雑談<NO.393>

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表題一覧表

NO 表題 起稿 起稿日
雑談NO.394
3349 <禁煙難民<?>>禁煙補助薬<処方薬>「チャンピックス」供給めど立たず シバケン 24/01/06
3348 <禁煙外来>制度、費用について シバケン 24/01/06
3347 <禁煙>継続を難しくしているさまざまな要因 シバケン 24/01/06
3346 <ゴースト血管>老いを早め、寿命を縮める/その「対策」は<?> シバケン 24/01/04
3345 「タバコが健康に悪いなんて、誰でも知っている」養老孟司がそれでも禁煙しないワケ シバケン 24/01/04
雑談NO.392

NO.3345 「タバコが健康に悪いなんて、誰でも知っている」養老孟司がそれでも禁煙しないワケ<起稿 シバケン>(24/01/04)


【シバケン】 2024/01/04 (Thu) 18:39

理由、超の簡単、この方、年齢86歳。
且つは、ヘビー・スモーカーではないです。

つまり、当記事、筆者自身の事を、述べてるです。
の上で、筆者の健康に対するの考え方が、おもしろいと。

<関連>

<参考=NO.3344 <禁煙の法=喫煙中断>秘法伝授<!>
(24/01/04)

>2020年6月に無痛性の心筋梗塞が見つかり、2週間の入院生活を送った養老氏。教え子であり心筋梗塞を見つけた中川恵一医師とタッグを組み、病院や医療と絶妙な距離感を取りながら、老いや病気、死生観、地震や災害、健康法について縦横無尽に綴る。本稿は養老孟司、中川恵一『養老先生、再び病院へ行く』(エクスナレッジ)の一部を抜粋・編集したものです。


>寝耳に水だった 心筋梗塞での入院生活
>「がんになったらどうしますか?」と聞かれることがありますが、なったらなったでしょうがないと思っています。85歳ですから、今からがんが見つかったとしても、何も治療をする気はありません。

>調べればがんが見つかるのかしれません。でも今まで一度もがん検診を受けたことがないので、あるかないかもわかりません。

>2020年に東大病院に行ったのは、具合がとても悪かったからです。それまでに体重が15kgぐらい減っていたので、こんなにやせたのなら、がんがどこかにあるかもしれないと思っていました。しかしCTなどの検査の結果、がんは見つかりませんでした。

>逆に、がんではなくて心筋梗塞だったのは寝耳に水でした。医学生の頃、心筋梗塞を起こす人は、割合はっきりとした性格的な特徴があると教わりましたが、それによると、僕は心筋梗塞のリスクが高い性格ではありません。だから自分は心筋梗塞にならないと勝手に決めてつけていました。


>僕は小学校1年生のときにも東大病院に入院しています。

>東大病院の小児科に入院していたのは、おそらく昭和20(1945)年ではないかと思います。山の手大空襲(1945年5月25日)があって、病室のガラスがビリビリ揺れたり、患者さんがみんな地下に避難したのを覚えています。

>なぜ東大病院に入院することになったのかというと、2歳のときの鼠径ヘルニアがきっかけです。鼠径ヘルニアは腸が本来の位置から下腹部にはみ出す症状です。はみ出した部位がゆるければいいのですが、狭くなっていると腸が戻らなくなります。するとはみ出た腸が血行不良を起こして壊死します。そこで、外来で緊急手術をしてもらいました。

>そのときの手術の傷を縫う糸に、ばい菌がついていたのでしょう。5~6年かけて大きく膿んでしまったので、また東大病院で手術することになりました。大きな階段教室の真ん中に手術台があって、まわりを医学生さんが見学している中での手術です。子どもですから、ギャーギャー叫んでいたみたいです。

>当時は、エーテル麻酔が主流でしたが、エーテルでは軽すぎたのか、執刀医が「クロロホルム」と叫んだのを覚えています。

>クロロホルムも麻酔薬です。後に医学部に入って勉強してわかったことですが、クロロホルム麻酔は1000人に1人くらいの確率で死ぬそうです。幸い死なずに、その手術も終わりました。

>それで終わったと思ったら、まだ終わりではありませんでした。細菌性のアレルギーを起こして、朝起きると目やにが出るようになったのです。眼科の先生に診てもらったら、このまま放っておくと、いずれまつげも全部なくなると言われ、母が心配していたのを覚えています。

>そのときに行われた治療が、今でいうところの脱感作療法で、アレルギーの原因菌の抗原を注射して、それを少しずつ増やしていくことで、過敏な反応を減らしていきます。その注射薬をつくっていたのが、当時の伝染病研究所(現在の東京大学医科学研究所)でした。

>注射薬は1日しかもたないので、看護師さんが毎日、伝染病研究所まで取りに行って注射してくれました。そんなこともありましたので、東大病院には昔も今もずいぶんお世話になっているんです。

