に書いたように、一人一人の遺伝情報はDNAという物質に記録されています。DNAは細長い糸のような構造で、そこに、その人を特徴づけるさまざまな情報が並んでいます。ここでは、遺伝子をロボットであらわしました。かつては、親から受け継いだ遺伝子は、一生変わることなく体内で作用し続けると考えられていました。しかし、生まれもった遺伝子に変異が起きて、その作用が変わり、病気になりやすい遺伝子ができてしまうことがあります(図上:黒いロボット)。

>その一方で、環境要因の影響を受けて遺伝子の作用が強まったり弱まったりするのがエピジェネティクスという現象です。遺伝子変異によって病気になりやすい遺伝子ができても、その遺伝子のスイッチがオンにならない限り、病気になることはありません(図中:黒いロボット)。また、遺伝子に不都合なオン、オフが起きたとしても、遺伝子そのものが変わってしまったわけではないので、遺伝子に影響を与える環境要因を変えることで、オン、オフを元に戻し、病気を予防ないし治療できる可能性があります(図下)。

>遺伝子変異も、エピジェネティクスによる遺伝子のオン、オフも、一生続いたり、そのまま子孫に伝わったりすることがあります。大切なことは繰り返し説明しますので、ここでは、こんなことが起きるということだけ理解しておいてください。

>さらに連載記事<ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」>では、日本人の体質とがんの関係について、詳しく解説しています。

>本記事の抜粋元『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』(講談社ブルーバックス)では、見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法をさらに詳しく徹底解説しています。

<本2>
欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防 (ブルーバックス) 新書 – 2016/12/14
奥田昌子 (著)



<参考=「「インフルエンザ」にかかりやすい人とかかりにくい人、その違いは意外なところにあった」(現代ビジネス)>
(23/12/23)
<消滅・24/01/07>


NO.3331 <バンクシー>新作発表/軍需産業を批判/発表1時間で盗まれる<!><起稿 シバケン>(23/12/23)


【シバケン】 2023/12/23 (Sat) 18:10

<写真1>
バンクシーの公式サイトより



>バンクシーが12月22日、自身の公式Instagramとウェブサイトを更新し、新作を発表した。

>画像に写るのは、「STOP(止まれ)」の標識に3機の無人爆撃機と思われるモチーフを重ねたものだ。この画像をバンクシーの公式サイトでダウンロードするとファイル名が「stopwar.jpeg」となっており、戦争反対を訴えるものと思われる。バンクシーは2017年に同様のモチーフを描いた作品《Civilian Drone Strike》を発表している。

>バンクシーに詳しい鈴木沓子は同作についてこう語る。「イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ大規模攻撃への抗議でしょう。場所はロンドン南東部の『Commercial Way』という名前のストリート。直訳すると『商業的な』という意味。軍需産業や武器ビジネス、エネルギー資源の争奪など、紛争や戦争で利益を得る経済構造を批判しているのではないでしょうか」。

>なお、イギリス「ガーディアン」紙によると、同作は発表から1時間以内に盗難されたという。

<参考=「バンクシーが新作を発表。軍需産業を批判」(美術手帳)>
(23/12/23)


【シバケン】 2023/12/23 (Sat) 18:44

副題=バンクシー新作盗まれる 公表から1時間たたずに(産経新聞)


<写真2>
道路標識を使ったバンクシーの作品を、持ち去ろうとする男=22日、英ロンドン(英PA通信=共同)



>正体不明の芸術家バンクシーが22日、ロンドン南部の交差点にある道路標識を利用した新作をインスタグラムで公表したが、1時間もたたずに盗まれた。英メディアが報じた。

>新作は、一時停止を求める「STOP」の標識の表面に、軍事用の無人機(ドローン)の機影が3機連なったもの。パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の侵攻が激しさを増す中、反戦を訴えたとみられる。

>作品を見ようと集まった人たちが見守る中、男2人組が柱から標識を取り外し、現場から持ち去った。「何をしているんだ」と声をかける人もいたが、2人は気にする様子もなかったという。

