みんながパソコン大王
雑談<NO.91>

みんながパソコン大王
総 合 目 録 趣意書

表題一覧表

NO 表題 起稿 起稿日
雑談NO.92
1185 電動車椅子に革命 中国放浪で得た折れない心(日本経済新聞) 磯津千由紀 15/06/20
1184 ソフトバンク:「人型ロボ」1分で完売(毎日新聞) 磯津千由紀 15/06/20
1183 国立大から文系(教員養成系、人文社会科学系)がなくなる<?> 磯津千由紀 15/06/19
1182 浅間山:小規模噴火か 噴石に警戒呼びかけ 気象庁(毎日新聞) 磯津千由紀 15/06/16
1181 今晩のクロ現「そのパソコン遺(のこ)して死ねますか? ~デジタル時代の新たな“遺品”~」 磯津千由紀 15/06/16
1180 Raspberry Piに続け! オープンソースなハードウエアが続々(ITpro) 磯津千由紀 15/06/12
1179 「ネオコグニトロンはまだ進化する」、「CNN」の父に聞く(日経テクノロジー) 磯津千由紀 15/06/12
1178 映画盗撮:被害200億円 ネット拡散、海賊版に悪用 隠しカメラ巧妙(毎日新聞) 磯津千由紀 15/06/10
1177 米国:廃棄物から初代アップル 時価2500万円(毎日新聞) 磯津千由紀 15/06/05
雑談NO.90

NO.1177 米国:廃棄物から初代アップル 時価2500万円(毎日新聞)<起稿 磯津千由紀>(15/06/05)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/05 (Fri) 02:31

 こんばんは。


 ワンボードコンピュータのアップル1は、私も写真でしか見たことがありません。


> 【ロサンゼルス長野宏美】米シリコンバレーのリサイクル業者に時価20万ドル(約2500万円)の米アップルの初代コンピューター「アップル1」が廃棄物として持ち込まれていたことが分かり、業者が持ち込んだ女性を捜している。

> AP通信などによると、60〜70歳くらいの女性が4月、亡くなった夫が車庫に保管していた電化製品の廃棄物を業者に数箱持ち込んだ。業者は価値のある物が入っていると思わず、しばらく箱を放置していたが、個人コレクターに20万ドルで売却された。業者は収益の半分を持ち主と分ける方針を取っており、半額の10万ドルを返金するため、女性を捜しているという。ロイター通信などによると、「アップル1」は1976年に200台製造され、現存しているのは数十台とされる。

<参考=「米国:廃棄物から初代アップル 時価2500万円」(毎日新聞)>
<消滅・削除・15/07/15>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/06 (Sat) 02:46

副題=リサイクル業者に持ち込まれた遺品のオンボロPC…なんと2,400万円もする幻のApple1だった!(livedoor NEWS)

 こんばんは。


 懐かしい写真(ボード)が載ってます。
 元オーナはボードを木製の箱に入れて「パソコン」のような体裁にしていたようです。当時としては画期的なことに、ボード上に最初からキーボード・インタフェース回路やCRTモニタ(家庭用テレビ受像機)インタフェース回路が搭載されていましたから、そうした人は多かったと思われます。
 尚、勿論「デスクトップ・コンピュータ」というのは誤りですし、「現存する7台目となった」という記述がありますが現存機はもっとあるが稼働するのは6台だけだと記憶しています。livedoor NEWSの担当者が当時を知らぬ若い人だったのではないでしょうか。


> 廃棄物として持ち込まれたコンピュータが、実は時価総額20万ドル(約2,400万円)の初代アップル・コンピュータApple Iだった――そんな事件がネットを騒がせています。


> リサイクルショップを訪れた謎の女性

> シリコンバレーのリサイクル業者Clean Bay Areaが、とある女性を探している旨を発表しました。女性がこの業者に託したリサイクル品のなかに、アップルの初代デスクトップ・コンピュータApple Iが含まれていたためです。

> 同リサイクル業者の副代表であるVictor Gichun氏によれば、この女性は夫が亡くなったために、ガレージに保管してあった電化製品を箱にまとめて預けに来たとのことです。

> 同業者では売却した商品の利益を預けた人と半々にするポリシーであるため、通常であれば委託人の連絡先を記録しますが、女性がレシートの受け取りも、名前を残すことも拒否したのだそうです。


> 利益を元オーナーと折半したい

> 鑑定の結果、本物であることが認められ、現存する7台目となったApple Iは、プライベートコレクションにて20万ドル(約2,400万円)で、上述のClean Bay Areaによって売却されました。

> 「我々は自分たちの目が信じられなかった。ニセモノなのでは、と思っていた」とGichun氏はテレビの取材に答えました。同リサイクル業者は、得られた利益を元オーナーと50%ずつ分けたいと望んでおり、それを受けて今回の「人捜し」となったようです。

> 1976年にスティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏の手によって、ガレージ裏で200台製造されたApple Iですが、コレクター垂涎の的となっており、昨年末にはオークションで90万5,000ドル(約1億1,220万円)もの値で落札されています。