>だから東大には足を向けて寝られないはずですが、できれば行きたくない場所でもあります。ありがたいというのと同時に、嫌だという気持ちが同居しているのです。

>僕もいちおう医者の修行をしましたが、お医者さんになる気はありませんでした。患者さんを診るのが苦手だったのです。

>その理由は患者さんが勝手に死んでしまうからです。一生懸命診ても、患者さんが亡くなることがあります。

>例えば交通事故でかつぎ込まれた患者さんがいて、多量の出血がありました。インターンだった僕も、あちこちの出血しているところを押さえる手伝いをしました。最初のうち、どこが問題なのかわからずに手術していたので6時間くらいかかりました。最後は問題がわかって手術は終わり、傷をきれいに縫合しました。

>ところが、その段階で患者さんは亡くなってしまいました。患者さんを助けるための6時間がまったくの無駄になってしまったわけです。


>年寄りががんの予防をする意味がわからない
>2022年4月12日の診察では、大腸ポリープを取るか取らないかについて尋ねられました。2年前に「取らない」と言っていたのに、また尋ねるんです。東大病院の先生方は取る気満々だと、中川さん(編集部注/東大病院の中川恵一教授)から聞きました。

>この大腸ポリープを放置していると、がん化するから取るべきだと言っているのですが、もちろん取る気はありません。

>大腸ポリープがあることになったのは、心筋梗塞で入院して半ば強制的に大腸まで調べられたからです。入院患者に拒否権はありません。俎板の鯉、「さあ、殺せ!」という心境になっていますから、やるより他に手がないのです。

>そもそも大腸ポリープなんて、内視鏡で調べなければ存在しません。調べた人が取ると言っているだけだから、僕はそんなの知りませんよと答えるだけです。

>胃にも胃がんのリスクを高めるピロリ菌というやつがいて、除菌治療を勧められましたが、これも「除菌しない」と言っています。

>大腸がんにしろ、胃がんにしろ、年寄りががんの予防する意味がわかりません。がんは年をとるほど増えるので、僕くらいの年齢ならがんが2つや3つあっても不思議ではありません。いったい、がんで死ななかったら、僕は何で死んだらいいのでしょう。心筋梗塞の治療をして、コロナのワクチンも打っています。死ぬ病気といったら、がんか肺炎くらいなのに、これでは簡単に死ねないですね。

>タバコは健康に悪いがメリットもたくさんある
>東大病院の先生たちからは、タバコについても聞かれました。入院していたときは、もちろん吸っていません。病院内で吸ったら強制退院させられると聞いていましたし、病院では言われたとおりにしていたので、キッパリと禁煙しました。

>退院してからも、しばらく禁煙していましたが、ときどき吸うようになって、今に至っています。

>2月8日の再診では、少し吸っているけど家では吸っていないとか、テキトーに答えていましたが、基本的に吸いたいときは一服しています。

>僕の肺のCT画像には肺気腫が認められています。肺気腫がひどくなると、酸素ボンベを引きずりながら生活しないといけなくなりますが、今のところ坂道を上るのも問題ありませんし、歩くと気持ちがよいくらいです。ですから肺はそんなに壊れていないと思っています。

>70代のときですが、ブータンに行ったときも平気でした。ブータンの空港は標高2500メートルぐらいで、空気が薄いのですが、息苦しくはありませんでした。

>健康のため禁煙したほうがよいと言われます。しかし、これは『愛煙家通信』に以前書いたことでもありますが、タバコが健康に悪いことなど、昔から誰でも知っています。僕が大学に入学した60年以上も前の話ですが、通学途中でばったり出会った同級生から「昨日タバコを吸って朝起きたら、口の中に嫌な味がまだ残っている。こんなもの健康にいいわけがない。俺はやめるから、お前もやめろ」と言われたことがあります。

>つまり、タバコは60年以上も前から「健康に悪い」「お前もやめろ」と言われ続けているのです。にもかかわらず、多くの人が吸い続けているのは、タバコに何らかのメリットがあるからでしょう。

>タバコは健康に悪いかもしれないけれど、メリットもたくさんあると思っています。例えば、人間は1日の3分の1は眠らないと生きていけませんが、眠っているときに脳に溜まった無秩序を清算してスッキリさせていると考えられています。タバコを一服するのは睡眠と同じで、無秩序を少しだけ清算しているのかもしれません。

>意識は秩序活動なので、意識活動にともなってエントロピーが増大し、その分、無秩序が生み出されます。だから、タバコをやめても別の方法で無秩序を清算しなければならないのです。つまり、今までタバコを吸って無秩序を清算していた人は、タバコをやめるだけではスッキリできないということです。

>ちなみに中川さんによると、タバコをやめて発がんリスクが吸わない人と同じになるまでに、20~25年かかるそうです。今からやめて20年としても、僕は105歳ですから、今から禁煙する意味はほとんどないでしょう。


>確実に来るであろう南海トラフ大地震
>僕は病院に行って、最後に会計をするときにいつも思います。いったい自分以外の人にどれだけ医療費の負担をかけているのかということを。

>里見清一(ペンネーム、本名は國頭英夫で日本赤十字社医療センター化学療法科部長)さんが、SATOMI臨床研究プロジェクトというのをやっていて、臨床研究を後押しする活動を行っています。医療にムダなお金をかけないよう合理化するための研究です。計算上、医療費がこのまま増え続けると、国民皆保険制度は続かないことが明らかになったわけです。