>バンクシーの作品は過去にも盗まれる例があり、2015年にパリで発生した同時多発テロの現場、バタクラン劇場の非常口ドアに描かれた少女の絵は、ドアごと盗まれた。ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊では、消火器を手にする女性が描かれた建物の壁の一部がはぎ取られた。(共同)

<参考=「バンクシー新作盗まれる 公表から1時間たたずに」(産経新聞)>
(23/12/23)


【シバケン】 2023/12/23 (Sat) 20:50

副題=路上のバンクシー作品、本人のSNS投稿から1時間足らずで撤去 英ロンドン(CNN)

<写真3-1>
居合わせた人々が見つめる中、バンクシー作品を撤去しようとする男性/Aaron Chown/AP



>ロンドン(CNN) 正体不明のストリートアーティスト、バンクシーによる芸術作品が22日、英ロンドンの街路から撤去された。本人が作品の画像をインスタグラムに投稿して間もなく、男性2人が撤去したという。

>バンクシーが現地時間の同日正午前後に投稿した一連の画像には、一時停止を命じる道路標識に描かれたドローン(無人機)3機が写っている。

>ところが午後0時半までに、ロンドン南東部ペッカムの交差点に立つこの標識を男性2人がボルトカッターを使って撤去していたことが分かった。複数の目撃者が英PA通信に明らかにした。

>「インスタグラムを開いて、4分前に投稿があったのを確認した。それで昼の休憩に入ることにした。現場に行くと、2人くらいがそこにいた。自分たちは皆、作品にある種の感銘を受けて、写真を撮った」と、26歳のアレックスさんはPA通信に語っている。

>ここで標識によじ登り、手をかける者が現れた。「我々が驚いて眺めている中、彼は標識を殴りつけていた」と、アレックスさん。手では標識を撤去できないと分かった男が、数分その場から立ち去った後、ボルトカッターを持って戻ってきたと振り返った。

>「皆で男に『何をやっているんだ?』と問いただしたが、実際のところどうしたらいいか誰にも分からなかった。ただ事態を見守っているしかなかった。全員が少し戸惑っていた」(アレックスさん)

<写真3-2>
標識はそのまま男性が持ち去ったとみられる/Aaron Chown/AP



>「彼は標識を外し、道路を渡って逃げて行った。何も言わず、作品そのものにもあまり注意を払っていないようだった」と、アレックスさんは付け加えた。

>匿名でPA通信の取材に答えた別の目撃者は、標識が撤去されたことに対する不満を吐露。

>「おかしな話だ。こうした芸術作品は素晴らしい。しばらくの間そこにあれば最高だっただろうに」と話した。

>PA通信が報じたところによると、バンクシー本人は撤去に関与していないと思われる。

>謎多き芸術家のバンクシーは、自身の作品をソーシャルメディア上で確認するものの、それ以上は一切のコメントを残さないことで知られる。

>今回の最新作については、イスラエルとイスラム組織ハマスによる紛争の停戦を呼びかけたものと解釈する人もいる。バンクシーはパレスチナ人の掲げる大義を支持していることでも知られるからだ。

>バンクシーがベツレヘムに所有するホテルは、イスラエルが設置した「分離壁」から数歩の距離に位置する。この壁はイスラエル占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区を貫く形で立っている。

>バンクシーは2017年に当該の「ウォールド・オフ・ホテル」を開業した。イスラエルとパレスチナの紛争に注意を向ける狙いで建設されたこのホテルには、「世界最悪の眺め」を誇るとの売り文句が付いている。

>バンクシー作品の市場価値は近年うなぎ上りだが、本人は依然公共の場での制作を続ける。そのため作品の保護は不可能に近く、窃盗や汚損も誘発することになる。

>バンクシーが描いた最も有名な壁画の一つ「スパイ・ブース」は、録音機材を持ったスパイ風の男3人が公衆電話を取り囲む姿を描いたものだが、16年に破壊された。

>また今年2月、廃棄された本物の冷蔵庫を部分的に組み合わせた壁画がイングランド南東端の町マーゲイトに現れたが、バンクシーが自らの作品だと確認したところものの数時間でこの冷蔵庫は持ち去られてしまった。