> しかし、上記の製品を一目見て「Apple I」だと判別出来た業者は、さすがシリコンバレーといった感がありますね。

<参考=「リサイクル業者に持ち込まれた遺品のオンボロPC…なんと2,400万円もする幻のApple1だった!」(livedoorNEWS)>


NO.1178 映画盗撮:被害200億円 ネット拡散、海賊版に悪用 隠しカメラ巧妙(毎日新聞)<起稿 磯津千由紀>(15/06/10)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/10 (Wed) 20:18:56

 こんばんは。


 テレビ放映番組の主にアニメの不法アップロード問題は承知してましたが、映画館での盗撮問題は知りませんでした。


> 映画館での作品の盗撮に映画業界が頭を痛めている。盗撮された映像はインターネット上で拡散し、海賊版の製造に悪用されているとみられている。それが正規のブルーレイディスクや映画チケットなどの売り上げに影響し、業界が被っている損害は年間200億円に上るとの試算もある。【内橋寿明】

> 昨年9月、福岡市の映画館で上映中の洋画「ルーシー」を盗撮したとして、福岡県警が会社員の男(当時47歳)を映画盗撮防止法違反と著作権法違反の疑いで書類送検し、罰金20万円の有罪判決が確定した。

> 県警や日本国際映画著作権協会によると、男はペットボトルを輪切りにして作った土台を、座席の肘掛けのドリンクホルダーにはめて固定。この土台にビデオカメラを乗せ、映画を盗み撮りしていた。撮影中に赤く点灯するパイロットランプ(表示灯)が漏れないように、カメラに黒い布をかぶせていた。

> 男の座席は最後列の中央で、撮影に適した座席を選んだとみられるが、不審な行動に気づいた別の客が映画館の従業員に通報し、駆けつけた警察官に引き渡された。

> 協会によると、映画館での盗撮は、家庭のパソコンで容易に動画を見られるようになった2004年ごろから目立ち始めた。盗撮は映像をネット上に投稿し、愛好家同士で楽しむことが主な目的だが、こうした投稿映像がさらに別人によって違法コピーされ、販売されているという。

> 協会が10年に15〜64歳を対象に実施した調査によると、回答した3000人のうち、過去1年間で海賊版を閲覧したことのある人は6分の1を占めた。これをもとに協会は、映画館の収入やDVD、ブルーレイの販売やレンタルなどの損失額が235億円と推計している。

> 映画館で上映された作品には、いつ、どこで上映されたものかを判別できるデータ信号が入力されている。協会はネット上に投稿された映像から信号を検知し、盗撮の実態把握を進めている。協会の村上裕之・広報渉外本部長は「将来の作品に充てる利益が減ることで、映画産業の発展が妨げられている」と海賊版の横行に危機感を募らせている。

> ◇アニメやゲームも深刻な著作権侵害

> 著作権侵害はテレビアニメや音楽、ゲームソフトでも深刻だ。不正商品対策協議会(ACA)によると、商品が違法にコピーされ、ネット上で販売される被害が相次いでいる。

> 警察庁のまとめでは、2013年に摘発した著作権法違反事件の9割近くにネットが介在し、違法な売買や投稿に悪用されていた。同年に押収された海賊版は59万8672点で、04年の約20倍に達した。

> 警察は取り締まりを強化しているが、不正な投稿は海外のネットワークを経由していることが多く、摘発の壁になっている。


<参考=「映画盗撮:被害200億円 ネット拡散、海賊版に悪用 隠しカメラ巧妙」(毎日新聞)>
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<消滅・削除・16/01/24>


NO.1179 「ネオコグニトロンはまだ進化する」、「CNN」の父に聞く(日経テクノロジー)<起稿 磯津千由紀>(15/06/12)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/12 (Fri) 04:14

 こんばんは。


 35年ぐらい前ににNHK技研の公開でネオコグニトロンを見たときには、まさかこんなに長く続く技術とは思っていませんでした。


> 画像認識や音声認識などで他の機械学習技術を凌駕する認識性能を次々と実現しているディープラーニング(深層学習)技術。特に、性能向上が目覚ましいのが、画像中の物体認識などに使われる「畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network:CNN」だ(関連記事)。今後、家電製品やセキュリティー用カメラ、自動車の自動運転、そしてロボットビジョンなどさまざまな分野で応用が広がりそうである。

> そのCNNの原型「ネオコグニトロン」を1979年に世界で初めて発表したのがファジィシステム研究所 特別研究員の福島邦彦氏である。原型といっても、現在のCNNとは学習手法が異なるだけで、ニューラルネットワークとしての基本構造はほとんど同じである。

> ネオコグニトロンの発表後、福島氏は大阪大学ほかいくつかの大学で教授職を歴任。日本神経回路学会(JNNS) 初代会長、国際神経回路学会(INNS)理事、Asia-Pacific Neural Network Assembly(APNNA)会長など、国内外の学会でも重職を担ってきた。最新のCNNを研究する若手研究者は福島氏を「雲の上の人」と呼ぶ。