>こういう問題をどう解決するか、この国ではあまり考えていません。国家の大きなプランとして考えていかないといずれ立ちゆかなくなってしまうでしょう。

>エネルギー問題も同じです。持続可能性を考えたら、一番の問題がエネルギーであることは間違いありません。

>日本人は予定調和で、それにはよいところもあるのですが、次の大きな自然災害が来てから、医療費やエネルギーについて考えるのではもう間に合いません。

>2038年に来るといわれている南海トラフ大地震は、僕は確実に来ると思っています。地震学者で京都大学元総長の尾池和夫さんが『2038年南海トラフの巨大地震』という本を書いているから、かなり信憑性が高いと思っています。

>それまでにもう20年ありません。そのときに自力で復旧できる経済力が日本にあるのか疑問に思います。

>地震で広い国土がボコボコになって、それを復旧させるときに誰がお金を出すのか。もっと具体的に言うと、家が潰れたら誰がお金を出して家を建て直してくれるのか。それを国全体で考えると、インフラが壊れたら、まずそれを整備することから始めないといけないのです。

>それに復旧するまでは食料を輸入しなければならなくなるかもしれません。とにかく、とてつもないお金がかかります。国際金融資本家とか中国とかに国土を身売りするという話になるかもしれません。そのときは否が応でも来ると僕は思っています。


>情報化社会だからこそ読むべきは鴨長明『方丈記』
>最近、『方丈記』がよく読まれているそうです。今のような時代には作者の鴨長明の生き方が、しっくりくるような気がします。

>僕も多くの人に読んでもらいたいと思って、『漫画方丈記 日本最古の災害文学』の解説も書きました。

>僕が若い頃『方丈記』に興味をもったきっかけは、堀田善衛の『方丈記私記』でした。都の大火の描写が東京大空襲と重なるという趣旨でしたが、数百年前の話と自分の知る時代がピッタリくるものかと思って原典を読んでみると、文献の乏しい鎌倉時代なのに記述がとても具体的です。

>よく覚えているのが、飢饉の際、隆暁法印という偉いお坊さんが供養のために死体の額に「阿」の字を書いて数えていったら、都の東半分だけで4万2300あまりもあったと言うのです。

>僕は解剖をやっていたから、死体には慣れていますが、そこまで都が死屍累々なのを見たら、人生ってなんだろうと考えざるを得ないだろうなと感じました。

>『方丈記』の書き出しの「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」は、多くの人に知られていると思います。これに近い時代に書かれたと言われている『平家物語』の始まりは「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で、同じ感慨を記しています。どちらの文章もすべてのものは移り変わり、とどまることはないと述べています。

>一方で、現代は情報化社会といわれ、「変わらない」ものに満ちあふれています。情報とは「変わらない」もののことで、ネットに書かれた文章は、誰かが消さない限り、いつまでも変わらずに残っています。

>情報化社会は変わらないものをよしとして、それを優先します。そして情報は絶えず交換可能なので「新しくなった」と思うだけで、情報そのものはいつもとどまったまま変化することはありません。この世界には、鴨長明が入る余地はないのです。だからこそ、改めて読んでほしいと思います。

<本>
『養老先生、再び病院へ行く』(エクスナレッジ)
養老孟司、中川恵一 著
養老孟司:医学博士、解剖学者
中川恵一:東京大学大学院医学系研究科特任教授



<参考=「「タバコが健康に悪いなんて、誰でも知っている」養老孟司がそれでも禁煙しないワケ」(DIAMOND)>
(23/12/08)


june】 2024/01/05 (Fri) 00:13

私も長らく吸っていました。
人に「〇〇に悪いから」と言われたら、言い訳を考えてました。
人それぞれでしょうが、私の場合、金銭面の関係で辞めざるを得なくなりました。
当時の収入では急に高くなったので日々二箱吸うと小遣いが残りませんでした。
結局は、人それぞれの環境ではないでしょうか?


【シバケン】 2024/01/05 (Fri) 01:07

juneさん、

当方の場合のは、別途の板に、投稿予定してるですが。
juneさんの、金銭面も、当方的、大きかったです。

2箱までは、吸うてませんですが、1箱で、最早の枯渇。1箱と、少々で、オコズカイ全滅、保たずです。

どちにしろ、過年より、10月に成ると、値上げされまして。
モ、理由の大きな一つとして、2021年9月26日にやめたです。と、するのか、喫煙中断で、現在に至ってるです。


尚、
juneさんと、当方の2つについては、別途の、板にも、転記します。
<参考=NO.3344 <禁煙の法=喫煙中断>秘法伝授<!>
(24/01/04)


NO.3346 <ゴースト血管>老いを早め、寿命を縮める/その「対策」は<?><起稿 シバケン>(24/01/04)


【シバケン】 2024/01/04 (Thu) 22:14

>その「幽霊」は、死を呼び寄せる。気づかぬうちに、血の流れをせきとめ、体を内側からむしばむ。寒さが厳しくなると、幽霊の魔の手は力を増す。「幽霊退治」、いまのうちに始めておきませんか?