>18年には、バンクシー本人が自身の作品の1つを破壊したことが話題を集めた。女の子と赤い風船が描かれたこの絵画作品は、オークションを通じ140万ドル(現在のレートで約2億円)で落札された直後、シュレッダーにかけられた。

<参考=「路上のバンクシー作品、本人のSNS投稿から1時間足らずで撤去 英ロンドン」(CNN)>
(23/12/23)


【シバケン】 2023/12/24 (Sun) 18:54

副題=バンクシー新作窃盗で逮捕 英、交通標識持ち去り事件(産経新聞)


>ロンドン南部で22日に公開された正体不明の芸術家バンクシーの新作を盗んだとして、英警察は23日、窃盗と器物損壊の容疑で男を逮捕したと発表した。交差点の道路標識を利用した作品が公開から1時間もたたずに白昼堂々持ち去られていた。作品が回収されたかどうかは不明。英BBC放送が報じた。

>作品は、一時停止を求める「STOP」の標識の表面に軍事用の無人機の機影が3機連なったもの。パレスチナ自治区ガザ情勢を受け、反戦を訴えたとみられる。

>22日昼、集まった人たちがいる中、男2人組が柱から標識を取り外し、持ち去った。「何をしているんだ」と声をかける人もいたが、2人は気にする様子もなく、公開直後に撤去する演出との見方も出ていた。

>BBCは、美術関係者の見立てとして最高50万ポンド(約9040万円)の価値があると報じた。(共同)

<参考=「バンクシー新作窃盗で逮捕 英、交通標識持ち去り事件」(産経新聞)>
(23/12/24)


【シバケン】 2023/12/25 (Mon) 15:44

副題=バンクシー窃盗2人目逮捕 1人目は保釈も捜査継続

逮捕されたですが、作品の所在不明。

>ロンドンで22日に公開された正体不明の芸術家バンクシーの新作が男2人に持ち去られた事件で、ロンドン警視庁は24日、窃盗と器物損壊の容疑で40代の男を逮捕したと発表した。23日に同じ容疑で逮捕された20代の男は保釈されたが、警察は捜査を続ける方針。英メディアが報じた。作品が回収されたかどうかは不明。

>作品は、一時停止を求める道路標識の表面に軍用無人機の機影3機が連なったもので、パレスチナ自治区ガザ情勢を受け、反戦を訴えたとみられる。公開から1時間もたたない22日の昼間に、男2人が柱から標識を取り外し、持ち去っていた。

<参考=「バンクシー窃盗2人目逮捕 1人目は保釈も捜査継続」(日本経済新聞)>
(23/12/25)


NO.3332 <がん>70%は予防できる/そのための「10の方法」<起稿 シバケン>(23/12/25)


【シバケン】 2023/12/25 (Mon) 14:15

「10の方法」なるは、至って、当然の事<!>

>日本人には、日本人のための病気予防法がある! 同じ人間でも外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果ということさえあるのです。見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法を徹底解説!

>*本記事は『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』(講談社ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
がんの70%は予防できる

>2007年、世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究機構(AICR)は、それまでに世界各地でおこなわれた研究や大規模調査の結果を総合的に分析して、『食物、栄養、身体活動とがん予防:世界的展望(Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: a Global Perspective)』という、ぶ厚い報告書を公表しました。そしてそのなかで、有効と思われるがん予防法を10項目示しています。まさに人類の英知の結晶です。どんな項目が並んでいるのでしょうか。

