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雑談<NO.184>
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総 合 | 目 録 | 趣意書 |
表題一覧表 |
NO | 表題 | 起稿 | 起稿日 |
雑談NO.185 | |||
1905 | 超望遠1440mm相当の光学60倍ズームCOOLPIX B600が税込送料込29980円(カメラのキタムラ) | 磯津千由紀 | 19/09/14 |
1904 | 令和2年(西暦2020年)には10月と12月に祝日がない | 磯津千由紀 | 19/09/10 |
1903 | 令和元年9月8日(日)~9日(月)台風15号 | 磯津千由紀 | 19/09/08 |
1902 | 「MRJ」改め「スペースジェット」 | 磯津千由紀 | 19/09/07 |
1901 | ”着るこたつ”がワークマンから初登場 「価格破壊」を続ける理由を担当者に直撃(ITmedia、9月6日) | 磯津千由紀 | 19/09/07 |
1900 | 再度の、愛車カローラ、エアバッグ<タカタ>のリコールの件。 | シバケン | 19/09/05 |
雑談NO.183 |
NO.1900 再度の、愛車カローラ、エアバッグ<タカタ>のリコールの件。<起稿 シバケン>(19/09/05)
【シバケン】 2019/09/05 (Thu) 10:38
イヤ、
8月29日、最寄りの、「トヨタカローラ」営業所を通じの、封書で、リコールの件、届いたです。
イヤイヤ、
過日、過年、「単なる雑談」に掲載してるですが。
又かと。
イヤ、
その時、処置した方、対象に、でして。
中身、「トヨタ」の情報では、意味合いわからんですが。別途の、記事で、わかったです。
従前の関連リコールで、
「改善措置により乾燥剤が入っていないタカタ製の新品インフレータに交換したものについて、再度リコールを届出るものとなる。」
さもなくばの、
「今回のリコールでは、助手席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なため、温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがある。このため、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあるというもの。」
まあね。
当方のは、2003年製でして。
とりあえず、古い故、対象台数、亀岡では、僅少かと、思いの、営業所に電話一発、即のし<8月29日>たなら、当面、満員御礼での、直近で、来週<今週の事>、9月5日<木>になるですと。
一番に早くなら、10時也と。
へえも、何も、その直近でと。
さもなくばの、万が一があれば、困る故。
その本日、先刻、10時に、5分前。
最寄りの、営業所に持参したです。
概ねの、所用時間、1時間也の、出来上がれば、電話致しますと。
そですかと、帰宅。
<参考=「単なる雑談NO.133」NO.1598 愛車カローラのエア・バッグのリコールの話>(掲載14/12/19)
<参考=「カローラなどのリコール」(TOYOTA)>
<参考=「トヨタ、タカタ製助手席エアバッグの不具合で「カローラ」「ノア」「アルファード」など計18万1653台リコール 改善措置で乾燥剤が入っていないタカタ製の新品インフレータに交換したものを再リコール」(Car WATCH)>
【シバケン】 2019/09/05 (Thu) 14:50
<副題=交換完了連絡は、10時40分に受電。>
イヤ、
営業所までは、歩いて、概ねの、5分強程度。
引取に行き、戻れば、丁度の、11時でしたです。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/06 (Fri) 02:44
シバケン様、こんばんは。
話、逸れるですが。
> 当方のは、2003年製でして。
> とりあえず、古い故、対象台数、亀岡では、僅少かと、思いの、
当方のスバル・レガシィ・ランカスター6(水平対向6気筒3000cc常時四輪駆動ステーションワゴン)は、2001年式です。
都会では高い駐車費用を捻出できる裕福な人しか自家用車を持たぬ故に車齢が若い自家用車が多いですが、当地のような田舎では車齢20年以上は当たり前田のバターたっぷりクラッカーでして。
マァ、当地に限らず、田舎では、軽自動車が多いですけど。(都会では高い駐車費用を出せるお金持ちしか自家用車を持ってない関係で大きめの自家用車が多いですが、田舎では誰もが自家用車を持ってるです)
其れにも拘らず当方が3000cc常時四輪駆動なのは、自動車が40年以上にわたる趣味(雑誌「自動車工学」をずっと定期購読してる)だからで、実用性だけで選んでないからなのです。燃費がリッター5キロメーターでも、年に5千キロメーターも走りませんので、リッター10キロメーターの車と比べても年間のガソリン代は5万円ぐらい高いだけでして。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/12/17 (Tue) 23:56
追伸です。
2019年の年間走行距離は約2千kmの見込み。
NO.1901 ”着るこたつ”がワークマンから初登場 「価格破壊」を続ける理由を担当者に直撃(ITmedia、9月6日)<起稿 磯津千由紀>(19/09/07)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/07 (Sat) 01:09
こんばんは。
炬燵の置き場所はないし、電気膝掛けでは寒いし、という人に、朗報かと思いきや。実は電熱作業服。
> ワークマンが”着るこたつ”を発売する。同社は9月5日に「2019年秋冬新製品発表会」を行い、新たに展開する商品の展示や詳細な発表があった。
> 中でも注目なのが「Wind Core ヒーターベスト(バッテリーセット)」(税込9800円、以下同)だ。担当者によると、”着るこたつ”とも言える商品で、ベストの中に電熱線が仕込まれている。
> 付属の充電式バッテリーでオン・オフを切り替える。温度は50度、45度、40度の3段階あり、胸部のボタンを押して設定できる。温度によってボタンの色が変わり、バッテリーは最大で17時間ほど持続する。
> 同社が販売している夏用”空調服”のバッテリーとの互換性もあるという。「ワークマンが今一番注目する機能」(担当者)とする「はっ水」加工も施されており、アウトドアシーンでの利用も見込む。
> 「大人気で一部売り切れもあった」(担当者)というフード付きパーカーも、リニューアル。名前も変わり、「ULTIMATE(アルティメット)」から「AERO
STRETCH ULTIMATE(エアロストレッチアルティメット)」(パーカータイプ3900円、ベスト・シャツタイプ2900円)となった。担当者によると、同商品は、主にアウトドアシーンでのカジュアルな使用を想定して企画。想定外の好評を受けて、無地の商品しかなかったところに柄の入った「スピンネイビー」を新開発。また、パーカータイプだけだったところをベスト・シャツタイプも登場させ、さらに選択肢を増やした。裏地にアルミ地を使用し、保湿性を高めつつ、はっ水機能も備えている。
> なぜこんなに安い?
> ヒーターベストも、アルティメットも、高機能な商品でありながら値段が非常に安価なことが特徴だ。特にヒーターベストは、担当者によれば「他社の類似商品は1万円以上のものが多いが、本商品はその半分ほどで提供している」という。
> 同社は価格の安さを1つの武器として捉えており、発表会で登壇した担当者も「値札を見ないで安心して買える価格を」と強調していた。さらには「他社商品の半分、いや3分の1の価格を目指す」と「価格破壊宣言」も飛び出た。発表会と同時に開催した「ファッションショー」でも、モデルが着ていた服は全て合わせても1万円以下で揃えられるという。
> しかし、なぜこんなに安く商品を提供できるのだろうか。担当者に直撃したところ、「ワークマンではとことん値段にこだわっている」との返答を得た。商品を企画する際には、「まず価格ありき」で考えるとのこと。そのため、トレンドの商品や人気となっている商品でも、製造するに際して当初設定した販売価格を超えてしまうような場合には製品化を断念することもあるという。
> こうした「取捨選択」とともに、ワークマンでは定価販売を徹底。過度な安売りをしないことで、利益の確保を行う。さらには無駄な在庫を持たないことで、価格を維持しているという。
> 10月の消費増税でも税込価格をそのまま据え置く「実質値引き」で対応するワークマン。18年に旗揚げした新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の大量出店も予定しており、価格破壊と高機能を売りにさらなる成長を続けられるか。
<参考=「”着るこたつ”がワークマンから初登場 「価格破壊」を続ける理由を担当者に直撃」(ITmedia、9月6日)>
NO.1902 「MRJ」改め「スペースジェット」<起稿 磯津千由紀>(19/09/07)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/07 (Sat) 01:13
こんばんは。
下記の続き。
<参考=雑談NO.690 国産初小型ジェット旅客機:MRJ、主翼結合完了「初飛行へ大きな一歩」(毎日新聞)<起稿14/06/18>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 01:42
<副題=三菱航空機、100機受注へ 総額は約4000億円規模(毎日新聞、9月6日)>
こんばんは。
ようやっと翔びそうです。
> 国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)を開発中の三菱航空機(愛知県豊山町)は6日、70席級の新機種「M100」について、米航空会社メサ航空から100機受注する方向で協議を始めたと発表した。受注が決まれば約3年ぶりで、総額は約4000億円規模になる見通し。納入開始は2024年を予定している。
> メサ航空は、米航空大手から米国の国内線の運航を中心に委託を受けている。使用するカナダ航空機大手ボンバルディアの小型ジェット機が来年生産終了するのを機に、スペースジェットに切り替えるとみられる。(共同)
<参考=「三菱航空機、100機受注へ 総額は約4000億円規模」(毎日新聞、9月6日)>
<消滅・19/09/21>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/12/17 (Tue) 23:24
<副題=三菱スペースジェット「6度目の延期?」現場で何が MRJが世界を飛ぶ日 平野純一(毎日新聞「経済プレミア」、11月2日)>
こんばんは。
百機の受注がキャンセルされたと思ったら、またしても延期の可能性です。
> 三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ=三菱リージョナルジェット)の開発がまたもや遅れている。ANAグループへの1号機納入は2020年半ばの予定だが、これに間に合わせられるかはかなり厳しい状況になってきた。
> 国土交通省や米連邦航空局(FAA)から安全性の証明を得る「型式証明」の取得にいまだに手こずっている。これは本来ならそろそろ取得していなければならない。大きな理由は、追加で投入予定の試験機の製造が遅れているためだ。
> 試験飛行時間は3300時間に
> 三菱航空機はこれまで、4機の試験機をアメリカ西海岸のワシントン州モーゼスレークの空港に送り、試験飛行を重ねてきた。総飛行時間は3300時間に達し、一般に型式証明取得に必要とされる2500時間を大きく超えている。