>前編記事『脳梗塞、心筋梗塞…「冬場の突然死」につながる「ゴースト血管」が恐ろしすぎた…!』より続く。


>毛細血管は鍛えられる
>ゴースト血管はまさしく「万病のもと」と言えるが、その原因は加齢によって血管が脆くなることや、糖質の過剰摂取によって血液中の糖が血管を傷つけること、あるいは、高血圧、脂質異常などが毛細血管にダメージを与えることだ。

>しかし希望がもてるのは、「毛細血管は、何歳からでも鍛えられる」ということである。
「年齢を重ねても血管は新たに生まれてきます。これは『血管新生』と呼ばれ、既存の血管から血管枝が分岐して、新しい血管を形成する現象です。この現象を生かすような働きかけをすることが重要です」(高倉氏)


>まず、自分の毛細血管がゴースト化しているのか否かを知ろう。簡単なチェック方法がある。

>左手の人差し指の爪を、右手の親指と人差し指で押さえる。このときピンクだった左手の人差し指の爪が白くなるはずだ。5秒ほど経ったら右手を離す。毛細血管が健康なら2~3秒で爪の色がピンクに戻る。戻らなければ、毛細血管のゴースト化が進んでいる可能性が高い(下の図参照)。

<図1>
ゴースト血管の「簡単チェック法」



>もしゴースト化が進んでいた場合、対策として有効だと専門家が口をそろえるのが「ふくらはぎを意識した運動」だ。


>毛細血管を鍛える最強の方法
>「ふくらはぎは『第2の心臓』と呼ばれるほど、血流に影響を及ぼします。心臓からやってきた血液を送り返すとき、ふくらはぎの筋肉が重要な役割を果たすからです。ふくらはぎを刺激して血流が増えると、そのことで毛細血管の『内皮細胞』どうしがくっつきやすくなり、毛細血管が強くなる。ゴースト化が抑制されるんです」(同前)

>ふくらはぎを鍛えるためになにより効果的なのが「かかと上げ下げ運動」である。立った状態で30回ほどかかとを上げ下げするのがスタンダードだが、大変な人は、イスに座った状態でかかとを床につけてつま先を目一杯上げる(3秒)☞つま先を床につけてかかとを目一杯上げる(3秒)という運動を30回ほどやるだけでも効果が大きい(下の図参照)。

<図2>
ゴースト血管に効く!かかと上げ下げ運動



>伊賀瀬氏によれば、MRIを使って確認すると、かかと上げ下げのトレーニング前後でまったく血流が違うことがわかるという。


>もう一つ、「自律神経」に働きかけることも大きな効果がある。

>「自律神経のうち交感神経が活発になると、毛細血管の手前の動脈の筋肉が緊張し、毛細血管の血流が悪くなります。リラックスして副交感神経を優位にし、血管の筋肉をほぐすのが重要。おすすめなのが『片鼻呼吸法』です。右の小鼻を手で押さえ、左の鼻から5秒かけて息を吸う。5秒息を止め、今度は左の鼻から5秒かけて息を吐く……というのを左右で繰り返します(下の図参照)。

<図3>
ゴースト血管を緩和する「片鼻呼吸法」



>左右それぞれ5回程度やると効果的です。鼻の奥の『副鼻腔』から一酸化窒素が血液のなかに入り、交感神経を緩めてくれる」(同前)


>食事で血管を強化できる
>食事面では、「じかに毛細血管を強くする」食材がある。高倉氏が言う。

>「血管内皮細胞に現れる『Tie2(タイツー)受容体』が活性化すると、血管内皮細胞どうしの接着が強くなり、毛細血管が鍛えられます。Tie2受容体を活性化するのが、シナモン、やはりスパイスの一種である『ヒハツ』、ルイボスティーなどです。

>4~5日に一度、シナモンなら小さじ半分程度を使ってシナモントーストなどをつくって、ヒハツも小さじ半分ほどをおそばにかけるなどして摂取すればいいでしょう。ルイボスティーも2~3日にカップ一杯くらいの頻度で飲めばいいですね」

>おそるべき冬の「発作」と「突然死」。避けるためには、いまこの瞬間から対策を始めたほうがいい。

>「週刊現代」2023年12月23日号より

<参考=「老いを早め、寿命を縮める「ゴースト血管」…その「対策」、じつはこんなにあります」(週刊現代・現代ビジネス)
(23/12/30)


NO.3347 <禁煙>継続を難しくしているさまざまな要因<起稿 シバケン>(24/01/06)


【シバケン】 2024/01/06 (Sat) 12:18

<関連>

<参考=NO.3344 <禁煙の法=喫煙中断>秘法伝授<!>
(24/01/04)


まあ、つまり、一度禁煙しても、再発すると。
わからんでないです。当方、2年と3箇月と、少々経ってても、まだまだの、吸いたいなあと、思うの、誘惑なら、始終あるです。

がしかし、吸わず。
とは、自身でも、結構なるの、意志強固と、高く評価。

その理由たる、一つでなく、沢山あるです。
イヤ、喫煙中断の理由が、です。

>病気や症状、生活環境がそれぞれ異なる患者の相談に対し、患者の心身や生活すべてを診る家庭医がどのように診察して、健康を改善させていくか。患者とのやり取りを通じてその日常を伝える。<本日の患者>
T.K.さん、40歳男性、イベント会社営業部次長。