1 肥満をさける
2 よく体を動かす
3 カロリーの多い食品、糖分の多い飲料をさける
4 植物性の食品を食べる
5 肉の摂取をひかえ、加工した肉は食べない
(注:家畜として飼われている、牛、豚、羊、山羊などの肉。鶏肉は含まない)
6 アルコールをひかえる
7 塩分をひかえ、カビのはえた食品は食べない
8 サプリメントに頼らない
9 できるだけ母乳で育てる
10 がんになったことがある人も、以上の助言に従う

>……ちょっと拍子抜けしませんでしたか? 誰にでも予想がつくような予防法ばかりで、しかも何となく聞きおぼえのある言葉がならんでいます。

>肥満をさける、と言われると、内臓脂肪はメタボのもと、という話を思い出しますし、カロリーの多い食品や糖分の多い飲料はいかにも体に悪そうです。肉に入っている飽和脂肪酸の取り過ぎに注意して、アルコール、塩分はひかえめに。そうそう、サプリメントじゃなくて、食品に含まれる有効成分を丸ごと摂取するほうがいいんだったな。……これって、生活習慣病の注意点と同じじゃないの?

>そのとおりです。でも、これは不思議なことではありません。ちょっと意外かもしれませんが、がんは生活習慣病に分類されているからです。旧厚生省の公衆衛生審議会は、1996年に生活習慣病をこう定義しています。

>「生活習慣病は『食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群』であり、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、ガン、等を含む」

>こう考えられるようになったきっかけは相次いで発表された論文でした。まず、米国人を対象に、がんによる死亡の原因を推定した有名な論文があります。1981年に出されたもので、それ以前におこなわれた膨大な調査結果をもとに、がんで死亡した原因として、どの環境要因がどれくらいの割合を占めているか分析したものです。

>すると、食生活の改善により予防できたはずのがんが35%、禁煙していれば防げたものが30%、ウイルスや細菌などの感染によるものが10%以上、飲酒が3%などとなっており、遺伝的素因によるものはわずか5%でした。1996年には、米国ハーバード大学のがん予防センターも同様の研究をおこない、成人してからの食事と肥満が30%、喫煙が同じく30%で、運動不足が5%、飲酒が3%と、個人の生活習慣ががんの原因の68%を占めていたとしています。この研究でも遺伝的素因は5%でした。

>これを円グラフにしたのが図6-4です。この図に出てくる「食事」は、成人になってからの食事内容と肥満のことで、「飲酒」は、その他に入っています。そして「職業」は、おもに化学物質との接触を指します。たとえば石綿、別名アスベストを長年吸い込むことで、肺や心臓などを包む薄い膜や、肺にがんが発生しやすくなることは日本でも大きく取り上げられました。そのため現在では、日本国内での石綿の製造、販売、使用が原則として禁止されています。

<図1>
図6-4 米国人の、がんによる死亡の原因



>どちらの研究も遺伝的素因によるがんが非常に少ないのが印象的ですが、少し補足すると、エピジェネティクスが注目されるようになったのは1980年代後半から1990年代初めにかけてです。そのため、それ以前に出た文献は、遺伝子に明らかな異常がある例だけを「遺伝的素因」とみなしていると考えられます。そうであっても、生活習慣を含む環境要因が、がん発症の約70%にかかわっていたのは確かなので、がんの70%は予防できる可能性があることになります。

>ただし、気をつけなければならないのが、これらの研究が米国でおこなわれたものだということです。発表した研究者らも、原因の割合は人種によって変わるだろうと書いています。

>2008年の統計によると、米国人が発症したがんのうち最も多かったのは肺と気管のがんで、次いで前立腺がん、乳がん、大腸がん、膀胱がん、白血病の仲間である悪性リンパ腫の順でした。これらのがんに共通して指摘されているのは、喫煙と、脂肪を多く含む食生活が影響するということです。

>肺がんの発症数は日本でも増えており、2016年のがん死亡数予測によると、男性は1位、女性は2位です。肺がんと喫煙の関連については、これまでにおこなわれた3件のコホート研究を総合的に分析したところ、日本人は、喫煙することで肺がんによる死亡率が、男性は4・8倍、女性は3・9倍高くなることがわかりました。喫煙の危険は明らかです。