> ただ三菱航空機は、これら4機の製造後に、飛行制御機器の配置を変えるという大きな設計変更を行った。同社は17年1月、当時の納入予定だった18年半ばを2年遅らせて20年半ば(現在の納入予定)としたが、それがこの設計変更によるものだった。
> だが、新設計による追加の試験機がなかなか完成しない。今年春には6月末までには製造を終え、7月以降には試験飛行に入る予定だった。しかしその後も完成は遅れ、夏には「10月ごろには飛び立てる」に変わり、現在は「完成予定は年明け」にまで延びた。
> 10月31日に記者会見した三菱航空機の親会社・三菱重工業の泉沢清次社長は「試験機の製造が遅れているのは事実。それにともない、型式証明に必要な残りの試験のスケジュールの見直しなど、さまざまな見直しを行っている」と述べた。ただ、「ANAへの納入延期もありうるのか」の質問には「さまざまな見直しを行っている」と述べるにとどめ、明言を避けた。
> しかし、追加試験機の完成が年明けというのでは、それからANAへの1号機納入まで数カ月しかない。状況は極めて厳しくなったと言わざるをえない。再び延期となれば、6回目の延期になる。
> たびたびトラブル発生
> 設計の変更は、機体前方の1カ所に設置していた飛行制御機器を、より安全性を高めるために前方と後方の2カ所に分散配置するというもの。型式証明の取得に精通した外国人技術者の指摘で変更した。これにより、2万3000本あるケーブルのかなりの部分の設計変更が必要になった。
> 製造過程では、新しい設計の電気配線にたびたびトラブルが発生した。三菱航空機関係者は「初期段階では、機器をつないだ際の通電に問題があった」という。電気信号がうまく伝わらなかったというのだ。ケーブルそのものに問題があるのか、それとも別の要因なのか、一から調べ直し、多くの時間を費やした。
> 現在の見通しどおり、追加試験機が20年初に完成したとして、その後しばらくは国内で試験飛行を行った後、アメリカに持っていき、残りの試験を行うことになる。航空アナリストは「これまでにかなりの試験は終わっているので、追加機で行う残りの試験はそう多くはないはず」とみるが、この試験が順調に進まなければ、さすがに6度目の延期を決断せざるをえないだろう。
> MRJ事業は08年に始まり、当初の納入予定は13年だった。それから5回の延期を繰り返し7年遅れているが、それでも、ようやくほぼ最終段階にまでこぎ着けた。関係者は「ここまできたら最後の最後にミスがあってはいけない。とにかく安全が第一。配線の一本一本が間違いないか、念入りに確認するという姿勢でやっている」と話す。いずれにしても、追加の試験機が飛び立たないことには、次の展開は見えてこない。
<参考=「三菱スペースジェット「6度目の延期?」現場で何が MRJが世界を飛ぶ日 平野純一」(毎日新聞「経済プレミア」、11月2日)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/12/18 (Wed) 23:44
<副題=スペースジェット「100機キャンセル」起死回生の道は MRJが世界を飛ぶ日 平野純一(毎日新聞「経済プレミア」、11月12日)>
こんばんは。
遅れれば遅れるほどセールスは大変になります。
先述の百機キャンセルの理由が説明されています。
まもなくライバルが居なくなるという皮算用もあるようですが。
> 三菱航空機が開発している国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)で、また受注契約のキャンセルが出た。米国の地域航空会社トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)が、10月31日、100機の契約を取り消した。受注契約は407機から307機に減り、三菱航空機は一層厳しい状況に追い込まれている。
> 米国の規制をクリアできない
> トランス・ステーツ・ホールディングスは、ANAホールディングスに次いで2番目に受注を得た会社だった。三菱航空機にとっては初めての外国企業からの受注で、2010年の契約以降、機体完成を待ち続けていてくれた顧客なだけにショックは隠せない。
> キャンセルの理由は、現在開発中の「M90」型(標準仕様で88席)が米国内の規制に引っ掛かり、購入したとしても運航できる見通しが立たないためだ。米国には、航空会社とパイロット組合間で結ばれている「スコープ・クローズ」と呼ばれる協定があり、ローカル路線に使う飛行機は、おおむね座席数76席以下、最大離陸重量39トン以下と定めている。
> M90はこの基準をオーバーしている。クリアできるのはM90の後に開発する「M100」型(プレミアムクラスなど3クラス仕様で76席)だ。だが市場に出てくるのは2023年以降になる見通し。ならば、一度解約して仕切り直し、ということになった。
> 三菱航空機の水谷久和社長は「TSHは長年にわたり当社を支持いただいており、今後M100の発注に関する協議を続けていけることを期待している」とコメントしたが、はたして期待通りに事は運ぶのか。
> 日本の市場は100機未満
> 三菱航空機によると、今後20年間の世界の航空機市場で、100席未満のいわゆるリージョナルジェット機は約5000機の需要があると予測している。このうち40%の約2000機が米国市場。次いで欧州14%、中国12%などと予測するが、日本はわずか1%に過ぎない。
> 仮に、日本で2%売れたとしても100機、予測通りの1%台なら2ケタだ。現在、日本の航空会社では、ローンチカスタマー(新型機を最初に購入する航空会社)のANAが25機、JALが32機の計57機を発注している。その他の国内航空会社に売れたとしても、合計は2ケタ止まりだろう。まさにこの数字は三菱航空機自身が出している予測と合致する。
> 結局、スペースジェットの市場として、日本はわずかでしかない。「これまでの投資を回収するには1500機は売らないといけない」(三菱重工業の小口正範副社長)とする中では、海外市場へ積極的にアプローチしていく必要がある。なかでも、最大市場の米国の航空会社に大量に売れる道を作れなければ、事業として成立する見込みは立たないのだ。
> いま受注が取れている307機のうち最大の200機は米国のスカイウェスト航空。ここは何としてもつなぎ留めるとともに、他の米航空会社にも広げなければならない。そのためにも早期のM100の離陸が必要だ。
> ライバルはまもなくいなくなる?
> もちろん三菱航空機としても、米国への売り込みの皮算用はある。
> 現在米国でスコープ・クローズをクリアして飛んでいるローカル路線の飛行機は、ブラジル・エンブラエルの「Eジェット」、カナダ・ボンバルディアの「CRJ」などがある。ただ、どちらも設計としては古くなった。
> エンブラエルはEジェットの後継のE2シリーズを開発中だが、Eジェットより一回り機体が大きく、スコープ・クローズをクリアしていない。ボンバルディアはCRJ事業を三菱重工業に売却したため、受注残の数十機を売って、まもなく製造が終わる。
> つまり、米国市場でスコープ・クローズをクリアする機体は遠からず三菱航空機のM100がメインとなる。「ライバルはいなくなる。M100が出てくれば米国市場を席巻できる」(三菱航空機関係者)というもくろみなのである。
> だから、三菱航空機はM100のコンセプトを6月のパリ航空ショーでいち早くアピールし、開発を急ぐ必要があった。ただその前提は、現在開発中のM90の型式証明を一日も早く取得して市場に出し、次なるM100の開発に注力できる体制を作ることなのは言うまでもない。
<参考=「スペースジェット「100機キャンセル」起死回生の道は MRJが世界を飛ぶ日 平野純一」(毎日新聞「経済プレミア」、11月12日)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2020/01/04 (Sat) 21:14
<副題=7年前に聞いた「MRJは絶対に成功しない」という指摘(日経xTECH、11月20日)>
こんばんは。
元々無理だったという指摘も。「なぜそう設計するか」は、システムエンジニアの基本です。
> 「それは後出しジャンケンだ」と言われれば、甘んじて受け入れなければならない。筆者が今から7年前の2012年にある識者を取材していたとき、たまたま「MRJ」の話題になり、その識者は「MRJは絶対に成功しない」と断言した。MRJは、三菱重工業傘下の三菱航空機が開発を進めている小型旅客機「三菱スペースジェット(Mitsubishi
SpaceJet)」の旧名称である。
> 当初2013年納入を目標としていたMRJは、度重なる仕様変更や三菱スペースジェットへの名称変更を経て、今もなお型式証明取得に向けた試験飛行を続けている。直近では、米国航空業界の労使協定を満たさないことから90席クラスの「SpaceJet
M90」に関する最大100機の受注がキャンセルとなったほか(70席クラスの「SpaceJet M100」への切り替えに向けて協議を継続)、主要サプライヤーの東レが尾翼部品の生産から撤退することも明らかになった(東レによる部材供給は継続)。今後型式証明を取得し、新たな受注を獲得する可能性は残っている。だが、これまでの遅延を考慮すると、仮にそうなったとしても、もろ手を挙げての成功とはいい難い状況だ。
> 上記の発言を聞いた筆者がすぐにMRJに警鐘を鳴らす記事を執筆していれば記者の責務を果たしたと言えるが、それはできていない。理由は幾つか挙げられるのだが、結局は言い訳に過ぎない。それでも、今から得られる教訓があるのではないかと思い、恥を忍んでこの話を記憶の片隅から引っ張り出すことにした。
> 「主体性」が見えない
> 前出の識者がMRJの成功に懐疑的だった論拠はとてもユニークなので、筆者なりに一般化して解釈すると、「複雑・巨大なシステムの全体を設計することと、全体設計に沿ってその一部を設計することは別物であり、部分設計をいくら積み重ねても全体設計はできない」となる。航空機に当てはめれば、サプライヤーとしての実績が豊富でも、それだけで航空機を一から設計できるわけではないということになるだろうか。
> 三菱スペースジェットの苦境が明らかな今となってはありふれた指摘のように思えるが、当時はそうした指摘があまりなく、業界に精通している識者の発言だけに説得力があった。もちろん、三菱重工業や三菱航空機もそのことは覚悟していたと思うが、最近になって競合であるカナダのボンバルディア・エアロスペース(Bombardier
Aerospace)の元幹部を開発責任者に据えたことなどからも、サプライヤーと航空機メーカーを隔てる壁は予想以上に高かった様子がうかがえる。
> 全体設計が部分設計と比べて大変なのは、「なぜそう設計するのか」という明確な根拠を求められるからだ。それは、航空機の型式証明取得が難しい理由とも重なる。サプライヤーとして航空機メーカーに言われた通りに部分を設計していればよかったときとは異なり、自分たちの頭で考えなければならないことが多いのだ。
> 三菱重工業はロケットや鉄道といった輸送機器を手掛けており、複雑・巨大なシステムの全体設計という意味では組織として十分な知見・経験を持っているはずだ。それが航空機に生かされなかったのは残念である。ただし、航空機における知見・経験が十分ではなかったことや、型式証明という業界特有の事情があったこと以上に、MRJ(三菱スペースジェット)からは全体設計に欠かせない「主体性」が見えないのが個人的には気になる。
> 「なぜそう設計するのか」に関しては、解が外部から与えられるわけではないので、自ら主体的に仕様を決め、その根拠を確立する必要がある。同じ国産旅客機ということで何かと引き合いに出されがちな「HondaJet」と比べても、型式証明取得に向けたノウハウ以上に、主体性というマインドセットのところで差を感じる。法規制などへの対応で仕方ない面もあるとはいえ、外部環境によって仕様が頻繁に変わるのは、主体性の欠如によるところが大きいのではないだろうか。航空機という複雑・巨大なシステムに挑戦した三菱重工業や三菱航空機は貴重な知見・経験を得ていると思うが、肝心な主体性がなければそれを今後生かしようがない。