>「今日、T.K.さんが先生の外来予約してますね」

>「そうなんだよ」

>「また挑戦してくれると良いですね、禁煙」

>「そうだといいね。また笑顔で接してね」

>「もちろんですよ!」

>今朝、クリニックの診療開始前のミーティングの後で、外来の主任看護師Cさんとこんな立ち話をした。

>T.K.さんは1年前に、私たちの家庭医クリニックを受診して、禁煙について相談し、ニコチンパッチを使用して禁煙に成功していた。しかし、3カ月前からまた喫煙する習慣に戻ってしまったという。そのことで今日は相談があると予約をとってくれたのだ。


>タバコの健康への悪影響
>喫煙が習慣になるのは、タバコに含まれるニコチンによって体内で放出されるドパミンが脳に快感を起こさせるからだ。そのため、知らず知らずに身体的にも心理的にもニコチンを欲してしまう。

>「とりあえず」「何はなくとも」、といった感じで、タバコを吸うという行動が(ある意味儀式的に)習慣として染み付いてしまう。ニコチン依存症と言われる所以である。

>ただ、その習慣となった喫煙によって引き起こされる健康への悪影響は深刻だ。喫煙に起因する死亡は、がん(34%)、心血管系疾患(32%)、または呼吸器疾患(21%)が主要なものである。

>喫煙に関連するがんは、肺、口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、子宮頸部、大腸、直腸、そして急性骨髄性白血病と広範囲におよぶ。肺がんの90%が喫煙に起因し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)での死亡の80%は喫煙に関連するという報告もある。


>最新のデータが整備されていない
>この機会に、家庭医として日頃不自由に感じていることについても語っておきたい。それは、日本では、健康に関連することに限っても、アップデートされた統計が整備されていないということである。

>例えば、患者と禁煙の方法について相談する際に参考にしようと、日本で喫煙と関連した死亡が毎年どのぐらいあるのかをインターネットで調べてみる。最新と思われるデータは厚生労働省の「リスク要因別の関連死亡者数」で、2007年時点での推計で年間12万9000人となっている(その推計が含まれた論文が発表されたのは11年と12年である)。

>ただ、これはもう15年も前のデータであるし、よく読むと、この死亡者数は非感染性疾患による成人死亡に限られている。例えば喫煙に関連した肺炎(感染症)で死亡した場合は、この死亡者数に含まれていないのではないかと思われる。

>もう一つ、2008年に発表された論文を見つけた。ここでは喫煙と関連した死亡として肺炎によるものも含まれていたが、こちらは05年時点のデータで推計しており、さらに古い。そして結果は、年間19万6000人である。

>元になるデータと推計方法が異なるので結果が異なるのは仕方がない、とわかってはいても、約13万人と20万人とでは大きな差だ。患者はそれを聞いて、(口には出さないかもしれないけれど)「そんなことも定まっていないのですか」という印象を持つに違いない。

>経済協力開発機構(OECD)は、加盟国(現在38カ国)の国民の健康と保健医療制度の実績を示す重要な指標を収載して比較できる出版物『Health at a Glance』を隔年で出版している。最新版は21年刊行だ。

>この中に、喫煙にも関連する気管支喘息とCOPDの入院数を示すデータが掲載されているが、ほとんどの国が19年までのデータを提出しているのに(20年のデータを出している国もある)、日本のデータは何と09年までで、それ以後は掲載されていない(p.161)。このような状況では国際比較も成り立たず、最新のデータに基づいてケアの方法を考えようとしても困難である。


>結構ある喫煙習慣の「再発」
>「T.K.さん、こんにちは。1年ぶりですね。お元気でしたか」

>「先生、こんにちは。お久しぶりです。何とか元気は元気だったんですが……タバコまた吸い始めちゃって……それでどうしようかと思って来てみたんです」

>「そうですか、またタバコを吸う習慣に戻っちゃったんですね」

>「はい」

>「なるほど。それで、今はどんな気持ちですか。またタバコをやめてみようと思うのですか」

>「はい。ちょっとバツが悪いんですけれど、何とかできないないかと……」

>「素晴らしい! T.K.さん、よくまた受診してくれましたね! まだいろいろとやれることがありますよ。長期間の禁煙に成功して人たちも、実は数回どころか、5、6回もまた吸い始めてしまって、再挑戦を続けた人が多いんですよ」

>「え、そうなんですか! 自分の意志が弱いからだと思ったけれど、みんな結構苦労しているんですね」

>「はい、七転び八起きです。では、今日はまず、また吸い始めてしまった経緯というか状況と、ご家族の反応なんかもお聴きして、今後の作戦をご一緒に考えていきましょう」


>禁煙へのアプローチ
>禁煙に導く治療には色々な方法がある。薬を用いる治療法の一つに、喫煙以外の手段で体内にニコチンが入るようにしてその投与量を徐々に減らしていくことでニコチンの離脱症状(イライラ、抑うつ、集中力低下、食欲亢進、喫煙欲求など)を抑える「ニコチン置換療法」がある。ニコチンの投与ルートの違いから、ニコチンガムと皮膚に貼り付けるニコチンパッチが利用できる(海外では鼻腔へのスプレー、口からの吸入、甘味がついた錠剤なども利用可能)。