>ところがここにも人種差があって、米国人にとって喫煙の害は、日本人とはくらべものにならないほど深刻です。米国公衆衛生総監報告によると、米国人が喫煙すると、肺がんによる死亡率が、男性はなんと22・4倍、女性も11・9倍上がります。先に見た二つの研究で、喫煙を原因とするがんが飲酒によるがんの10倍多かった背景には、これがあるのでしょう。

>米国人の肺がんによる死亡率が喫煙でこんなに高くなる原因は十分わかっていませんが、遺伝的素因に加えて、米国の大部分の州は日本より早い18歳から喫煙が可能なので喫煙年数が長くなりがちなこと、1日に吸う本数が多い可能性があることなどが考えられています。また、一部の野菜や果物が肺がんの発症率を下げると言われていることから、米国人は野菜や果物の摂取が足りないのではないかという指摘もあります。

>さらに連載記事<ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」>では、日本人の体質とがんの関係について、詳しく解説しています。

>本記事の抜粋元『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』(講談社ブルーバックス)では、見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法をさらに詳しく徹底解説しています。

<本2>
欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防 (ブルーバックス) 新書 – 2016/12/14
奥田 昌子 (著)



<注=<NO.3330 <体質<?>>「「インフルエンザ」にかかりやすい人、かかりにくい人、その違いは<?>>の<本>と一緒。<画像は、そちらから>

<参考=「なんと「がん」の70%は予防できる…そのための「10の方法」が「逆に意外」だった…!」(現代ビジネス)>
(23/12/25)


NO.3333 <子どもの頭のよし悪し>自己コントロールが出来るか<起稿 シバケン>(23/12/25)


【シバケン】 2023/12/25 (Mon) 23:38

子どもの、頭のよしあしは、基本的、親から、受け継がれるです。

そして、自己コントロールが出来るか、出来ないか<?>

>「勉強ができるようになりたい」~学生の頃、一度はそう思ったことがあるのではないだろうか。どうやったら勉強ができるようになるのか。親ゆずりの知能が高ければいいのか?しかし、知能が高くても「学ぶ力」がなければ勉強ができるようにはならないのだ。学ぶ力とは何か、三つの側面から考えてみたい。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)


>なぜ「勉強ができる子」と「勉強ができない子」がいるのか
「勉強ができるようになりたい」これは、学校に通う年頃なら、だれもが思うことなのではないか。

>もちろん、勉強よりスポーツができるようになりたいという人や、勉強より楽器演奏ができるようになりたいという人もいるだろう。勉強ができる子よりも友だちから人気のある子になりたいという人もいるかもしれない。

>でも、わざわざ勉強ができない子になりたいとは思わないだろう。何に価値を置くかは人それぞれだが、可能なら勉強もできるようになりたいという思いは、だれもが抱えているはずだ。

>僕は、小学生の頃、勉強にあまり価値を置いていなかった。遊んでいる方がずっと楽しいといった感じで過ごしていた。当然ながら、成績はけっして良くなかった。そんな僕でも、同じクラスの勉強ができる子たちに対して、「すごいなあ、なんであんなにできるんだろう?」と不思議に思ったりしたものだ。

>この本を読み始めた人の中にも、周囲の勉強ができる子に対して、「なんであんなによくできるんだろう?」「自分と何が違うんだろう?」と疑問に思う人が少なくないはずだ。

>逆に周囲の勉強があまりできない子に対して、「なんでできないんだろう?」「自分とどこが違うんだろう?」と不思議に思っている人もいるかもしれない。

>いずれにしても、なぜ勉強ができたりできなかったりするのかは、とても興味深いテーマなのではないか。

>中学に入るまで成績がパッとしなかった僕も、いつの間にかコツをつかんで勉強ができるようになった。さらには、教育心理学を専門にすることで、どうしたら勉強ができるようになるのか、勉強ができる子とできない子は何が違うのかという問題に関するさまざまな知見に接し、「なるほど!」と納得することもあれば、「そうかなあ?」と疑問に思うこともあり、いろいろと調べながら考えてきた。