> 当の福島氏は大学での職を2010年にすべて退いてからも、そうした輝かしい成果や経歴に満足せず、ネオコグニトロンを発展させる研究を続ける第一線の研究者である。その福島氏に、ネオコグニトロンの開発の経緯、CNNとの共通点や相違点、および同氏の最新の研究成果の一端を聞いた。(聞き手は野澤哲生)

> ――ネオコグニトロンを開発した経緯を聞きたい。大学の学部は京都大学 工学部 電子工学科だったと聞くが、脳についての知見はどのように得たのか

> 福島氏 私は1958年に大学を卒業してNHKに入社し、1年後にNHK技術研究所に配属されて立体テレビやテレビ信号の伝送帯域圧縮の技術などを研究していた。NHKは1965年に組織改編を実施し、基礎研究を重視した「NHK放送科学基礎研究所(基礎研)」を設立した。その「視聴科学研究室」で脳科学の研究が始まった。ここでは、生理学、心理学、工学を融合させることを目標に、当時、東北大学 医学部長だった本川弘一氏など、生理学や心理学の第一線の専門家を招いて週1回のペースで講義してもらう談話会を開いていた。

> 生理学の講義では、網膜の神経組織やネコの大脳の構造、心理学の講義では実験手法などを学んだように思う。当時既に、脳の視覚野の神経細胞間の情報伝達は、入力層の細胞の信号に重み関数を畳み込み積分(convolution)することで表現できることが知られていた。

> その中で、(共にスウェーデン出身の研究者である)Torsten Nils Wiesel氏とDavid Hunter Hubel氏の脳の視覚野の構造に対する仮説(1981年にノーベル生理学・医学賞受賞)に興味を持つようになった。これは視覚野では単純型(simple)細胞、複雑型(complex)細胞、超複雑型(hypercomplex)細胞などが階層的に結合された神経回路で視覚情報処理が行われているという仮説で、「Hubel-Wiesel仮説」と呼ばれていた。

> そこで1971年に、階層的構造を備えた神経回路モデルを作り、計算機のシミュレーションでその振る舞いを調べた。入力層(網膜)に曲線パターンを入力すると、曲率を抽出して、上位層で線が曲がっているところだけを出力するモデルを実現できた。

> そのモデルを発展させたのが1975年に発表した「コグニトロン」だ。当時、脳の神経回路モデルとして脚光が当たっていた「パーセプトロン」は教師あり学習で学習するが、3層以上になると学習がうまく進まないことが課題だった。コグニトロンでは、教師なし学習、つまり、学習させたいパターンをただ繰り返し見せるだけで自己組織化が進み、パターンごとに選択的に反応する細胞ができあがる手法を実現した。これは今では「競合学習」とも呼ばれている。

> ところが、コグニトロンには課題があった。入力パターンに位置ずれや変形があると、別のパターンとして認識してしまう点だ。ここで解決のヒントになったのが、前述のHubel-Wiesel仮説だった。この仮説では、神経細胞にsimple細胞とcomplex細胞といった役割の違いがある。そこで、simple細胞に似た「S細胞」とcomplex細胞に似た「C細胞」の組を多層に結合させることで、視覚野の神経回路の再現を考えた。これが「ネオコグニトロン」である。

> ネオコグニトロンでは、S細胞で特徴量を抽出し、その出力をC細胞で集めて位置のわずかな違いを吸収する。CNNでは、S細胞はconvolution、C細胞はpoolingと呼ばれている。名前が違うだけで役割はほぼ同じだ。

> ――CNNとネオコグニトロンの最大の違いは何か

> 福島氏 違いは学習則で、CNNは誤差逆伝播法(back propagation)などを用いているのに対し、ネオコグニトロンは、「add-if silent」という学習則を用いている。これは、新しい入力パターンに対して、反応する細胞がない場合は新しく細胞を加える、という学習則だ。これによって、未知の入力パターンでも、繰り返し見せていくことで認識率を高めていくことができる。

> ――ネオコグニトロン開発後、実用化することは考えなかったか。また、特許などは取得したか

> 福島氏 当時は脳の仕組みを解明するという基礎研究の位置付けで、実用化は考えなかった。当時のコンピューターは現在とは比較にならないほど非力だったこともある。当初は、神経回路モデルのシミュレーションで、出力をディスプレーではなく、色紙を使って手作業で視覚化していたほどだ。特許は取得したが、NHKが基礎研究重視の方針を変更して、1984年に基礎研が事実上なくなってしまった。私はその数年後に大阪大学に移籍したが、特許維持費を個人で払い続けるのは難しく、結局、特許権を放棄せざるをえなかった。

> ――最近の研究の方向性を教えてほしい

> 福島氏 最近は、ネオコグニトロンを軸にしたディープラーニングの学習手法を研究している。例えば、S細胞の働かせ方を少し変えて、雑音への耐性を高めたり、神経細胞の発火の閾値を学習時だけ下げることで、学習効率を高めるといった工夫をしている。