>薬によるもう一つの方法は、バレニクリン(チャンピックス®️)という内服薬で、これは脳にあるニコチン受容体(ニコチンが結合してドパミンを放出するソケット型のスイッチ)と強く結合してニコチンの結合を妨害してその作用を弱める。さらにバレニクリン自身がニコチン受容体を弱く刺激してドパミンを少量放出させるので、喫煙によって体内に入るニコチンの作用を減少させるとともに、喫煙によるニコチンの離脱症状を緩和する。

>禁煙への治療法については、2018年に発表された『禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版』(厚生労働省健康局健康課編)や、2021年発行の『禁煙治療のための標準手順書(第8版)』(日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会)も参考になる。しかし家庭医は、こうしたマニュアル的な事項以外に、患者の気持ちにも個別に配慮して、患者を取り巻くさまざまな要素(コンテクストと呼ぶ)の影響を含めて総合的に判断していく。

>「健康上の問題の多くは、それらについてのコンテクストの中で見ないかぎり完全に理解することはできない」と言われている。もちろん、さらに利用できる最新の臨床研究のエビデンスがないかも確認するようにしている。

>T.K.さんの場合もコンテクストの影響は大きかった。喫煙習慣「再発」のきっかけは、コロナ禍での在宅勤務の増加であり(職場は禁煙だが自宅だとついつい吸いやすい)、そして再度禁煙をしようと思ったきっかけは、最近奥さんの妊娠がわかったからだった。自分がタバコを吸うことによって奥さんが受動喫煙して赤ちゃんに影響することを避けたい、という心遣いがT.K.さんの行動を起こしたのだ。

>ちょうど今月の初めに、禁煙治療についての多数の新しい臨床研究のエビデンスを評価した米国の論文が発表されていたので、私はT.K.さんにその概要を伝え、それらを参考にしてニコチン置換療法、バレニクリン、そして行動科学的なアプローチの効果と副作用、費用の比較や組み合わせについて相談していった。


>やっかいな電子タバコ
>「先生、電子タバコはどうですか。煙も出ないし、ニコチンも入ってないんですよね」

>「電子タバコですね。実はこれがなかなか複雑なんです」

>日本では「電子タバコ」と「加熱式タバコ」があり混乱を招いている。「電子タバコ」とは、さまざまな味や香りのリキッド(ニコチンもタールも含まれていない)を電気で加熱して気化させた蒸気を吸うもので、リキッド式、カートリッジ式、使い捨て式がある。

>「加熱式タバコ」は、タバコ葉を含むリキッドを電気で加熱して気化させた蒸気を吸うもので、蒸気にニコチンは含まれる。ただ、燃焼はさせないので、タールなど健康に有害な化学物質が蒸気に含まれることは紙巻きタバコと比較して少なく、煙もでない。タバコ特有の嫌な臭いも少ない。

>米国では、この種のものは「e-cigarettes」と総称されていて、その中にニコチンが入っているものと、入っていないものがあり、それぞれ多くの種類がある。英国ではvaporise(気化する)に由来する動詞vapeを用いて、電子タバコを吸うことを「vaping」と呼ぶ(以下、まとめて「電子タバコ」と表記する)。電子タバコの健康への影響については、現時点でまだ質の高い臨床研究でのエビデンスは少ないが、最近の主な動向は次の通りである。


>電子タバコの最近の動向
>まず、電子タバコが禁煙率を上げるというコンセンサスが生まれてきた。

>ニコチンの入っているものは、ニコチン置換療法として利用しうるし、また、行動科学的なメカニズムも関係している可能性がある。ただ、紙巻きタバコを少しでも併用していると有害物質への曝露が続くことになり、まず完全に紙巻きタバコから電子タバコへ置き換えた上で、次の段階として電子タバコをやめていく必要がある。

>電子タバコへの対応には、国によっても差がある。米国では、ガイドライン作成で有名な米国予防医療専門委員会(USPSTF)が、電子タバコの有益性と害のバランスを評価するにはまだエビデンスの集積が不十分としており、米国の主要な専門学会も同様の判断をしている。

>英国では、政府が電子タバコの健康への影響について最新の臨床研究のエビデンスを一般に公開し、頻繁に更新を続けている(うらやましい!)。それを読むと、電子タバコが禁煙の方法として受け入れられつつあることが理解できる。

>いずれにしても(たとえニコチンを含まなくても)電子タバコで蒸気を吸うことが健康へどのような影響を及ぼすのかについては、最新の研究結果でもまだ2年間の使用を検討しただけで、もっと長期にわたる影響についてはわからない。そのことは患者に理解してもらわなければならない。ここでも「不確実性に耐える」必要がある(『コロナワクチン3回目は接種した方が良いのか?』参照)。


>再挑戦への明るい船出
>相談の結果、T.K.さんはバレニクリンを試してみることなり、私の診察の後で看護師Cさんから今後のスケジュールについて説明を受けていった。さまざまな生活習慣の改善について笑顔で患者を励ましながら話を進めていくCさんは、多くの患者から人気がある。健康に向かっての行動へ踏み出す時に、それを心から応援する笑顔はとても大事だ。