>そのような立場から、勉強ができる子とあまりできない子の違いはどこにあるのか、どうしたら勉強ができるようになるのか、といったことについて考えていきたい。

>その際、知的能力を意味する認知能力の他に、最近教育界で注目されている非認知能力、さらには今後注目されるであろうメタ認知能力を取り上げることにする。勉強に関連する三つの能力の側面から、勉強ができるようになるためのヒントを示すことにしたい。


>能力が同じでも、それを活かせる子と活かせない子がいる
>勉強ができるようになりたいというとき、まず頭に浮かぶのは学校の成績だ。でも、成績というのは学んだ成果をあらわすものにすぎない。成績の背後で働き、それを大きく左右するのが学ぶ力である。いわば、成績を生み出す元になる力だ。

>勉強ができるようになるために大切なのは、この学ぶ力をしっかりと身につけることである。学ぶ力が身につけば、学んだ成果としての成績も自然に上がっていく。

>このように言うと、「それって知能のことでしょ。知能は遺伝で決まってるんだから、今さらそれが大事だなんて言われても困るよ。自分にはどうにもできないんだから」などと言う人もいる。でも、その考え方は二つの意味で間違っている。

>まず第一点として、知能に遺伝要因が深く関係しているのは否定できないが、最新の研究データをみても、知能には遺伝要因と環境要因がほぼ半々の割合で関与していることがわかっている。つまり、知能の五割は遺伝要因で決まっても、残りの五割は環境要因で決まっていく。ということは、自分にはどうにもできないものなどではないのである。

>さらに第二の点として、知能がそのまま学業成績に直結しているわけではないということがある。知能が高いのに学力がそれほど高くない子がいるが、それをアンダーアチーバーという。その反対に、知能はそれほど高くないのに学力が高い子もいて、それをオーバーアチーバーという。勉強ができるかどうかは知能の問題だと思われがちだが、アンダーアチーバーやオーバーアチーバーがいること自体、知能が学業成績にそのままつながるわけではないことを示している。

>そこで浮上してくるのが、学ぶ力の重要性である。学ぶ力を身につければ潜在能力を十分発揮できるけれども、学ぶ力が身についていないと潜在能力の大部分が埋もれたままになってしまう。では、学ぶ力というのは、具体的にどのようなものなのだろうか。それを認知能力、非認知能力、メタ認知能力という三つの側面から考えていきたい。


>最近注目されている「非認知能力」とは?
>教科書を読んで新たな内容を学習する際には、まず文章の意味を読解する必要がある。さらには、すでにもっている知識を用いて、新しい内容を理解する必要がある。たとえば、初めて掛け算を学ぶ際には、足し算を応用し、5×3は5を3つ足すのと同じだというように理解する。

>でも、このように文章を読解したり既存の知識を引き出して用いたりする知的活動以外の要因が、じつは勉強ができるようになるかどうかに深く関係することがわかってきた。そこで最近教育界で注目されているのが非認知能力だ。

>非認知能力というのは、自分をやる気にさせる力や忍耐強く物事に取り組む力、集中力、我慢する力、自分の感情をコントロールする力など、学力のような知的能力に直接含まれない能力のことである。

>勉強ができるようになるには知的能力を高めることが大事だと言われ、知的能力の開発を重視した早期教育が盛んに行われているが、たとえ一時的に効果がみられたとしても、長い目で見るとほとんど効果がみられなかったりする。

>たとえば、みんなより早い時期から勉強して、知識をたくさん詰め込めば、友だちがまだ字が読めないのに、読めるどころか字が書けたり、友だちが計算などできないのに足し算や引き算ができたりする。

>でも、多くの場合、いずれ周囲のみんなも字を読んだり書いたりできるようになり、計算もできるようになる。そうなると、結局みんなに追いつかれ、差がなくなってしまう。差がなくなるだけならよいが、早い時期から勉強をする代わりに、遊びや家庭のしつけを通して忍耐力や集中力、我慢する力などを身につけてきた子に学力で逆転され、さらには差をつけられてしまうことさえある。