> その点で、筆者は一部企業の“BtoB志向”にも同様の懸念を覚える。BtoBだから全体設計がないということでは必ずしもないが、「売れるかどうか分からないものを企画するよりも、顧客から言われた通りのものを納めている方が確実」という風潮が感じられるからだ。もちろん、そこには主体性というものがない。
> 表面的な分類としてのBtoC / BtoBにかかわらず、誰もが手を付けたがらない全体設計を主体的に手掛けているかどうかが、これまで以上に成否を左右する時代になっている。そして、その主体性を醸成できるかが、組織の命運を分けるのではないか。
<参考=「7年前に聞いた「MRJは絶対に成功しない」という指摘」(日経xTECH、11月20日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ThinkPad T520(Win10Pro64bit)】 2020/01/20 (Mon) 01:26
<副題=MRJ開発遅延の真相、知見不足で8年を浪費 直面した900件以上の設計変更(日経xTECH、12月26日)>
こんばんは。
「自力」で仕様を決めるには三菱航空機の知見が足りなかったようです。
> 「我々のノウハウは、ノウハウではなかった」──。開発が大幅に遅れている三菱航空機(本社愛知県・豊山町)の小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」。開発遅延の理由は、同社社員のこの一言に凝縮されている。
> 三菱航空機は2008年にMRJの開発を開始し、当初設定した納入時期は2013年だった。その後、5度の延期を繰り返し、現在は2020年半ばの納入を予定している。ところが、機体の安全性を国(国土交通省航空局)が証明する「型式証明(TC)」の取得に使う試験機(10号機)の開発が遅れており、「2020年半ばの納入は絶望的」との声が一部で上がる厳しい状況にある。三菱航空機代表取締役社長の水谷久和氏は「進捗状況を見極めており、スケジュールを精査している」と、6度目の納入延期の可能性について言葉を濁す。
> 開発8年目に大幅な設計変更
> 実は、MRJは開発開始から8年目の2016年に大規模な設計変更の必要性に迫られていた。5度目の納入延期を決断した時のことだ。型式証明の取得経験を持つ海外の専門家から「このままでは型式証明を取れない」との指摘を受け、機体のシステムや部品、機能について見直した結果、900件以上の設計変更を余儀なくされたのだ。三菱航空機はこれらの設計変更に2017~19年の3年を費やしている。
> つまり、三菱航空機の設計は型式証明を取得できないものだったのだ。それだけではない。海外の専門家は三菱航空機のそれまでの仕事の進め方をことごとく否定した。製品が市場の要求に最適化されていない。オペレーションについては非効率な業務やプロセス、働き方になっている。さらに、組織は全体的に経験不足であり、中でも重要な役割を担うべき全機統合分野でそれが目立つ──と。製品とオペレーション、組織の全てにおいて三菱航空機はダメ出しを食らったのである。
> 三菱グループでは、三菱航空機の親会社である三菱重工業が米ボーイング(The Boeing Company)向けに翼や胴といったジェット機の重要部品を長年造ってきた。にもかかわらず、開発に着手してから8年もたってこれほどまでの大規模な設計変更を要求されたのだ。一体、三菱航空機は何をしていたのだろうか。
<以下、有料記事>
<参考=「MRJ開発遅延の真相、知見不足で8年を浪費 直面した900件以上の設計変更」(日経xTECH、12月26日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ThinkPad T520(Win10Pro64bit)】 2020/01/24 (Fri) 19:46
<副題=スペースジェット新試験機完成「最終テスト」で米国へ MRJが世界を飛ぶ日 平野純一(毎日新聞「経済プレミア」、1月9日)>
こんばんは。
機器レイアウト等を変えた新試験機、ようやっと完成。しかし、今からでは、初号機の今年納入は難しそうです。
> 三菱航空機が開発中のスペースジェット(旧MRJ)の新試験機(試験10号機)が完成し、1月6日夜、組み立て工場から名古屋空港に移された。
> これまでとは異なる設計
> 試験機の製造は親会社の三菱重工業が担っており、三菱航空機に引き渡した形となる。まだ「MRJ」と大きく書かれた工場から、ゆっくりとトーイングカーに引かれ、向かいの名古屋空港内に入った。10号機は今後、国内で飛行試験を行った後、米国西海岸のワシントン州モーゼスレークの空港に向かい、日米航空当局の型式証明取得に向けた最後の試験が行われる予定だ。
> 10号機は、これまでの試験機とは“まったく異なる”機体といえる。安全性をより高めるため、飛行制御機器を機体の前方と後方の2カ所に分けて配置した新設計で、機器の分散配置の他にもおよそ900カ所におよぶ改良、設計変更を行っている。
> 試験機は、1月7日に燃料を入れ、9日以降、まずは機体最後方にあるAPU(補助動力装置)を動かす試験から始める。APUは、主翼のメインエンジンを止めている時に電源を供給したり、エンジンを始動するのに必要な圧縮空気をつくり出す小型エンジン。APUが正常に動くことが確認できればメインエンジンを回し、地上走行試験の後に初飛行となる。初飛行の時期は「できるだけ速やかに行いたいが、1カ月後くらいではないか」(三菱航空機広報部)という。
> 3年前の苦渋の決断
> 飛行制御機器を2カ所に分散する設計変更は、社内の外国人技術者の「このままの機体では型式証明の取得は難しい」という指摘を受けて16年末に決め、17年1月に発表した。同時に、ANAへの納期を18年半ばから2年延期して20年半ばとした。この決断は「開発の過程で最も苦渋の決断だった」(関係者)という。
> 2カ所に分けた機器を専用のケーブルでつなぐ設計と作業は簡単ではなく、専門の知識を持った技術者にしかできない。2カ所を経由することで配線は複雑になり、それを操縦席、各翼、エンジン、レーダーなど飛行機全体に、できるだけ無駄なく張り巡らせなければならない。ケーブルは約3万本。この設計スキルを持つ技術者は世界でもそう多くはないのだという。
> 実際、10号機の作業も、エアバスの仕事も請け負うフランスの航空部品メーカーに依頼した。三菱航空機に配線専門のチームがつくられ、50人ほどの外国人技術者が設計と配線を行った。
> 「4~5年も待てない」
> 分散配置で設計をやり直すと決めた16年末、フランスの部品メーカーとの交渉で「設計と設置にかかる時間は2年」とはじき出された。ただ、三菱航空機が自前でやろうとすると「4~5年はかかる」と見込まれた。16年までに4回の納入延期を繰り返してきた三菱航空機としては、さらに4~5年は待てない。「2年延長して納期を20年半ばとする」。それが“背に腹は代えられない”三菱航空機としての決断だった。
> エンジニアは、年末年始も大みそかと元日を休んだだけで、最終的な確認作業を繰り返し10号機を完成。水谷久和社長は「日米の航空当局から審査を受けている型式証明の飛行試験は最終フェーズに向け大きく進むことになる。引き続き、型式証明の取得に向け全力で取り組む」とコメントした。
> 16年末の苦渋の決断から3年。当初見込みの「2年で完成」からはかなり遅れたが、新試験機はまもなく離陸する。20年半ばの納期を守れるのか、今後もタイトなスケジュールの中で作業を続けることになる。
> 平野純一
> 経済プレミア編集部
> 1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。
<参考=「スペースジェット新試験機完成「最終テスト」で米国へ MRJが世界を飛ぶ日 平野純一」(毎日新聞「経済プレミア」、1月9日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ThinkPad T520(Win10Pro64bit)】 2020/01/24 (Fri) 22:22
<副題=三菱スペースジェット納入延期へ 6回目 受注キャンセル懸念も(NHK、1月24日)>
こんばんは。
案の定、また延期です。
> 国産初のジェット旅客機、「三菱スペースジェット」の開発を進める三菱航空機は、「ことし半ば」としていた初号機の納入時期を来年以降に延期する方針を固め、来月上旬に明らかにする見通しとなりました。電子機器の不具合の可能性から、設計を変更した試験機の完成が遅れたほか、機体の安全性を証明する国の審査に時間がかかるためで、延期は6回目となります。
> 国産初のジェット旅客機、「三菱スペースジェット」は、ことし半ばの初号機の納入を目指し、機体の安全性を証明する国の「型式証明」を取得するための飛行試験などをアメリカで行っています。
> 関係者によりますと開発を進める三菱航空機は、電子機器に不具合がある可能性があるとして、設計を変更した新たな試験機の完成が遅れたことや、型式証明を取得する国の審査に時間がかかっていることなどから、初号機の納入を来年以降に延期する方針を固めました。
> 納入延期は、親会社の三菱重工業が来月上旬に開く去年10月から12月までの決算の記者会見で、明らかにする見通しです。
> 初号機の納入延期はこれで6回目となり、当初、計画していた2013年から大幅に遅れることになります。
> 「三菱スペースジェット」は、イメージを一新するため、去年、「MRJ」から名前を変えたばかりですが、6回目の延期によって、受注のキャンセルが出ることも懸念され、今後、開発のスピードをあげられるかがこれまで以上に厳しく問われることになります。
> 相次ぐ納入時期の延期 予断許さず
> 三菱スペースジェットはプロペラ機「YS-11」以来、半世紀ぶりの国産旅客機として注目を集めて来ました。
> 初号機は当初、2013年に全日空に納入する計画でしたが、機体の設計の見直しや開発のトラブルなどでその時期がこれまで5度にわたって延期されました。
> 去年3月からは機体の安全性を担保する国の「型式証明」を取得するため、アメリカで飛行試験を行ってきましたが、ここでも電子機器に不具合の可能性があることが分かり、設計を変更した最新の試験機は今月になってようやく完成しました。
> この結果、安全性の確認になお時間がかかる見通しになり、納入時期の6度目の延期を余儀なくされることになりました。
> 開発にあたっている三菱重工業の子会社、三菱航空機は去年6月、これまでのイメージを一新するため航空機の名称を「MRJ」から「三菱スペースジェット」に変えて販売の強化を図ってきました。
> また、航空会社に納入したあとを見据えて三菱重工業は去年6月にカナダの航空機メーカー、ボンバルディアからメンテナンス事業などを買収することも決めました。
> 一方で、去年10月には、アメリカの中西部ミズーリ州に本社を置く地域航空会社、「トランス・ステーツ・ホールディングス」と結んだ100機を納入する契約が解消されました。
> 契約していた90席クラスの機体がアメリカの地方路線で定められた座席数の上限を超え、運航できない見通しになったためです。
> 三菱航空機は、開発中の90席クラスの機体とは別に、主力市場のアメリカを中心に需要が見込まれる70席クラスの機体の開発も進めていますが、相次ぐ納入時期の延期で今後の開発が順調に進むか、予断を許さない状況が続いています。
<参考=「三菱スペースジェット納入延期へ 6回目 受注キャンセル懸念も」(NHK、1月24日)>
<消滅・20/02/28>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ThinkPad T520(Win10Pro64bit)】 2020/06/04 (Thu) 13:44
<副題=コロナ禍で“冬眠”へ>
こんにちは。
新型コロナ禍で足踏みです。