>その日の診療が終わった時にCさんが笑顔で尋ねてきた。

>「先生、タバコチョコにも禁煙率を上げる効果があるんですか」

>「え、どうしたの」

>「T.K.さんが、奥さんからバレンタインデーにタバコチョコをもらったんですって。タバコ吸いたくなったらこれを食べてってことで」

>「なるほど、微笑ましいね。T.K.さんが妊娠している奥さんのことを大事にしたからだよ。そのお返しだね。でもタバコチョコってまだ売っているんだ。確か僕の少年時代、昭和30年代ぐらいのものだよね。Cさんは知っているだろうけど」

>「私はまだそんな年じゃないから知りませんよ! 父から聞いたことはあるけど」

>屈託のないCさんの笑顔を見ていると、T.K.さんの禁煙再挑戦がうまくいきそうに思えてくる。

>葛西龍樹(WONCA〈世界家庭医機構〉マスター・ファカルティー、福島県立医科大学名誉教授〈地域・家庭医療学〉)

<参考=「禁煙を難しくしているさまざまな要因とは?」(Wedge)>
(22/02/23)


NO.3348 <禁煙外来>制度、費用について<起稿 シバケン>(24/01/06)


【シバケン】2024/01/06 (Sat) 17:34:54

<関連>

<参考=NO.3344 <禁煙の法=喫煙中断>秘法伝授<!>
(24/01/04)


禁煙外来で、保険適用で、治療の場合、条件がある。
当記事、半ばに記載されてるです。

「本気で禁煙を目指す場合は禁煙外来の受診を検討するといいでしょう。なお、厚生労働省の同資料によると、禁煙外来での治療にかかる費用は保険診療で12週間受診する場合、およそ13,000円~20,000円です。」

「たばこを1日に1箱吸う場合、たばこ代で毎月3万円~4万円程度かかることから、禁煙外来を受診すれば「そのあとの人生における毎月3万円の出費」をおさえられます。」

この、1日、1箱吸う場合、毎月3万円から、4万円は、計算ミス。
1箱500円として、月15000円也。


>毎年のようにたばこ増税による値上げが行われているため、経済的に苦しさを感じている喫煙者の方も多いのではないでしょうか。「たばこをやめたいけど、自分の意志ではなかなかやめられない」という方は、禁煙外来を受診するという手があります。

>禁煙外来は、条件を満たせば保険が適用となるため、3割の自己負担額で治療を受けることは可能です。

>こちらの記事では、具体的なたばこの値上げ額の推移や禁煙外来にかかる費用などを解説します。


>たばこ価格は年々上昇し、今後も上がる可能性が高い
>たばこの価格は、値上げによって年々、上昇しています。何10年にもわたってたばこを吸ってきた愛煙家であれば、たばこ価格の上昇を身にしみて感じているのではないでしょうか。

>JT日本たばこ産業株式会社が製造している「メビウス」を一例としてみると、1977年の価格は1箱150円でした。その後、徐々に値上がりし、2010年10月には410円となりました。2023年9月現在は1箱580円となっており、発売当初の約4倍となっています。

>今後もたばこの値上げや増税が行われる可能性が高いことを考えると、「そろそろたばこをやめようかな」と感じる方も多いでしょう。もし自分の意志だけで禁煙できない場合は、禁煙外来での治療を検討してみてください。


>たばこをやめたいなら禁煙外来の利用を検討しよう
>「たばこをやめたいと思ってもやめられない」という方は、禁煙外来の受診を検討しましょう。2006年4月より禁煙治療に健康保険が適用されるようになり、以下の患者基準を満たす場合は12週間に5回の禁煙治療に対して、健康保険が適用されます。


>【禁煙治療に保険が適用となる人】
●「ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト」で10中の5点以上ニコチン依存症と診断された方
●35歳以上の場合、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
<注=標準的、日に1箱20本なら、10年で、200>
<附記シバケン>

●ただちに禁煙することを希望されている方
●「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意された方


>禁煙治療は、貼り薬や飲み薬を用いて「たばこへの依存」を抑制します。自分の意志だけで禁煙する場合よりも確実、かつらくに禁煙できる方法として注目を集めています。

>実際に、協会けんぽ兵庫支部の資料でも「禁煙外来が禁煙に効果的であると確認できた」と報告されています。厚生労働省の「e-ヘルスネット」でも、禁煙治療を利用することで「禁煙の可能性が自力に比べて3~4倍アップ」することがわかっています。

>そのため、本気で禁煙を目指す場合は禁煙外来の受診を検討するといいでしょう。なお、厚生労働省の同資料によると、禁煙外来での治療にかかる費用は保険診療で12週間受診する場合、およそ13,000円~20,000円です。

>たばこを1日に1箱吸う場合、たばこ代で毎月3万円~4万円程度かかることから、禁煙外来を受診すれば「そのあとの人生における毎月3万円の出費」をおさえられます。

>禁煙外来での治療を途中でやめてしまうと再喫煙するリスクが高まるため、本気で禁煙を目指したいなら「最後まで治療を受ける」ことが大切です。


>まとめ
>たばこ代の負担は年々、上昇しているため、家計に与える影響も大きくなっています。

>もし経済的事情や家庭的な事情で「禁煙したい」と思ったら、自力ではなく禁煙外来の受診をおすすめします。禁煙外来を受診することで、自力で禁煙を目指す場合よりも禁煙に成功する確率が高まるため、禁煙を目指す人にとって心強いサポートを受けられるでしょう。