>これはけっして幼児期だけの問題ではない。小学生であろうと中学生や高校生であろうと、このような非認知能力を高めないとなかなか勉強ができるようにはならない。

>いくら知的能力が高くても、やる気や忍耐力がなければ学力は向上せず、その成果としての成績も良くならないだろう。たとえば、宿題をやったり復習をしたりしていて、わからないことが多くて嫌になるようなとき、何とかわかるようになりたいと粘る子と、もう嫌だと投げ出す子では、その後の成績に大きな差がつくはずだ。

>あるいは、知的能力がたとえ同じであっても、我慢する力があるかどうか、いわば衝動をコントロールすることができるかどうかで、成績に大きな差がつくはずだ。たとえば、我慢する力があれば、見たいテレビがあったり、友だちから遊びに誘われたりしても、そうした誘惑に負けずに試験の準備勉強ができるだろうが、我慢する力が弱ければ、誘惑に負けて準備勉強をさぼってしまうだろう。

>このような非認知能力は、勉強する際の頭の使い方そのものではないけれども、勉強ができるようになるかどうかに大きく影響する要因と言ってよい。


>非認知能力を高められるかどうかで、将来が違ってくる
>非認知能力の中核を成すのは自己コントロール力であるが、自己コントロール力についての研究の原点とみなすことができるのが、心理学者ミシェルたちの満足遅延課題を用いた実験である。

>それは、マシュマロ・テストとも呼ばれ、子どもにマシュマロを見せて、今すぐ食べるなら一個あげるが、研究者がいったん席を外して戻るまで待てたら二個あげると告げ、待つことができるか、それとも待てずに食べてしまうかを試すものである。

>これは、より大きな目標のために欲求充足を先延ばしできるかどうかをみるための実験と言える。

>ミシェルたちは、保育園児550人以上にマシュマロ・テストを実施し、その子たちが青年期、成人初期や中年期になったときにも追跡調査を行っている。

>その結果、幼児期により大きな満足のために欲求充足を延期することができた者は、10年後の青年期には、欲求不満に陥るような状況でも強い自制心を示し、誘惑に負けることが少なく、集中すべき場面では気が散らずに集中でき、ストレスにさらされても取り乱さずに建設的な行動をとりやすいことがわかった。

>さらに、20代後半になったときも、長期的目標を達成するのが得意で、危険な薬物には手を出さず、高学歴を手に入れ、肥満指数が低く、対人関係もうまくやっていくことができるというように、自己コントロールがきちんとできていることが確認された。

>その後の追跡調査をみると、40年後の中年期になっても、相変わらず高い自己コントロール力を維持していた。


>このように、4~5歳の幼児期に欲求充足を先延ばしできるかどうかで、10年後や20年後、さらには40年後の自己コントロール力を予測することができ、それによって学業・仕事や人間関係を含め社会でうまくやっていけるかどうかを予測できることが示されたのである。

>その後も、就学前の自己コントロール力が高い者ほど、10年後に学業的にも社会的にも成功していることが示されたり、30年後に収入面でも健康面でも成功しており薬物依存や犯罪も少ないことが示されたりしている。

>幼児期に戻って自己コントロール力を鍛えるわけにもいかないし、今さら言われてもどうしようもないと思うかもしれない。しかし、幼児期に限らず、中学生を対象とした調査研究でも、自己コントロール力の向上がその後の学業成績の向上につながっていくことが確認されている。詳しくは次回で説明することにしたい。

<本>
勉強ができる子は何が違うのか (ちくまプリマー新書 439) 新書 – 2023/11/9
(筑摩書房) 榎本博明 著



<参考=「親は頭がいいのに「子どもは勉強ができない」そんな親子が珍しくない当然の理由」(DIAMOND)>
(23/11/29)