> ――現在でも、生理学に基づいて脳を再現しようとする脳科学者と、工学の立場で脳型コンピューターを設計する技術者の間には立場や考え方に隔たりがあり、研究の方向性を巡って対立がしばしば起こっている。工学と生理学などとの関係はどのようになればよいと考えているか

> 福島氏 生理学からはヒントをもらうが、開発時には実際の脳はいったん忘れて研究を進めることが重要だ。ただ、それだけではいずれ限界が来る。その時はもう一度、生理学に戻って考える。これを繰り返すことで、前進していけるだろう。


<参考=「「ネオコグニトロンはまだ進化する」、画像向けディープラーニング「CNN」の父に聞く」(日経テクノロジー)>


NO.1180 Raspberry Piに続け! オープンソースなハードウエアが続々(ITpro)<起稿 磯津千由紀>(15/06/12)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/12 (Fri) 04:42

 こんばんは。


 ハードウェアのオープンソース化、まるでパソコン黎明期のようです。


> 「Raspberry Pi」と「Arduino」。どちらも数百万台売れている人気のPC/マイコンボードだが共通点が一つある。「オープンソースなハードウエア」であることだ。それに続けと、いろんな分野でオープンソースなハードウエアが登場している。

> ハードウエアの設計図も、OSや開発ツールのソフトウエアもオープンソースにすることで(Raspberry PiのSoC回りは一部非公開)、いわゆるエコシステムが動き出す。周辺機器/ソフトの開発が広がり、エンドユーザーも増える。そんな流れを目指すハードウエアプロジェクトを今回、二つ紹介しよう。並列処理ボードの「Parallella Board」と、組み込み用PCボードの規格「96Boards」だ。どちらも見た目はRaspberry Piとそっくりの名刺サイズボードになっている。


> 「死屍累々の並列コンピュータ…」

> 米Adapteva社のParallella Boardは、手のひらに載る大きさの“スーパーコンピュータボード”だ(写真1)。消費電力は5W以下と小さく、それでいて独自の16コア並列処理プロセッサを搭載している。最近米Intel社が約2兆円で専業メーカーを買収したことで話題になった「FPGA」(Field Programmable Gate Array)も備えていて、ハードウエアをプログラミングすることで特定の処理を大幅に高速化できる。価格は99ドルからと手頃だ(日本では税抜き1万7318円から)。

> Parallellaの初めてのカンファレンスが2015年5月30日、東京・秋葉原で開催された。そこでAdapteva社CEOのAndreas Olofsson氏がまず披露したが、並列コンピュータの死屍累々の歴史だった(写真2)。「何百社が数十億ドルを投資してきたが、一般的な用途で成功した並列コンピュータはまだ一つもない」(Olofsson氏)。

> その壁を越えるのにOlofsson氏が選んだ戦略がオープンソースだった。並列コンピュータがうまくいかなかった最大の理由はアプリが増えなかったこと。「アプリを開発したいというと『まずNDA(秘密保持契約)を』というのがこれまでのやり方。これではアプリは増えない」(同氏)。そこでParallellaではハードもソフトもすべてオープンソースにした。ライブラリなどの開発環境の整備も「GitHub」で進めている。

> Parallellaが期待するアプリケーションの一つが小型のロボットやドローンだという。画像処理は並列コンピュータに向く用途の一つで、Parallellaの処理能力があれば、リアルタイムで障害物を見分けたり、人の顔を認識したりできるだろう。人の安全を脅かす事故を未然に防げる可能性がある。


> ラズパイの成功を組み込み開発にも

> もう一つの96Boardsは、ARM向けLinuxの最適化を進める団体「Linaro」が定めた規格。準拠するボードは既に3機種が発表されている。受注が始まった2機種が搭載するARM SoC(System-on-a-Chip)は、米Qualcomm社製と、中国Huawei Technologies社の子会社であるHiSilicon Technologies社製の2種類で、どちらも仕様が公開されている。スマートフォンなど向けのARM SoCは仕様を公開しないのが一般的だが、96Boardsでは仕様の公開が条件になっている。

> HiSilicon TechnologiesのSoCは、64ビットの8コアARM(Cortex-A53)の構成で動作周波数は1.2GHz。Raspberry Piよりもぐっと高速なボードが、オープンソースの形で提供され、好きなだけ中をいじれる。96Boardsの主なターゲットは組み込みLinuxだが、ボードは誰でも購入できる。

> ほかにも、ドローン向けの基本ソフトもOSSとして開発する動きがある(Linux Foundationの「Dronecode」)。ハードもソフトも中身まで公開される楽しい時代になってきた。

<参考=「Raspberry Piに続け! オープンソースなハードウエアが続々」(ITpro)>


NO.1181 今晩のクロ現「そのパソコン遺(のこ)して死ねますか? ~デジタル時代の新たな“遺品”~」<起稿 磯津千由紀>(15/06/16)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/16 (Tue) 15:04