> 三菱重工業は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、子会社で「スペースジェット」(旧MRJ)を開発する三菱航空機の人員を大幅に削減する。海外拠点2カ所も閉鎖し、開発体制を縮小する。スペースジェットは「2021年度以降」のANAグループへの1号機納入に向けて、今年は型式証明の取得など「最後の仕上げの年」となるはずだったが、新型コロナが行く手を阻んでいる。
> 人員を縮小し量産体制を停止
> スペースジェットの今年度の開発予算は600億円程度で、昨年度から半分以下になった。「開発予算が大幅減になった以上、それに見合う形で人員も考えていかざるをえない」。三菱航空機関係者はそう語る。現在、1700人いる社員をどのような態勢にするのか、計画を策定中だ。また、今年中にも型式証明が取れることを見越して量産体制の構築も進めてきたが、これも一時停止する。
> 閉鎖する海外の2拠点は、米国ワシントン州のシアトル近郊レントンにある三菱航空機米国本社と、カナダ・モントリオールの事務所だ。本社機能は試験飛行を行っている米ワシントン州モーゼスレークの空港の事務所に移す。
> つまるところ、スペースジェットの事業は一時「冬眠」に入ることになる。最低限の陣容だけを残して、「コロナ禍」が収まるのを待つしかなくなった。
> 極めて厳しい航空業界
> ただ、航空業界が置かれた環境は極めて厳しい。国際航空運送協会(IATA)は、国際線の旅客需要がコロナ前の19年の水準まで戻るのは24年との見通しを示した。日本航空(JAL)、ANAともに、国際線約9割、国内線約7割の運休・減便が続いており、事業に相当なダメージを受けている。タイ国際航空やオーストラリアのヴァージン・オーストラリア航空がすでに経営破綻。大手航空会社でも緊急のつなぎ融資や、政府の支援を求めている。
> 当然ながら航空機メーカーも厳しい。ボーイングは20年1~3月期、最終損益が約6億2800万ドル(約670億円)の赤字だった。4~6月期はもっと厳しくなることが予想される。大型機の777はこれまでの月産4.5機から21年は3機に減産。中型機の787は月産14機を年内に10機に減らし、さらに22年には7機へと半減させる。人員も1割削減するという。
> ボーイングですら大ピンチの中、まだ売れる機体もない三菱航空機が体制を縮小するのは当然かもしれない。
> 三菱重工は20年3月期にスペースジェットの会計上の資産価値をゼロに落した。21年3月には、買収したカナダの航空機メーカー・ボンバルディアの小型機「CRJ」事業も、資産価値の目減りを会計上に反映する減損を最大700億円計上する予定だ。「当面、スペースジェットで収益が見込めない以上、減損処理は妥当な処理と考える」と格付け会社S&Pグローバル・レーティングの吉村真木子主席アナリストは話す。スペースジェット事業が厳しい局面にあることを物語る。
> 見通せない航空機需要
> 問題は、今後も年間数百億円の費用がかかる三菱航空機を、三菱重工がどこまで支えられるか、そして今後の航空機需要がどうなるかだ。
> 三菱重工は21年3月予想で、新型コロナによる収益の悪化を1400億円と見込むが、事業(営業)利益は2年連続の赤字にせずに何とかゼロにもっていく方針だ。同社にとって痛いのはボーイングの減産だ。三菱重工は777の後部胴体、787の主翼という主要部品を製造している。「ボーイングの減産に加え、安定した収益を出していた自動車用ターボチャージャーやフォークリフトなどもコロナの影響を受けるとみられ、収益悪化要因がかなりある」とS&Pの吉村氏は見る。
> 一方の航空機需要は、新型コロナ問題がいつ収束するかによるので、現時点の予測は難しい。
> 三菱航空機は昨年、今後20年間の世界の航空機市場で、100席未満の小型機の需要は約5000機と予測した。年間250機だが、この見直しも必要だ。また、コロナ問題が収束しても、人の移動が減ることが「ニューノーマル」になれば、航空機需要そのものが大幅に減るかもしれない。航空アナリストの鳥海高太朗さんは「確かに当面、航空会社が新規に航空機を買う余力は限られるだろう。ただ、国際線より国内線の方が早く戻るので、大型機より小型機の方が影響は小さい。スペースジェットに関して今できることは早く型式証明を取り、市場の回復を待つことだ」と話す。
> 三菱重工は自身の収益力と航空市場の動向を見ながら、さまざまな判断を下していくことになる。
> 平野純一
> 経済プレミア編集部
> 1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。
<参考=「MRJが世界を飛ぶ日:苦境の「三菱スペースジェット」コロナ禍で“冬眠”へ」(毎日新聞経済プレミア、6月4日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ThinkPad T520(Win10Pro64bit)】 2020/06/16 (Tue) 00:07
<副題=開発体制を大幅に縮小 従業員半数以下に>
こんばんは。
新型コロナ禍での体制縮小内容が公表されました。
> 国産初のジェット旅客機、「三菱スペースジェット」の開発を進める「三菱航空機」は従業員を半数以下に削減するなど、開発体制を大幅に縮小すると発表しました。業績の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今後の航空機の需要が不透明になっているためです。
> 発表によりますと「三菱航空機」は、国内外におよそ2000人いる従業員を半数以下に削減するほか、海外に3か所ある拠点のうち、アメリカ・ワシントン州にある飛行試験の拠点を除く2か所を閉鎖し、「三菱スペースジェット」の開発体制を大幅に縮小するとしています。
> また、すでに飛行試験を行っている90席クラスの機体は、量産機の製造を先送りにするほか、今後、主力として開発を予定していた70席クラスの機体の開発も当面、見合わせる方針です。
> これは、業績の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今後の航空機の需要が不透明になっているためで、親会社の「三菱重工業」は、「三菱スペースジェット」の今年度の開発費を従来の半分程度に減らす方針を決めています。
> 開発体制の縮小で、「2021年度以降」としていた初号機の納入は見直しが避けられない情勢で、国産初のジェット旅客機の開発計画は正念場を迎えています。
<参考=「国産ジェット旅客機 開発体制を大幅に縮小 従業員半数以下に」(NHK、6月15日)>
<消滅・20/07/20>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/09/27 (Sun) 14:46
<副題=三菱スペースジェット「おカネがなくて飛べない」(毎日新聞経済プレミア、8月7日)>
こんにちは。
試験飛行等の開発がストップしてる由。
> 新型コロナウイルスの感染拡大で、三菱スペースジェットの開発は事実上の中断に追い込まれている。6月以降、三菱航空機が持つ試験機はすべて試験飛行を行っていない。大きな理由は開発費の制約があるからだ。航空当局から安全性の承認を得る「型式証明」を早期に取得したい考えは変わらないが、試験飛行ができなければ、いったん立ち止まるしかない。
> データの再検証などを優先
> 現在、飛行できる試験機は、米国の拠点・ワシントン州モーゼスレークの空港に4機、名古屋空港に1機の計5機がある。ただ、米国の4機は古い設計によるもの。名古屋空港にある試験機(10号機)は、飛行制御機器の配置を変更して1月に完成した新型機だ。型式証明を取るためには10号機の試験飛行を繰り返す必要がある。
> 新型コロナ問題が起きる前、三菱航空機は10号機を早期に米国に送り、型式証明の取得を急ぐ構えだった。しかし、新型コロナの感染の広がりで経由地の空港が使えなくなり、米国行きを断念せざるをえなくなった。
> さらに、コロナの影響で親会社・三菱重工業の収益も悪化し、今年度の三菱航空機の開発費は600億円と前年度の半分程度になった。人員も大幅な削減を余儀なくされており、資金的な余裕はまったくない。
> そこで当面は多額の経費がかかる試験飛行を行わず、地上で事務的にできる作業を優先するという判断になった。つまるところ、スペースジェットの試験機はおカネがないので飛べない状態なのだ。技術者は、これまでの計3900時間の試験飛行で積み上げたデータの再検証や、国土交通省と米連邦航空局に提出する書類の精査などを行っている。三菱航空機は「限られた予算の中で最適の判断をした結果」としている。
> 三菱重工は四半期で過去最大の赤字
> データの検証はもちろん重要だが、試験飛行が行えなければ、型式証明にはたどり着けない。ただ、この状況は簡単に変わりそうもない。8月3日に発表された三菱重工の2020年度第1四半期決算は、最終(当期)損益が579億円の赤字(前年同期は163億円の黒字)で、四半期で過去最大の赤字となった。
> 特に、同じく新型コロナで大きなダメージを受けているボーイング向けの部品納入は前年比で半分以下という厳しさだった。三菱重工は、B777の後部胴体、B787の主翼を製造している。777の後部胴体は、19年度第1四半期の16基が20年度第1四半期は6基、787の主翼は43基が18基と、いずれも半分以下に落ち込んだ。
> 決算記者会見で小沢寿人最高財務責任者(CFO)は「第1四半期が底だと見ている」としたが、航空アナリストは「コロナ問題が長引けば、第2四半期以降も大幅減が続く可能性がある」とみる。
> その他、民間航空機向けエンジン事業、自動車向けのターボチャージャーなども苦戦。プラント・インフラ事業、物流機器などを含め、ほぼすべての事業分野で売り上げ、事業(営業)利益ともに前年同期比で減少した。
> 第1四半期の三菱航空機の開発費は約200億円だった。今年度の600億円の3分の1を使った計算になる。残り3四半期で400億円だが、三菱重工の収益が急速に回復することは見通せず、今年度内に試験飛行再開のメドは立たないのが実態だろう。
> 「ワールドドリームチーム」でなくなった
> 三菱航空機の人員削減は「正社員は配置転換などに応じてもらい、契約社員は契約の終了をお願いする形で進めている」(小沢氏)という。最高開発責任者を務めていたアレックス・ベラミー氏が6月末で退任したのが象徴的だったが、今後も毎月の月末を区切りに、退職、異動などで削減が続くという。
> そのような中、ベラミー氏退任後の7月初め、三菱航空機のホームページの幹部紹介欄にちょっとした変化があった。6月末まで紹介していた幹部社員は22人。そのうち外国人社員はベラミー氏をはじめ13人。日本人は水谷久和会長、丹羽高興社長以下9人で外国人の方が多かった。それが7月以降は日本人ばかりの6人となった。
> 水谷氏はかつて、「三菱航空機には多くの外国人技術者が国籍関係なく集う。われわれはワールドドリームチームだ」と語っていた。しかし現在のホームページが示すように、少なくとも表看板は「ワールドドリームチーム」ではなくなってしまった。
> コロナ禍で漂流するスペースジェット。再び日本人中心に縮こまってしまった三菱航空機。開発の行く手はまだ見通せないでいる。
> 平野純一
> 経済プレミア編集部
> 1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。
<参考=「三菱スペースジェット「おカネがなくて飛べない」」(毎日新聞経済プレミア、8月7日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/10/23 (Fri) 00:48
<副題=三菱国産ジェット事業凍結へ 開発費巨額に、コロナで需要消滅(共同通信社、10月22日)>
こんばんは。
とうとう・・・