<参考=「たばこの値上げ・増税についていけない! 禁煙外来にかかるお金や制度を知ろう」(ファイナンシャルフィールド)>
(23/10/10)


NO.3349 <禁煙難民<?>>禁煙補助薬<処方薬>「チャンピックス」供給めど立たず<起稿 シバケン>(24/01/06)


【シバケン】 2024/01/06 (Sat) 19:18

<関連>

<参考=NO.3344 <禁煙の法=喫煙中断>秘法伝授<!>
(24/01/04)


ファイザー社製「チャンピックス」については、2021年半ばより、現在に至るも、ファイザー社からの出荷目処立たず。
原因は、発ガン性物質検出のためと、されてるです。

<図1>
チャンピックスが禁煙を補助するメカニズム



<写真2>
2年前まで販売されていたチャンピックスの当初2週間分のキット。禁煙する1週間前から錠剤を飲み始める(薗はじめ医師提供)



>令和3年半ばから、2年以上にわたって禁煙外来を休止している医療機関がある。広く国内の禁煙外来で使われてきたファイザー製の禁煙補助薬「チャンピックス」が令和3年6月から出荷停止となったからだ。日本タバコフリー学会は7月、厚生労働省に安定供給を求める要望書を提出。専門医は「禁煙ができない国民の健康と命が危険にさらされ続けている」と訴えている。


>出荷再開まで禁煙外来は休止
>大阪警察病院(大阪市)はチャンピックスの出荷停止に伴い、3年8月から禁煙外来を停止した。再開を要望する声は多いが、担当者は「チャンピックスでないと治療は難しく、出荷再開まで休止する」としている。

>3年前にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断され、肺年齢90代以上といわれたという大阪府寝屋川市の男性(68)は「チャンピックスが処方してもらえるなら禁煙外来を受診したいが、そうでなければ禁煙は無理そうだ」と嘆く。

>チャンピックスで禁煙に成功した親族の話を聞いて昨年7月、初めて別の病院で禁煙外来を訪れたが、医師から「その薬はしばらく使えない」と説明され、少量のニコチンを皮膚から吸収する貼り薬で禁断症状を和らげる「ニコチンパッチ」を処方された。

>パッチを8週間使って一時的に喫煙の本数は減ったものの、今も一日数本の喫煙を続ける。日常生活でも頻繁に息苦しさを感じ、友人とハイキングに行くことも困難。だが「意志が弱い」と自覚し、今は禁煙をあきらめているという。


>脳の受容体に働きかける薬
>喫煙でニコチンを摂取すると、脳の受容体と結合し、快楽を生じさせるドーパミンが放出される。チャンピックスを服用すると、この受容体と結合して少量のドーパミンを放出させるため、禁断症状が軽減。たばこを吸ってもニコチンが結合できる受容体がないため、たばこがおいしいと感じず、禁煙しやすくなるという仕組みだ。

>平成20年1月に国内で承認され、広く禁煙外来で処方。12週間保険が適用されるが、4週間程度で「禁煙できる」と確信する人が多かったとされる。だが令和3年6月、ファイザーは一日当たりの摂取許容量を超える発がん性物質が検出されたとして出荷を停止した。

>同社は「発がん性物質を低減するような製剤設計と製造方法の検討および開発を進めており、それらが完了したら薬事申請を進める」としている。厚労省の審査、承認を経て出荷を再開する方針だが、時期は未定だ。


>たばこに含まれる発がん性物質
>大阪府豊中市で禁煙外来を開く薗はじめ医師は、チャンピックスの出荷停止後は別のアプローチでの禁煙治療を続けている。ニコチンパッチや、心理的アプローチで行動を変える認知行動療法を併用。これらで禁煙に成功するケースも少なくない。

>だが、難治性のニコチン依存症患者は、チャンピックスがなければ禁煙が難しいという。「出荷停止の原因となった発がん性物質は、たばこに多く含まれている。薬が使えず禁煙できない喫煙者は、薬よりも多くのこの物質を摂取し続けている」と訴えた。

>薗医師によると、韓国や米国では同じ作用のあるジェネリック医薬品(後発薬)やニコチンパッチ以外の補助薬が承認され、禁煙治療に支障は生じていないとされる。

>なぜ日本では代替薬がないのか。厚生労働省は「チャンピックスの(後発薬の製造販売ができない)再審査期間はすでに満了しており、申請があれば審査する」としている。禁煙アプリを提供する「キュアアップ」社長で呼吸器内科医の佐竹晃太さんは「日本では米国と比較し、禁煙補助薬のビジネスとしてのマーケットがそこまで大きくないため、開発が進まない側面もある」と指摘した。(加納裕子、木ノ下めぐみ)

<参考=「「チャンピックス」供給めど立たず あふれる禁煙難民」(産経新聞)>
(23/11/24)