 こんにちは。


 私は、SNSやブログのアカウントを、自分が死んだらどうするか、ずっと考えていました。有料ブログに加えて無料ブログ(料金支払いが止まって消滅することがない)を7年前に始めました。
 先月あたりでしょうか、フェイスブックの設定に「追悼アカウント管理人」という項目が増えました。(フェイスブックは2週間に1度ぐらい仕様変更をしてます)
 他のSNSやブログも追随するだろうと思っています。

 ところで私は今晩、都合により本放送も再放送も見られない予定です。(午前1時からの再放送は見られる可能性もあります)


> 写真や動画などの日常の記録から、株取り引きなどの資産運用まで、生活のあらゆる場面に浸透するパソコン。死後、その管理をどうするのかが、いま問われ始めている。写真や日記など、パソコンに遺された膨大な“故人情報”とどう接したらよいか、悩む遺族も多い。パソコンの利用者が、口座名やパスワード、データをどう処分してほしいかを生前に記す、専用の「エンディングノート」も登場している。こうした中で、パソコンやネット上のブログなどを、生きた証としてとらえる人もいる。息子を病気で亡くした女性は、息子が開設したブログを引き継ぎ、更新を続けている。息子が書き残した詩や言葉をアップすると、息子とのつながりを強く感じるという。口座情報から思い出まで、あらゆる情報が端末に集積される時代。パソコンを遺品としてどう遺せばいいのか、遺族はどう向き合えばよいのかを考える。


※ URLは放映後に確定します

# 題名の「しねますか」は原文では漢字(見つけるのに一苦労しました)


【シバケン】 2015/06/16 (Tue) 15:43

<補足>

本文には、「死んだら」がありますので、「死」は大丈夫なんですねえ。

イヤ、
これは、「FC2」の禁句です。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/17 (Wed) 00:46

 こんばんは。


 URLです。

<参考=「そのパソコン遺(のこ)して死ねますか? ~デジタル時代の新たな“遺品”~」(クローズアップ現代)>


 午前1時からの再放送、見られそうです。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/17 (Wed) 01:06

 こんばんは。


 今、前の戦争の沖縄戦の特集をやってます。

 クロ現は、1時10分からのようです。


【シバケン】 2015/06/17 (Wed) 07:48

1時10分からのを、途中から、見たです。

想定の内容とは、違うですが。参考には、なったです。

想定は、残したい記録と、そでないのは、確かにあるですが。そでないのをどのよに処分なりするか<?>
残したいのは、家族に対し、どのよに、知らせるか、でして。

これを、自分自身で、どか、出来るの哉と。
これは、無かったですねえ。
イヤ、
何かの、アプリケーションがあればの、設定で、です。

例えばの話、一週間も、パソコンを起動しなければ、コレを消せ<!>
とかの、設定でして。

この事が重要と、思てるですが。
これは、家族なりに、予めの、教えておくの必要性があるの哉と。

当方の場合、パソコン自体には、パスワード設定してませんでして。
いつでも、誰でもが、中身、見るが出来るです。
基本、隠すのモノがありませんでして。それでもなあと<笑>

とかとか、
この辺り、ボチボチの真剣に考えねばなりませんです。


で、
「磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)」さん、記載の、「追悼アカウント管理人」とは、何ぞやと。
探索したですが。
表紙に、「追悼」と、表示されるだけ<?>
これでも、運営者の状況、一発、判明するですが。

<参考=「Facebook、追悼アカウント管理人を生前に指定できる機能を追加」(CNET)>


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/17 (Wed) 21:43

 シバケン様、こんばんは。


 深夜1時10分からの再放送、寝不足が祟って頭の方を見ただけで転寝してしまい、殆ど見られませんでした。
 はっと気が付いたら2時10分。


 フェイスブックの追悼アカウント、シバケン様が示されたリンク先によれば、表紙に「追悼」と表示されるだけというのは旧機能で、新機能では色々できると書かれておりますが。

> Facebookでは利用者が亡くなった場合、家族や友人からのリクエストに応じて故人のアカウントを追悼アカウントに変更する機能(追悼という表示をする基本機能のみで、内容の変更は不可)を用意していたが、新機能により追悼アカウントの管理人がプロフィール写真やカバー写真の変更、追悼と表示されたタイムラインで一番上に表示される投稿(特別なメッセージを表示するなどに利用)などが可能になった。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/17 (Wed) 22:06

 こんばんは。


 放送まるごとチェックです。

<参考=「そのパソコン遺(のこ)して死ねますか?~デジタル時代の新たな“遺品”~」(クローズアップ現代)>

 今一つ、踏み込んでいないで、懸案は懸案のままですね。


【sugiyama】 2015/06/24 (Wed) 11:21

クローズアップ現代も
pandora.tv
で視聴できるので、「見逃した」とか「再放送はいつ」とか
とりたてて言う必要もないのでは?