> 三菱重工業が国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発費や人員を大幅に削減し、事業を凍結する方向で最終調整していることが22日、複数の関係者への取材で分かった。新型コロナウイルスの流行が直撃し、納入先の航空会社の需要回復が当面見込めないと判断した。巨額の開発費を投じ、官民で約半世紀ぶりの国産旅客機を目指したが、ノウハウ不足で6度納期を延期していた。国の産業政策にも大きな打撃となりそうだ。
> 30日に発表する中期経営計画で詳細を説明する。今後は航空需要の動向を見ながら、事業を再開するかどうかを検討するとみられる。
<参考=「三菱国産ジェット事業凍結へ 開発費巨額に、コロナで需要消滅」(共同通信社、10月22日)>
<消滅・21/10/26>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/10/24 (Sat) 02:40
<副題=官民挙げた国産ジェット機「離陸」できず 三菱ジェットはなぜ凍結されたのか(毎日新聞、10月23日)>
こんばんは。
凍結に至る経緯です。此れまでの投稿と重複が多いですが。
> 三菱重工業は、国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の事業を凍結する。相次ぐトラブルで納入延期を繰り返すうちに、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に航空需要が減少。受注が見通せなくなったのが要因だ。官民を挙げて取り組んできた国産ジェット機事業は、“離陸”できないまま見直しに追い込まれた。
> 乏しい知見と甘い見通しで納期6度も延期
> 「親会社の三菱重工からは、まだ何も聞かされていない」。三菱重工の子会社でスペースジェットの開発を担う三菱航空機(愛知県豊山町)の男性社員は、事業の凍結の報道に言葉少なにそう語った。
> 新型コロナによる航空需要の激減などを受け、三菱重工は30日に発表する中期経営計画にスペースジェットの開発費の大幅削減を盛り込む見通しだ。しかし、事業はコロナ前からすでに行き詰まっていた。
> 三菱重工が国産ジェット機の事業化を決定したのは、2008年にさかのぼる。戦後初のプロペラ旅客機「YS11」が1973年に生産を停止して以来、約半世紀ぶりの国産旅客機として、日本の航空機産業を育成する目的から大きな期待が寄せられた。
> 当初は13年に全日本空輸(ANA)への初号機納入を予定していた。しかし、運航に必要な「型式証明(TC)」の取得に取りかかった段階で、欧米の安全基準を満たすため設計変更などを余儀なくされ、これまでに納期を6度も延期した。
> 開発遅れの背景には、機体の開発や製造に関する知見が乏しいことや、事業全体の見通しの甘さがある。三菱重工は米ボーイング社の航空部品の製造を請け負っているが、ジェット旅客機を設計段階から自社で行った経験はなかった。約100万点に上ると言われる部品の品質保持など製造工程の管理に加え、世界の最新の安全に対する知見を反映させて柔軟に対応するノウハウに乏しく、米国で試験飛行を始めた後の17年には900件以上の設計変更が必要になった。
> 三菱航空機は経験豊富な外国人技術者を増やしたほか、経営トップを交代。19年6月には名称をMRJからスペースジェットに変更してイメージ刷新を図った。だが、最新の設計を反映させた試験機が完成したのは20年1月になってからだった。翌2月に6度目の納期延期を表明したが、その際には「21年度以降」と延期の期限を設けることすらできない状況に追い込まれた。
> そこにコロナ禍が直撃した。三菱航空機は、TC取得に向けた最終段階の飛行試験のため最新の試験機を今春に米国へ移す予定だった。しかし、感染拡大で渡航制限がかかり、機体は現在も愛知県営名古屋空港に置かれたままだ。米国で実施していた飛行試験も中断。TC取得のめどは立っておらず、5、6月には北米2拠点の閉鎖と人員や開発費を半減させる方針を決めた。
> 三菱航空機は、現在開発している90席級の「M90」のほか、最大市場の米国の規制に対応するため一回り小さい70席級の「M100」の開発を目指している。さらに、100席級の機体「M200」を開発する構想もあるが、それらも立ち消えになる可能性がある。【田口雅士】
> コロナ収束見通せず再開へ道のり厳しく
> スペースジェットの事業凍結が23日に明らかになり、梶山弘志経済産業相は同日の閣議後記者会見で「YS11以来、半世紀ぶりの(国産旅客機)事業として重要なプロジェクトであり、引き続き関係者の尽力に期待したい」と事業再開への期待感を示した。
> 三菱重工は5月に開発スケジュールの見直しと今期の開発費半減を表明。事実上、事業は既にストップしているが、これまでに1兆円規模の資金を投入してきただけに、TCの取得に向けた研究だけは継続する方針だ。新型コロナ禍で失った航空需要の回復を待って、本格的な再開を目指すとしている。
> しかし、世界的にコロナ収束の見通しはまったく見えず、再開への道のりは厳しい。三菱航空機が最大市場と期待する米国では、小型旅客機が運航される国内路線が大きな打撃を受けており、ブラジルのライバルメーカー、エンブラエルも人員削減を発表している。日本の国内路線は旅行需要を喚起する「Go Toキャンペーン」で回復の兆しが出ているものの、スペースジェット25機を納入する予定のANAホールディングスは21年3月期に5000億円規模の最終(当期)赤字に転落する見通し。保有機体の削減など、抜本的な事業構造改革を迫られている状況だ。
> 三菱重工本体の業績も新型コロナの影響で大打撃を受けている。20年3月期はスペースジェットの損失計上で、営業損益は20年ぶりに295億円の赤字に転落。21年3月期は営業利益、最終(当期)利益ともゼロの見通しだが、カナダの大手航空機メーカーの事業買収で最大約700億円の損失を計上するなど、スペースジェット開発が引き続き収益を圧迫する構図は変わっていない。米ボーイングからの部品需要も減少するなど厳しい状況だ。主力事業の火力発電事業も工事が先延ばしとなる可能性があり、社内から「経営状況は厳しく、新型旅客機に大きな資金をつぎ込む余裕はない」との声が上がる。
> 巨額資金が必要なスペースジェットは、経産省が旗振り役となって官民一体で進めてきた事実上の国策プロジェクトでもある。YS11以来の国産旅客機として、国はこれまでに約500億円の公費を投じ、先進的な操縦システムや機体の軽量化につながる炭素繊維材料の技術開発などを補助してきた。
> こうした製品開発は、鉄道や自動車などの輸送機器の性能向上にもつながると期待され、産業界全体の活性化を目指す狙いもあった。それだけに政府は今も事業再開には肯定的な立場だが、コロナ禍での厳しい状況に経産省幹部は「これだけ金をつぎ込んでおり、凍結と言われてもしょうがない」と複雑な思いだ。
> 航空アナリストの鳥海高太朗氏は「航空各社の業績が厳しい中、納入遅れに伴う受注キャンセルと違約金支払いの話が出てくるだろう」と指摘。政府関係者からも「事業再開は相当厳しい」との見方が出ている。【加藤美穂子、山下貴史、小坂剛志】
<参考=「官民挙げた国産ジェット機「離陸」できず 三菱ジェットはなぜ凍結されたのか」(毎日新聞、10月23日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/11/06 (Fri) 14:53
<副題=三菱スペースジェット開発遅れ「技術の過信」がアダに(毎日新聞「経済プレミア」、11月6日)>
こんにちは。
失敗譚から学べることは多いものです。
> どうなるスペースジェット(2)
三菱重工業の泉沢清次社長が10月30日、スペースジェットの「開発中断」を発表した時、「スペースジェットの技術については、それなりの評価をいただいていると考えている」と述べた。
> エンブラエル社(ブラジル)のライバル機と比べると、スペースジェットの性能は勝っている。乗客数がほぼ同じスペースジェット「M90」とエンブラエル「E175-E2」では、重さはスペースジェットが約10%軽く、離陸に必要な滑走路の距離も300メートル短い。
> しかし、エンブラエルの「E2」は2013年に開発を始め、そのシリーズの「E190-E2」は5年後の18年に「型式証明」を取得した。「E2」は元々ある「E」ジェットの発展形で、ベースとなる機体があるため、5年で取れたとはいえる。だが、開発を始めて12年たっても型式証明を取れないスペースジェットは、やはり時間がかかりすぎの批判は免れないだろう。
> プライドが高いエンジニア
> 良い機体は作れたとしても、型式証明は取れない――。そこに航空機メーカーとしての彼我の差を思い知ったのが、三菱航空機の12年間の歴史でもある。
> 水谷久和・三菱航空機会長は以前、「三菱重工はYS11をつくり、今はボーイング機の主翼や胴体をつくっているが、完成機はまだつくれない。個々の技術に優れているだけではダメで、全体最適、全体設計ができるところにノウハウがある」と話した。
> 航空機の開発を行う以上、開発のゴールは型式証明の取得だ。それは最初からわかっていたこと。しかし、試験機の初飛行時(15年11月)のチーフエンジニアの岸信夫氏はかつて「最初から型式証明をもっと意識して設計を重ねていればよかった」と話したことがある。
> 航空アナリストは「三菱重工は『我々が技術で負けることはない』というプライドの高いエンジニアが多い。プライドが邪魔をして、先輩の航空機メーカーから学ぶことをしなかったのでは」と見る。
> 首をかしげたくなる設計変更
> そんな“独自路線”の設計が、1号機を受け取る開発パートナー(ローンチカスタマー)のANAからの要請で変更になったことがある。ANAは航空会社の立場から、使いやすい設計になるようにアドバイスをしている。
> たとえば、機体後方にある貨物室のドアは、最初は横側に開く設計になっていた。しかし、作業員は荷物の出し入れをする際に、ドアの横に立って作業をするため、ドアにぶつかってしまう可能性もある。そこでANAの要請で上側に開く設計に変えた。
> また、操縦席の計器で、エンジン関係の計器は通常2人のパイロットの真ん中の1カ所に表示されるが、最初はそれぞれのパイロットの外側に2カ所に分けて表示される配置になっていた。これもANAのパイロットから「他機と異なって見づらい」との指摘で、真ん中に変更になった。
> 小さなことかもしれないが、日々運航に携わる人から見たら、首をかしげたくなるような設計があった。
> 情報収集の大切さが骨身に染みてわかった
> そして、開発から8年もたった16年に、外国人技術者の指摘によって、重要な設計変更が必要になった。当時の試験機は飛行制御機器を1カ所に積んでいたが、これでは安全性の不足から型式証明は取れないことを指摘され、機器を2カ所に分けケーブル2万3000本の配線を設計し直した。これにより、納入は18年半ばから20年半ばへと5度目の延期となった。
> この納入延期を17年1月に発表した宮永俊一・三菱重工社長(現会長)は「開発前の情報収集やリスク分析の重要性が骨身に染みてわかった」と述べた。
> 開発の過程ではさまざまな設計変更は当然ありうる。やってみて初めてわかることも多くあるだろう。だがそれにしても、スペースジェットの開発は、必要以上に回り道をしたのではないか。(続く)
<参考=「三菱スペースジェット開発遅れ「技術の過信」がアダに」(毎日新聞「経済プレミア」、11月6日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/11/20 (Fri) 00:47
<副題=誰も責を負わない 三菱スペースジェット失敗の本質(日本經濟新聞会員記事、11月18日)>
こんばんは。
一時凍結か撤退かはっきりしないままのようです。
> 歯切れの悪い会見だった。2020年10月30日、三菱重工業がオンラインで中期経営計画「2021事業計画(21~23年度)」を発表。注目はもちろん、事前に「事業凍結」の情報が流れた国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット」事業の先行きである。