【シバケン】 2015/06/24 (Wed) 17:38

sugiyamaさん、こんにちは。

成る程と、
<pandora.tv>サイト内検索したですが、コツがあるのか、該当のが発見出来ませんでしたです。

されどの、その応用での、
<YouTube>サイト内検索にては、一発検出出来たです。

要は、
そんな手があるのやなと。


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/24 (Wed) 20:00

 こんばんは。


 視られることは認めますが、不法アップロードされたコンテンツの閲覧を公に奨めることは憚られます。


NO.1182 浅間山:小規模噴火か 噴石に警戒呼びかけ 気象庁(毎日新聞)<起稿 磯津千由紀>(15/06/16)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/16 (Tue) 15:15

 こんにちは。


 矢張りとうとう、噴火しました。
 予報が当たりました。


> 気象庁は16日、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)が出ている浅間山(群馬・長野県境、2568メートル)でごく小規模な噴火が起きた模様だと発表した。午前9時半ごろ、浅間山の北約4キロの群馬県嬬恋村の観光名所「鬼押し出し」で微量の灰が降ったのを確認した。同庁は火口から約2キロの範囲で大きな噴石への注意を呼びかけている。群馬、長野両県警によると、けが人など被害の情報は入っていない。浅間山の噴火は2009年5月27日以来。

> 気象庁によると、鬼押し出し付近の施設職員らから降灰を確認したと通報があった。午前8時12分ごろから同11時半にかけ、マグマや水蒸気などの移動に伴って起きる火山性微動を断続的に観測しており、この間に噴火したと推定される。

> 火口周辺は厚い雲がかかって視界が悪く、噴煙の状況は分かっていない。噴火が小規模で、地震計や空振計では確認できていない。

> 浅間山は、4月下旬ごろから山頂のごく浅いところを震源とする体に感じない火山性地震が増え、今月11日に噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)から2に引き上げられた。火山性地震は5月に986回、6月は15日午後3時までの半月間に760回と増加傾向が続いていた。

> 同庁は同レベルについて現状を維持するという。小久保一哉・火山活動評価解析官は「すぐにより大きな噴火につながるとは考えていない」と述べた。

> 浅間山では1941年に噴石で1人が死亡、47年にも降灰や山火事で約10人が亡くなった。日本百名山の一つで、昨年は約6万9300人が訪れている。【狩野智彦、尾崎修二、巽賢司、銭場裕司】

> ◇地震計で振幅確認

> 中田節也・東京大地震研究所教授(火山学)の話 16日午前8時50分ごろから浅間山に設置している東大の地震計で振幅がやや大きい火山性微動を繰り返し観測した。降灰の量が少ない、極めて小規模な噴火が起きた可能性が高い。今後、降灰の範囲など詳細に調査する必要がある。

<参考=「浅間山:小規模噴火か 噴石に警戒呼びかけ 気象庁」(毎日新聞)>
<消滅・削除・15/07/22>


NO.1183 国立大から文系(教員養成系、人文社会科学系)がなくなる<?><起稿 磯津千由紀>(15/06/19)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/19 (Fri) 22:52

 こんばんは。


 半年も前に国立大学法人評価委員会が出した資料ですが、文科省がそれを実践しようとしているようです。


> 「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」について(案)

> 【趣旨】
> 文部科学大臣は、中期目標期間終了時に組織及び業務全般にわたる検討を行い、評価委員会の意見を聴いた上で、所要の措置を講ずるものとされている。(準用通則法第35条)
> これに先立って、事前に国立大学法人評価委員会が有する課題意識を「組織及び業務全般の見直しに関する視点」として、各法人に示すことにより、各法人における自主的な組織及び業務全般の見直しの検討を促すことを目的。

> 【主な内容】
> ◇見直しの基本的な方向性
> ・強み、特色、社会的役割を踏まえた機能の一層の明確化
> ・定量的な指標の設定など、具体的かつ検証可能な中期目標・計画の策定
> ・高い到達目標など、意欲的な中期目標・計画の設定に努力
> ◇組織の見直しに関する視点
> ・「ミッションの再定義」を踏まえた組織改革
> ・教員養成系、人文社会科学系は、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換
> ・法科大学院の抜本的な見直し
> ・柔軟かつ機動的な組織編成を可能とする組織体制の確立
> ◇業務全般の見直しに関する視点
> (1)教育研究等の質の向上
> ・学生の主体的な学びを促す教育の質的転換
> ・社会貢献・地域貢献の一層の推進
> ・人材・システムのグローバル化の推進
> ・イノベーション創出(大学発ベンチャー支援)
> ・入学者選抜の改善
> (2)業務運営の改善等
> ・ガバナンス機能の強化
> ・人事給与システム改革
> ・研究における不正行為、研究費の不正使用の防止


<参考=「「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」について(案)(PDF)」(文部科学省)>


NO.1184 ソフトバンク:「人型ロボ」1分で完売(毎日新聞)<起稿 磯津千由紀>(15/06/20)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/20 (Sat) 13:27

 こんにちは。


 こんなもの(失礼)に大金をポンと出せる人が、たくさん居るんですね。
 そういえば、過去に高価なアイボもたくさん売れましたね。もうメーカ修理も終了してて、小さな修理業者に全国から修理依頼が殺到してるとか。


> ソフトバンクは20日、同日午前10時から一般向けに販売を始めた人型ロボット「Pepper(ペッパー)」が、販売開始から1分間で申込予定数に達し、完売したと発表した。専用ウェブサイトで申し込みを受け付けた。6月販売分は1000台で、7月から順次発送する。次回の販売時期は、7月中にウェブサイトで公表する。

> ペッパーはマイクやセンサーを使って人の感情を読み取り、会話するのが特長。ため息などでロボット自らの感情も表現でき、話題性で注目を集めたようだ。本体価格は21万3840円。アプリを利用するための基本プランや修理時の保険料は3年間の分割払いの場合、月々計2万6568円が必要になる。(共同)

<参考=「ソフトバンク:「人型ロボ」1分で完売」(毎日新聞)>
<消滅・削除・15/07/04>


NO.1185 電動車椅子に革命 中国放浪で得た折れない心(日本経済新聞)<起稿 磯津千由紀>(15/06/20)


【磯津千由紀(寫眞機廢人)@R61一号機(Win7)】 2015/06/20 (Sat) 21:16

 こんばんは。


 革新的な電動車椅子と言えば欧米発と思ってましたが、日本からも。


> 日本の技術や製品がかつての輝きを失いつつあると言われる。大手企業が新たな価値創造に苦戦する中、独自の革新的なアイデアで世界に躍進しようとするスタートアップ企業が登場してきた。そのビジョンはどこから生まれたのか。未開の地を切り開く原動力は何か。
> シリーズ「Innovator’s Story」では、先駆者たちによる奮闘の記録から日本の技術「再興」のヒントを探った。(敬称略)


> 「健常者でも乗ってみたくなる。車椅子を誰もがうらやむモビリティー(乗り物)に進化させたい」――。創業から3年のベンチャー、WHILL(ウィル)は、まったく新しいコンセプトの電動車椅子を生み出した。日米で2014年9月に発売した初の製品は、SF映画のような外観で、四輪駆動による高い走破性能を持つ。前輪には前だけでなく横方向にも駆動できるオムニホイールを搭載し、芝生でも砂利道でも移動できる。

> これまで利用者に製品を直販し、日米で200台弱を販売した。15年7月にかけて米国で15社、国内で5社の代理店と契約を結び、販路を拡大する。製品が影も形もなかった時期から高い目標を掲げ、持ち前のがむしゃらさでチームをリードしてきた人物が、最高経営責任者(CEO)の杉江理(32)だ。


> ■東京モーターショーが転機

> 「ゴールがないと面白くない」。杉江は週末の1DKのアパートで作業に没頭する開発メンバーの姿を見ながらそう考えた。「単なる福祉機器ではなく、新しいモビリティーだ。だったら東京モーターショーに出展しよう」

> アパートには、ものづくりで何かを成し遂げたいという共通の志を持つ約15人が集まっていた。以前から気ままに共同でアート作品や雑貨を作ってきた仲間だ。風向きが変わったのは09年に車椅子を開発しようという話が出たときだった。

> 当初のコンセプトは新興国向けの低価格製品としていた。ただ、調べれば調べるほどビジネスとして成り立たないという結論に至る。杉江はプロジェクトの方向を「先進国向けに切り替えよう」と提案する。

> その時点では、どんな車椅子を目指すべきか見当も付かない。そこでメンバーと神奈川県の福祉施設を訪れた。車椅子の利用者にヒアリングをすると、走行性能の低さや外見の悪さで「100m先のコンビニに行くこともできない」という。この言葉が「健常者でも乗ってみたくなる」というコンセプトを生み出した。誰かが求める、新しいものづくりに挑戦する。以前のアート作品とは異なる刺激を持った目標はメンバーたちの意欲に火を付けた。

> 新しい電動車椅子の製作は10年10月に始まった。試行錯誤しながらプロトタイプを製作する作業はそれだけでも十分に楽しかった。その情熱をさらに燃え上がらせたい、と杉江は考えた。ものづくりという「遊び」をもっと本気で楽しむための手段。それが東京モーターショーへの出展だった。

> 当時の東京モーターショーは来場者増を狙うための策として、出展枠を従来よりも拡大していた。そこに杉江ら個人のチームが参加する余地があった。とはいえ出展費用は約600万円。若者たちにとって安い金額ではない。クラウドファンディングで約100万円を集めたが、あとはメンバーの自腹で工面した。それでも出展に踏み切った理由は「楽しみたかったから。遊園地でお金を払う感覚と同じだった」と杉江は振り返る。

> 11年11月、東京モーターショーが開幕した。作業開始からわずか1年。急ピッチで完成させた「WHILL」のプロトタイプは近未来的な外観で来場者の目を引き、国内外で大きな反響を呼んだ。ただ、モーターショーの出展で気持ちを高揚させていた杉江に、ある車椅子会社の創業者が返した言葉が胸に刺さった。「やめておけ。こうしたプロトタイプはたくさんあるが、製品として出ないものが多い。期待させておいて、出さないのは罪だ」