> 最大の関心は、ビジネスとして事業化するか否か。すなわち、今後同社がスペースジェットの量産をどうするかにあった。だが、報道陣が懸命に食い下がる中、とうとう最後まで泉沢清次社長からこの問いに対するはっきりとした回答が得られなかった。
≫ 【関連記事】
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≫ 三菱ジェット、1兆円空回り 凍結まで6度延期
> この会見の1週間ほど前の10月22日夜から、スペースジェット事業の中断についてメディアはこぞって「事業凍結」と報じたものの、三菱重工は沈黙を貫いていた。この事業凍結という言葉が曖昧だ。
> 凍結ということは、いつか「解凍」し、量産にまで持ち込むのか。それとも、開発からの事実上の撤退宣言なのかがはっきりしない。この点が会見で明らかになることを期待したのだが、泉沢社長の説明は「いったん立ち止まる」と、依然として曖昧なままだった。
> ■撤退も選択肢か? 「仮説に回答しても意味がない」
> 本当に立ち止まるだけならば、新型コロナウイルス感染症の収束後に量産に向けて開発を再開させると捉えるのが普通だろう。しかも、泉沢社長は「この(立ち止まっている)間、再開のための事業環境の整備に取り組む」とも発言したのだ。
> ところが、「航空機需要が回復しないときは撤退か」との記者の質問に、同社長は「市場の回復などについては、今の段階ではその状況をみていく。それ以降の事業の展開は、今のところはその状況次第」と回答した。
> これを受けて「市場状況を見て、回復がなければ撤退も選択肢の1つか」と畳みかけた質問には、「事業の状況についての仮説に対して今ここで回答しても、あまり意味がないと思う。少なくともこれまで培った技術を今後どのように生かすのか、それはしっかりと考えていく」(泉沢社長)と答えるにとどめたのだ。
> スペースジェットの量産に関する質問に対して、泉沢社長の的を射ない答弁は続く。三菱重工は20年2月に量産初号機の納入時期を21年度以降に延期(6回目の延期)し、20年5月の20年3月期決算発表時には、開発スケジュールの精査を行うと発表していた。
> この背景を踏まえて、改めて記者から初号機の納入時期の予定について聞かれると、泉沢社長は「納入時期については、現段階では新たな設定をしていない」と回答。さらに、「量産の時期はいつか」という核心を突いた質問には、「開発をしてから量産。開発スケジュールの話をしていないので、量産の時期についても触れて(決まって)いない」と答えたのである。
> 会見後、三菱重工広報部に「いったん立ち止まる」という言葉の真意を確認した。その結果はこうだ。
> これまで三菱重工は多額の資金を投じ、スペースジェットの開発を進めてきたが、今後は投資額を圧縮する。開発を断念したわけではなく、型式証明の取得に向けた文書の作成作業は継続する。ただし、大きな費用がかかる飛行試験は行わない。
> これからは従来とは異なり、あらかじめスケジュールを設定して開発を進めることをやめ、開発を大幅にスローダウンさせる。その先にある量産についてまでは考えることができていない──。
> 三菱重工は今、経営的に大きな課題を抱えている。
> ■「開発は大幅にスローダウン」
> 「既存事業が成熟化しており、価格競争の激化とスペースジェットプログラムの遅れ、成長投資の不足などにより、成長の停滞や収益力の悪化に直面」(泉沢社長)しているのだ。
> ここに新型コロナの世界的なまん延が直撃。特に民間航空機事業の「構造的な落ち込み」(泉沢社長)があり、同社は大幅なリストラを避けられなくなった。結果、リストラの大なたを振るわれたのが、スペースジェット事業だったというわけだ。
> すさまじいまでのリストラである。スペースジェット事業に投じる資金を、わずか5.4%に絞り込む。
> 三菱重工は前回の中期経営計画「2018事業計画(18~20年度)」の3年間で、スペースジェットの開発に3700億円を投じた。これを次の中期経営計画(2021事業計画)の3年間では200億円にまで圧縮する。実に、94.6%もの削減だ。
> こうして抑えた費用を、同社は成長領域と位置付けるエナジートランジション(カーボンニュートラルの推進)やモビリティーなどの新領域に振り向けるという。
> ■型式証明を取れるのか
> 客観的にみて、これはスペースジェット事業からの「事実上の撤退宣言」だろう。開発は「諦めない」(三菱重工)とはいうものの、1年当たり70億円に満たないわずかな費用では、飛行試験機(試作機)を使った飛行試験はもちろん、量産機の設計や量産ラインの構築など到底できない。
> 確かに、型式証明の文書作成業務は続けられるだろう。だが、肝心の「いつ取得できるのか」という問いに、三菱重工は「今ここで、いつと話せる状況にはない」(泉沢社長)、「取得期限は定めない」(広報部)と回答。「ゴールまで何合目か」と進捗状況を聞いても「何合目とは言えない」(同社広報部)。これでは、型式証明の取得すら難しいのではないか。
> 同社は機体の技術力には胸を張る。試作機で「既に3900時間の飛行をしている」(同社長)からだ。確かに、一からここまで開発したのだから見事と言うべきだろう。
> ところが、型式証明の取得に泣いた。これには民間航空機開発の実務経験を通じて得た知見が必要だ。その知見を持たない三菱重工は、海外から専門家を呼び寄せたが、それでも型式証明は取れなかった。
> そして、20年の大幅な人員削減により、その専門家の多くが同社を去っている。知見を持つ人材が少ない中で、果たして型式証明の取得を完遂できるのだろうか。
> しかも、型式証明の取得は一筋縄ではいかない。欧米の安全性基準を作成するコミッティー(委員会)に参加する必要があるが、三菱重工も日本の国土交通省航空局も参加できなかったという。
> 背景には政治的な色彩も帯びる。「欧米の航空関連業界は日本企業の民間航空機市場への参入を快く思っていない」という声も業界関係者からは聞こえてくる。三菱重工にとって、型式証明の取得に立ちはだかる壁は決して薄くない。
> ■決断の先延ばしではないのか
> 三菱重工は型式証明の作成作業をもって開発の継続と説明するが、本来はその取得が開発のゴールではない。型式証明は商業運航に必要な認証にすぎない。
> 目標はあくまでもスペースジェットを量産に持ち込み、相応の利益を生み出してビジネスとして成功させることにあるはず。ところが、先の通り三菱重工は量産化について言葉を濁す。
> なぜ、はっきりと言わないのだろうか。開発を諦めないのであれば、量産の条件や目標時期を示すべきである。量産化を断念するのであれば、事業から撤退するとはっきりと宣言すべきではないか。
> スペースジェット事業には、既に1兆円規模の費用が開発につぎ込まれているといわれる。大手商社やトヨタ自動車といった外部の企業も出資した。スペースジェットの量産を見込んで設備投資に踏み切った部品メーカーもある。エアライン(航空会社)は既に約300機を発注している。そして何より、国からも約500億円の補助金(税金)が投入されているのである。
> このように、さまざまなステークホルダー(利害関係者)を巻き込んでいるにもかかわらず、「開発はやめないが、量産については分からない」「市場の状況次第」とは、単なる決断の先延ばしではないのか。これまで6回にわたって繰り返してきた初号機の納入時期延期で見せた、同社の納期や時間に関するマネジメントの「甘さ」がここでも露呈していると言わざるを得ない。
> 「(はじめに)スケジュールありきで開発を前に進めるということについては当面控える」と泉沢社長は語ったが、開発スケジュールを明確に決めずに、「国産初のジェット機」という開発の難しい製品を量産に持ち込める日が来るとは思えない。
> さらに言えば、21年度からの3年間、飛行試験を1度も行わず機体開発を中断する「長いブランク」を経て、市場が回復したらすぐに量産機の設計や生産に移行できるほど、民間航空機の開発は甘くはないはずだ。それなのに「開発を諦めない」などと言って、社内外にいたずらに期待を持たせるのは、あまりにも無責任ではないか。
> 当然だが、受注済みの約300機の納入時期についても三菱重工は見通せておらず、これについて同社は「顧客と協議する」(同社広報部)と言う。この結果次第では賠償金の支払いを余儀なくされる可能性がある。部品メーカーとも「これから話し合う」(同社広報部)と言う。
> 税金までつぎ込まれたスペースジェット事業を大幅リストラし、量産についてもうやむやにした三菱重工。その経営責任について記者から問われた泉沢社長は、「開発が遅れていることについては大変申し訳ないと思っている」とわびる一方で、こう回答した。「都度の判断については適切に議論して進め方を決めていると理解している。従って、誰か特定の個人に責を課すというものではない」と。
> スペースジェット事業の失敗の本質は、図らずも泉沢社長も言及した、誰も責を負わない緩いマネジメントにこそあると言えるのではないか。
> (日経クロステック 近岡裕)
> [日経クロステック2020年11月12日付の記事を再構成]
<参考=「誰も責を負わない 三菱スペースジェット失敗の本質」(日本經濟新聞会員記事、11月18日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/12/13 (Sun) 02:55
<副題=「撤退の文化はない」 三菱ジェット、決断妨げた社風 日の丸ジェットの挫折(1)(日本經濟新聞有料記事、11月22日)>
こんばんは。
一旦予算を付けたら引き返す道はないという「文化」。
> 「いったん立ち止まる」。10月30日の三菱重工業の中期経営計画説明会。社長の泉沢清次は入念に準備した言葉を使い、国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の事業化を凍結する方針を示した。官民肝煎りで12年にわたって進めてきた「日の丸ジェット」が一つの区切りを迎えた瞬間だった。
> 遡ること9カ月。三菱重工社内で一つの会議がひっそりと幕を閉じた。「事業推進委員会」。泉沢や会長の宮永俊一、開発子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)の首脳らが集まり、MSJの事業進捗を月1回程度協議していた。
> 最後の開催となった1月24日は、設計変更の遅れで6度目となるMSJの納入延期が共有された。事業推進委員会は役目を終え、一部の幹部の間でMSJ事業をこのまま進めるのではなく、どのように着地させるかの研究が始まった。
> 新型コロナウイルスの影響で休館中のMRJミュージアム(愛知県)で売られているフライトタグ。表にMRJ、裏には「ゲームチェンジャー」との刺しゅうがある。
> 2008年に経済産業省が音頭をとり開発が始まったMRJ(現MSJ)は三菱重工が新参者として業界に風穴を開け、航空機メーカーに変身する狙いがあった。しかし開発は難航、初号機の納入を目指した13年から納入延期を繰り返した。
> 「開発をやめるべきだ」。取締役会では社外取締役を中心に声が上がっていた。投じた資金は1兆円を超えるが、売り上げは立たない。赤字が続き、財務は毀損。12年で時価総額は半分になった。「MSJに会社が潰される」(幹部)との危機感も広がっていた。
> 決断を妨げたのが「撤退の文化はない」「重要なのは名誉だ」という三菱重工の社風だ。累計で2540億円の特別損失を出した大型客船は「受注凍結」、赤字が続いた射出成型機は成長力を高めて売却先を見つけることにこだわった。
> リスク管理を担う取締役の三島正彦らは、訴訟のリスクを洗い出した。撤退した場合に開発を決めた当時の社長、佃和夫ら5人以上が株主代表訴訟の対象となる可能性があった。500億円を補助していた経済産業省からは「これまでのノウハウをドブに捨てる気か」と詰め寄られていた。
> そんな状況を一変させたのが新型コロナだ。人の移動が急減、航空機需要も蒸発した。これまでMSJの開発費を賄ってきた火力発電やフォークリフトなどの収益も落ち、猶予はなくなった。