> 杉江は素直に「その通りだな」と言葉をかみしめた。大手企業でも特許を取りながら、世に出していない技術や製品がたくさんある。それではいけない。求めている人がいるのであれば、何としても量産すると決めた。

> 東京モーターショー出展から半年後。開発メンバーであるソニー出身の内藤淳平氏、オリンパス出身の福岡宗明氏らと共に12年5月、新会社を設立。そのときから杉江にとってWHILLの開発は「遊び」ではなく、必ず製品化させるという「覚悟」へと変わった。


> ■退職からわずか3日で中国・南京に

> 会社は立ち上げたものの、プロトタイプ以外は影も形もない。そんな状態から杉江らは製品の開発を進めると同時に、米国に進出、生産と販売の体制も作り上げていく。その突破力の原点は、6年前の放浪の旅にあったと杉江は振り返る。

> 「中国語を学ぶには中国人しかいないところに行けばいい」。09年に日産自動車を退職した杉江は、中国・南京の地に立っていた。日産ではミニバン「セレナ」のデザインを担当した。仕事は面白かったが、自分の力で何かを成し遂げたいという思いを止められなかった。「中国はいずれ世界で大きな力を持つ。世界を味方に付けるには中国に行こう」と考えた。南京に降り立ったのは、退職からわずか3日後だった。

> ビザをどう取るか、仕事や生活はどうするのか。言葉は全く話せない。孤立した環境の中で問題をいかに解決し、生き残るか。そこで杉江はこもらずに行動を取った。学生時代にも打ち込んだボクシングをするために現地のジムに通ったのだ。「直拳(ストレート)」「勾拳(フック)」。現地でまず学んだ言葉の一つはトレーナーが話すボクシング用語だった。

> 現地人になりきって生活しているうちに、なんとか生活が回り出す。大学で日本語教師の仕事も見つかった。ジム仲間とも一体感が出てきた。現地仕込みの言葉も板についてきた。今でも中国語を話すときには現地風のややケンカ腰の口調になる。新しい環境に飛び込み、自分を溶け込ませれば、なんとか解決できるものだと杉江は実感していた。

> ジムの中核選手として現地のボクシングの大会に出場した杉江は、ライトウエルター級の南京チャンピオンに輝く。1年の滞在期間を経て、南京を離れるときには「何で行くんだよ」と仲間に惜しまれるほどだった。


> ■米ショッピングセンターで300人調査

> そんな中国での現体験が、13年3月の米国進出で役立った。米国進出を決めた理由はシンプルに市場が大きいからだ。日本では車椅子の利用者は10万人だが、米国は150万人が利用している。日本と比べてバリアフリー化も進んでいる。

> 米国シリコンバレーのベンチャー向け施設に入居したものの、これまで米国には住んだこともないし、ユーザーのあてもない。であれば自分からユーザーに入り込むしかない。高所得層が集まるショッピングセンターに行き、車椅子に乗っている人、つえをついている人にプロトタイプを見せつつヒアリングを重ねた。その数300人。中国で培った「現地に自ら飛び込む」という根性と折れない精神を再度奮い立たせた。

> ヒアリングの声を集約することで、製品の仕様を徐々に固めていった。乗り降りがしやすいように、プロトタイプでは前面にあったバーをなくしたほか、室内でも動きやすいように全体を小型化した。「見た目だけではだめ。機能性が伴わなければかっこよくはない」。だからこそ四輪駆動とし、前輪にはオムニホイールを採用して走破性を高めた。この点については、ヒアリングでも高い評価が得られた。


> ■走行データを街づくりに生かす構想も

> ヒアリングで寄せられた意見だけでなく、自動車メーカー出身という経歴を持つ杉江ならではのこだわりも盛り込んだ。一般的な電動車椅子は「リビングルームの椅子がそのまま動いているかのような違和感がある」ように見えると杉江は言う。WHILLでは、操作用のコントローラーは体の前方に伸ばして位置している。利用者が手を伸ばし、体が少し前のめりになる。これこそが「自転車や自動車やバイクと同様に人が何かを動かすための姿勢であり、動かしたいという気持ちを駆り立てる」。

> iPhone(アイフォーン)で遠隔操作できる機能も持たせた。将来的には、全地球測位システム(GPS)で移動中の位置を家族が把握できる機能の追加を予定する。WHILLの走行データを自治体に送り、車椅子が走行しやすい街づくりを支援する、といった使い方も視野に入れている。

> WHILLの購入者は「電動車椅子に乗ったことがなく、初めて買う人が多い」。段差が多く、アクセシビリティーが悪いからとあきらめていた人に買ってもらえたという手応えがある。「外出する頻度が増えました」「犬の散歩に行けました」「美術館に行ったんです」。そんな健常者にとって日常の「当たり前」が実現できた喜びの声が、さらなるWHILLの改良に挑む杉江の原動力になっている。

> (電子編集部 松元 英樹)

<参考=「電動車椅子の革命児」(日本経済新聞)>
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