> 多くいる関係者への根回しが始まった。7月、三菱重工本社に航空機事業OBや関係者が集まった。泉沢は商業運航に必要な型式証明を取得する作業を続けると告げた。
> 10月中旬には泉沢らは経産省幹部と向き合っていた。「撤退だけはだめだ。航空機産業がなくなるとの印象を与えることは避けてほしい」。民間企業の三菱重工に財務を毀損してまで続けろとは言えないが、国費を投じている以上、経産省にも譲れない一線があった。
> 経産省の要望に対し、泉沢は「完成機事業をあきらめるとは言いません」と応じた。撤退ではなく、凍結とも休止とも言わない。立ち止まるという表現が固まった。
> 中計発表の30日に向け、急ピッチで作業が進んだ。今後3年間の開発費は200億円。過去3年間の20分の1まで減らすが、型式証明の取得は目指す。国家プロジェクトとして「形」だけは残す必要があった。
> 「立ち止まる」には型式証明さえとれれば、再び動き出せるとの思いもこもる。泉沢も「市場回復の時期を見極める」と含みを持たせる。ただ新型コロナで蒸発した航空機の需要が19年の水準に戻るのは24年までかかるというのが国際航空運送協会(IATA)の見通しだ。先は見通せない。
> MSJ凍結を発表した30日、防衛省は次期戦闘機の開発主体として三菱重工と契約した。戦闘機への信頼は高い。その技術を生かすはずだった国家プロジェクトの挫折。同日の記者会見で経産相の梶山弘志は「会社の方針として決めたことなので、その中でどうお手伝いできるか一緒に模索していく」と述べるにとどめた。(敬称略)
> ◇
> 航空機産業の振興を目指した一大プロジェクトはなぜ頓挫したのか。その舞台裏を追った。
<参考=「「撤退の文化はない」 三菱ジェット、決断妨げた社風 日の丸ジェットの挫折(1)」(日本經濟新聞有料記事、11月22日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2020/12/13 (Sun) 03:06
<副題=「外国人への不満ばかり」 三菱ジェット、開発現場に溝 日の丸ジェットの挫折(2)(日本經濟新聞有料記事、11月23日)>
こんばんは。
全体設計の実力はないくせに、矜持ばかり高い社員。
> 名古屋空港(愛知県豊山町)の近く。国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の組み立て工場はかつてのにぎわいとは打って変わり、ひっそりとしていた。
> 「MSJの開発体制を大きく見直す」。半年前の5月29日、東京・丸の内の三菱重工業本社。社長の泉沢清次は労働組合幹部にこう告げた。国内外で約2千人いた子会社、三菱航空機(豊山町)の従業員をほぼ半減するという荒療治だ。
> それでも通達を聞いた技術者たちはさばさばとしていた。そもそも現場に一体感は乏しかったのだ。
> 「三菱重工の人と雑談すると外国人技術者の不満ばかりだった」。名古屋市の協力会社の幹部は振り返る。この溝が開発がさらに遅れる一因となった。
> 海外技術者の大量採用が始まったのは納入延期が続いていた2016年。当時社長の宮永俊一が挽回に向け決断した。これで三菱航空機内の風景は一変した。打ち合わせ資料や社内を飛び交う公用語は英語となり、主導権は海外技術者が握った。
> それまで開発の主力は、名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)の出身者たち。同製作所は多くの経営幹部を輩出し、名門意識が強い。新体制への不満に言葉の壁も加わり、現場のコミュニケーションが滞った。
> 18年4月以降、混乱に拍車がかかる。カナダの航空機会社から招いたアレックス・ベラミーを宮永が最高開発責任者に引き上げると、やがて2人は進捗状況などをチャットツールでやりとりするように。一方、19年4月に社長に就いた泉沢は別系統で開発部隊を指揮し、上層部で情報が共有されなくなった。
> 泉沢が独自調査をもとに納期再延期の可能性を示すと、ベラミーが「そんなにかかるはずはない」と猛反発したこともある。エンジニアと経営陣。それぞれに断絶があっては開発が前に進むはずもなかった。
> 10年ごろに関係の深い米ボーイングが、自社製コックピットをMSJに組み込むことを三菱航空機に打診したこともある。共通化すれば開発は速くなり、操縦士や整備士の訓練費も減らせる。この提案も三菱重工のプライドが邪魔をして断った。
> 「開発現場の人間は無理だと思っていた」。かつて三菱重工の民間航空機部門に在籍した男性は振り返る。自らの手に負えないのに、外部の力もいかせない。因習を変えられないうちに傷口が広がった。(敬称略)
<参考=「「外国人への不満ばかり」 三菱ジェット、開発現場に溝 日の丸ジェットの挫折(2)」(日本經濟新聞有料記事、11月23日)>
【磯津千由紀(寫眞機廢人)@ProOne 600 G1 AiO(Win10Pro64)】 2022/07/14 (Thu) 18:24
<副題=「クビにしてください」 三菱の国産ジェット事業凍結 開発者が明かす苦悩(東京新聞、4月27日)>
こんばんは。
新型コロナ禍で航空需要が減ったため、スペースジェットは実質的に開発中止になりましたが、此のスレッドを中途半端なまま放置するのも何ですので、此処で締めます。
> 【連載】MJの本質 未完の国産旅客機
> 三菱重工業が日本初の国産ジェット旅客機開発を凍結して、1年半が過ぎた。開発に携わった人々の視点から、当時の現場で何が起きていたのかを探る。(中日新聞経済部)
> 作業着はごみ箱に捨てた
> ロッカーに残っていた作業着を手に取ると、そのままごみ箱に放り投げた。空のように真っ青な作業着。左胸に三菱重工業(東京)のシンボルマーク「スリーダイヤ」が赤い糸で縫い取られていた。持ち帰らなかったのは、会社人生にきっぱりと別れを告げたかったからかもしれない。
> オフィスの窓からは、名古屋空港(愛知県豊山町)から飛び立つ飛行機の様子を見ることができる。陽光を反射した機体が空で輝く。「きれいだなあ」
> 幼いころから飛行機が好きでたまらなかった男にとって、国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット、現スペースジェット)」の開発を主導するのは、夢のような仕事だった。
> 開発の始動から11年後の2019年3月、男はその夢舞台から降りた。仲間の拍手に見送られながら、自分の車に乗り込んだ。
> 飛行機開発の最高責任者で、1000人以上のチームを束ねるチーフエンジニア。三菱重工業(東京)の威信をかけたMRJプロジェクトの現場トップとして、6年間にわたりその職を務めた岸信夫(63)は、定年退職を迎えた。
> 「明日から、もう会社に来ないんだ」とは思ったが、寂しさは感じなかった。何も感じないように自らの感情を封印していたのかもしれない。「必死にやった。それなのに…」。今もまだ、心の整理はついていない。
> 5度目の納入延期と「刷新」
> 退職する1年前の2018年1月。開発子会社「三菱航空機」(愛知県豊山町)の副社長も兼務していた岸は、当時の社長、水谷久和と同社の会議室で向き合っていた。
> 水谷は静かな語り口でこう切り出した。
> 「チーフエンジニアを退き、副社長に専念して」
> 三菱重工に1982年に入社し、戦闘機開発に長年携わってきた岸は「戦闘機のエース」として、常に開発の最前線にいた。普段は感情をあまり見せないが、この時は声を荒らげた。
> 「そんな格好で残るなら意味がない。副社長を含めてクビにしてください」
> 当時、MRJは設計が最新の安全基準を満たせないとして、量産初号機の納入を2年延長していた。納入延期は5度目だ。
> その頃、水谷は本紙などのインタビューに「今の見通しでいけばぎりぎりいける」と公言し、20年半ばと設定した新しい目標の達成に自信を見せていた。ただ、それは、新体制への刷新とセットだった。
> 開発の遅れを取り戻すため、陣頭指揮を執っていた岸を外すことで、変革を印象付けたかったのだろう。
> なだめられて副社長職にとどまったが、開発責任者にはボンバルディア(カナダ)などの海外メーカーで航空機開発の経験が豊かなアレクサンダー・ベラミーが新たに任命された。
> 岸は振り返る。「期待に応えることができなかった。新風を吹かせられなかった」
> 国の期待「MRJの堀越二郎」
> チーフエンジニアの重圧は想像以上だった。世界の航空史に残る零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を世に送り出した三菱重工の大先輩になぞらえて、岸を「MRJの堀越二郎」と紹介するメディアもあった。
> 性能効率を極限まで引き出し、1グラム単位で重量軽減にこだわるなど技術を追求した堀越は、憧れの存在だった。「先輩に恥ずかしくないようにしなくては」と、いつも意識していた。
> 「メード・イン・ジャパン」を掲げ、日本の航空機産業の発展を託されたMRJ。戦闘機と旅客機の違いはあるが、国の期待を一身に背負うという部分でゼロ戦と根っこは同じだった。
> プレッシャーへの不安を打ち消そうと、とにかく仕事に打ち込んだ。平日も休日も問わず、現場にいた。「家族と食事をする時間なんてありませんでした」
> 動いていないと重圧がのしかかってくる気がして、ジム通いも始めた。でも、いつも気付くと空を見つめながら、MRJのことばかりを考えていた。
> チーフエンジニアに就任してから4度の納入延期をした。岸も、周囲のエンジニアらも決して諦めず、手を抜いてこなかったはず…。MRJから離れて3年がたった今も、岸の頭の中で堂々巡りは続いている。
> 「どうしてできなかったのだろう」(敬称略)
> 航空機の名称は「MRJ」から「SJ(スペースジェット)」へと変わった。だが、開発当初から変わっていないのが、航空機の「戸籍」として機体ごとに付与される登録記号に含まれたアルファベット「MJ」の2文字。「三菱ジェット」の頭文字であり、プロジェクトの象徴だ。その本質に迫る。
> この記事は中日新聞経済部が運営する会員向けサイト「中日BIZナビ」で公開している連載の第1回です。次回以降の記事(全7回)を読むには、有料の会員登録が必要です。
> 【連載】未完の国産旅客機 MJの本質
≫ 第1回 幕切れ
≫ 第2回 烏合の衆
≫ 第3回 一筋の光
≫ 第4回 高い壁
≫ 第5回 不協和音
≫ 第6回 旧態依然
≫ 第7回 新たな夢
> 中日BIZナビでは就活生や30代以下の新社会人が無料でお試し利用できるキャンペーンを実施中です。
<参考=「「クビにしてください」 三菱の国産ジェット事業凍結 開発者が明かす苦悩」(東京新聞、4月27日)>
NO.1903 令和元年9月8日(日)~9日(月)台風15号<起稿 磯津千由紀>(19/09/08)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 01:17
台風15号は、当初予想よりも東に其れて静岡県への直撃は避けられそうですが、8日(日)夜から9日(月)朝にかけて最接近の見込です。
画像は、8日(日)0時時点の台風15号の経路。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 14:52
こんにちは。
画像は、8日(日)14時の時点の台風15号の経路。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 18:56
こんばんは。
画像は、8日(日)18時の時点の台風15号の経路。
尚、掛川市には暴風警報と波浪警報が発令されています。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 19:27
<副題=台風15号、関東か静岡に上陸へ 気象庁「記録的暴風に厳重警戒を」(毎日新聞、9月8日)>
こんばんは。
当地では去年の台風21号の様な被害(大停電も起きた)はない見込ですが、関東では大荒れになりそうです。
> 強い台風15号は8日夜遅くから9日昼前にかけて、暴風域を伴って関東甲信地方か静岡県に上陸し、通過する見込みだ。気象庁は8日午前、臨時記者会見を開き「首都圏を含めて記録的な暴風になる恐れがある」として、不要不急の外出をしないよう呼びかけている。
> 気象庁によると、台風15号は8日午後4時現在、伊豆大島の南を時速30キロで北北西に進んだ。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心から半径90キロ以内では風速25メートル以上の暴風域となっている。
> 台風は強い勢力を維持したまま伊豆諸島近海を北上し、上陸する見込み。関東・伊豆諸島・東海地方で最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートルと「記録的な暴風」となる恐れがある。
> 同庁の中村直治予報官は「台風が接近すると急に雨が強まる。現在は晴れていても、台風の接近とともに一気に世界が変わってくる」と指摘。「明るいうちにベランダの飛びそうな物をしまっておくなど暴風に対する備えをしてほしい」と呼びかけた。
> また台風接近の影響で大気の状態が非常に不安定となり、関東甲信と静岡県では8日夕方から9日明け方にかけて雷を伴い猛烈な雨が降る恐れがある。9日午後6時までの24時間予想雨量は、東海400ミリ▽関東甲信300ミリ▽伊豆諸島200ミリ▽東北150ミリ――となっている。
> 中村予報官は「短時間で大雨が降ると、都会の場合はアスファルトに覆われて雨が地中にしみこむことは少ない。低いところに雨水が集まるので浸水害が発生する恐れがある。暴風になる前に避難してほしい」と話した。【安藤いく子】
<参考=「台風15号、関東か静岡に上陸へ 気象庁「記録的暴風に厳重警戒を」」(毎日新聞、9月8日)>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 21:52
こんばんは。
画像は、8日(日)21時の時点の台風15号の経路。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/08 (Sun) 23:52
こんばんは。
画像は、9日(月)0時~3時の時点の台風15号の暴風圏に入る確率。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/09 (Mon) 00:49
こんばんは。
画像は、9日(月)0時の時点の台風15号の経路。
当地に最接近と思われますが、当地は比較的平穏です。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/09 (Mon) 01:07
<副題=台風15号955hPa 非常に強い台風に発達(日本気象協会、9月8日23:17)>
こんばんは。
関東は大変です。
> 台風15号は21時現在、「非常に強い」台風にまで発達。中心の気圧は955hPa。伊豆諸島付近を北上中。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/09 (Mon) 01:15
<副題=非常に強い台風15号 記録的な暴風のおそれ 外出控え厳重警戒を(NHK、9月9日)>
こんばんは。
昨年の台風21号を超える勢力ですが、昨年の教訓があるので被害は少ないと信じたいです。
> 非常に強い台風15号は静岡県や伊豆諸島それに関東南部を暴風域に巻き込みながら北上していて猛烈な風が吹いているほか、局地的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降っています。台風はこれから明け方にかけて関東に上陸する見込みで、各地で急激に風や雨が強まって記録的な暴風や猛烈な雨となるおそれがあり厳重な警戒が必要です。暴風が吹き荒れる中での外出は控えてください。
> 気象庁によりますと、非常に強い台風15号は9日午前1時には、伊豆大島付近を1時間に20キロの速さで北北東へ進んでいるとみられます。
> 中心の気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルで、中心の南東側90キロ以内と北西側70キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。
> この時間、静岡県や伊豆諸島、それに関東南部が暴風域に入っています。伊豆諸島では猛烈な風が吹いていて、最大瞬間風速は神津島では8日午後9時すぎに58.1メートルに達したほか、静岡県東伊豆町稲取で午後11時半ごろに48.3メートルを観測し、いずれも観測史上1位の記録を更新しました。
> 静岡県や関東南部には台風本体の発達した雨雲がかかり、午前0時半までの1時間に静岡県の天城山で108.5ミリの猛烈な雨を観測しました。また静岡県伊豆市付近ではレーダーによる解析で午前0時20分までの1時間におよそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表しました。
> これまでの雨で静岡県と神奈川県、それに伊豆諸島では土砂災害の危険性が非常に高くなり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。
> 台風は、これから明け方にかけて関東に上陸する見込みで、去年、近畿で大きな被害を出した台風21号に匹敵する勢力で関東を通過するおそれがあり、各地で急激に風や雨が強まって記録的な暴風となるおそれがあります。
> 各地で猛烈な風が吹き、9日予想される最大風速は、関東と静岡県、伊豆諸島で45メートル、東北で30メートル、最大瞬間風速は関東と静岡県、伊豆諸島で60メートル、東北で45メートルと予想されていて、波の高さは伊豆諸島で11メートルなど各地で猛烈なしけや大しけが続く見込みです。
> 関東甲信と静岡県では、9日明け方にかけて1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降るおそれがあり、東北でも、明け方から昼前にかけて非常に激しい雨が降るおそれがあります。
> 9日夜遅くまでの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、関東甲信で250ミリ、静岡県で200ミリ、東北で150ミリと伊豆諸島で80ミリ、予想されています。
> 暴風のほか、大雨による低い土地の浸水、川の氾濫、土砂災害、高波に厳重に警戒し、暴風が吹き荒れる中での外出は控えてください。
> 「非常に強い」 去年の台風21号並み
> 台風15号は8日夜、中心付近の最大風速が45メートルに達して「非常に強い」勢力に発達しました。
> これは去年9月、四国や近畿に上陸し、通過した台風21号と同じ勢力です。
> 去年の台風21号では、大阪の関西空港で観測史上最も強い58.1メートルの最大瞬間風速を観測し、滋賀県では会社の倉庫が倒壊して男性が死亡したほか、大阪などでは、飛んできたものに当たったり、ベランダから転落したりして、合わせて14人が亡くなりました。
> 今回の台風15号も非常に強い勢力で関東や静岡県に接近していることから暴風に厳重な警戒が必要です。
<参考=「非常に強い台風15号 記録的な暴風のおそれ 外出控え厳重警戒を」(NHK、9月9日)>
<消滅・19/10/14>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/09 (Mon) 03:52
こんばんは。
台風15号は、9日(月)3時前に、三浦半島を通過しました。
当地では脅威は去ったと思われますが、関東(東京、千葉、茨木、等)は此れからです。去年の台風21号に匹敵する勢力のようです。
画像は、9日(月)3時の時点の台風15号の経路。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/09 (Mon) 08:29
おはようございます。
台風15号は9日(月)5時過ぎに千葉付近に上陸しました。
当地への脅威は去りました。
画像は、9日(月)7時の時点の、台風15号の経路。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/16 (Mon) 22:58
こんばんは。
千葉県、台風15号から一週間が経った今日9月16日(月、祝)の時点でも、7万余戸が停電と聞きます。
因みに、台風直後は約90万戸が停電。
電気に頼り切って危機管理意識の薄い市民は、困っているようです。
尚、ブルーシートを掛ける程度では済まないほどに屋根が損傷したお宅も多く、今日は大雨で、お見舞い申し上げます。
固定電話回線の不通は復旧作業が始まったばかり、携帯電話回線は想定を超える長時間の停電で基地局のバッテリーが上がって仕舞って不通の地域が多かったですが今は「繋がりにくい」程度まで復旧してるようです。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/19 (Thu) 00:16
<参考>
<雑談NO.1907 千葉から台風15号の実況報告(知人より、令和元年9月18日)>
NO.1904 令和2年(西暦2020年)には10月と12月に祝日がない<起稿 磯津千由紀>(19/09/10)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/10 (Tue) 19:19
こんばんは。
令和2年のスケジュール帳を買った。
12月に祝日がないのは、「天皇誕生日」がなくなるからで、以前から承知していた。
10月の「体育の日」がなくなるのには驚いた。
7月24日に「スポーツの日」がある。
東京オリンピックの絡みであろう。
少なくとも私は、マスコミ等で見聞きしたことがない。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/11 (Wed) 21:49
こんばんは。
私が知らなかっただけで、去年6月13日に法律が出来ていました。
東京オリンピックの開会式前後と閉会式前後を連休とするため、海の日・体育の日・山の日を移動するという。
7月23日(木)海の日
7月24日(金)スポーツの日 東京オリンピック開会式
7月25日(土)
7月26日(日)
8月8日(土)
8月9日(日) 東京オリンピック閉会式
8月10日(月)山の日
NO.1905 超望遠1440mm相当の光学60倍ズームCOOLPIX B600が税込送料込29980円(カメラのキタムラ)<起稿 磯津千由紀>(19/09/14)
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/14 (Sat) 00:14
こんばんは。
125倍ズームがある時代ですが、60倍ズーム(ライカ判換算24~1440mm)でEVFなしなら、3万円を切っています。
<参考=「ニコン COOLPIX B600《宅配限定》気軽に持ち歩ける本格・超望遠1440mm相当の光学60倍ズーム」(カメラのキタムラ・ネットショップ)>
<消滅・19/09/17>
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/14 (Sat) 00:26
追伸です。
ライカ判換算24~2000mmの83倍ズームのCOOLPIX P900を使ってます。(高かったですし、重くて嵩張ります)
2000mm相当で手持ち(三脚なし)で月を何回か撮りました。
しかし、全日本写真連盟掛川支部のベテランに貸したら、1000mm相当を越したら画面内に被写体を納めるのは困難ということでした。
従って、1440mm相当の60倍ズームは、一般の方には充分すぎると思います。
【磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)】 2019/09/14 (Sat) 00:30
<補足>
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